作品一覧

  • 戦争と拓殖の時代:北海道歴史観光
    -
    1巻2,574円 (税込)
    北海道の近代を支えたものは? 封印された「開拓」と「軍」──そのかすかな声に耳を澄ませながら、北海道の歴史を歩く。古地図多数。
  • 吉田満 戦艦大和学徒兵の五十六年
    4.0
    1巻2,376円 (税込)
    死者の身代わりの世代 吉田満『戦艦大和ノ最期』が刊行されて半世紀以上が経過した。同書は、吉川英治の勧めで僅か「一日を以て」書き上げられ、小林秀雄に見出されて『創文』創刊号に掲載されるも、占領軍によって発禁処分となった衝撃の初出から今日まで、絶えることなく読み継がれてきた戦争文学の不朽の名作である。 狭義の文芸の世界にとどまらず、組織人にとりわけ愛読されたのは著者の来歴が大きい。 吉田満は1923年生まれ。府立四中、東京高校、東京帝大法学部とエリートコースを歩むが、太平洋戦争末期、学徒出陣に伴い海軍に入隊。少尉として戦艦大和に乗り込み、大和を旗艦とする第二艦隊の沖縄特攻作戦、「天一号作戦」に参加し、奇跡の生還を果たす。この記録が『戦艦大和ノ最期』である。 戦後は日本銀行に入行。ニューヨーク事務所や人事課長といった要職に就き、考査役、政策委員会庶務部長、局長を経て、監事にまで登り詰めるが、この監事在職中に56歳で急逝した。 戦後、鶴見俊輔、江藤淳、加藤典洋らによって論じられてきた吉田。本書は「キリスト者」吉田に力点を置きながら新事実によって新たな吉田像を模索する試みである。戦中派の死生観の内奥へ。
  • 第七師団と戦争の時代:帝国日本の北の記憶
    4.3
    1巻2,475円 (税込)
    忘れられた北への眼差し…… 「そこから旅順港は見えるか」 大東亜共栄圏から東南アジア進出にいたるまで日本の対外認識を大きく形作ってきたのは、「南進」論であるといわれる。しかし、果たして、それは正しい理解なのだろうか? これが本書の問題関心である。 帝国が産声を上げたとき、まず目を向けたのは国内反乱である。陸軍は「鎮台」を設置。そして国内秩序が安定してくると、鎮台は「師団」になる。 その後、第七師団が札幌の月寒に創設された。この師団は鎮台からの繰り上げではない、全く新しい危機に対応したものであった。いうまでもなくロシア(ソ連)の脅威への対応である。 第七師団は北辺の守りを司る「北鎮」師団として北の民の心の拠り所だった。日露戦争では旅順攻略戦や奉天会戦に参戦、シベリア出兵(尼港事件に遭遇)やノモンハン事件でも戦い、太平洋戦争時にはアリューシャン列島やアッツ島に派遣、敗戦直前には占守島や樺太でソ連の侵攻を食い止める役割を担った。 ここには、戦後日本では封印された「北鎮」の思想がある。 「最強」師団はいかに戦い、そして負けたのか? 「北鎮」という忘れられた北への眼差しを恢復する試み。

ユーザーレビュー

  • 第七師団と戦争の時代:帝国日本の北の記憶

    Posted by ブクログ

    ロシア、北方からの脅威から自らを守る北鎮部隊であった第七師団を主人公として、あらゆる資料から史実を紐解く物語。この物語を読みながら、「坂の上の雲」の読み返しを始めた。知ろうとしない限り、知らないまま、知らないで済む歴史。ウクライナ侵攻と相まって、自分の中でいろんなものがつながって夢中になっている。

    0
    2022年06月20日
  • 吉田満 戦艦大和学徒兵の五十六年

    Posted by ブクログ

     著者は博報堂勤務を経て研究者に転じたメディア論の専門家。日銀関係者に加え、吉田が長い間コミットを続けた教会関係者への取材を重ねることで、吉田の書き手としての側面と職業生活・信仰生活との関わりをバランスよく描き出している。

     宮城支店長時代の吉田を知る牧師は、吉田を「真向き」=戦艦大和の学徒兵としての顔、「横顔」=日銀行員としての顔、「うしろ姿」=クリスチャンとしての顔の三つを持っていた、と語ったという。「真向き」が社会生活の中心としての日銀ではなかったことがポイントなので、それだけ彼が「大和」の記憶にとらわれ、その経験を思考の起点とし続けてきたことが伝わってくる。
 全体としてエピソード中

    0
    2024年09月04日
  • 第七師団と戦争の時代:帝国日本の北の記憶

    Posted by ブクログ

    対ロシアの北鎮として作られた第七師団。日露戦争から太平洋戦争まで、いかに戦い、そして負けたのか。丹念な取材に基づいた力作。

    0
    2023年02月11日
  • 第七師団と戦争の時代:帝国日本の北の記憶

    Posted by ブクログ

    第7師団の生業を多くの資料、文献に基づき纏められた大作。日新製糖、日ロ戦争、満州事変、シベリア出兵、ノモンハン事件、その後の大戦やソビエトの参戦。あまり取り上げられないが、占守島や樺太での戦いが、日本を分断から守ったのではないか、という点や今も続く北方領土問題等色々と勉強になり、また考えさせられました。

    0
    2022年01月10日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!