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-ドストエフスキーと「ロシア的精神」の要諦 「いつも私は人間を、ドストエフスキーの人間と、彼の精神に無縁な人間とに分けた」とベルジャーエフは序文で記している。この感覚は、ドストエフスキーの作品で提示される人類に普遍的な諸問題――たとえば、自由と幸福の二律背反、神なき世界で罪は存在するのか、善とは、悪とはなにか等々――を引き受けてしまった人間にとって馴染みのあるものではなかろうか。 本書は、青年期はマルクス主義者であったが、その後、キリスト者へと転向を果たし、共産主義を強く批判することになるベルジャーエフが、ドストエフスキー作品とがっぷり四つに組み、作品の登場人物たちが宣い、吐露する思想に伴走しながら、ドストエフスキーの「世界観」を明らかにするまごうことなき「古典」であり、日本におけるドストエフスキー理解にも大きな影響を与えた。同時にそれは、「ロシア的精神」に関する一個の思想書でもある。解説=堀江広行 [目次] 序文 一 ドストエフスキーの精神像 二 人間 三 自由 四 悪 五 愛 六 革命――社会主義 七 ロシア 八 大審問官――神人と人神 九 ドストエフスキーとわれわれ 解題 解説 ベルジャーエフとその『ドストエフスキーの世界観』堀江広行
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-社会政策学からマル経・近経、そしてゲーム理論へ 東京大学に経済学部が誕生したのは1919年であるが、東大が1877年に発足して以来、経済学は講座の一角を占めてきた。 本書では、東大の発足後、現在に至るまでの150年の間に、どんな経済学を研究や教育の対象にしてきたのか検証する。 なぜ東大なのか? 東大経済学部は日本の経済学界をリードする存在であり、研究や教育のスタイルは他の大学にも大きな影響を及ぼしてきたからだ。東大経済学部の歴史は、日本の経済学界の歴史そのものだと言える。 明治の大学創設後、社会政策学に始まり、森戸事件や平賀粛学で学部に激震が走り、戦後はマルクス経済学と近代経済学が二大潮流を形成したが、1980年代以降、近経への一極集中が進んだ。その後は国立大学法人化の波に洗われ、資金調達に注力する姿が浮かび上がる。 そこで浮き彫りになるのは、近現代の学術の変遷である。本書では、日本の経済学、ひいては学問が抱える課題を明らかにし、研究や教育の行方を占う。 『経済学の壁』(日本経済新聞年間ベスト経済書2位)で話題になった著者の渾身の書き下ろし! [目次] はじめに 序章 並び立つ理論と実学——フェノロサ、渋沢栄一が教壇に 文学部の履修科目だった経済学/せめぎ合う「国家の統制」と「学問の自由」/東大の源流、蕃書調所設立を主導した勝海舟/漢学者より洋学者を求めた明治政府/理財学が学科の名称に/古典派経済学を講じたフェノロサの真意/大蔵官僚が財政学を担当/実務経験を伝授した渋沢栄一/「官学」の色彩を強めた経済学/帝国大学が発足、理財学は政治学科の科目に/独立性が高い講座制発足/ドイツ歴史学派の影響が強まる/後進国・ドイツが打ち出した保護関税/新歴史学派が社会政策学会を創設/日本にも社会政策学会が誕生/自由放任にも社会主義にも反対/工場法制定を唱えた金井延/法科大学に経済学科が誕生/急ごしらえの商業学科/東京高商の昇格に反対した文部省/新渡戸稲造が植民政策を担当/ゼミナール拡充を求めたヴェンティヒ/経済学部独立への布石に/「エンゲル文庫」を購入/第3世代の教員が登場/盛り上がる大正デモクラシー運動/社会主義・マルクス主義を研究対象に/経済界から人材を求める声 第I章 新生・経済学部の苦闘——「森戸事件」で揺らぐ学問の自由 幻の「商科大学」独立案/大学令公布で急展開/7番目の学部となった経済学部/学部独立の功労者、高野岩三郎の辞職/新渡戸稲造は国連に転出/森戸論文が攻撃対象に/山県有朋、上杉慎吉からの圧力/「森戸を守れ」の声が広がる/関東大震災で建物や図書が焼失/官庁や民間から人材を登用/シュンペーターに白羽の矢/マルクス経済学研究が大きな柱に/禍根を残した「資本論テキスト事件」/限界理論から独自の配分理論へ/自由主義を基調とする社会政策を提唱/マルクス価値論を巡る論争が勃発/3グループが演じた派閥抗争/治安維持法の足音/初の適用対象となった京都学連事件/強まるマル経への逆風 第II章 「左傾教授」を相次ぎ追放——思想統制下の「日本資本主義論争」 コミンテルンに加盟した日本共産党/全国の高校・大学に社研が発足/普通選挙で存在感を示した共産党/1600人を逮捕・拘留した三・一五事件/東大新人会に解散命令/左傾教授の処分を求める/枢密院、貴族院で強硬論/大学の自治より国家の意思/河上肇の辞職に反対しなかった教授会/左翼運動を咎められた大森義太郎/大学の凋落を憂慮した森戸論文/山田盛太郎を追い詰めた共産党シンパ事件/急速に進む右傾化、相次ぐテロ事件/血盟団事件に関与した帝大生/思想弾圧に拍車をかけた蓑田胸喜/「帝大法学部は諸悪の根源」と主張/発禁となった瀧川幸辰の刑法解説書/文官分限令で休職処分に/議会で天皇機関説をやり玉に/辞職に追い込まれた美濃部達吉/労農派のライバル、講座派が誕生/逆風の中の日本資本主義論争/7年間人事が停滞した経済学部/近代経済学でも研究成果 第III章 内部抗争の果てに——平賀粛学」で人事刷新 右傾化の流れに乗った平泉澄/二・二六事件で敗北した皇道派/講座派学者を一斉に検挙/潰えた河合栄治郎の野望/「国体の本義」を全国の学校に配布/国家主義を唱える「革新派」が始動/学生の明治神宮参拝に同道/教授会で矢内原論文を問題視/経済学部は時局に寄与すべきか/大学のファッショ化を懸念した矢内原/反ファシズム統一戦線を提唱したコミンテルン/第2次人民戦線事件で大内、有沢、脇村が検挙/評議会は大内らの起訴前処分に反対/革新派が立ち上げた「戦時経済研究会」/荒木文相が大学人事に直接介入/大学自治の意義を説いた田中耕太郎/軍部批判を続けた河合栄治郎の孤軍奮闘/新総長となった「造船の神様」/河合、土方に辞職勧告/14人の教員が辞職願を提出/若手教員の残留を説得/法学部長の辞任に発展/「平賀粛学」をどう評価するか/山崎覚次郎が顧問に就任/再開した昇任人事/時局に積極対応する方針を訓示/マルクス関連書の処分を指示/土屋喬雄を休職処分に/大内らの復帰を拒んだ経済学部/学生を相次ぎ戦争に投入/戦時下で授業が困難に/山梨に疎開したアダム・スミス文庫/戦時体制下の経済学研究 第IV章 甦った学問の自由——復興に貢献したマルクス経済学者 大内、矢内原ら7人が復帰/日本経済の再建、有沢の提言/傾斜生産方式の原点に/南原総長主導で社研が発足/厳しい食糧・住宅事情/中央審査委員会は土屋喬雄を不適格に/「教育の憲法」教育基本法が施行/4長老が学部運営の中心に/助教授にも人事権を付与/マル経が復活、近経の新風も/新制大学に移行、教養学部創設で独自色/「社会科学部」創設構想が浮上/新制大学院に社会科学研究科を設置/生活苦が続く教職員と学生/授業料値上げに反対、全学連を結成/経済学部に学生自治会が発足/押し寄せるレッド・パージの荒波/全学連、全面講和運動を展開/注目集めた「曲学阿世事件」/学生の自重を求める大学当局/警察官を拘束した「ポポロ事件」/助手・特研生の待遇改善を要求/「矢内原3原則」を明記 第V章 崩れ落ちた大学の権威——東大紛争の教訓 1960年代に加速した教員の世代交代/文部省が学生と講座の増加を計画/戦後20年で教員数が倍増/経済学科主導の学部運営/「経営学科」への呼称変更で浮揚狙う/縦割り組織に回帰した新制大学院/赤門付近の新館に移転/「安保闘争」が東大でも活発に/政治に苦言を呈した総長声明/大学管理法問題が浮上/「東大パンフ」に学生自治会が反論/東大紛争の発端となった医学部インターン問題/学内に機動隊を導入、占拠学生を排除/安田講堂をバリケード封鎖、東大全共闘が発足/大河内総長の告示への反発広がる/入試中止に追い込まれる/秩父宮ラグビー場で全学集会/全国放送された安田講堂攻防戦/収束に向かった全国の大学紛争/10年近く続いた「経院紛争」/世界で同時に広がった学生運動/マル経の演習を選ぶ学生は減少傾向に 第VI章 激動期の経済学者たち——静かに進んだ近経への一極集中 教員と学生が学部再建を議論/マル経と近経の教員が討論/「理論の作り手ではなく使い手」~小宮隆太郎/八幡・富士製鉄の合併反対運動を主導/リフレ論争の原点に/アメリカ経済学界の頂点に~宇沢弘文/「社会的共通資本」に軸足を移す/華々しい学界デビューを飾る~根岸隆/「知の創造」に専念した学者人生/宇沢の指導を受けた石川、岩井、奥野/新古典派を攻撃したラディカルズ/分配の公正に焦点を絞る~石川経夫/「不均衡動学」で新古典派に挑戦~岩井克人/ニュー・アカデミズムの風/法学に失望し、経済学を志望~奥野正寛/ゲーム理論を日本に持ち込む/「ウォーキング・エコノミスト」に転身~伊藤元重/経済財政諮問会議の初代民間議員に~吉川洋/日銀総裁として異次元緩和を解除~植田和男/日銀副総裁として危機に対峙~西村清彦/大蔵省副財務官として国際交渉に臨む~伊藤隆敏/新分野「確率進化ゲーム」を開拓~神取道宏/大講座制への移行で教員人事が柔軟に 第VII章 「法人化」で変質する学問——研究の軸足をアメリカの学界に 「大学院生倍増」の目標を堅持/修士・博士の区分制度を復活/学生の成績低下を懸念/ゼミの代わりに「少人数講義」/「大学院重点化」に対応する3つの腹案/公共政策大学院が発足~政策のプロ養成を目指す/計量経済学を根付かせた市村英彦/法人化の方向を示した「遠山プラン」/強まった総長の権限/「外部資金」獲得に奔走/事務作業に追われる教職員たち/「金融学科」を設置、3学科制に/リーマン・ショックで寄付講座が廃止に/「進級振り分け制度」改革で成績が向上/修士課程の中国人留学生が急増/急減する経済学科の卒業生/加速する公務員離れの背景/附属センター設立の狙い/「ものづくり経営学」を構築した藤本隆宏/小島武仁らを海外からスカウト/文系学部廃止問題の衝撃/「日本を置き去り」にする研究者たち/一般均衡理論を土台にしたマクロ経済学が主流に/「統計的因果推論」が実証分析の発展を促す/学界での評価と世間の認知度にずれ/一進一退の世界ランキング 付記 東京大学経済学部略年譜 参考文献
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 騎馬遊牧民の口承文芸を支えた言葉 中央アジア最大の面積を持ち、石油や鉱物などの資源が豊富で、ユーラシア大陸の東西を結ぶ中央回廊でも注目されるカザフスタン。居住地を定めず広大な草原を季節ごとに移動する騎馬遊牧の社会では、文字はほとんど使われず、かわりに豊かな口承文芸が発達しました。その文化を支えてきたカザフ語は主語・目的語・述語の語順や「てにをは」のような格助詞など日本語と似たところがあり、日本人には学びやすい言語といえます。会話と文法をいっしょに学べるこの本で始めてみませんか。★音声アプリ無料ダウンロード
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-フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展、開催記念! 画家フェルメールに淡い思いを寄せ、名画のモデルになった少女フリートの運命は? 17世紀オランダ・デルフトを舞台に、神秘に包まれた巨匠の光と影に迫る。
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-痛いのに笑える、世界の傷をえぐる文学 わたしはわたしを見たい。ぐるぐるほとばしる独白が、きれいごとの光景を暴く! ラッキーガールの認知戦を語る『家系図』も併録。【第70回岸田國士戯曲賞受賞作品】
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4.0ダウ90000蓮見の「読む演劇」 数年前の四日間だけ一緒にいた2人。同じ時間を違う理由で大切にしていて、その違いは他者に伝えようとした時に現れて、生活から生まれた創作がまた生活を変えていく。漫画とドラマと現実が交錯するコメディ作品。【第70回岸田國士戯曲賞受賞作品】
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3.0小説愛好家・作家志望者のためのバイブル! 小説を考察する50の方法 小説愛好家・作家志望者なら必読の名著、待望の普及版。ユリシーズをはじめ、ジェイン・オースティン、シャーロット・ブロンテ、ヴァージニア・ウルフ、フィッツジェラルド、サリンジャー、ヴォネガット、オースター、ミュリエル・スパーク、ジャネット・ウィンターソン、カズオ・イシグロの作品まで、古今の傑作小説を素材に、使える技法を伝授。 「書き出し」から始まり、「視点」「意識の流れ」「内的独白」「異化」「時間の移動」「間テクスト性」「実験小説」「マジック・リアリズム」「信用できない語り手」「メタフィクション」……50のキーワードを、「コミック・ノベル」の第一人者であるデイヴィッド・ロッジが徹底解説! テキストを味読・考察し、小説がどのように書かれているかについても明快に言語化してくれる。英米文学科学生にとっても座右の書。 これ1冊で、ストーリーテリングの秘訣がわかる。 [目次] 序 1 書き出し(ジェイン・オースティン/フォード・マドックス・フォード) 2 作者の介入(ジョージ・エリオット/E・M・フォースター) 3 サスペンス(トマス・ハーディ) 4 ティーンエイジ・スカース(J・D・サリンジャー) 5 書簡体小説(マイケル・フレイン) 6 視点(ヘンリー・ジェイムズ) 7 ミステリー(ラドヤード・キプリング) 8 名前(デイヴィッド・ロッジ/ポール・オースター) 9 意識の流れ(ヴァージニア・ウルフ) 10 内的独白(ジェイムズ・ジョイス) 11 異化(シャーロット・ブロンテ) 12 場の感覚(マーティン・エイミス) 13 リスト(F・スコット・フィッツジェラルド) 14 人物紹介(クリストファー・イシャウッド) 15 驚き(ウィリアム・メイクピース・サッカレイ) 16 時間の移動(ミュリエル・スパーク) 17 テクストの中の読者(ロレンス・スターン) 18 天気(ジェイン・オースティン/チャールズ・ディケンズ) 19 反復(アーネスト・ヘミングウェイ) 20 凝った文章(ウラジーミル・ナボコフ) 21 間テクスト性(ジョゼフ・コンラッド) 22 実験小説(ヘンリー・グリーン) 23 コミック・ノベル(キングズリー・エイミス) 24 マジック・リアリズム(ミラン・クンデラ) 25 表層にとどまる(マルカム・ブラドベリ) 26 描写と語り(ヘンリー・フィールディング) 27 複数の声で語る(フェイ・ウェルドン) 28 過去の感覚(ジョン・ファウルズ) 29 未来を想像する(ジョージ・オーウェル) 30 象徴性(D・H・ロレンス) 31 寓話(サミュエル・バトラー) 32 エピファニー(ジョン・アップダイク) 33 偶然(ヘンリー・ジェイムズ) 34 信用できない語り手(カズオ・イシグロ) 35 異国性(グレアム・グリーン) 36 章分け、その他(トバイアス・スモレット/ロレンス・スターン/サー・ウォルター・スコット/ジョージ・エリオット/ジェイムズ・ジョイス) 37 電話(イーヴリン・ウォー) 38 シュルレアリスム(リオノーラ・キャリントン) 39 アイロニー(アーノルド・ベネット) 40 動機づけ(ジョージ・エリオット) 41 持続感(ドナルド・バーセルミ) 42 言外の意味(ウィリアム・クーパー) 43 題名(ジョージ・ギッシング) 44 思想(アントニー・バージェス) 45 ノンフィクション小説(トマス・カーライル) 46 メタフィクション(ジョン・バース) 47 怪奇(エドガー・アラン・ポー) 48 物語構造(レナード・マイケルズ) 49 アポリア(サミュエル・ベケット) 50 結末(ジェイン・オースティン/ウィリアム・ゴールディング) 訳者あとがき Uブックス版に寄せて 翻訳書一覧
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-極上のヒップホップ演劇! ボーナストラックも充実 リアルに過ごすただの毎日が、ギリシャ神話でシェイクスピア! パチンコ屋を家業とする在日コリアン三世、その人生をつむぐ極上のヒップホップ演劇。 同時収録作品に、妻に捧げるオートフィクション「ユキコ」。また、BONUS TRACKSとして『A―②活動の継続・再開のための公演』全歌詞も収録。 ◎ 「独自のドラマ作りを尊重したい」……岩松了 「知的であって俗っぽい。政治的であってふざけきってる。端倪すべからざるアティチュード」……岡田利規 「やり切れなくなってしまいそうな深刻さを、ラップの形式によって見事にかわしている」……ケラリーノ・サンドロヴィッチ 「他人をディスる「形」だけでなく、自分を笑い続ける「形」。まったくタイプの違う「つかこうへいの再来」」……野田秀樹 「強者と弱者の両義性が意識され、マイノリティとマジョリティがフェアに描かれている」……本谷有希子 「「これが戯曲なのか?」という壁を軽やかに飛び越え、今回の候補作のなかでは圧倒的」……矢内原美邦(選評より) [カラー口絵1ページ]
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-くるおしいほどリアルな青春失踪劇&受賞第一作 「セリフが決して言葉の意味通りではないというところに達している」……岩松了 「とんでもなく耳がよくてすごい。今の日本語を山盛り掬い取って舞台上にどさっとばらまいてそれをぴちぴち跳ねさせている」……岡田利規 「テキトウさが可笑しく、リアルさが痛い」……ケラリーノ・サンドロヴィッチ 「現代の「狂」ないし「妄」を描き切っている。そのことで作品に「力」が感じられた。そのくせ、書きっぷりは、肩の力が抜けている」……野田秀樹 「売れない芸人が少しずつ精神に異常をきたしていく描写が秀逸」……本谷有希子 「その構成力、物語の構築力は質が高く、エンターテイメントとしても読みごたえのある作品」……矢内原美邦(選評より) * なんか、くるおしい。──心のバランスを崩した友人に寄りそう若者たちの「青春失踪劇」が、第67回岸田國士戯曲賞受賞作品。 怖いほどに、巧み。──もつれた夫婦関係のタイムラインをたぐりよせる「受賞第一作」を同時収録。
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-没後80年、不確実性の世界へ リーマンショック以降、ケインズ経済学の再評価の流れは変わらない。本書は、単なるケインズの伝記や『一般理論』の解説の次元を超えた古典と言えるものだ。 本書は、多年にわたりケインズや経済学のあり方を研究してきた碩学、ロバート・スキデルスキーが到達した結論をもとに一般向けに解説したものである。 具体的には、ケインズの時代の社会思潮、政治潮流、経済動向の解説から始まり、貨幣論、『一般理論』、官僚としての資質と国際通貨基金設立への貢献に及ぶ。 とりわけ、リーマンショックを意識した終章「二〇一〇年からの考察」では、「不確実性」の意味について新たな観点から語られるだけでなく、「流動性選好」を人類史的視角から語っているのが印象的だ。 古代以来の〈貴金属を保蔵する東洋〉と〈金不足の西洋〉という構図が、中国の台頭をはじめとした現代の「世界的不均衡」に影を投げ掛けているという指摘は興味深い。 本書によれば「不確実性」の概念は、大英帝国の没落、世界恐慌の発生、両世界大戦をはじめ暗い時代に見出された。ケインズ没後80年を迎える2026年、混迷する世界に読みたい一冊。 [目次] 序章 人として経済学者として 第一章 生涯 第二章 ケインズの実践の経済学 第三章 貨幣改革論者 第四章 『一般理論』 第五章 経済政策におけるケインズの指導力 第六章 ケインズの遺産 終章 二〇一〇年からの考察 訳者あとがき 註/文献
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3.5『銀河鉄道の夜』起筆100年記念出版! エスペラント語で書かれて梵字の捺されたパスポート(旅券)をこの二人は携えている。 地球人がいま銀河系人になる。 ――古川日出男 宮沢賢治の〈北〉とフィンランドの〈北〉が、旅なんて可能なのか、と思える時代にあって可能な限り誠実な旅の中でしなやかにつながり、みんなの〈北〉になっていく。 ――柴田元幸 『銀河鉄道の夜』起筆100年となる昨年2月、朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を東日本大震災後から続けてきた著者は、「北」へ憧れていた賢治の魂と言葉を、最北の地であるサーミランドに連れて行く旅を決行した。真冬には零下30度にもなる北極圏だ。本書は賢治の詩想を追い求めてきた二人が、北の果てで賢治と向き合った旅の記録である。 先住民のサーミの人々が住み、「サーミランド」と呼ぶ地は、「ラップランド」のことだが、サーミ人は「ラップランド」とは決して言わない。現地の目を通して初めて見えてくる差別意識は、賢治が抱いていた劣等感をも浮かび上がらせる。二人は、サンタクロースの町ロヴァニエミから北へ向かい、フィンランド最北の村に住むサーミの詩人イマさんの自宅を訪ねた。トナカイの肉をごちそうになりながら、生活や思想、文化を直接体験し、さらにサーミの聖地である湖の上で賢治の詩を朗読し、その声を土地に響かせた。近代文明に浸かって無意識的に生きている自らに批判的な眼差しを向け、自然観を大きく揺さぶられながら、生と死、〝ほんとうの幸い〟の意味を北の果てで問い続けた旅の終わりに最大の気づきと感動が読者を待ち受けている。 『銀河鉄道の夜』を次の100年に向けて走らせる渾身の書き下ろし!
