三津田信三のレビュー一覧

  • 怪談のテープ起こし

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    じとっとしたホラー短編集。
    モニュメンタリーのような部分もあって好きな感じ。
    暑い夏にはホラーだね。

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    2025年07月27日
  • 逢魔宿り

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    安定のメタ恐怖小説。
    オチのしっくりこないぼんやりとした恐怖でも、実話怪談とは何かが違う。
    メタ小説ということで実話怪談よりもファンタジー寄りのホラーなんでしょうか。それがとても面白い。

    とくに最初のお籠りの山の話が良かった。
    山で口笛を吹いてはいけないとか、魔除けで有名な柊や南天が結界のように植えてあるとか、名を名乗ってはいけないとか、いつかどこかで聞いたことのあるような民間信仰をうまく取り入れることで、なにか邪悪なものがその場所にいるのではないかという不安を読み手に感じさせる内容になっている。

    星4か迷ったけれど、残念ながら最後の話がよくわからなかったので僭越ながら星3にさせていただき

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    2025年07月16日
  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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    ホラー要素が入ったミステリー……、なんだよね。
    このホラー要素が解明されないまま、謎解きできる部分だけで謎を解いていく感じなので、個人的には「え。この謎は放置なの?! そ、そうかぁー……」って気持ちになってた。それでも十分に面白いんだけど、ホラー部分をミステリーで強引にねじ伏せて解決する話が好みなので、この本の“ホラー部分で解けない謎には手を出さない”スタイルは、ホラーとミステリーのいいとこ取りっぽい雰囲気。
    三津田さんの本を連続で読んでみたけど(前回は黒面の狐でした)、両方ともミステリー寄りの話だったから、そろそろホラーが読みたい。

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    2025年07月12日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    舞台となるのは、金が出る山魔が出る山女郎が出ると、何かと眉唾ものの曰く付きの居み山。その麓に住む二家を巻き込んで起こる一家消失と連続殺人の謎に、一人の小説家が挑む。
    都市と隔絶した曰く付きの土地、常軌を逸した殺人、とめどなく積み重なる大量の謎、話が二転三転する解決編、とこれぞ三津田小説という要素が今作にも多分に放り込まれている。今作に特有だったのは、まず忌み山という秀逸な舞台設定。日本には古来より、山上他界観や山岳信仰などと言って山に超自然性を見てきた文化的性格がある。日本的ホラーを演出するのに山ほどお誂え向きの舞台はないだろう。そして童唄に見立てられた連続殺人。死体装飾による奇怪性の演出は例

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    2025年07月06日
  • 歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理

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    ホラーミステリーです。まずホラー(というより怪談)要素を含む語りがあって、その後で怪奇現象と思われるところを論理的に解きほぐしていく。そんな連作短編集になってます。面白いのは、完全に論理が勝つわけではなく、解釈しきれない部分を余韻のように残すところですね。
    個人的に気になったのは、難読な固有名詞が多いこと。私の識字率が低いと言ってしまえばそこまでなんですが、固有名詞で何度も躓くので、どうしてもテンポよく読めない。単純で簡単な漢字だと雰囲気が出ないのも確かなので、難しいところですね。

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    2025年07月03日
  • 歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理

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    無明大学の特別講師を務める刀城言耶の「怪異民俗研究室」で言耶の蔵書や蒐集品の整理を任されている作家志望の天弓馬人のところへ、拝み屋の祖母を持つ女子大生・瞳星愛がやってくる。
    瞳星愛は、怪異譚を語り天弓馬人がその推理をするという話である。

    瞳星愛が小学生の頃に体験した「歩く亡者」を始め、「近寄る首無女」「腹を裂く狐鬼と縮む蟇家」「目貼りされる座敷婆」「佇む口食女」と怪異が続き、その謎に2人が挑む。

    怖さもあるが、2人の会話に紛れる。
    愛よりも馬人の怖いのが苦手でビビりなことがわかり、存外に2人の掛け合いが楽しめる一面もある。
    怪異で終わらすのではなく、推理として解析できているので怖さの持続が

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    2025年06月24日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
    アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
    今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
    山あいの怪談が気分だったのかもしれない。


    ーーーーー以下ネタバレーーーーー


    三津田信三『集まった四人』
    これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに

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    2025年06月14日
  • 四隅の魔 死相学探偵2

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    死相探偵シリーズ。大学の怪談サークル内で起こった謎の死。4隅の儀式で突然死した部員。過去に2人も無くなっている地下遊戯室なのに、そんな儀式するか?と、ありえなそうな設定から、次々と亡くなって行く部員。苦手な人とのコミュニケーション。
    聞き込みの為寮に泊まり込みの依頼に答える俊一郎。犯人は、あーやっぱりとなってしまった。

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    2025年06月06日
  • 五骨の刃 死相学探偵4

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    ホラー監督に集められたホラーイベントで起こった惨殺事件。ホラーに携わるものたちが集められた因縁の館での事件。死相探偵シリーズ。犯人はいったい誰か?口下手な俊一郎が話す被害者の4歳児との謎解きの会話、相棒の鯖虎猫の僕にゃん。
    4歳の少女が握る謎の鍵とは何か?

