三津田信三のレビュー一覧
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安定のメタ恐怖小説。
オチのしっくりこないぼんやりとした恐怖でも、実話怪談とは何かが違う。
メタ小説ということで実話怪談よりもファンタジー寄りのホラーなんでしょうか。それがとても面白い。
とくに最初のお籠りの山の話が良かった。
山で口笛を吹いてはいけないとか、魔除けで有名な柊や南天が結界のように植えてあるとか、名を名乗ってはいけないとか、いつかどこかで聞いたことのあるような民間信仰をうまく取り入れることで、なにか邪悪なものがその場所にいるのではないかという不安を読み手に感じさせる内容になっている。
星4か迷ったけれど、残念ながら最後の話がよくわからなかったので僭越ながら星3にさせていただき -
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舞台となるのは、金が出る山魔が出る山女郎が出ると、何かと眉唾ものの曰く付きの居み山。その麓に住む二家を巻き込んで起こる一家消失と連続殺人の謎に、一人の小説家が挑む。
都市と隔絶した曰く付きの土地、常軌を逸した殺人、とめどなく積み重なる大量の謎、話が二転三転する解決編、とこれぞ三津田小説という要素が今作にも多分に放り込まれている。今作に特有だったのは、まず忌み山という秀逸な舞台設定。日本には古来より、山上他界観や山岳信仰などと言って山に超自然性を見てきた文化的性格がある。日本的ホラーを演出するのに山ほどお誂え向きの舞台はないだろう。そして童唄に見立てられた連続殺人。死体装飾による奇怪性の演出は例 -
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無明大学の特別講師を務める刀城言耶の「怪異民俗研究室」で言耶の蔵書や蒐集品の整理を任されている作家志望の天弓馬人のところへ、拝み屋の祖母を持つ女子大生・瞳星愛がやってくる。
瞳星愛は、怪異譚を語り天弓馬人がその推理をするという話である。
瞳星愛が小学生の頃に体験した「歩く亡者」を始め、「近寄る首無女」「腹を裂く狐鬼と縮む蟇家」「目貼りされる座敷婆」「佇む口食女」と怪異が続き、その謎に2人が挑む。
怖さもあるが、2人の会話に紛れる。
愛よりも馬人の怖いのが苦手でビビりなことがわかり、存外に2人の掛け合いが楽しめる一面もある。
怪異で終わらすのではなく、推理として解析できているので怖さの持続が -
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基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
山あいの怪談が気分だったのかもしれない。
ーーーーー以下ネタバレーーーーー
三津田信三『集まった四人』
これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに -
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ネタバレ⭐︎3 宮部みゆき あなたを連れてゆく
怖さは全くなく、ほっこりした
星なし 新名智 竜狩人に祝福を
児童書のサバイバルゲームブックみたい、、
なんだ?こんなのが読みたいんじゃない!と本を投げたくなって、途中でやめた
⭐︎2 芦花公園 月は洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ
えー、と、、カッパとレプね、、うん、好みじゃない
⭐︎4 内藤了 函
うんざりしてたところに、内藤了さんの名前は安心感半端ない
絶対怖いよ、面白いはず!とわくわく
この中でダントツ1番好き、これぞホラー
⭐︎2 三津田信三 湯の中の顔
序盤なにを聞かされているのか、、とうんざりしてとばして
ようやく話が始まり、 -
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地方の漁師町で古来より信仰される孤島の神社。十八年前そこで秘密の儀式が催行され、巫女含む男女6人が彼女の娘一人を残して不可解にも消失した。そして今、その娘によって秘儀が再び行われ、彼女もまた消失してしまった。
密室状態の拝殿からの消失、そこに残された異様な惨状を前に、読者は人智を超えた宗教的な力の作用を直感する。合理的な解釈の検討を試みる主人公を横目に、一人また一人と次々に一行が消失する様は、読者を恐怖に陥れると共に、現象の超自然性を強め、合理的解釈即ち事の真相への読者の注目度を格段に高める。不可解な言動や消失に伴う状況証拠、島を探索して得られた発見などから導き出された真相は、常人には到底想像