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-マルチバース時代のモキュメンタリー群像劇 よるべない心に光を灯す、マルチバース時代のモキュメンタリー群像劇(岸田賞受賞)。美大生の夢を養う労働が問われる「養生」を併録。
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-黙する史料に声を与える 「大祖国戦争」と称される第二次大戦時の独ソ戦は、現代ロシアのナショナル・アイデンティティを構成するきわめて大きな要素だ。露宇戦争においても開戦時、プーチン大統領がゼレンスキー政権を「ネオナチ」と名指したのは、その「特別軍事作戦」の正当性を国民の「大祖国戦争」の神話に訴えかけるためであった。「大祖国戦争」の(大文字の)記憶=神話は、戦時からすでに形成されていったものではあるが、しかし、個々人の戦争の経験と記憶は一枚岩のイデオロギーに回収しつくされるものではなく、そもそもそのイデオロギーが形成される過程にもさまざまな政治的・文化的背景があったのは言うまでもない。 本書は、戦中に870日以上の「包囲」を経験したレニングラード(現サンクト・ペテルブルク)を主たる舞台とし、この街の労働者の身体、レニングラード防衛博物館、そして都市の祝典をとりあげながら、国家の公的な「歴史」からは取りこぼされてしまう人々の「大祖国戦争」に対する「応答」の痕跡を掬いとる試みである。過去に生きた人々の営為に対して歴史研究は何ができるのか─傷ついた都市と傷ついた住民と、その復興=回復の「歴史」。 [目次] 序論 「大祖国戦争」と都市=身体としてのレニングラード 第一部 傷ついた都市、語られない言葉 第一章 戦争による身体の痛みと傷―レニングラード包囲下と戦後の女性労働者 一 レニングラードにおける女性の状況 二 出産をめぐる状況と疾患 三 工場労働と女性の身体 小括 第二章 政治抑圧下での都市の傷と記念―レニングラード防衛博物館と「レニングラード事件」 一 レニングラード防衛博物館の開館――包囲解放後の文化事業 二 展示事業の組織――来館者に着目して 三 「レニングラード事件」と防衛博物館 四 レニングラード防衛博物館における記念の展開 小括 第三章 「親愛なる」首都における市民の動員―モスクワ創建八〇〇周年記念祭 一 記念祭の開催をめぐる決定 二 祝祭空間の形成 三 歴史に関する文化事業 小括 第二部 眼差しを受ける都市、労働する身体 第四章 遠くから都市をおもう―レニングラードの都市創建二五〇周年記念祭における来賓と祝電 一 記念祭の概要 二 招待状の返答 三 友好協会からの祝電 四 戦後の建設と発展 小括 補論 ウラジーミル・プーチンのレニングラード包囲に関する語り―家族史から見る政治指導者のマスキュリニティ 第五章 革命と工業化の理念におけるマスキュリニティ―レニングラードの都市創建二五〇周年記念祭と中ソ関係 一 一九五〇年代のソ連社会におけるマスキュリニティ 二 一九五〇年代の中ソ関係 三 北京市副市長馮基平による記念祭への出席 四 工場労働者 小括 結論 戦後のレニングラードにおける日常 あとがき 史料・参考文献/註
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 魅力・誇り・7つの格あり ウクライナのことば ルーシ以来の豊かな歴史を背景に持ち、ヨーロッパの「パン籠」と言われた穀倉地帯ウクライナの国家語。東スラヴ語群に属するこの言語は、名詞と形容詞が7つの格によって変化し、動詞にも複雑な活用があります。スキットを通してウクライナ語特有の美しい響きを味わいながら、少しずつ文法に慣れていきましょう。本書は必ずしも近隣のスラヴ諸語の知識がなくても学べるように構成されているので、キリル文字の読み方からはじめて、会話や文法の確かな基礎を身につけることができます。 ★音声アプリ無料ダウンロード
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-世界文学の極北〈残雪コレクション〉開幕! ぼくの家族はみな他人にはいえない秘密をもっていた。変わり者で、リュックを背負い、甲羅をつけた昆虫を思わせる父親。夜は姿を消し箱の中で眠るという母親は、皮膚に針を刺して水を絞りだす。喘息を治すためミミズを食べる妹は横暴で、ぼくを馬鹿にしきっている。二階の住人で妹の婚約者は医者にも探偵にもなり、天井に貼りつき床を這いまわる。廊下に住む檳榔(びんろう)売りの女は実は叔母で、かつて父と密通していたらしい。異形の家族の奇妙な日々と、鳴りわたるような孤独を超現実的手法で描き、作者が「難解ではあるが、とりわけ好きな作品」と語る表題中篇。夜、草地の外れに建つ家にたどりついた〝わたし〟が陥るカフカ的な不条理状況を綴った「帰り道」。ある日、母親がたらいの水に溶けてしまう「汚水の上の石鹼の泡」ほか全五篇。付録として「残雪との対談」、近藤直子「夜の涯の家――「帰り道」を読む」を併録。
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-ロシア正教の倫理と共産主義の精神 ロシアの共産主義はナショナルな特徴に根ざす現象であり、マルクス主義的な見地からのみでは決して説明しえない──ベルジャーエフは、ロシアにおけるボリシェヴィズムの必然性を、キエフ・ルーシから連綿と続くキリスト教精神と、インテリゲンツィアによって編まれる歴史・思想史のなかに探っていく。「ロシア本国において一九九〇年代から、ベルジャーエフも含めて、一九世紀末から二〇世紀初頭に登場したあまたのロシアの宗教哲学者たちが、西欧とは異なるロシア独自の精神的価値として、高く評価されるようになった。しかし、今日では、こうした見かたもまた一面的なものとして克服を迫られている。ベルジャーエフによる「ロシア的理念」にたいする批判的分析は、ベルジャーエフ自身も含めたロシア思想を新たな視点から再検討するうえでも重要な示唆を含んでいる」(本書解説[佐藤正則・九州大学教授]より)
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-一番重い負担を背負うのは誰か? 私たちの身の回りには、さまざまな税があり、生活費の支出のかなりの部分が税金だ。しかし、税がいつからはじまり、どのような試行錯誤と歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているのかは知られていない。 所得税はナポレオン戦争下のイギリス、消費税は一九五〇年代フランスで始まったなど、本書には豆知識が満載だ! また関税や酒税、たばこ税への依存は発展途上国の特徴であり、国が豊かになればその比重が落ちるという指摘も、トランプ関税が世の中を席捲している現状を踏まえると興味深い。もしかしたら時代は逆戻りしているのかもしれない。 こうした歴史の小ネタだけでなく、税の経済効果についても本書は踏み込む。本書によれば、昨今話題の食料品の消費減税は実は効果はないという。そして、税負担は最終的に誰にのしかかってくるのか。この重い問いに本書では経済分析に基づいて回答を与えている。 近代国家は物品税から直接税へ、直接税から間接税へと展開してきた。環境問題や貿易不均衡が大きな課題になるなか、税の未来には果たして何が待っているのか? 世界的権威が語り切った一冊! [目次] 第一章 なぜ税金があるのだろう? 第二章 税制の仕組み 第三章 税金を負担するのは誰か? 第四章 税制と経済 第五章 脱税と対抗策 第六章 税制の問題
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3.0「最果ての島」からの問い インド洋東部、インド領アンダマン諸島の孤島・北センチネル島。世田谷区ほどの広さのこの小島に暮らす人びとは長年、外界との接触を拒み続けてきた。しかし2018年、若いアメリカ人宣教師が上陸を試みて島民に殺害される事件が発生。国際的に報道されたことで、現代にも「未知」が存在することに世界は驚愕したのだった。 本書は、事件の20年前に偶然この島の存在を知った著者が、これまで可視化されることのなかった島民の実態に迫ろうと、長期にわたり取材・調査し続けてきた記録である。現地訪問の体験や、限定的とはいえ島民と接触した人類学者の証言、周辺諸島の事例を手がかりに、接近と拒絶の歴史を丹念にたどる。 「つながる」ことが是とされる現代社会において、彼らが「つながらない」ことを今日まで続けられたのはなぜなのか。そして、外部の人間は「文明」の名のもとに彼らをどうとらえてきたのか。北センチネル島とそこに暮らす人びとの姿から浮かび上がるのは、結局のところ、人間とはどのような存在なのかという根源的な問いである。 「最果ての島」から、文明と人間の在り方を見つめ直す傑作ノンフィクション。 [目次] 第I部 祝福されし島々 第II部 一回目の旅 一九九八年 第III部 二回目の旅 一八五七─一九〇〇年 第IV部 三回目の旅 二〇二〇年 情報源と補遺/謝辞/訳者あとがき/写真・図版クレジット
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代ローマの日常会話で学ぶラテン語 人類史上初の国際語であり、現代においても西洋の文化の礎となっているラテン語。フランス語・イタリア語・スペイン語などはここから派生し、英語にも多大な影響を与えています。少し難しそうな印象もある言語ですが、日常的な会話文からラテン語の文法を学べる本書は、最初の一歩を踏み出すのに最適です。市場で買い物をしたり、公衆浴場に誘ったり、凱旋式や闘技場のイベントに行ったり、古代ローマの情景が音声付で蘇ります。キケローやウェルギリウスなどのラテン名言集も収録。
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-人間の歴史は、〈欲望〉の歴史である。 1933年――ドイツでヒトラーが首相として就任した年――パリの高等研究院でアレクサンドル・コジェーヴによるヘーゲル講義がはじまった。本講義にはジョルジュ・バタイユ、ジャック・ラカン、ロジェ・カイヨワ、アンドレ・ブルトン、メルロ=ポンティなど、フランス哲学・文学の中心となる人物たちが多く参加している。 「歴史が何であるかを知るためには、この歴史を実現する人間が何であるかを知らねばならぬ」――コジェーヴは『精神現象学』を精読しながら、プラトンからヘーゲルへといたる哲学と、キリストからナポレオンへといたる歴史とを重ね、動物から人間がいかに生まれ、自然から歴史がどのように発生したかを辿っていく。 フランス現代思想を知る上で避けて通ることのできない記念碑的講義録を、訳者によるあらたなあとがきを加えて、Uブックスで待望の復刊。 【目次】 出版者の覚書 第一章 序に代えて 第二章 『精神現象学』の最初の六章の要約 ──一九三七-一九三八年度、最初の三回の講義の全記録 第三章 『精神現象学』第七章の一般的導入部の解釈 ──一九三七-一九三八年度、第四回及び第五回講義の全記録 第四章 一九三七―一九三八年度講義要約 ──高等研究院・宗教学科の一九三八-一九三九年度年報からの抜粋録 第五章 哲学と知恵 ──一九三八―一九三九年度、最初の二回の講義の全記録 第六章 永遠・時間・概念についての覚書 ──一九三八-一九三九年度、第六回講義より第八回講義までの全記録 第七章 『精神現象学』第八章第三部(結論)の解釈 ──一九三八-一九三九年度、第一二回講義の全記録 訳注 『ヘーゲル読解入門』への後書き
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-本邦初訳、韓国発の衝撃の短篇小説集! 純度100%のケア文学 韓国社会と向き合った優れた作品に贈られるシン・ドンヨプ文学賞を受賞している女性作家による注目の短篇小説集。祖母の看病をする長男の嫁、育休中の母親、同い年の子をもつママ友、認知症の父を施設に預けている専業主婦の女性など、収録する10篇の主人公はすべて女性。ワンオペ育児や介護など、家族のケアに時間と労力を捧げる人々がケアされない日常の中で、不安、孤独、嫌悪感、愛着と憎しみにまみれながら静かに奮闘し、どんでん返しが待ち受ける――。 ケアする人が抱える不安や、繊細な感情の揺れを掬い上げ、ケアそのものを取り巻く社会の構造的な問題や矛盾も浮き彫りにする本作は日本の多くの読者に共感と衝撃を持って受け止められるだろう。 「ヨンジュの半分」:かつて同期だったヨンジュは息子を3歳で亡くしていた。「私」は育休中に子どもと出かけた公園で偶然ヨンジュと再会する。頻繁に会うようになったヨンジュの存在がワンオペ育児の唯一の息抜きになっていたが、ある日、ヨンジュが子どもの面倒を見てくれていた時に、死んだ子の名前で子どもを呼んでいる場面に出くわす……。 「ケアする心」:八か月の娘を抱えたミヨンは、職場復帰を前にベビーシッターを探すが、信頼できそうな人はなかなか見つからない。そんな時、同じ団地に夫婦で暮らす高齢女性、ナムヒが名乗りを上げ、自宅で子どもを預かりたいと言う。ミヨンは監視カメラを設置する条件で子どもの世話を頼むが、ある日、映らない場所の秘密を偶然目撃してしまう……。 [目次] 第一部 ナツメ 安 ギョンジャ 第二部 ヨンジュの半分 ケアセンター天国 ケアする心 私の隣人との距離 第三部 入所 特別災難地域 台風注意報 作家のことば 推薦のことば 訳者あとがき
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3.0データサイエンス化の潮流で失われるものとは? 経済学は、テクニカルに洗練された学問といえる。サムエルソンの『経済学』以来、入門から修士課程までの教科書が整備され、体系的かつ網羅的に学習を進めることができる。しかし、学問のこうした「制度化」は、「硬直化」の歴史でもある。とりわけ、近年、急速に進んだデータサイエンス化の潮流は、経済学の〈余白〉を洗い流してしまってはいないだろうか──。 本書は経済に限らず、文化・歴史・音楽など、経済思想史家の折々の所感が静かに綴られている。 本書はこう問いかける。経済学を学ぶ者は、経済学以外の幅広い分野に関心を持ち、みずからの教養を高める努力をすべきではないか。数学や統計学しか扱わない経済学に果たして未来はあるのか。 清水幾太郎との出会い、師事した菱山泉・伊東光晴のことなど、本書ではさまざまな情景が浮かび上がる。一方、高校に導入された「歴史総合」や大学で相次いで廃止される第二外国語についての著者の思いが語られる。 めまぐるしく進んでいく時代に失ってはならないものとはなにか。経済学の〈余白〉を恢復する試み。著者による連載、日本経済新聞夕刊「あすへの話題」の書籍化。 [目次] はしがき I 経済学者の歳時記 春の訪れ/桜/むごい運命/オンライン授業/大河ドラマ/独立の気概/名前の読み方/福沢諭吉とミル/ジャズと即興/ケインズ伝/イノベーション/学問とゆとり/祇園祭/夏目漱石の講義/秋月鶴山と上杉鷹山/ウルトラセブンと音楽/歴史総合/江戸の文人/真夏のワーグナー/送り火/経済思想史家の悩み/経済学者と映画/朗読を聴く楽しみ/クラシックの教訓/向学心/読書/深まる思い出/アントレプレナー/名刀「義元左文字」/語学は役に立たない?/「貴公子」の真の姿/宮澤賢治とクラシック/紅葉と歴史/哲学者の茶目っ気/カレンダー/ゆたかな社会とは/松の廊下/左手のピアニスト/卒業論文 II 過去と未来のあいだ シュンペーターの「予言」、資本主義の盛と衰/英オックスフォード、理論家ヒックスが学んだもの/資本主義、グレートリセットは困難/ケインズ政策の本質、政府の規模ではない/米経済思想、自由放任だけが「専売特許」ではない/「科学」偏重に抗す、経済理論家ハイエクの哲学/異端派ガルブレイス、名文が伝える米国の「貧しさ」/アダム・スミス、自由放任と異なる「自由主義者」/インフレの是非、イノベーション要因に着目/マーシャルの「経済騎士道」、財界トップが実践/企業家論、「シュンペーター絶対主義」に注意/人文学と経済学、「知識の発展は飛躍的に生ずる」/米国標準を日本に、有言実行の経済学者・小宮氏/シカゴ学派、巨頭ナイトは複眼の持ち主/偉大な経済理論家ワルラス、条件の平等を重視/経済学の泰斗高田保馬、思想の原点は社会学/パレート、経済理論家とは違うもう一つの顔/生誕百四十年に思う「ケインズもシュンペーターも」/マーシャルが説く企業家の資質、没後百年で再考/ロバート・ソローをしのぶ、成長理論でノーベル賞 あとがき