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    2025年06月06日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    最高級の恐怖はなかったけど、それぞれのもちあじのあるホラーで楽しめた。個人的には内藤さんのどんどん狂っていく感じのストーリーや小池さんのしっとりとした雰囲気が好みでした。

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    2025年06月01日
  • みみそぎ

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    この作品には様々な怪異が記録されたノートが作中作の様な形で書かれており、読み進めるごとに違和感が膨れ上がっていく。
    この膨れ上がる違和感を含め、中盤までは面白く読めたが…
    面白い趣向だとは思うが短編でも良いんじゃないかと感じてしまった。

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    2025年05月31日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    ⭐︎3 宮部みゆき あなたを連れてゆく
    怖さは全くなく、ほっこりした

    星なし 新名智  竜狩人に祝福を
    児童書のサバイバルゲームブックみたい、、
    なんだ?こんなのが読みたいんじゃない!と本を投げたくなって、途中でやめた

    ⭐︎2 芦花公園 月は洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ
    えー、と、、カッパとレプね、、うん、好みじゃない

    ⭐︎4 内藤了 函
    うんざりしてたところに、内藤了さんの名前は安心感半端ない
    絶対怖いよ、面白いはず!とわくわく
    この中でダントツ1番好き、これぞホラー

    ⭐︎2 三津田信三 湯の中の顔
    序盤なにを聞かされているのか、、とうんざりしてとばして
    ようやく話が始まり、

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    2025年05月21日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    ホラー。短編集。
    なぜか読みたくなったので、異形コレクション以外のホラー短編集にも挑戦。
    なかなか面白かった。
    著者の顔ぶれが豪華なので当然か。

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    2025年04月30日
  • 六人の笛吹き鬼

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    ホラー風味のミステリだからそれほど怖いものは出てこないが擬音の使い方がうまい。したっ、したっ、と人間が歩いてくるだけなのに怖い。

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    2025年04月27日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    最恐ではなかったかな…
    宮部みゆきのはさすがなのだが、恐くはないし、まぁ確かにそれは恐いかなというのは一つあったけれど。
    だから、タイトルに惹かれて、そういうつもりで読んでるとちょっと違うかな。
    一つ一つは、面白くなくはないけどな。

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    2025年04月27日
  • 六人の笛吹き鬼

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    ネタバレ

    「七人の鬼ごっこ」がすごく面白かったので続編のこちらも読んでみた。
    公園で「笛吹き鬼」というかくれんぼのような遊びをしていた小学生の女の子6人。
    おかしな笛の音がして、1人行方不明になってしまう。そのあとも行方不明になる子が出て…
    事件の当事者でホラー作家になった背教聖衣子が事件を調べていくうちまたおかしなことが起きはじめる。
    前作よりは失速した印象があるけど、相変わらず面白かった。ホラーだけではなくミステリーの要素が大きいので読みやすい。
    前作の主人公、速水さんが出てきたのでおっ!となった。

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    2025年04月26日
  • みみそぎ

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    それで、それで…と先を急ぐのだけれど、話が次々に変わるというか、広がっていくというか。
    結局肝心な部分がわからないまま進んでいく。
    未読だが、『牛の首』もこんな感じ?
    読み終える直前、急に周りの物音が気になって…

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    2025年04月20日
  • どこの家にも怖いものはいる

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    ネタバレ

    リアリティ抜群のモキュメンタリーホラー作品です。難しい表現が多く、多少の読みづらさはありますが、むしろこの書き方だからこそ読者を物語に引き込んでいるのだと感じました。私は一人暮らしをしているので、全ての話にでてきた「音」に心当たりがあり、もしかしたら自分も…と眠れない日が数日続きました。

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    2025年04月13日
  • みみそぎ

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    大好きな三津田さん。平気さ♪と思いながら夜中に家で読んでいたらやっぱり怖くなり、出かけるときに電車の中で読むことに。

    いくつもの字体が使われている理由を知ったときはなるほどと納得。しかし通常の字体より洩れなく小さく変わるから、いつもの三津田さんほどはポンポン先へ進めない。

    最後まで読めばアナタにも何かが起きるかも……的な煽りに恐れをなして飲酒したが最後、終盤はすっかり酔っぱらってワケがわからなくなりかけました。どんな恐怖も掻き消す酒の力がいちばん恐ろしいと思うのでした。

    よう見てよう聴けよ、私。(^O^;

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    2025年03月24日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    地方の漁師町で古来より信仰される孤島の神社。十八年前そこで秘密の儀式が催行され、巫女含む男女6人が彼女の娘一人を残して不可解にも消失した。そして今、その娘によって秘儀が再び行われ、彼女もまた消失してしまった。
    密室状態の拝殿からの消失、そこに残された異様な惨状を前に、読者は人智を超えた宗教的な力の作用を直感する。合理的な解釈の検討を試みる主人公を横目に、一人また一人と次々に一行が消失する様は、読者を恐怖に陥れると共に、現象の超自然性を強め、合理的解釈即ち事の真相への読者の注目度を格段に高める。不可解な言動や消失に伴う状況証拠、島を探索して得られた発見などから導き出された真相は、常人には到底想像

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    2025年03月24日