だれか、来る

だれか、来る

2,277円 (税込)

11pt

3.7

ノーベル文学賞受賞作家の代表作とエッセイ

今年ノーベル文学賞を受賞した、ノルウェーを代表する劇作家の代表作「だれか、来る」とエッセイ「魚の大きな目」を収録。邦訳の単行本は初となる。
シンプルな言葉を繰り返す詩のような台詞で人間の本質を問う「だれか、来る」は、だれもが自分と重ね合わせられる。90年代に発表されるや、世界に衝撃を齎した。リアリズムと不条理演劇の間を往来する作風は、フォッセが、同じくノルウェー出身の劇作家イプセンの再来、〈21世紀のベケット〉などと称されるゆえんでもある。
ベルリン在住の訳者は、著者と20年以上親交を重ねてきた最良の理解者。フォッセは西海岸の周縁に生きる市井の人々の姿を描くために、西海岸の書き言葉ニーノシュクで執筆する。翻訳はドイツ語版から行ない、訳者が著者に直接確認しながら完成させた。エッセイ「魚の大きな目」は、フィヨルドとともにある生活の風景やフォッセの文学観がよくわかる。
巻末の訳者による解説では、文学的出発点になった出来事、原風景、創作のテーマ、影響を受けた世界文学や、主要作品の紹介のみならず、著者との長年の親交のなかでのエピソードから貴重な素顔も伝わってくる。

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だれか、来る のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ノルウェーでのビジネスを始めた2023年に、ハウゲスンで生まれたヨン・フォッセがノーベル文学賞を獲得。必読となり、やっと読む機会が出来た。シンプルな構成ながら全編に潜む不安感がノルウェーの景色とオーバーラップしてくる感覚。でも、日本語訳では真意を伝えきれていないのであろう。

    解説が素晴らしい。特に

    0
    2025年03月01日

    Posted by ブクログ

    表題作。シンプルなセリフで紡がれる、彼と彼女の心の揺れ動きが見事だと思う。二人だけの家に来たはずなのに、すべてが安定しているはずなのに、どこかかからやってくる不安。それは外からでもあり、また彼ら自身の内側からでもあることが、短い会話のやり取りから読み取れる。

    0
    2024年10月21日

    Posted by ブクログ

    タイトルとノルウェーのフィヨルドが舞台とだけで読む。
    本を開いてみて初めて戯曲と知る。しまった!
    ところが、この戯曲は読みやすくて助かる。
    情景が、舞台が、ありありと浮かぶ。

    フィヨルドの暗い海を前に、
    人は人を信じ切れない、孤独な存在・・・
    と、いうことなのかな・・・

    0
    2024年02月13日

    Posted by ブクログ

    今月、佐々木敦さんが演出される作品とのことで先に読んでみた。ゴドーのような不条理な芝居戯曲だが、わかりやすいかもしれない。

    0
    2025年09月01日

    Posted by ブクログ

    ノルウェーのフィヨルドが舞台の戯曲。逃れてきた男性と女性が嫉妬のため相手を疑ってしまうやり取り。よくわからないところもあるけど、解説を読んだりノルウェーのような緯度の高い地域の気候や風景を思い浮かべると、作品の深い部分がにじみ出てくるような感じがする。

    0
    2025年05月06日

    Posted by ブクログ

    2023年度のノーベル文学賞受賞者のヨン・フォッセの処女戯曲。ノルウェーのさびれた海岸の一軒家に来た男女が、ようやく二人きりになれる、と安堵する一方、だれか来る、と怯える。人間の孤独と不安を描く。登場人物は3人だけ、名前もない。セリフは少なく、大きな出来事は何も起きない。詩のような劇だ。さらに、原作

    0
    2024年05月31日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヨン・フォッセの「だれか、来る」の表題作を読みました。

    戯曲です。

    彼と彼女は、とても辺鄙なところに新しく買った家の前に立ち、問答をします。

    「だれもやってこない家 おれたちが 一緒にいられる家」
    「きっと だれかやってくる」

    そして、家の元の持ち主の男が現れて、彼女と話します。

    彼は彼女

    0
    2024年01月07日

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