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-脱植民地化の現段階 国家は、現代アフリカ研究の中心課題である。今日のアフリカが直面する問題検討すれば、必ず国家に突きあたる。従来、アフリカが抱える問題として、汚職、独裁といったネガティブな国家像が強調されてきた。 アフリカ国家の原型は、欧米列強の征服と植民地化によって、いわば「他者」によって創られた。「自分たちの国をつくる」ことは簡単ではない。いかに他者が決めた領域を統治するか、一筋縄ではいかない課題である。先進国で当然とされる統治が通用せず、紛争が勃発することもある。本書はこうした国家建設のプロセスに注目してアフリカの経験を考える。 本書では、「他者」によって基盤を創られた国家を領民自らが統治する過程としてアフリカの国家建設をとらえ、その性格や特徴を考える。アフリカ諸国の国家建設の経験は、先進国とは大きく異なるが、その様態はさまざまな気づきを与えてくれる。さらに、「他者」によって国家を創られたアフリカの経験は、世界的にみれば決して少数ではない。植民地状況を経験したグローバルサウスの国々は、多かれ少なかれ似た経験をしているからだ。 [目次] はしがき 序章 アフリカの国家と国家建設(武内進一) 第I部 領域統治 第1章 領域統治の実態(阪本拓人・松原優華) 第2章 領域統治の制度的基盤(中尾世治) 第3章 首長制と国家建設の逆説(友松夕香) 第4章 牧畜民からみた国家建設(楠和樹) 第II部 社会契約 第5章 近代国家とイスラーム(阿毛香絵) 第6章 政党政治と抗議運動(網中昭世) 第7章 社会的保護政策から国家・社会関係(佐川徹) 第III部 国際関係 第8章 ソマリアの国家性の現在(遠藤貢) 第9章 外向の論理と国家統治(網中昭世) 第10章 アフリカにおける難民と国家(佐藤千鶴子) 終章 アフリカ国家建設の現段階(武内進一) あとがき
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-「十九世紀ドイツ史三部作」完結 前巻の『ドイツ史1866-1918 労働世界と市民精神 (上・下)』が、ドイツ帝国の社会・経済史と宗教を含む文化史とに充てられているのに対して、本書は政治史を扱い、政治に関わる様々な分野の「状態史」=「構造史」と「出来事史」=「事件史」を詳述する。 1871年の帝国建国から、その諸構造と諸勢力、ビスマルク時代までを扱う「上巻」では、普仏戦争、憲法、行政、財政と税制、法と司法、軍、国民国家、反ユダヤ主義などのテーマを分析し、考察する。 1890年以降の構造的諸問題から、ヴィルヘルム時代、第一次世界大戦までを扱う「下巻」では、国家と憲法体制、政党、対外政策、帝国主義、戦争の展開、革命、終戦などのテーマを分析し、考察する。 単に出来事を叙述するというだけではなくて、息の長い考察が随所で展開されている。独特な語りの文体で著わされた歴史書であるが、物語るような叙述というよりも分析と考察のほうに遙かに大きな比重が置かれている。ニッパーダイは、物語る歴史家であるよりも考える歴史家なのであり、そして自らの考えを十分な根拠に基づいて説こうとする歴史家なのである。
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-「私は考えている、だから私は有る」 デカルトは久しく近代思想の父とよばれてきた。それは中世のコスモスが崩れるなか、徹底的な懐疑の果てに、考える自我の直観から主体性を確立し、近代文明に道を開いたからである。 近代のあけぼのに「いかなる人生の道に従い行くべきか」を思い迷いながら、「ひとりで、しかも暗闇のなかを歩いて行く」旅する人の遍歴と、その旅先の一夜の啓示と決断とを、〈私〉の精神の歴史としてここに語る。すなわち、〈方法〉とは「道に迷う、道に従う」ことである。 数多の学問を修めながら、やがてそれらの真理性を徹底して疑い、しかしそれらについて思考している自分は何かでなければならないと気づき、「私は考えている、だから私は有る」という有名な第一原理に到達するまでを語った近代哲学の名著の清新な翻訳。養老孟司解説。 [目次] 訳者まえがき 第一部 第二部 第三部 第四部 第五部 第六部 解説 脳の機能のきわめて明晰な表現 養老孟司 解題 三宅徳嘉
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3.0ルソーの「幸福論」 「この地上では、すべてが絶えざる流転のうちにある。そこではなにひとつとして一定不変の固定した形を持ち続けるものはない。だから、この世で得られるのは、せいぜいすぐに消え去る喜びでしかない。永続する幸福などといったものを、この世で味わう人がいるとは思えない」 迫害のなかで「地上に一人きりになってしまった」ルソーは、もはや人間や社会の変革に希望を託すことはない。湖の岸辺に腰を下ろして、寄せては返す波の絶え間ない単調なリズムに、自身の存在=運命を感じ、また幸福を見出す…… こうした自己の存在のほかいかなる幸福も感じない徹底的な自己充足の境地は、「絆」の素晴しさが自明視される今日、新たな意味をもって迫ってくる。『マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙』を収録。訳者と川出良枝東大名誉教授の解説を付す。 【目次】 孤独な散歩者の夢想 第一の散歩 第二の散歩 第三の散歩 第四の散歩 第五の散歩 第六の散歩 第七の散歩 八 九 十 マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙 第一の手紙 第二の手紙 第三の手紙 第四の手紙 訳者解説 孤独な散歩者の夢(佐々木康之) 訳者解説 マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙(佐々木康之) 解説 ジュネーヴ市民から孤独な散歩者へ(川出良枝)
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-憧れと搾取の連続体 力による支配や専横、そして分断……。現代社会では、覇権主義や権威主義が頭をもたげ、消えていったはずの〈帝国〉がふたたび世界に影を広げている。 そうしたなかで、本書が注目するのは、帝国が「望ましい身体」を創出しようとしてきたその作用だ。帝国はトランスナショナルな移動を促し、多様な人間どうしが出会う接触の場を増殖させてきた。「他者」との対峙や葛藤のなかで、身体は創出され、序列化され、作り直され、また搾取されていったのだ。 とくに「望ましい身体」創出の強い契機となったのは、優生学、宗教、セクシュアリティといった要素である。これらを通じて帝国は人びとに「夢」や「憧れ」を提示し、しばしばジェンダー規範を揺るがした。だが、それらは同時に抑圧や搾取とも深く絡み合うものだった。 本書は歴史学、社会学、文学、国際関係論、法哲学、社会政策、スポーツ教育など、異なるディシプリンから健康や出産、スポーツやダンス、衣服や性愛など具体性を分析する。これにより、権力と欲望の交差のなかで重層的に身体が構築されていく生政治の過程を読み解き、近現代における公式・非公式の帝国をジェンダーの視点から再考する。 [目次] はじめに 山口 みどり・周東 美材 第1章 帝国、混血、白人男性性 生駒久美 マーク・トウェインの作品を通じて はじめに 一 ハワイ王国と若きトウェインの性的な視線 二 混血の通訳者ビル・ラグズデイル 三 インジャン・ジョーとラグズデイル 四 ハンク・モーガンの社会改革と男性性 おわりに 第2章 海を越える衣服の政治学 山口みどり イギリス国教会女性宣教師の「帝国」建設 はじめに 一 女性たちの宣教活動 二 「文明化」と衣服のポリティクス 三 ミッションボックスがつなぐ世界 おわりに 第3章 健康的であることは美しいか 春日芳美 近代日本の美人観と女子体育振興方策の関係 はじめに 一 近代教育における体育 二 価値観にみる女子体育普及の阻害要因 三 「健康」と「美人」 おわりに 第4章 植民統治下台湾における学校女子体育 金湘斌 纏足、天然足から皇国民錬成まで はじめに 一 纏足・解纏足下の女子体育(一八九五~一九一四年) 二 天然足世代下の女子体育(一九一五~一九三五年) 三 「皇国民錬成下の女子体育(一九一五~一九三五年) おわりに 第5章 優生学と大正デモクラシー期の家族観 吉永圭 穂積重遠は「病める身体」をいかに論じたか はじめに 一 穂積と結婚制限論 二 穂積と精神病離婚 三 大正デモクラシー期の家族 おわりに 第6章 歴史のなかのジャニーズ性加害問題 周東美材 「アメリカ」の夢と暴力 はじめに 一 夢の「アメリカ」 二 暴力のアメリカ 三 見えなくなる暴力、前景化する夢――性暴力の連続体 おわりに 第7章 フェミニストの夢、土地、そして植民地の権力 ルーシー・デラップ はじめに 一 「私たちは他人の土地を欲しがったりしない」 二 深いつながりと両性具有 三 驚異の証人に 四 「女性ならではのもの」 おわりに 第8章 植民地後東ティモールの文化と女性 井上浩子 客体化される身体 はじめに 一 DVと「東ティモール文化」 二 堕胎と「東ティモール文化」 三 二〇〇九年刑法におけるDVと堕胎 おわりに
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4.0華麗なる時代の最後の輝きの日々 登場するのは、『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことアスター子爵家のエドウィン・リーをはじめとする五人。彼らはみな、十九世紀後半~第二次大戦前のイギリスで、地方の労働者階級の家に生まれて十代前半から働きはじめる。執事になってからの、大邸宅の日常や豪華な大イベントを取り仕切る仕事。チャーチル首相や王家の人々との関わり。そして、二十世紀社会の激変に翻弄されながら、華麗な貴族の時代の終わりを目の当たりにする哀しみ……。華やかなまま引退する者もいれば、悲運に見舞われた雇用主一家にあくまで忠義を尽くす者、〝旧時代の雇い主〟の要求と〝新時代の部下〟という現実の板ばさみになって苦しむ者など、その結末はさまざまだ。 五人それぞれが一人称で語る人生の物語は、楽しい読み物であると同時に、二十世紀イギリス史の貴重な記録である。 【目次】 まえがき 1 プロローグ 2 ゴードン・グリメット ランプボーイの話 ゴードンの回想についてひとこと 3 エドウィン・リー ページボーイの話 リー氏の回想についてひとこと 4 チャールズ・ディーン ブーツボーイの話 チャールズの回想についてひとこと 5 ジョージ・ワシントン ホールボーイの話 ジョージの回想についてひとこと 6 ピーター・ホワイトリー 雑用係の話 ピーターの回想についてひとこと 7 エピローグ 解説 訳者あとがき
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! ショパンを生んだ東欧の国 ことばを知れば、出会いが広がる ポーランド語の世界へようこそ! つづり字の読み方と発音から始め、スキットと練習問題で〈会話+文法〉を同時に学びましょう。 ポーランド語はスラヴ語派のひとつで、話し手が、自分自身の性はもちろん、聞き手や第三者の性を常に意識しながら、動詞や名詞・形容詞の語尾を区別する言語です。難しく感じられるかもしれませんが、この特徴こそがポーランド語のおもしろさであり、学習の醍醐味です。文字と発音から始め、スキットと練習問題で〈会話+文法〉を同時に学んでいきましょう。パーティやカードに使える簡単な挨拶も用意しました。最後には少し長めの文も読んでみましょう。 【本書の構成】 ◆ポーランド語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 【ここがプラス!】 ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-「言葉をもって空気をふるわす」 専制体制下のロシアにおいて生涯をかけて、社会体制の変革と民衆=人民の解放に向けた言論活動を行なったチェルヌイシェフスキー。ここに集められた諸論攷の多くは一八六一年の農奴解放令に関連するものである。自由主義的な貴族や知識人からは「大改革」と称讃されたが、そこにはいくつか問題があった。農奴解放によって「農奴」は人格的自由を得たものの、同時に、分与された土地に対して膨大な額の支払い義務を負わされたことや、農村共同体の位置づけなどである。「土地つき解放」を求める彼の争点はここにあった。この「リベラルな」改革は真の意味での「農奴解放」とはいえず、圧倒的に不十分だったのだ。つまり、彼の闘争の矛先は、専制体制のみならず、不徹底なリベラリズムにも向けられている。 これらの論攷は、検閲を避けるべく意図的に晦渋な文章で紡がれることも相俟って、かなりわかりづらい。だが、彼の活動がナロードニキ運動やレーニンに影響を与えるように、われわれが今そこから汲み取るべきは、偽りの「解放」を摑まされることなく、真の解放を求め、言論活動によってそれを具現化せんとするそのあくなき魂である。
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4.0ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より)
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5.0失われたディオニュソス的なものを求めて 「ディオニュソス的とは何か? それが問題なのだ。その答えがここにある。」 悲劇を死に導いたソクラテス以降の理性的、アポロン的なものへと傾いていくヨーロッパを鋭く批判する、ニーチェ哲学の起原。それは、彼の処女作にして「最大の問題作」の一つであった。古代ギリシアから当時のドイツにいたるまで、音楽や宗教に関する様々な論の飛躍を繰り返すその筆致は、論理よりもパトスにまかせて書き上げられた、ある種の迷宮のように思われる。ニーチェはそこに「アポロン的なるものとディオニュソス的なるものとの相剋」という迷宮脱出の糸口を読者に提示し、古代ギリシア悲劇に、理性と恍惚の融合として芸術の極致を見出すのだった。一九七九年刊『ニーチェ全集』より、新たに納富信留(東京大学大学院教授)の解説を加えた、「白水社のニーチェ・コレクション」第二弾。
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4.0食べてみよう、毒。 今となっては遠い思い出話ですが、天下の嶮と呼ばれた山道の麓、湯煙立ち上る名湯の街で、男たちが小さなお茶屋を営んでいました──。 このお話は、観光地にある、現代的な茶屋が舞台です。健介と隆治という、ふたりの男性が共同経営しています。健介は、お茶やお菓子をおもに担当しています。隆治は、鍼灸師という顔も持ちながら、経営や運営の全般を管理しています。隆治は、「毒のあるものを調理する」という健介の趣味に、惚れ込んでいます。ある日のこと、近くの温泉旅館で働く女性・前野と、オーガニックレストランを経営する宮口が店を訪れて、健介の食にまつわる趣味を知ることとなります。彼らは、その趣味を沢山の人にシェアし、ビジネスとして展開するようにと説得を試みるのですが、台湾から楊という女子大学生も訪れて……。 観光地の、おいしい日本茶と鍼治療をふるまうモダンな茶屋の物語。そこに集う者たちが、「毒のある料理」に魅了されてゆく。五感をゆさぶる旨味絶佳のブラックコメディ。 巻末には、「あとがき・演出ノート」を特別付録。 装画・葛西由香、装丁・緒方修一。
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-「社会学は人生から生まれ、人生へ帰っていく」 清水幾太郎ほど毀誉褒貶のある人物はいない。 東京帝国大学社会学研究室からの「破門」、マルクス主義を標榜しての社会学攻撃、進歩的文化人・安保同伴知識人として活躍、そして「転向」と核武装論…… しかしながら、清水は社会学者としての長いキャリアにわたって、必ずしも場当たり的に翻身を繰り返していたわけではない。その膨大な業績を改めて振り返る時、いくつかの重要な主題によって貫かれていることを見出すことができる。 とりわけ、本書が注目するのは、彼が自伝の執筆を通じて、「人生」を語る社会学者であったという点である。清水は自身の晩年期においてではなく、むしろそのキャリアの盛期を通じて、繰り返し自身の自伝を書き連ねてきた。 さらに興味深いのは、社会学的な著述においても、しばしば回想風の叙述スタイルを採用していることである。これは単に自分語りが好きだったわけではなく、清水にとって社会学とは、人それぞれの人生のなかの「闘争」を捉える試みであったことによる。「社会学は人生から生まれ、人生へ帰っていく」という言葉がなによりそのことを語っている。 清水へのまったく新しいアプローチ! [目次] 第I章 問題設定——清水幾太郎と社会学 〇 はじめに 一 問題の所在——社会学と「人生」 二 人生の中の闘争 三 先行研究・議論の概観 四 視角、対象と方法 第II章 ある社会学者の出発 一 社会学との邂逅 二 青年論へ——「社会学青年」とともに 三 小括 第III章 生きた闘争の把握 一 公私区分の再検討——往還とその動態 二 生存の要求とその諸形態——『流言蜚語』(一九三七・一二) 三 倫理学と闘争——「競闘」(一九四一・一二) 四 小括 第IV章 家族——生きるという闘いの場 一 清水の家族道徳論批判 二 清水の家族集団論 三 小括 第V章 「人生」を語り始める清水幾太郎 一 若き社会学者の自伝 二 人生を語る社会学 終章 意義と展望 あとがき 文献/写真出典/註
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-600年にわたる変容の歴史を紡ぐ 15世紀、農民の娘であったジャンヌ・ダルクは、イングランドに占領されていたフランス領を奪還せよという「神の声」に導かれ、英仏百年戦争の転機となるオルレアン解放を果たす。そして、宗教裁判によって弱冠19歳で火刑に処され、後年には列聖された──。 魔女狩りのような異端審問や誹謗中傷をのりこえ、史上屈指のヒロインとして聖人になったジャンヌの生涯を、本書では、多様な側面から物語ってゆく。裁判記録、法廷での本人の証言、年代記、書翰など歴史的資料、文学をはじめ、絵画・映画など表象文化に描かれたジャンヌ・ダルク像も網羅し、その実像と象徴的意味に迫る。とりわけ、イエス・キリストの生涯と比較しながら進めてゆく語り口が、比類なき特長だ。 中世ミソジニー社会で戦った「異性装」の少女は、どのように語られてきたか? フェミニズムの視点とともに読み解き、600年にわたって変容されてきた「人生」を紡ぎあげてゆく、実力派作家による博覧強記のナラティヴ・バイオグラフィー。地図・年表・図版多数収録。 [目次] 第1章 初めに言(ことば)があった 第2章 天使たちの話しかたと言葉で 第3章 小さな、いえ、ほんのつまらぬこと 第4章 国王の宝 第5章 いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか 第6章 おとめに降伏せよ 第7章 跳ねる牡鹿 第8章 黒い騎士 第9章 金色のマント 第10章 塔の監獄 第11章 燃えない心臓 第12章 永遠の命 地図:1429年のフランス/1429年のオルレアン/ジャンヌの道程 年表 謝辞 訳者あとがき 注記/資料
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-シシィ神話を史料から解きほぐす エリーザベト──愛称シシィ。16歳でオーストリアの君主フランツ=ヨーゼフの妃となった彼女は、永遠の若さと美をまとったまま、やがてアナーキストの刃に倒れた悲劇の皇妃として語り継がれてきた。堅苦しいウィーン宮廷の儀礼に順応することを拒み、ハンガリーの精神に強い共感を寄せた一方で、日に何度も体重計に乗っては一喜一憂する強い自己愛の持ち主。無謀なほどに激しい乗馬に励み、風雨のなかを何時間も歩きつづけるような過酷な運動に身を投じ、休む間もなく次の旅に出かけるような「過活動」的性質。こうした神話が幾重にも折り重なるシシィ像の前で、著者のふたりは史料の限界や矛盾を受け止めながら、史実から明らかなかぎりでエリーザベトの姿を誠実に描きなおすとともに、彼女のもうひとつの顔をも照らし出す。皇妃は率直に政治的見解を述べ、ハプスブルク家の過ちや弱点を容赦なく抉り出す詩を書き残していたのだ。そうした事実は、見る人が見たいものを見いだすスクリーンのような存在と化した「シシィ」を現実のほうへと引き戻し、鋭さと痛みを抱え、言葉で世界に抵抗しようとした生身の人間として立ち現われさせる。 [目次] 序 ポッセンホーフェンでの楽しい子供時代? 両親 子供時代と青春 皇帝フランツ= ヨーゼフとの婚約と結婚 一八四八年革命の影の中での出会い イシュルでの婚約 ウィーンでの結婚式 ウィーン宮廷での初期の結婚生活 最初の一緒の旅行 子供の誕生 イタリアとハンガリーへの旅 自由と自己決定への長い道のり マデイラ コルフ、ヴェネツィア、リゾート地 皇妃としての使命 皇太子ルードルフの教育をめぐる権力闘争 ハンガリーと皇妃の政治的側面 ハンガリーとのアウスグライヒ ブダペシュトでの戴冠式 ハンガリーへの愛と政治的禁欲 美しさとその裏側 美崇拝 強迫的な痩身願望 身体トレーニング 自分探しの旅へ エリーザベトと子供たち、バイエルンの親族たち 皇妃としておこなう公務の重荷 乗馬 ギリシアの世界 安息の地──アキレイオンとヘルメスヴィラ 落ち着きのない放浪生活 アナーキストがもたらした死 暗殺 ルイジ・ルケーニ 葬儀と遺産 性格と生活を映し出す、後世のための詩 文学的野心 皇帝との関係 ハプスブルク家の親族たち 政治的態度 ルートヴィヒ二世 愛の生活 ヨーロッパの記憶の場としてのシシィ 記念碑と命名 エリーザベトの文学像──神話の生成 エリーザベトに関する「学術上の」取り組み 映画 ミュージカル的な解釈 博物館 エリーザベトが伝説であり、ノスタルジーの中心人物であるのはなぜか? 日本語版へのあとがき 訳者解題 参考文献一覧
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 文字も発音も文法も独特なジョージアの言葉 コーカサス山脈のふもと、黒海に臨むジョージア。古くからヨーロッパとアジアの十字路として栄え、最近は料理やワインも知られるようになってきました。そこで話されるジョージア語は、可愛いけれど見慣れない文字で発音も独特、文法は動詞が複雑に変化したり能格という格があったりします。最初はちょっと大変そうに思えますが、一歩一歩勉強を進めるうち、ジョージア語独特のしくみが感じられることでしょう。(※本書は『ニューエクスプレスプラス グルジア語』の改題です) 【本書の構成】 ◆ジョージア語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 ◎ここがプラス!◎ ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 南アジアの古典語の画期的な入門書 現代に生き続ける古典語の姿に触れてみよう 日本では古来「梵語」と呼ばれ、仏教経典の原語として知られるサンスクリット語。紀元前に成立したパーニニ文法学の規範を遵守しつつ、現代においても日常でも用いられている古典語という面も持ちます。読み・書き、聞き、話す語学としても、もちろん古典文献研究を志す方もまずはこの1冊から。インドのサンスクリット学者によって現地で収録された音源は貴重。 【本書の構成】 ◆サンスクリット語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 【ここがプラス!】 ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 東西交易の要衝地で育まれてきたことば 古くから豊かな詩の文化を育んできたペルシア語は、現在イラン、アフガニスタン、タジキスタンを中心に広く話されています。7世紀半ばからのイスラーム帝国支配によりアラビア文字が採用され、借用語も多く見られますが、アラビア語とはまったく異なる系統の言語です。右から左に書くのに慣れるまでは時間がかかりますが、文法はわりにシンプル。語順は意外にも日本語に似ています。文字の書き方から、旅行や生活の際に不可欠な会話表現まで、この1冊でじっくり学んでみましょう。★音声アプリ無料ダウンロード
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-イタリア最高峰の文学賞、ストレーガ賞最終候補 ブルックリン、イタリアの小村、ロンドンと、土地に根を張ることなく生きてきた「異邦人」の若い女性の物語。音声による意思疎通から疎外され、「よそもの」として生きる聾者の母に捧げられた物語でもある。 「家族」:語り手の若い女性の両親(ともに聾者)のローマでの出会い、アメリカへの移住、子ども(語り手およびその兄)の誕生、離婚とイタリアへの帰国について語られる。 「旅」:ブルックリンのイタリア系コミュニティの思い出。やがて両親の離婚にともない、幼少期にアメリカからイタリアのバジリカータに移住した語り手の体験。皮肉を利かせたコミカルな筆致で描かれる。 「健康」:「耳が聞こえないけれど音楽が好きな母」の思い出。手話による意思疎通を嫌った母、テレビでいっしょに音楽祭の番組を見ていたときの字幕、母が「比喩」や「皮肉」といった修辞技法をなかなか理解しなかったことなどが綴られる。 「あなたの星座は」:語り手は母親に「もし聾でなかったら、どんな人生を送っていたと思うか」と問いかける。母は「つまらない、意味のない人生だったでしょうね」と答える……。 「移民文学」とは一線を画す、型破りなオートフィクション。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 他のどんな言語とも親縁関係にない言語 スペイン北部とフランス南部にまたがるバスク地方で80万人以上が話すバスク語は、他のどんな言語とも似ていない系統不明の言語。能格という珍しい格があったり、助動詞の活用に目的語も関わったり、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。しかしながら文字はだいたいローマ字読みで母音は5つ、文法も実は例外が少なく、勉強が進むとどんどん楽になっていきますよ。方言の豊富な言語ですが、本書では共通バスク語を学びます。音声はダウンロードでお聴きいただけます。★音声アプリ無料ダウンロード
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-戦下の人間へのまなざし 「20世紀ロシア文学の最高峰」と評され、戦後の畢生の大作『人生と運命』で知られる作家ヴァシーリイ・グロースマン。ウクライナのユダヤ人家庭に生まれ、小説がゴーリキイに賞賛されていたが、独ソ戦に際し赤軍機関紙特派員として従軍、常に最前線で、誰よりも長期にわたり取材を続けた。本書は、スターリングラート攻防戦から、クールスク会戦、トレブリーンカ絶滅収容所、ベルリン攻略戦まで、グロースマンの取材ノートを編集し、独ソ戦を再現した「ナマの記録」だ。 グロースマンは従軍当初、肥満体だったが、軍事百般を学び、「兵士」らしく変貌する。多くの特派員は司令部周辺にとどまるが、彼は兵士と行動を共にし、「前線につきまとうにおい」にまみれ、兵士の信頼と尊敬を得ていく。兵士や市民の声に耳を傾け、政治的な決まり文句も使わなかった。本人曰く、「人間が好きで、生活を探求するのが好き」なのだ。 本書でもっとも胸を打つのは、記者として世界で初めてトレブリーンカ絶滅収容所を取材した記録だ。まさに地獄を目のあたりにする描写で、ニュルンベルク裁判で資料としても採用された。〈戦争の非情な真実〉が記された超一級資料。解説=池田嘉郎。
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-同じ社会のメンバーとは誰か? ここにきて移民/難民に関する議論が本格化しつつある。今夏の参院選では移民規制が大きな争点となった。 ところが、日本での従来の議論はグローバル化や経済的要請にもとづくもので、どうしても皮相なものになりがちだ。 政治的・社会的な背景が考慮されないままに話が進んでしまっているのである。これでは、「ポピュリズムの仕掛人」によって足元をすくわれる危険もある。 こうした懸念を払拭すべく、移民論の哲学的・社会科学的な基礎を構築するのが本書である。 他方、本書ではリベラル・ナショナリズムという観点から移民論に迫るのが特長だ。同じ社会のメンバーとは誰のことなのか? ネーションに基づく集団的自律はどこまで擁護できるものか? 社会的包摂の望ましいあり方とはいかなる形か? 徹底的に掘り下げている。 また、国民国家、移動と帰属、ナショナル・アイデンティティなど、社会科学上のキー・タームを用いながら、移民論の交通整理をしている点がこれまでの類書にはない本書の大きな強みになっている。 経済効果と外国人嫌悪で引き裂かれた移民論について、法哲学者がメスを入れることで開かれる議論の地平!
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 全世界共通の新スタンダード。中級レベル 身近なテーマや自分の興味について簡潔な表現で伝えたい。話す・書く・聞く・読む・文法力を鍛える。中級へ。音声無料ダウンロード。[2色刷] 新たな言語学習のスタンダード準拠。中級編 ヨーロッパ言語共通参照枠準拠。B1ではA2に比べ、仕事や学校などを含めた日常生活の、広い範囲のドイツ語を理解でき、ドイツ語で発信できるようになります。技能別では以下の通り。 ・読む:ブログや記事から重要な部分をしっかり把握できる。 ・書く:手紙やメールなどで自分の意見を根拠づけて書ける。 ・聞く:アナウンスやディスカッションの重要な点を聞き取れる。 ・話す:日常的な話題でまとまった意見を述べ、質疑応答ができる。
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-中東近現代史の必読書 欧州側の史料のみならずトルコ語、アラビア語の文献を渉猟し、斯界の権威が中東混迷の遠因となった大戦と戦後処理の過程を描いた大作。 【目次】 用語の適用について はじめに 第1章 革命と三つの戦争 一九〇八-一九一三 第2章 「大戦」前の平和 第3章 世界規模の動員令 第4章 一斉射撃始まる バスラ アデン エジプト 東地中海 第5章 ジハード開始 オスマン帝国領コーカサスとシナイ半島での戦い 第6章 ダーダネルス海峡襲撃 第7章 アルメニア人の虐殺 第8章 ガリポリ半島でのオスマン帝国の勝利 第9章 メソポタミア侵攻 第10章 クートの攻囲 第11章 アラブの反乱 第12章 負け戦 バグダード シナイ半島 エルサレムの陥落 第13章 次々と結ばれた休戦協定 終章 オスマン帝国の終焉 謝辞 訳者あとがき 解説 オスマン帝国はなぜ崩壊したのか(今井宏平) 写真クレジット 参考文献 原注
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4.0ロシア革命から現在まで、「陰の戦争」の攻防を追う 本書は、英国のMI5、MI6、米国のCIA、ソ連のKGBに連なるスパイたちが繰り広げた二〇世紀の「陰の戦争」を臨場感豊かに描く通史。そして二一世紀、インターネットやAIを駆使したロシアや中国とのサイバー戦を分析、展望する。ハーヴァード大学の世界屈指の研究者による、学術性と物語性を兼ね備えた諜報史の決定版! 時代はロシア革命から第二次大戦、冷戦、ソ連崩壊、新冷戦、ウクライナ戦争までを網羅。諜報から破壊、暗殺、煽動、情報操作、選挙介入、サイバー攻撃までの知られざる実態、超大国の台頭と衰退、プーチンのロシア、習近平の中国の勃興を俯瞰。 「マフィア国家」ロシア、「デジタル権威主義警察国家」中国の策謀にどう立ち向かうのか?「この壮大な物語は人間ドラマと悲劇に満ちている……本書は一般読者にも政策決定者にも衝撃を与える内容であり……中国の行動を知るうえで重要な視点を提供する」ブレンダン・シムズ(ケンブリッジ大学教授)。外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』と国際関係専門誌『フォーリン・ポリシー』の最優秀図書に選出。 【目次】 第1章 諜報の世紀 第Ⅰ部 独裁体制と民主主義の衝突 第2章 東の冷気 第3章 因果応報 第4章 スターリンの攻勢 第Ⅱ部 文明の衝突 第5章 世界大戦から冷戦へ 第6章 パズルの迷宮 第7章 裏切りの風土 第Ⅲ部 兵器の衝突 第8章 戦場 第9章 科学技術 第10章 一〇月のミサイル 原注
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-存在論的に語りかける、デリダからの「時の贈り物」 「贈与とは、思考と存在との、思考と存在の真理との関係を語ることを可能にするものである以上、それはもはや派生的な意味などではない。贈与はもはや存在者の特定の形式ではなく、ある存在者から別の存在者へ手渡すことでも、二つの主体のあいだにある対象でもない。すなわち贈与は存在者にかかわる経済にはもはや属さない。しかしそればかりではない。贈与は、それなくしてはもはや存在を思考することができなくなるようなものである。」(本書「第9章」より) ジャック・デリダが「贈与論」を脱構築したセミネール、その核心部が、ついに明らかに! 第一部から30年の時を経て、待望の刊行(デリダが生前公刊した第一部は邦訳未刊)。 モースやレヴィ=ストロースやラカンを踏まえつつ、「贈与そのもの」についてじっくりと考えるために、ハイデガーを紐解く! 社会学や文化人類学における交換様式ではなく、哲学における「存在と時間」の問題として追究してゆく、脱構築的贈与論。デリダ没後に公刊された第二部というべき本書には、1978~79年に行なわれた九つの連続講義を収録。 [目次] 序言 編者による覚書 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 訳者あとがき 註記/ジャック・デリダ講義一覧
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4.0ショーペンハウアーの「幸福論」 「いっさいの生は苦しみである」とみなしたショーペンハウアーが、逆に「生活をできるだけ快く、しかも幸福に過ごす」方法を説いたのが本書である。 『意志と表象としての世界』の哲学が「生活の知恵」として日常生活のなかにいかに応用されるか、ショーペンハウアー本人が具体的に記述している。 ショーペンハウアーにとって「生活の知恵」とは、襲いかかる運命から身を守る方法、この世でもてはやされるものの空虚さを知り、本質的なものを考える力であった。 「私は生活の知恵という概念をまったく独特な意味にとる。つまり生活をできるだけ快く、しかも幸福にすごすてだてと考える。そのための方策を幸福論と名づけてもよい。生活の知恵とは、実は幸福な暮らしかたを教えるものである。」 ゲーテやシェイクスピアなどの引用に富み、楽しく高雅な、厭世的哲学者による「幸福論」。 【目次】 はじめに 第一章 基礎になるまえがき 第二章 人にそなわるものについて 第三章 人が所有するものについて 第四章 他人がいかに思うかについて 第五章 さまざまな教訓と原則について 第六章 年齢のちがいについて あとがき(金森誠也) 解説(梅田孝太)
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4.0魔都ロンドン 時間の迷宮を彷徨う 18世紀初め、ロンドン大火後の首都再建計画の一環として市内各所に建設中の7つの教会に、異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、それから約250年後、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、有力な手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に吞み込まれていく。時を超えて反響しあう2つの物語の結末は……。円環する時間と重層する空間を通して魔都ロンドンを彷徨う都市迷宮小説。「『魔の聖堂』は機知に富んだ不気味な想像力の作品であり、複雑なプロットを有し、人類の堕落した本質に対する懸念が繰り返し執拗なまでに描き込まれている」(ジョイス・キャロル・オーツ)。デヴィッド・ボウイが愛読し、アラン・ムーア(『フロム・ヘル』)らに影響を与えた、ウィットブレッド賞、ガーディアン小説賞受賞作。
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3.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 復活を遂げたユダヤのことば 現代ヘブライ語は、古典ヘブライ語から復活を遂げ、19世紀にユダヤ人の国作り運動「シオニズム」の台頭とともに日常語として再生された言語です。イスラエルの公用語で、アラビア語と同じセム語族。イスラエル文化とユダヤの古典への入り口であると同時に、広い中東地域の言語文化の世界に連なっているとも言えます。この本では文字と発音から始めて会話文をもとに文法を解説し、練習問題を重ねて最後は短い読みものに挑戦。音声はダウンロードでお聴きいただけます。★音声アプリ無料ダウンロード
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-20221年クーデター前のビルマ 2011年の「民政移管」以降、それに伴う制裁解除とともに、ビルマ(ミャンマー)の地政学的位置づけが急速に変わろうとしていた──。本書は、ビルマを「アジアの勝手口」と見立てて、国境を接する東西の大国、中国とインドとの関係を中心にビルマ史を概観し、同国を取り巻く国際情勢を冷静に分析した入門書である。中印両国がビルマを含めた周辺国に与えた影響について、近代以前にまでさかのぼって丁寧に跡づけているのが特長だ。 著者は元国連事務総長ウー・タン(ウ・タント)の孫にあたる気鋭のビルマ史家。ビルマ北部の辺境といわれる少数民族居住地域を自ら歩き、ここで見聞し思索したことを要所要所にまとめている。こうした紀行の要素と情勢分析とが相まって、道路や天然ガスパイプラインなどのインフラ整備計画のほか、観光客の受け入れ計画などが各地で進められ、東アジアと南アジアを結ぶ新たな「十字路」としてのビルマの姿が浮き彫りとなる。二大文明に挟まれているというその位置こそが、ビルマにとって最大の「資産」であるという観点から、「アジア最後のフロンティア」の実像に迫る。 第26回アジア・太平洋賞特別賞受賞作。解説=中西嘉宏(京都大学准教授) [目次] プロローグ 第1部 裏口から入るアジア 夢みるイラワディ パウポー ビルマ・ロード 日暮れの王 新しいフロンティア 第2部 未開の南西部 マラッカ・ディレンマ 雲の南 ガンダーラ シャングリラ インド洋への道 第3部 インド世界のはずれ 東へのまなざし 忘れられた分離 国内の「国境」 新たな交差点 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 解説(中西嘉宏) 原注解説:中西嘉宏(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
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-日本独自編集版のアンソロジー 「ショーペンハウアーがけっして世捨人のような孤独な哲人ではなく同時代の社会の動きにも大きな関心を抱いていること……通俗的な事柄にも独自の見解を示していることに感心した。彼は真面目一方の学者ではなく、広く人生の諸相を観察し、かつそれを批判した人であった」(訳者あとがき) 主著『意志と表象としての世界』『倫理学の二つの根本問題』を中心とする著作から、ワーグナーに大きな影響を与えた有名な「音楽の形而上学」をはじめ、認識論・人生論・道徳論・芸術論等を抽出編集した、日本独自のアンソロジー。 苦悩としての生を説いた哲学者の、生の苦悩とそこからの救済をめぐる珠玉の警句がちりばめられた考察を精選。嫉妬、不安、野心、尽きせぬ欲望に満ちた世界を、われわれはいかにすれば逃れることができるのか。ショーペンハウアー入門にふさわしい一冊。梅田孝太解説
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-戦争の時代に戦後の原点へ 「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」が語られなくなって久しい。 戦後民主主義の記憶も遠くなり、中国・韓国はじめアジア諸国が台頭するなかで、ナショナリズム感情を煽る言説やパワーポリティクス論が巷に氾濫している。 本書は「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」といういまや打ち捨てられようとしている問題群に、現代の世界情勢を踏まえて再接近しようとする試みである。 まず、ウクライナ戦争やガザ戦争を受けて、真の「現実主義」がなにかが問われる。 本書によると、それは、たとえば、井伏鱒二『黒い雨』における「戦争はいやだ。勝敗はどちらでもいい。早く済みさえすればいい。いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」という言葉に端的に現れているという。 そして「正義の戦争」の欺瞞、軍隊の理不尽という戦後日本の原点が何度も確認される。続いて、いまでは忘れ去られた近代日本における反戦非戦の系譜に光が当てられる。 反戦・非戦の視点を恢復してみると、アジアはまったく異なってみえてくる。アジアの人々はだれも戦争や強権を望んでいるわけではないのだ。戦争の時代に広く読まれてほしい一冊。 [目次] はじめに 第I章 真の現実主義とは 1 戦争と軍隊の理不尽 2 もし武力侵攻されたら 第II章 日本の反戦非戦の系譜 1 日清戦争に反対した勝海舟 2 足尾鉱毒問題に生涯をかけた田中正造 3 幸徳秋水の平民主義・社会主義・平和主義 4 内村鑑三の非戦論 5 石橋湛山の「小日本主義」 6 戦後の平和運動の担い手たち 7 アフガニスタンで井戸ほりをした中村哲 第III章 台湾海峡の緊張をどう解きほぐすか 1 中台の攻防の歴史 2 台湾の戒厳令の時代 3 台湾アイデンティティの形成 4 台湾の選択 5 台湾と中国の交流 6 共通する文化の土壌 第IV章 香港の民主化運動はどこへいく 1 香港の民主化デモと中国の介入 2 植民地としての香港の歴史 3 植民地主義をどうみるか 4 香港の自立のディレンマ 5 香港の相対的地位の低下 6 香港のこれから 第V章 中国とどう向きあうか 1 中国とアメリカの応酬 2 中国のアキレス腱 3 中国への対応 第VI章 アジア・ビジョンをどう描くか 1 反戦非戦と文化力 2 戦前と戦後のナショナリストのちがい 3 アメリカと中国の反戦非戦 4 魅力ある国とは おわりに
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3.3サルマン・ラシュディ推薦! ドラキュラ、アリス、赤ずきん、ファウスト、スーパーマン……古今東西の伝説や文学作品に描かれた登場人物たちをめぐる、『図書館 愛書家の楽園』の著者による最新エッセイ集。 タイトルは「はしがき」の冒頭、『鏡の国のアリス』のユニコーンとアリスの会話に出てくるFabulous Monstersより。著者が子供の頃から心惹かれてきた童話、小説、神話、伝承に登場するモンスター=異形の、もしくは人間離れした、あるいは一筋縄ではいかないキャラクターたちと、その背後に広がる驚くべき文学世界が綴られる。 「人は同じ本を二度読むことはない」とは、時間についてのヘラクレイトスの警句をもじったものだが、作者によって生命を吹き込まれた登場人物たちは、私たちが読み返すたびにページを通して新たな真理を見せてくれる。それぞれのキャラクターが帯びる普遍性に気づかされると同時に、各章で言及される数々の作品も読んでみたくなる。ホールデンではなく妹のフィービー、ハックルベリー・フィンではなく逃亡奴隷のジム、孫悟空ではなく沙悟浄、ハイジではなく祖父に注目するなど、独特の視点も魅力。装画と各章のイラストは著者自身が手がけたもの。 [目次] はしがき ムッシュー・ボヴァリー 赤ずきんちゃん ドラキュラ アリス ファウスト博士 ガートルード スーパーマン ドン・フアン リリス さまよえるユダヤ人 眠れる森の美女 フィービー 性真 逃亡奴隷ジム キマイラ ロビンソン・クルーソー クィークェグ 独裁者バンデラス シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ ヨブ カジモド カソーボン サタン ヒッポグリフ ネモ船長 フランケンシュタインの怪物 沙悟浄 ヨナ 人形のエミリア ウェンディゴ ハイジのおじいさん かしこいエルゼ のっぽのジョン・シルヴァー カラギョズとハジワット エミール シンドバッド ウェイクフィールド 謝辞 訳者あとがき 出典
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-まだ自由に取材できた時代の貴重な記録 中国全土に高速道路網が整備されるのに伴って、それまで隔絶していた都市と農村が急速に近づいていった――。本書は、本格的なモータリゼーションが始まったばかりの中国各地をレンタカーで巡り、ときに長期滞在して、都市と農村に押し寄せる変化の大波を、市井の人びとの視点から描いたドキュメントである。 チベット高原に近い辺境の地で目にした「消えゆく村々」の歴史と現実、北京郊外の農村で生活をともにした魏一家の民宿ビジネスと泥沼の党書記選挙、浙江省麗水市の起業家が手がけた下着製造工場の盛衰など、昨日とはまったく違う今日を必死に生きようとする人びとの姿を、ユーモアを交えながら多角的・多層的に描く。目の前の問題をいわば即興で切り抜け、小さな交通違反を重ねる彼らのやり方は、日々めまぐるしく変化し、混沌とした社会を生き抜くための生活技術そのものだと著者は言う。 中国滞在十年、米国随一のチャイナウォッチャーが人びととともに暮らし、彼らの深層心理にまで入り込むことでなしえた「力技」の傑作ノンフィクション。解説=阿古智子(東京大学大学院教授)
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4.0生誕150年、没後70年記念出版 トーマス・マンの作品は日本で繰り返し翻訳されている。大長編『魔の山』はこれまでに七人の翻訳家によって訳出され、代表作のひとつ、『トーニオ・クレーガー』にいたっては、この100年間で日本で17人の訳者によって翻訳され、刊行されているという事実が本国ドイツで驚きをもって伝えられた。なぜこれほどまでに日本で人気があるのか。 23歳で初の短編集を出版したノーベル文学賞作家の魅力はなんなのか。同じく23歳で芥川賞を受賞した日本のふたりの小説家が、ドイツの記念式典にも招待される世界的に著名な研究者とともに、文豪マンの作品について語り尽くす。 マンは1875年に北ドイツのリューベックに生まれ、1955年にスイスのチューリヒで死去。2025年は生誕150年を祝う式典が世界各地で行なわれ、ドイツでは四日間開催され、大統領も出席したという。なぜそれほどまで愛されるのか。 本書には、九州大学で行なわれた生誕150年記念講演およびその後の鼎談を収録するほか、マンが日本の知人に宛てた五つの書簡の翻訳も掲載。略年表やブックガイドも完備。トーマス・マンを味わい尽くす一冊。 [目次] トーマス・マンについて 小黒康正 トーマス・マン略年譜 小黒康正 日本の一愛読者 トーマス・マンと三島由紀夫 平野啓一郎 トーマス・マン生誕一五〇年記念講演会 新訳『トーニオ・クレーガー』への挑戦 小黒康正 ゲーテに倣いて トーマス・マンと『ゲーテはすべてを言った』 鈴木結生 芸術とその〝重み〞『 ファウストゥス博士』より 平野啓一郎 鼎談 講演を終えて 小黒康正×鈴木結生×平野啓一郎 私のゲーテ(西日本日独協会講演) 鈴木結生 トーマス・マンの日本人宛て五書簡 小黒康正訳 新訳『魔の山』への挑戦? 小黒康正 おわりに 小黒康正 コラム 小黒康正 日本におけるトーマス・マン受容 トーマス・マン研究と九州大学 『トーニオ・クレーガー』か『魔の山』か? トーマス・マン文学のための登山ガイド
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4.0わからない魅力に引き込まれる 今年はドイツ語作家フランツ・カフカ100年にあたります。生前はほとんど知られていない作家ですが、一世紀後の現在では著名な小説家のひとりとして、その作品は多くの言語に翻訳され、読まれています。 そんなカフカ作品に魅了された著者たちが、その面白さを本書で縦横無尽に語りかけます。 朝目覚めると虫に変わっていた主人公は有名ですが、糸巻状の「何か」という不思議な存在が出てきたり、そうかと思えばまったく姿を現さなかったり、よくわからない登場人物たちにわたしたちは翻弄されます。 繰り返される断食のシーンからはヴェジタリアンで風変わりな健康体操を人に勧める作家の別の素顔が垣間見られます。 そのほか、出だしや結びの一文に驚愕したり、絶句したりすることしきり。カフカの作品はうかうかできません。いつまで経っても辿り着かないぐるぐるまわる物語にめまいすら覚えます。 カフカフカフカ この終わりのない魅力をあれでもか、これでもか、この一冊に収めました。全54の選りすぐりの場面を通して、カフカの世界を全身で体感できます。巻末には40年間の作家の年譜と、読書案内を完備。 [目次] はじめに i こんなはじまり、あんなはじまり 冒頭の一文に引き込まれる ii こんなキャラ、あんなキャラ 作品の登場人物たちに翻弄される iii こんな世界、あんな世界 物語の設定に目がまわる iv こんなカフカ、あんなカフカ 作家の素顔に驚愕する v こんな終わり、あんな終わり 結びの一文に絶句する 年譜/読書案内/あとがき
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5.0《ちがい》があるから世界はおもしろい! かつて、エジプトの扇風機の羽は金色が主流だったという。黄金色に輝く羽から送られる風はどんな心地だったのだろうか。慣れない目にはやや刺激的に映るその家電の色合いは現地で長く生活する人にとっては当たりまえで、扇風機の羽はそうじゃなきゃと思われていたのかもしれない。 この本は、こんな世界中の「ちがい」をさがしもとめ、私たちがなじんでいるものとは異なるカタチを楽しむための一冊。人はどんなときに美しいと感じ、なにを美しいと捉えてきたのか。また、時代や地域によってその基準は変わるものなのか。 雄大な大自然の風景は長らく美の対象とはならなかった。工場などの建造物やすでに使われなくなった廃墟は現代ではしばしばその美しさが話題になる。庭園に美を見いだす地域もあれば、死者が旅立つための棺桶に意匠をこらす町もある。 最近では、エジプトでも涼しげな羽の扇風機が増えているそうだ。変化する「美しい」に注目して私たちのまわりを改めて眺めてみると、この世界はいままで以上に彩り豊かになる。自分の境界を飛び越えて、さまざまな「美しい」を味わう旅にでてみませんか。
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5.0敗戦の先に見えた文学のかたち 世界文学が話題になる今日、国民文学や文学史の誕生を問いかける試みは時代錯誤に思われるかもしれない。 他方、近年のナショナリズムの高まりや排外主義の台頭は見逃すことができない広がりを見せている。 こうした状況は、国民国家=国民文学という図式に再考をうながす。情報のグローバル化と文化のナショナリズムは矛盾しない。そもそも文学にはそれなりの自立性が備わっており、国民国家に容易に回収されるものではないのだ。 本書はこうした問題意識から「フランス文学」の誕生とその形成を解明してゆく。 まず確認できるのは、フランス革命下、「文芸」が「文学」に変貌し、文学が社会の表現であるという共通了解が醸成されてくることだ。 さらに特筆すべきは、普仏戦争の敗北を受けた第三共和政のもとで「フランス文学史」が、修辞学や批評、歴史学と競合しながら彫琢されていったという事実である。 そこには国民の立ち上げという文脈に解消できない、ゆたかな地平が広がっていた。〈戦後民主主義〉としてのフランス文学史の発見! 【目次】 序章 近代文学、国民国家、文学史 加藤周一『日本文学史序説』の意義/文学の終焉?——柄谷行人/ 国民文学から文学史へ/本書の構成 第一章 日本の「世界文学全集」とフランス文学 世界文学の多様化/国文学の誕生/世界文学全集の時代/ 河出書房版『世界文学全集』/中央公論社版『世界の文学』/ 集英社のシリーズ/池澤夏樹編『世界文学全集』の新しさ/ 審問に付される正典 第二章 世界文学からフランス文学へ ゲーテと知的共同体のユートピア/現代の世界文学論/ ダムロッシュ『世界文学とは何か?』/フランコ・モレッティ『遠読』/ パスカル・カザノヴァ『世界文学空間』/世界文学論と日本——批評と教育 第三章 「国民文学」の誕生 文学 littérature が意味するもの/『フィクション試論』と小説の擁護/ 文人から作家へ/スタール夫人『文学論』の基本構図/ フランス文学の特質/文学のジェンダー性、すでにして/ 文学と改善可能性/『文学論』の価値とその後/ 文学は社会の表現である——ボナルド/ドイツ・ロマン派の文学観 第四章 文学史の成立とその争点 外国文学へのまなざし/歴史的な思考の台頭/ アンペールの「国民文学」宣言/文学と国民史/ 文学史以前の文学講義——ラ・アルプ、ヴィルマン、ニザール/ 忘れられた文学史家タイヤンディエ 第五章 中等教育における文学史と歴史学 第三共和政下の教育改革/ラテン語vsフランス語/ 中等教育におけるフランス文学史/ ルベーグ『フランス文学選集』の射程/ヴィクトル・ユゴーの特権性/ 十九世紀文学の飛躍/歴史学と中等教育/『二人の子どものフランス巡歴』 第六章 フランス第三共和政下の人文学の再編 第三共和政とは何か/普仏戦争の衝撃——ルナンとテーヌ/ エミール・ゾラの歴史認識/総合大学 Université の再生に向けて/ モデルとしてのドイツ/改革の具体策/大学改革と人文学の再構築/ 知的プロレタリアートの不満 第七章 ギュスターヴ・ランソンの試み 歴史学を前にした文学史/ランソン『フランス文学史』とその意図/ ランソンに何が欠落しているか/ランソンの原理/文学史の政治性/ 他の学問分野へのまなざし——歴史学と社会学/ランソンの先見性 終章 現代のフランス文学史 フランスで刊行された文学史/日本のフランス文学史/ 作家の地位の変遷/諸外国で刊行されたフランス文学史/ 文学史の未来に向けて あとがき
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4.0小説好き必読の一冊がパワーアップして再登場! 筋を楽しむだけでなく、深く読み解くために シェイクスピアや聖書の引用、天気や病気の象徴的使い方、性的暗喩、隠された政治的意図…。小説の筋を楽しむだけでなく、一歩踏み込んで読み解くための27のヒント。 ひと味違った文学の楽しみ方 小説好き・文学部の学生必読の1冊がパワーアップして再登場! 英米文学を読むのに、ギリシア・ローマ神話、聖書、シェイクスピアの知識は欠かせないといわれる。ではてっとりばやく知識を仕入れればすむかというと、話はそう単純ではない。読者がなにげなく読み流している文章の中にも、それらの要素は象徴やアイロニーとなって潜んでいたりし、見抜くにはコツが必要だ。本書は長年にわたって文学を教えてきた教授が、学生や一般読者のために、そうしたコツを惜しげもなく伝授すべく書いた解説書である。はじめにあげた3項目はもちろん、天気や病気の象徴性、性描写の意味、隠された作者の政治的意図など、象徴やパターンの読み込み方が、豊富な実例に作品のあらすじをまじえ、27章にわたって説明されている。 まるで授業を聞いているような生き生きとした語り口と、時には有名な映画の一場面も例に挙げる親しみやすさから、本書の旧版はアメリカでロングセラーになった。『老人と海』をはじめとするヘミングウェイの作品や、『デイジー・ミラー』、エドガー・アラン・ポーの作品など、おなじみの小説の違った顔が見えてくる1冊。 [目次] まえがき プロローグ いったいどうやったんだ? 1 旅はみな探求の冒険である(そうでないときを除いて) 2 あなたと食事ができて嬉しいです──聖餐式の行為 3 あなたを食事にできて嬉しいです──吸血行為 4 たしかどこかでお会いしたような 5 疑わしきはシェイクスピアと思え…… 6 ……さもなければ聖書だ 7 ヘンゼルディーとグレーテルダム 8 ギリシア語みたいにちんぷんかんぷん 9 ただの雨や雪じゃない 10 ヒーローのとなりに立つな 幕間 本気でそんなことを? 11 お前も痛いだろうが、パパのほうがもっと痛いんだよ──暴力について 12 それって象徴ですか? 13 それは政治が決めること──文学の中の政治 14 そう、彼女もキリストのイメージなんだ 15 空想は空を飛ぶ 16 すべてセックス 17 セックスシーンだけは例外 18 浮かび上がったら洗礼 19 地理は重要だ…… 20 ……季節も 幕間 ストーリーはひとつ 21 偉大さのしるし 22 目が見えないのにはわけがある 23 ただの心臓病じゃない……そして病気にはたぶんウラがある 24 目で読むな 25 それがぼくの象徴だ、しかも泣きたければ泣くさ 26 まじで? アイロニーについて 27 テストケース 終幕 仕切っているのは誰? 結びの句 付録 おすすめ本リスト 謝辞 訳者あとがき
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-「正義」追求のゆくえ 歴史上、さまざまな大規模政治変動を引き起こしてきた「革命」──。それは、何によって引き起こされ、どのようなプロセスを経て、そして何をもたらすのだろうか。 古代ギリシャやローマの都市国家から始まり、西欧のルネサンスや宗教改革、フランスの啓蒙主義、アメリカのような自由主義的立憲革命、明治期日本の立憲革命、さらに、その対極にある二〇世紀の共産主義革命など、革命はさまざまな歴史的展開をみせてきた。 さらに近年になると、革命が、ニカラグアやイランで独裁者を倒し、ソ連や東欧では共産主義の崩壊をもたらし、またフィリピンやウクライナ(「カラー革命」)、中東を揺るがしたアラブ蜂起(アラブの春)では、非暴力革命の新しい波が生まれた。 少数派を取り込んだ安定的で公正な体制が増えれば、革命の必要性はなくなっていくと考えられる。だが、そうした状況からはほど遠い現在、革命についての考察は重要であり続ける。本書は、革命家たち、彼らの戦略、成功と失敗、そして革命が世界の出来事と人びとの想像力をいかに支配し続けているのかを、学術理論と豊富な事例をもとに解き明かす格好の入門書。 【目次】 謝辞 第1章 革命とは何か 第2章 何が革命を引き起こすのか 第3章 革命のプロセス、指導者、成果 第4章 古代世界の革命 第5章 ルネサンスと宗教改革の革命 第6章 立憲革命──アメリカ、フランス、ヨーロッパ(一八三〇年・一八四八年)、明治期の日本 第7章 共産主義革命──ロシア、中国、キューバ 第8章 独裁者に対する革命──メキシコ、ニカラグア、イラン 第9章 カラー革命──フィリピン、東ヨーロッパ・ソ連、ウクライナ 第10章 二〇一一年のアラブ革命──チュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメン 第11章 近年の革命と将来の革命 訳者あとがき 参照文献/読書案内/図版一覧
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-終わりのない「カオス」の始まり 2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件は、単なる異常な出来事ではなく、ドナルド・トランプが4年間にわたって繰り広げた、ワシントンに対するルールなき戦いの必然的なクライマックスだった──。本書は、歴代大統領を取材し続けてきたホワイトハウス主任記者が、300に及ぶ独占インタビューのほかプライベートな日記やメモ、メールなどの一次資料に基づいて、混乱に満ちた始まりから暴力的な結末に至るまでのトランプ政権のすべてを網羅し、その内情を詳細に描き出した決定版である。 噓、忖度、虚勢、欺瞞、脅迫、裏切り……ホワイトハウスの裏側からの独占的なスクープや、これまで伝えられてこなかった数々のエピソードを通して、緊張感に満ちながら、時にどこか滑稽な大統領執務室のシーンに読者を引き込んでゆく。 トランプは嘘を武器に敵を攻撃し、共和党を個人崇拝の集団に変え、選挙で敗北した後も権力にしがみつこうとした。アメリカの民主主義の未来が深刻な危機に瀕していることを明らかにした衝撃作。三牧聖子氏(同志社大学大学院准教授)推薦! [目次] 序章 トランプ政権のトレードマーク 第I部アメリカ 死屍累々たる惨状 第1章 ワン、ツー、ツイート 第2章 素人集団 第3章 決してマードックを待たせるな! 第4章 味方と敵と 第5章 ロイの亡霊 第6章 私の将軍たち 第7章 場当たり体制 第II部 おまえはクビだ 第8章 紛争は大好きだ 第9章 熱追尾ミサイル 第10章 ロシア、ロシア、ロシア 第11章 八五パーセントの男 第12章 今すぐ閉鎖しろ 第13章 大人たちは立ち去った 第III部 つかまるもんか 第14章 ナポレオン・モード全開 第15章 ハノイの分裂 第16章 キングコングは必ず勝つ 第17章 ジョン・ボルトンの戦争 原注
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-戦後目指された交流のかたち 岸信介や福田赳夫、梅棹忠夫、そして国際文化振興会や国際文化会館など様々な思惑の中で国際交流基金はいかに生まれ、変容したか。 [目次] 序章 見過ごされた戦後史――特殊法人国際交流基金とその時代(小川忠+坂戸勝) I 戦後のダイナミズム 第一章 国際文化関係史のなかの国際交流基金——特殊法人時代の再検討(川村陶子) 第二章 特殊法人国際交流基金と運営審議会——草創期委員の期待と現実(坂戸勝) 第三章 ボトムアップ型文化交流政策の形成(小川忠) II 新たなアプローチの模索 第四章 中東と日本のスポーツ交流——国際交流基金による「中近東スポーツ交流促進特別事業」を中心に(秋元美紀) 第五章 「日本―ASEAN多国籍文化ミッション(MCM)」は何を遺したか(岡眞理子) 第六章 国際交流基金の展示事業とアジアの美術交流(岸清香) III 人はいかにつながるか 第七章 戦後日本の人物交流事業における国際交流基金の特徴と課題(牧田東一) 第八章 日本文化ゲートウェイとしての海外事務所——バンコク日本文化センターを事例にして(吉岡憲彦) 終章 特殊法人国際交流基金における「交流」の変遷(嶋根智章) あとがき
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3.3いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか 『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。 幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。 ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。 やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。 タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。
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5.0欺瞞、密約、だまし討ち 死後七〇年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは二十世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の一人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した四人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。 ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす三人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。 戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作! 「現代史アーカイヴス」として復刊。 【目次】 表記・出典について はじめに 第一部 第一章 聖地の「プレイボーイたち」 第二章 変わり種 第三章 別のところ、別のいいもの 第四章 最後の一〇〇万まで 第五章 あきれた混乱 第六章 秘密を守る人たち 第七章 背信 第二部 第八章 戦いを交える 第九章 キングメーカーになる男 第十章 無の中に収まって 第十一章 欺瞞の霧
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4.5ある島の〈ノアの箱船〉の物語 ブッカー賞ほか最終候補作 優生学の名のもと、実在の島マラガに起きたことを題材に、美しい詩的文体で描きだすある島の年代記。 一七九二年、逃亡奴隷のベンジャミン・ハニーはアイルランド出身の妻ペイシェンスと共に様々な林檎の種を持ってメイン州の小さな無人島にやってきた。ふたりは苦労して林檎園を作り上げ、島はアップル島と呼ばれるようになる。 それから約百年、ハニー家の子孫と肌の色も様々な島民は、豊かな自然のなかでつましくもひっそりと穏やかに暮らしていた。そこへ一九一一年、理想に燃える白人の元教師マシュー・ダイアモンドがやってくる。ベンジャミンのひ孫にあたるエスターは、ダイアモンドの善意は理解しながらも心をざわつかせるが、彼の指導で何人かの子どもたちは絵画や語学、数学の才能を花開かせていく。 ある日突然、本土から知事の命で委員たちがアップル島の視察に現れる。いきなり子どもたちの頭に測定器を当ててなにやら書き留め、子どもたちは怯え、大人たちは反発する。やがて島と人々を襲う大きな悲劇とは――。 刊行直後から話題を呼び、ブッカー賞、全米図書賞、国際ダブリン文学賞などの最終候補作に選出された。美しく痛切な祈りの物語。
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4.0愛とユーモアにあふれた斬新なビートルズ 史上最も影響力のあるバンド、ザ・ビートルズ。彼らはなぜ、こんなにも人々に愛されているのだろう? そして、解散から半世紀を経た今でも、彼らはなぜ私たちにとってこんなにも重要な存在なのだろう? 五歳のころからビートルズとその音楽に魅せられてきたローリング・ストーン誌の看板コラムニストが、彼らの過去、現在、未来を型破りな視点で考察し、なぜ彼らの音楽は今も私たちの耳に新鮮に響くのかをユーモラスな筆致で探る。 三十六の章タイトルは主にビートルズの曲やアルバムのタイトル(メンバーのソロ曲も含む)から採られ、それぞれの曲やアルバムが生まれた背景にある物語が思わぬ形で浮かび上がる。なかでも興味深いのはジョンとポールの関係についての洞察で、二人の曲作りや不思議なつながりに関してかつてない視座を与えてくれる。ジョージとリンゴの魅力にも目配りを忘れず、彼らの存在のユニークさを新たな角度から解き明かしている。 「これまでに書かれた最高のビートルズ本」と称賛され、NPR年間最優秀図書賞とヴァージル・トムソン賞(音楽批評部門)を受賞。ビートルズ愛に満ちた唯一無二のエッセイ。
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-ピュリツァー賞受賞作品収録、画期的な選集 一七七六年のアメリカ建国史を黒人奴隷制と差別の視点から捉え直し、最初のアフリカ系黒人奴隷が到着した「一六一九年がアメリカの真の始まり」と位置づけ、学者・詩人・作家・ジャーナリストによる、多様なテーマ(人種、政治から音楽、正義まで)の十八本の論文・詩・短篇を編んだ歴史書。トランプ大統領が「有毒なプロパガンダ」と非難し、ハリス前副大統領が「アメリカ史に絶対に必要な清算行為」と称賛し、大反響と歴史修正主義を巡る大論争が起きた話題作。「プロジェクト」の目標にアメリカの学校に黒人奴隷制を学ぶ教育を定着させることにある。カリフォルニアなどの州は「プロジェクト」を教育カリキュラムに取り込もうとしている。しかし共和党保守派議員はカリキュラムに組み込ませないようにするための法制化を急いでいるという。本書は日本において、アメリカ建国史と黒人奴隷の真実、黒人差別と抵抗の知られざる歴史、トランプによる分断政策の問題点を知りたい読者必読の書だ。編著者は『NY・タイムズ・マガジン』常勤ライター、ハワード大学教授。人種的不正義の報道、学校での人種隔離の存続の研究に取り組んでいる。 【目次】 序文 もう一つの起源 ニコール・ハナ=ジョーンズ著 一六一九年 ホワイト・ライオン号 クローディア・ランキンの詩 第1章 民主主義 ニコール・ハナ=ジョーンズ著 一六六二年 方位学の娘たち ニッキー・フィニーの詩 一八八二年 私を愛すること ヴァイヴィー・フランシスの詩 第2章 人種 ドロシー・ロバーツ著 一七三一年 魔法をかけられて オノレ・ファノン・ジェファーズの詩 一七四〇年 エディ・ケンドリックスの「我が人種は持ち堪える」と一七四〇年の黒人法に倣ったガザル風の文章 テランス・ヘイズの詩 第3章 砂糖 カリル・ジブラン・ムハマッド著 一七七〇年 最初に蜂起した人 ユセフ・コムニャカーの詩 一七七三年 証拠[親愛なるフィリスへ] イヴ・L・ユーイングの詩 第4章 恐怖 レスリー・アレクサンダー、ミシェル・アレクサンダー著 一七七五年 自由は私自身のためだけのものではない ロバート・ジョーンズ・ジュニアの小説 一七九一年 その他の人人々 レジナルド・ドウェイン・ベッツの詩 第5章 追い出し タイヤ・マイルズ著 一八〇〇年 水面を波立たせる バリー・ジェンキンズの小説 一八〇八年 南へ売り飛ばされる ジェズミン・ウォードの小説 第6章 資本主義 マシュー・デズモンド著 一八一六年 フォート・モーズ タイヒンバ・ジェスの詩 一八二二年 彼の処刑前 ティム・シーブルズの詩 第7章 政治 ジャメル・ブーイ著 一八三〇年 人間としての私たち コーネリアス・イーディの詩 一八五〇年 ハリエット・ヘイデンへの手紙 リン・ノッテージの独白 第8章 市民権 マーサ・S・ジョーンズ著 一八六三年 キャンプ ダリル・ピンクニーの小説 一八六六年 絶対的大虐殺 ZZ・パッカーの小説 原注
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-比較ファシズム論の金字塔 戦間期ヨーロッパにおいてファシズムの牙城となったイタリア、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、スペイン。これらの諸国がたどった運命は何に由来するのか。 著者は、歴史家が忌避しがちなファシズムに関する一般理論の構築を歴史社会学の立場から試み、四つの基本的な社会的力の交錯物としてファシズムを理解しようとしている。 分析の焦点となるのは、政治体制としての「ファシズム」ではなく、運動もしくは人としてのファシスト、そして彼らの価値観に置かれ、しかもそれらが異常心理や未開への回帰ではなく、近代そのものの一側面を尖鋭に表現していると強調する。 注目すべきは、ファシズムの中間階級テーゼ、ないし下層中間階級テーゼとの対決である。本書が見出したファシズムの中核的支持基盤は、若い男性と国境を脅かされた地域の住民、そして公務員層だった。 近年、権威主義や極右ポピュリズムの台頭といった新たな問題が浮上してきた。歴史的パースペクティブの下に大胆な図式を提示している本書の意義は大きい。 【目次】 日本語版への序文 序 第一章 ファシズム運動の社会学 第二章 戦間期の権威主義とファシズムの台頭を説明する 第三章 イタリア――元祖ファシスト 第四章 ナチズム 第五章 ナチズムに共鳴した人々 第六章 オーストロ=ファシズム、オーストリアのナチ党 第七章 ハンガリーの権威主義諸派 第八章 ルーマニアの権威主義諸派 第九章 スペインの権威主義諸派 第十章 結論――ファシストの生死を問う 監訳者あとがき 解説(平田武) 付表 註 文献
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4.0未来論が流行している。背景には、危機と不確実性がある。一九七〇年代に流行した折には、資源危機と南北対立を受けていた。本書は、著者が二十五年にわたって「未来学」で発見した、さまざまな側面に光を当てる。 とりわけ、科学的な予測と根拠のない憶測の間に横たわる、未来をめぐって生じる葛藤に、フランクフルト学派の批判理論の観点から光を当てる。 未来は時間なのか場所なのか、あるいは、時間は円環なのか直線なのか。未来について人々が思考をめぐらせてきた三千年にわたる歴史は近代以降、マルサス的な終末論とテクノオプティミズムの両極端で宙ずりになっている。 こうした未来論の整理は、未来を論じる学問的素地がほとんどない日本ではより重要である。一九七〇年前後、小松左京、梅棹忠夫らが未来学の創設を目指し、機運が高まった時期もあったが、その後日の目を見ず、現在に至っている。 預言者からSFまで、ルネサンス・啓蒙思想からテクノトピアまで、人類が夢見た未来を概観するはじめての入門書。オックスフォード大学出版局の入門シリーズ(VSI)の待望の翻訳。
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-気候変動の時代の社会をケアする 〈脱成長の企ては、「つらい人生のなかに良き生をもたらす」というジュディス・バトラーの問題関心と共鳴する。しかし、経済学を専門とする私は、ジュディス・バトラーとは異なり、個人の倫理から出発して社会変革に至るのではなく、むしろその逆で、不可欠な文化的断絶から個人の生活へのさまざまな含意へと至る道を構想している。〉(本書より) 「脱成長」の第一人者として高名な、フランスの経済学者・哲学者セルジュ・ラトゥーシュによる著作。幸福と美食という二つの具体的なトピックから、脱成長の意味や文化を語る。 地球の健康も考えて、脱成長しながら豊かに食べてゆく方法「節度ある豊かさ」で生きのびる技法が、幸福と美食とを切り口にして解説されてゆく。気候変動の時代、スローフード運動の哲学とともに、有機的な社会へのケアの道のりを教えてくれる、人新世の「幸福論」。 ジュディス・バトラーの問題関心に共鳴しつつ、お金のかかる医療制度や不可逆的ダメージからの脱却、そしてなにより、自尊心をもって分かち合うことの大切さの気づきを得ることができる。 [目次] 序章 第1部 脱成長、そして幸福の逆説──簡素に生きる歓び 第1章 「良き生」の変容──天国での至福から富の所有へ 第2章 富の指標の批判からブエン・ビビールの再発見へ 第2部 美食、ジャンクフード、脱成長 第3章 脱成長は食生活をどのように変えるか? 第4章 脱成長とスローフード 第5章 脱成長と肥満 第6章 余り物に対処する技術──廃棄物問題を考える 結論に代えて──カタツムリの二つの教訓への回帰 エピローグ──パンデミック以後 謝辞 解説 訳者あとがき 註記
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-核戦争を止める「国際法」がわかる、現代史の一級資料 ノーベル平和賞受賞「ICAN」国際運営委員兼会長、川崎哲さん推薦 「核兵器を作ったのも人間、なくすのも人間です。」 国連において122の国と地域の賛成で採択された核兵器禁止条約。実現不可能とも言われた条約成立(2017年7月)に貢献したとして、国際NGOのICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が同年のノーベル平和賞を受賞したことも歴史的快挙だ。 核兵器禁止条約はどのように実現したのか、なぜ重要なのか? 本書は、人間の安全保障をかかげる「人道イニシアティブ」が誕生するまでの経緯と核兵器禁止条約(TPNW)が発効するまでの歴史の全容を解明する。オーストリアの現役外交官の著者が、内部の戦略文書や関係者の証言をもとに、数々の戦術的・政治的決定を振り返り、成果を徹底検証。 核戦争を止める「国際法」がわかる、現代史の一級資料。軍備管理や外交など国際関係を学ぶ者に待望の書。唯一の戦争被爆国が果たす役割とは何か、日本人が考える契機になる一冊。巻末付録・注記付き。
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4.0トランスジェンダーをめぐる信頼と対話の物語 〈『ここが海』は、岳人が「受け入れることができる」という信頼を友理のなかに積み重ねていく物語です。〉(本書「あとがき」より) * 岳人と友理は、ともにフリーライターとして働き、高校生の娘・真琴を連れて、日本各地のホテルやロッジなどを転々としながら生活している。 海辺のホテルに長期滞在中のある日、岳人は友理から、その性自認をためらいがちに告げられる。 「自分は女じゃないかもしれない」 友理からのカミングアウトを聞き、岳人は、その性別違和の告白に驚きつつも理解を示す。それはまた、心を寄せる側にも〝受け入れられてゆく〟時間が始まるということだった──。 心をふりしぼり、潮目を変える。そこから生じる「移ろい」のなか、当事者との信頼関係を構築してゆく会話劇。 巻末には、この作品づくりにおいての配慮の大切さを記した「あとがき」と、登場人物達のサブテキスト(感情の流れ)を理解するためのみちびきとなる「演出ノート」が付録する。 トランスジェンダーをめぐる信頼と対話の物語。
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3.82021年ノーベル文学賞受賞! 初期代表作 舞台は20世紀初頭、現在のタンザニアの架空の町。主人公ユスフの12歳から18歳までの成長の過程が辿られ、東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期が、少年の目から語られる。 宿を経営するユスフの父親は借金に行き詰まり、裕福な商人アズィズに借金の形に息子を差し出す。ユスフは使用人(奴隷)として働き、内陸への隊商で莫大な富を得ているアズィズの旅に加わる。 互いに争うアラブ人、インド人、アフリカ人、ヨーロッパ人のいくつもの勢力を目撃し、さまざまな経験を積んだユスフは次第に自らの隷属状態について疑問を抱きはじめる……。 作家は1948年ザンジバル(現在のタンザニア)生まれ。革命の混乱を受けて67年にイギリスに渡る。ケント大学で博士号を取得。ポストコロニアル文学を教えながら執筆活動を続け、現在、同大学名誉教授。これまでに長篇10作を発表し、1994年に刊行した4作目となる本書『楽園』はブッカー賞およびウィットブレッド賞の最終候補となる。2021年にノーベル文学賞を受賞する。 巻末に「ノーベル文学賞受賞記念講演」を収録。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! ヨーロッパやアフリカでも広く使われる、思想や芸術、文化を育む国際語 フランス語の世界へようこそ! ファッション、美食、映画、芸術……フランス語にはどんなイメージがあるでしょうか。一見難しそうな発音や文法も、実はとても規則的。フランス語は英語に大きな影響を与えているので、英語からの類推もおおいに役立ちます。フランス本国はもちろん、ベルギーやスイス、カナダのケベック州、アフリカやカリブ海の多くの国や地域など世界中で話されているフランス語を学べば、コミュニケーションの可能性が無限に広がります。音声はダウンロードでお聴きいただけます。 【本書の構成】 ◆フランス語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 ◎ここがプラス!◎ ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-ポスト戦後の精神史 数は減ったとはいえ、学者になりたい人は一定数いるはずだ。本書はそうした人たちに向けて、学者のなり方、職業としての学問を説く試みである。 磯前さんは静岡大学の歴史学科を卒業して、生まれ故郷の茨城で高校教師になったものの、学者になることをあきらめきれず、勉強し直して、東大院の宗教学専攻に入ったという変わり種だ。 高校教師として働きながら(そして、結婚して子どもを抱えながら)の大学院受験は一筋縄ではいかず、語学学習のやり方からはじまり、東大や京大の大学院をさまざま受けた(落ちた)ことまで赤裸々に語られている。 磯前さんの進学先とその時代が、この本を単なるハウツーや体験記を超えたものにする。 磯前さんは東大院で島薗進さんに師事した。このことが人生を大きく変えていく。そして当時、東大宗教学は、スピリチュアルやニューアカに乗じて、スターを輩出しつつあった。 こうしたブームは、オウム真理教事件によって無残に瓦解した。磯前さんは事件以降、宗教学批判を展開し、酒井直樹さんらと意気投合してポストコロニアル研究に向かう。本書はこうした一大転換の貴重な記録にもなっている。 【目次】 はじめに 学者って何者? 第一章 書物が友だちだった――私の生い立ち 少年探偵団と活字の匂い/ドリトル先生物語/キリストの死 古代の息吹 第二章 学問への目覚め――シラケ世代の悩み いつでも音楽があった/放任主義とシラケ世代 マルクス主義歴史学と感情/ロンドンと異星人 第三章 修行時代――自立という課題 高校教師失格/大学院受験/大学院合格/東大助手になる 第四章 大学教員という仕事――意気揚々の時代 オウム真理教事件/資料の公開/国際学会/ロンドンの闇 第五章 国際日本研究――ひとつの回心 ハーバード滞在/国際日本研究文化センター 東日本大震災/ザ・タイガース 終章 世界が自分の家だから あとがき――存在の語りのあわいに
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! アンコールワットが待っている カンボジア語はクメール語とも呼ばれ、カンボジア王国の国語です。南インドの文字に起源を持つ固有の文字を用い、子音文字の上下左右に母音記号をつけますが、1つの単語の中で子音が連続すると2つ目の子音が「脚」という別の形に変わるのが特徴です。文法は基本の3つの語順を押さえれば、それほど難しくありません。文の主題を文頭に置いたり、言わなくてもわかることは省いたりなど、日本語に似ている点もあります。アンコールワットへ行く前にカンボジア語を学んでみませんか? 【本書の構成】 ◆カンボジア語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 ◎ここがプラス!◎ ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-歴史・人間・帝国 政治・経済・社会の制度から、科学・文学・芸術の文化までの遺産が、世界で称賛されつづけているイギリスの一九世紀。だが、このヴィクトリア朝には、つねに神話化されたイメージがつきまとう。 ヴィクトリア朝の人びととは、いったい誰のことを指すのだろうか。この時代を生きた彼ら/彼女らは近代都市社会の多くの課題に初めて直面する一方で、その世界的な行動が帝国という悪しき世界を形づくることにもなった。 それにしても、なぜヴィクトリア朝は、今なお日本を含む諸国の文化で重要な位置を占めつづけているのだろうか。「ヴィクトリアニズム」と呼ばれる特定の世界観/価値観は正当化できるのか。この時代のイギリスの実像はどのようなものだったのか。そして、その文化は世界にいかなる結果をもたらしたのだろうか。 本書は、このような問いをめぐって歴史学者が冷静な視点から論じる、ヴィクトリア朝研究の小さな名著である。今後、イギリスという国の歴史的な内情や、その栄光と秘密を知りたい読者、さらに世界の近代史への理解を深めたい読者にとっての必読書になるだろう。
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4.0ウクライナとソ連・ロシアの現代史、深い闇を照射 ウクライナでは1932年から33年にかけて、400万人前後が餓死したといわれる大飢饉「ホロドモール」があった。飢饉はソ連全土を襲ったが、とくにウクライナやウクライナ人が多数住む北カフカースなどの被害が甚大だった。ソ連は当時もその後も長らくその事実を否定していたが、飢饉の原因は今日ではほぼはっきりしている。無謀な農業・産業政策と、ウクライナ農民の抵抗と民族帰属意識を弱体化させようとする意図が絡み、人為的につくられたものだった。大量の餓死は、未必の故意による人災以外のなにものでもなかった。 さらに戦後、ソ連支配が強化されるウクライナで、ホロドモールの記録が隠蔽、改竄され、記憶からも抹消された経緯から、「民族復興の物語」としてのホロドモールに至る現在まで、長期にわたって検証する。 歴史家(ロシア史)のオーランドー・ファイジズは、「今日、ウクライナとロシアに何が起こっているのかを理解したいすべての人に推薦する」と本書を高く評価している。著者はピュリツァー賞受賞の歴史家・ジャーナリストで、本書はダフ・クーパー賞、ライオネル・ゲルバー賞を受賞している。現在の戦争と両国関係史の闇の奥、1932年~33年の飢餓による大量殺害の実態。ソヴィエト化、文化と民族の破壊、記憶の政治運動も詳述。
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-尋常ならざる知性の持ち主たちの奮闘記 演説と文章のプロフェッショナルたちの波瀾の生涯 世俗の支配層が武人とほぼ同義の西欧中世と違い、ビザンツ帝国では文官・文人が存在感を示した。彼らは、美辞麗句ばかりで中味が空っぽとか、言っていることと腹のなかがまるで違う二枚舌だとか、同時代の西欧人から現代の研究者に至るまで、ことあるごとに非難を浴びせられ、「ビザンツ的」と言えば、権謀術数や虚飾や空虚な議論の代名詞のようなイメージが出来上がってしまっている。だが、それはプロの修辞家として、依頼された仕事を誠実に果たした結果であり、個人としての著作や生き方には、また別の顔があった。 本書は、八世紀のコンスタンティノープル総主教ゲルマノス一世から帝国滅亡の十五世紀のプレトンまで十四人を取り上げ、マケドニア朝期の反骨の聖職者アレタス、たび重なる政変を泳ぎ切りつつ膨大な著作をあらわしたプセルロスら、毀誉褒貶入り乱れた異才たちの人生を活写する。そして、固定観念から少し離れて、偏見なしに実際のビザンツ知識人の姿に触れ、言葉の力を武器に戦い抜いた生身の彼らの、暮らしと思想をできるだけ彼らが生きた時代のなかで浮き彫りにすることをめざしている。 【目次】 地図 1 コンスタンティノープル/2 十一世紀半ばのビザンツ帝国 はじめに 1 先駆的な総主教たち 一 ゲルマノス一世――イコノクラスムに抗した聖人総主教 二 ヨハネス七世グラマティコス――総主教は妖術使い 三 フォティオス―― 「マケドニア朝ルネサンス」の開幕 2 マケドニア朝ルネサンス期の首都の文人 一 カイサレイア府主教アレタス――愛書家教会人の武闘派人生 二 「逸名の教授」――市井の文人の不穏な日常 3 「ビザンツの平和」の光と影 一 ヨハネス・ゲオメトレス―― 「再征服」時代の桂冠詩人 二 クリストフォロス・ミュティレナイオス――都会の片隅から見える風景 4 ミカエル・プセルロス――「哲学者の統領」の華麗なる宮廷遊泳術 5 行けば容易に戻れぬテサロニケ 一 テオドロス・スミュルナイオス――冥界のグルメ弁護人 二 テサロニケ府主教エウスタティオス――片意地な学者主教は愛されない 6 ニケタス・コニアテス――帝国衰亡の目撃証人 7 ニケフォロス・ブレミュデス――ニカイア帝国の知恵袋 8 テオドロス・メトキテス――哲人宰相の宿す闇 9 ゲオルギオス・ゲミストス・プレトン――千年帝国最後の奇才 別表 ゲミストス・プレトン『法律総論』目次 地図 3 十二世紀半ばのコムネノス朝期ビザンツ帝国/4 テサロニケ市街/5 第三回十字軍、フリードリヒ一世の行軍ルート/6 十三世紀のニカイア帝国周辺部/7 十四世紀半ばのパライオロゴス朝期ビザンツ帝国と周辺 あとがき 図版一覧 文献目録 註
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3.0五野井郁夫氏推薦! 民主主義を守るための必読書 「歴史の抹消」があなたの教室にも……。優越主義的なナショナリズムの露骨な主張が、歴史教育に取って代わろうとしている。トランプ、プーチン、極右独裁主義が謀る人種・移民・集団殺戮など不都合な歴史の抹消、洗脳と情報操作、学校教育への干渉を、米国の言語哲学者が糾明する。 「歴史の抹消は独裁者を助ける。なぜなら、そうすることで独裁者は歴史を単一の物語、単一の視点として偽れるからだ。だが、いかなる視点も完全に抹消することは不可能だ。独裁者による歴史の抹消は教育を通じて−-−-つまり、特定の物語を学校教育のカリキュラムから追放したり、ひょっとすると、家庭内でもその物語を語ってはならないとしたりすることによって−-−-である」。 全米ベストセラーの前作『ファシズムはどこからやってくるか』で旋風を巻き起こした政治的アクティヴィストによる、警鐘と提言の書。「ファシズムの手口を暴き」、「民主主義を守るために、何を知り、どう抗うべきか」(五野井郁夫)、簡潔かつ読みやすい記述で極右独裁主義の策動を徹底検証。米国で大きな波紋を呼んでいる、「反ファシズム」入門。 【目次】 序文 第1章 独裁政の作り方 第2章 洗脳 第3章 ナショナリストの陰謀 第4章 至上主義からファシズムへ 第5章 反教育 第6章 古典教育 第7章 歴史の再生 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 注
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4.0知識への迫害か、「フェイクニュース」の抑制か 本書は、悪名高いカトリックの「禁書目録」の歴史を総合的に扱った初めての書籍である。 禁書目録は16世紀の成立から400年にわたる、検閲の歴史上おそらく最も長い歴史を持つ。プロテスタントの著述家の脅威に対し各地で作られた禁書リストに始まり、バチカンに目録省が設立され、恒常的な検閲組織となった。「アートとゴミ」を区別し、「ジャンク」サイエンスやペテン師を暴き、「フェイクニュース」を抑制することを目的としたこの制度は、カトリック諸国の文化的、科学的、思想的発展を阻害したとされ、プロテスタントによる攻撃や侮蔑の対象ともなった。しかし一方で、作成に携わった多くの聖職者、当時の一流の神学者の深い学識と真摯な気持ちを反映したものであったのも事実である。 結果的にこの教会の試みは失敗したが、検閲の背景を検証し、失敗した理由を学ぶことは、近現代の国家による禁書や思想・文化統制について考える上でも、インターネット社会における表現の自由について考える上でも有意義である。「禁書目録」は決して過去の遺物ではなく、現代の私たちに警告と深い示唆を与えてくれることを、本書は伝えている。 [目次] はじめに 第一部 第1章 禁書目録以前の検閲 第2章 禁書目録の誕生 第3章 禁書目録の発展 第4章 書籍の検閲方法 第二部 第5章 聖書を検閲する 第6章 魔術と科学を検閲する 第7章 性、信仰、芸術を検閲する 第8章 検閲と近代化 終わりに 謝辞 訳者あとがき 参考資料と略称/原注/文献ガイド/写真提供への謝辞および出典
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-マロリー没後100年を記念して復刊 英国の登山家ジョージ・マロリーは、1924年6月8日、アンドリュー・アーヴィンとともにエヴェレストの山頂をめざし最終キャンプを出発したが、頂上付近で目撃されたのを最後に消息を絶った。果たしてマロリーは登頂したのか――。 19世紀の植民地主義が終焉を迎え、大戦へと突き進んで甚大な被害を出した英国。その威信回復の象徴となったのがエヴェレスト初登頂の夢だった。1921~24年の間に3回にわたって行われた遠征では、参加した26名の隊員のうち戦争経験者は20名にのぼる。 本書は、血みどろの塹壕戦をからくも生き抜き、世界最高峰の頂をめざして命を懸けたマロリーら元兵士たちの生きざまを通して「時代」に息を吹き込んだ歴史ノンフィクションである。気鋭の人類学者である著者は、未発表の手紙や日記のほか各地に遍在する膨大な資料を渉猟し、執筆に10年をかけて彼らの死生観にまで迫る。兵士として隊員として、常に死と隣り合わせだった若者たちの「生」を描いた傑作! サミュエル・ジョンソン賞受賞。 解説=小関隆(京都大学人文科学研究所教授) [目次] 主要登場人物 はじめに 第一章 グレート・ゲーブル 第二章 想像上のエヴェレスト 第三章 攻撃計画 第四章 ヒンクスの目 第五章 マロリー登場 第六章 エヴェレストの入り口 第七章 目の見えない鳥 第八章 東側からのアプローチ
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3.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 世界中の6億人と話せる国際的な言葉 スペインはもちろん、ラテンアメリカでも多くの国で公用語となっているスペイン語。アメリカ合衆国でも存在感を増し、日本国内でも耳にする機会が多くなりました。話者数は今や6億人近く。国連の公用語のひとつでもあり、国際語としてますます重要になっている言語です。文字はほぼローマ字読みで、発音が日本人向きなのも嬉しいところ。この本の主人公はスペイン出張のビジネスマン。電話もメールもこなし、観光や買い物にも出かけます。音声はダウンロードでお聴きいただけます。 【本書の構成】 ◆スペイン語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 ◎ここがプラス!◎ ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-合法でも違法でもない「密輸」の実態 モロッコ北部には、セウタととメリリャという二つのスペイン領(飛び地)がある。このうちセウタの国境地帯では、1990年代から2020年ごろまで、周辺に住むモロッコ人による「密輸」が行われていた。 密輸というと違法薬物の取引や密漁、はたまた国境をまたいだ人身売買といったおどろおどろしいイメージを抱きがちだが、本書のテーマである「密輸」は、モロッコへの商業輸入に対して通常課される関税を逃れているものの、スペイン・モロッコ当局から容認・管理されている越境貿易の一種である。この「密輸」はセウタからモロッコに食料品や衣料品を運ぶものであり、最盛期にはおよそ40万人がかかわっていたとされる。 本書では、「密輸」を生んだ諸問題に目を配りながら、女性主体の運び屋をはじめとする従事者(パトロン、卸商など)の暮らしを中心に「密輸」がどのような営みであったのかを、実地調査とインタビューをもとに詳細に描いていく。インフォーマル経済、国境、ジェンダーに関するこれまでの研究とも接続し、「密輸」という現象を生み出した社会的構造について明らかにした力作。立命館大学教授・小川さやか氏推薦! [目次] はじめに 序章 「密輸」を研究する 第一章 二人の王様にとっての爆弾 アフリカ大陸のヨーロッパ 歴史的背景 例外状態にあるセウタ 移民の経由地 「モロッコはテロリスト輸出国」 鍵を握る西サハラ問題 「外交カード」と飛び地領 第二章 容認された「密輸」 「密輸」の始まり 組織化された「密輸」 運び屋とは誰か なぜ容認されているのか 「密輸」の弊害 第三章 管理するスペイン 「密輸」の問題化 「密輸」専用通路の設置 スペインによる規制強化 「重ね着密輸」の本格化 第四章 「密輸」に依存する町 セウタ フニデクの「密輸」品スーク カサブランカの闇スーク メリリャとナドール 第五章 根絶をめざすモロッコ 根絶に向けての舵取り 窒息するセウタ 運び屋の生存戦略 コロナ以降の国境 終章 運び屋として生きること あとがき 注/参考文献/調査対象者一覧
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4.0「あのひとを死なせるわけにはいかない。ぼくが自分の足で歩いていけば助かるんだ」――重病の親友の快復を願かけて、ミュンヘンからパリへ向かい、雪と氷のなかを彷徨し、魂に呼応するような風景と忘れられたような人びとに出会う……。ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才が綴る孤高の幻視行。 最新作『歩いて見た世界』の監督による孤高の幻視行 鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督は、人間と自然の壮大なドラマをテーマにした映画で広く知られる。『アギーレ・神の怒り』『フィツカラルド』など初期の代表作から最新作『歩いて見た世界』まで、野心的な作品は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞している。 一九七四年十一月、ヘルツォークはパリにいる友人の映画評論家ロッテ・アイスナーが重篤と知らされる。自分の足でパリまで歩いていけば、アイスナーの病は治る……と願をかけ、真冬のミュンヘンを発つところからこの日記は始まる。 痛む足をひきずりながら、死んだような小さな村をいくつも通り過ぎ、空き家に泊まり、田舎道を彷徨する。あるときは、自分がまだ人間の姿をしているのを確かめようとガソリンスタンドのトイレに駆け込む。やがて寒さに凍えるカラスを兄弟のような感情を抱くようになり、リンゴの実がすべて落ちるまで木を揺さぶった直後の静寂に、孤独と疲労が頂点に達する…… 研ぎ澄まされた感覚で、魂を震わすような自然に身を投じるヘルツォークならではの眼差し。極寒のなかをひたすら歩く真摯な姿と、狂おしいまでの思いが読者の心を打つだろう。
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5.0板橋拓己氏推薦! 民主主義の再生への道を提示 ベルリンの壁崩壊から三六年、今秋十月にドイツ統一から三五年を迎える現在、「東西ドイツの差」は依然として様々な分野で残り続け、とりわけ東ドイツ各州では、移民政策に異を唱える右翼ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が多数の議席を獲得している。本書はこの現状への強い危機感のもと、統計やデータを駆使し、その背景にある東ドイツの社会的、政治的、文化的状況を統一前夜から現下まで論じる。 民主主義の凋落、権威主義の台頭は、米露をはじめとする欧州各国や地域で見られる現象だ。東ドイツの右傾化もこれに連なる問題として考えられる。東ドイツの状況は、資本主義の西ドイツと合体することによって冷戦を終えた旧共産圏の地域の実例としても貴重だ。もともと西ドイツで誕生したAfDが、東ドイツ各州で深く浸透している現実は、それが「東」の問題であると同時に「西」の問題でもあることを如実に示している。そのような観点から、民主主義の衰退、移民問題や排外主義に危惧を抱く日本の読者にも、本書は大いに示唆に富む。 実績多数のドイツの社会学者による、警世と提言の書。「バイエルン書籍賞」受賞作品。 【目次】 凡例 はじめに 第1章 適応の代わりに骨化 第2章 制止された民主化 第3章 起こらない一九六八年 第4章 東ドイツ人のアイデンティティ 第5章 政治的な対立状況 第6章 民主主義の漸進的損害 第7章 参加の実験場 謝辞 訳者あとがき 原注
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4.2老書店員と少女が織りなす現代のメルヒェン 本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。 老舗の書店〈市壁門堂〉に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の名前(ミスター・ダーシー、エフィ・ブリースト、⾧靴下夫人、朗読者、ファウスト博士など)で呼び、自らの暮らす旧市街を本の世界に見立て、そこで自足している。 ある日突然、シャシャと名乗る女の子がカールの前に現れる。ひょんなことからカールの本の配達に同行するようになり、顧客たちの生活に立ち入り、カールと客との関係をかき乱していく…… 歩いて本を配達するふたりの珍道中と、曲者揃いの客たちとの交流、そして思いがけない結末を迎えた後はほのぼのとした読後感に包まれる。読書と文学へのオマージュといえる、いわば現代のメルヒェンのような作品。 二〇二〇年の刊行後、ドイツで一年以上にわたりベストセラーの上位を占め、六十万部を記録した。現在、三十五か国で翻訳されている。 【目次】 第一章 独立の民 第二章 異邦人 第三章 赤と黒 第四章 大いなる遺産 第五章 言葉 第六章 未知への痕跡 第七章 夜の果てへの旅 謝辞/訳者あとがき
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-二つの「母国」の間から未来に託した文学 ――没後30年記念出版! “日本で生まれ育った韓国人”として、母語である日本語と、母国語の韓国語、その狭間で揺れ惑う人物を描くことで、言語とアイデンティティの問題を追究し、37歳の若さで急逝した李良枝。創作を通して、二項対立の思考を超越し、現実をあるがままの姿で受け入れる勇気と力を得るまでに変化した李の気づきが、社会の分断が広がる今、大きな意味を持つ。 李良枝は自らの内に芽生える差別意識にも厳しい目を向け、あらゆる属性、あらゆる立場に立っている人に当てはまる実存の問題、人間の尊厳を文学で問い続けた。その言葉は、未来に開かれている。韓国、ドイツ、台湾でも翻訳刊行され、没後30年の今年、アメリカで英訳の刊行も決まった。世界からも注目が続く。 本書は、李良枝の文学に多大な影響を受けた作家・温又柔が選んだ小説4篇とエッセイ3篇を、李良枝の思考の流れがわかるように構成し、温又柔の詳細な解説と年譜を付した決定版。李良枝文学の今日的意義を、未来の読者に向けて伝える貴重な一冊。 「何らかの『基準』や『規範』から外れた者にとって、ますます苛酷になりつつある現代の日本で、この世界のこわばりを解きほぐす勇気を促す力が李良枝の文学にはある」(温又柔) [目次] Ⅰ 小説 由煕 刻 石の聲 除籍謄本 Ⅱ エッセイ 言葉の杖を求めて 木蓮によせて 私にとっての母国と日本 解説 切実な世界性を帯びた李良枝の文学 温又柔 李良枝 年譜 初出一覧
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 会話+文法、入門書の決定版! 「生まれは東なれど育ちは西」のユニークなことば ハンガリーとその周辺で使用されるハンガリー語。表記にはラテン文字を使用しますが、周辺のヨーロッパ諸言語とは系統が異なるため、それらの言語と語彙や文法もあまり似ていません。一方で、名前は姓・名の順で表し、「てにをは」に相当する文法があるなど、日本語との共通点もあります。音楽、高級磁器、料理、「ドナウの真珠」と形容される首都ブダペスト……。誇り高きマジャル文化、そして魅力あふれるハンガリー語の世界にふれてみませんか。歌って学べるオリジナルソング付! 【本書の構成】 ◆ハンガリー語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。 ◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。 ◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。 ◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。 ◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。 ◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。 ◎ここがプラス!◎ ◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。 ◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。 ◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。 ◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。
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-アレクサンドリア図書館、ネモ船長の図書室、ヒトラーの蔵書、ボルヘスの書棚……古今東西、現実と架空の〈書物の宇宙〉をめぐる旅。
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4.0テクノ封建制下の「君主論」 〈捕食者プレデターの時代の到来だ。今後、世界各地では、解決すべきことはすべて火と剣によって解決される。〉(本書「はじめに」より) 国連総会から、砂漠のダボス会議、AI帝国の布教セミナーまで……権力闘争の最前線は、「捕食者の時代」に突入した! 国家元首たちは残忍な言動を厭わず、テック企業の億万長者たちはルール無用の加速主義で抵抗勢力を征服する。AIは、もはや制御不能な存在だ。彼らによって自由は貪られ、私たちの自由は奪われてゆく。 私たちの「新しい君主」とはどのような人物で、どのように付き合ってゆくべきだろうか。はたして、あなたの階級を上下させるのは誰だ? 本書は、リベラル民主主義を食い破るものたちの権謀術数が恐いほどわかる、テクノ封建制下の『君主論』。マキャヴェリの名著の現代版として、カオスが常態化する世界の(オールド・メディアが伝えない)舞台裏を、臨場感とともに明らかにする。 〈狂気の世界政治、その「戦場」を直視せよ。〉──吉田徹さん(同志社大学政策学部教授)推薦。 [目次] はじめに 第一章 2024年9月、ニューヨーク 第二章 2012年3月、フィレンツェ 第三章 2024年11月、リヤド 第四章 2024年9月、ニューヨーク 第五章 2024年11月、ワシントン 第六章 2017年11月、シカゴ 第七章 2024年9月、モントリオール 第八章 1931年9月、パリ 第九章 2024年12月、ベルリン 第十章 1998年10月、ローマ 第十一章 2023年5月、リスボン 第十二章 2024年12月、リュザン 訳者あとがき/参考資料/注記
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3.0心身を新たにまなざす 近年、日本の歴史学で話題になっているもののひとつに「感情史」がある。それは、ひとことで言うなら、思想の歴史と身体の歴史、主観性の歴史と社会的・文化的な歴史とが交錯するアリーナだ。 今日の私たちが「感情」とみなすもの、つまり、悲しみ、メランコリー、恐怖、喜び、怒り、熱狂、共感、愛……といった精神状態は、言語、文化、信仰、生活様式における長く多様な歴史的変化の産物である。 そこで著者は、さまざまな感情の観念の変遷を古典古代の史料にまでさかのぼり、ときにはディズニーの映画や著名なポップ歌手、シェイクスピアやワイルドなどの文学作品を例に挙げ、また絵文字についての説明を取り入れたりしながら、一般読者にもわかりやすく論じる。 本書は、「emotion(エモーション)」という言葉の問題に始まり、感情と道徳/宗教、あるいは感情と医学的な次元の問題などを含め、忘れ去られた感情や近代的な感情体制の構築などの事例を数多く取り上げる。そしてこのように、過去のさまざまな感情のあり方を浮き彫りにし考察することは、現在の私たちの感情へのまなざしに新たな光を当てることになるだろう。 【目次】 序文 謝辞 第1章 過去の鼓動 第2章 悲哀の縮図 第3章 情念から絵文字へ 第4章 恐怖、そして幸せの追求 第5章 憤激のすべて 第6章 愛を探して 訳者あとがき 図版一覧 参照文献と読書案内
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4.0ゴシック・ロマンスの最高峰 17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える〝謎の友人〟の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の顚末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)