作品一覧

  • 自分探しするアジアの国々――揺らぐ国民意識をネット動画から見る
    -
    1巻1,936円 (税込)
    列強の外圧や植民地支配を通じて「国民」意識を高め、「国民国家」を形成してきた近代のアジア諸国だが、めざましい経済成長や政治変動も相まって各国の国民意識は変容している――。 動画、ポップ音楽など若者文化を手がかりに「一つではない」アジアのアイデンティティを探るユニークな論考。
  • 変容するインドネシア
    5.0
    1巻3,520円 (税込)
    インドネシアが日本を抜くのは時間の問題か…台頭するインドネシアの実力を知らないのは日本人だけだ。20年以上この国を見続けている著者が最新の情報と自らの観察と体験をもとにインドネシアの全体像をリアルに描いた大著。 カギとなるのは「イスラーム」と「デジタル化」です。 [目次] 序章 なぜインドネシアに注目する必要があるのか 第1部 インドネシア社会――変化の潮流と多様性 第1章 インドネシア・イスラームは「非寛容」へ向かうのか 第2章 インドネシア社会のデジタル化と民主主義 第2部 社会・文化変容から見たインドネシア各地 第3章 西部ジャワ――アートとデジタル化で変貌を遂げるバンドン 第4章 中部ジャワ――ジャワ文化本場のイスラーム女性組織に見る多様なジェンダー言説 第5章 東部ジャワ――イスラーム・エリートを生み出す国際派プサントレンの教育力 第6章 バリ――グローバル化とジャワのイスラーム化が刺激するバリ文化復興運動 第7章 アチェ――イスラーム法が施行される唯一の州 第8章 中部スラウェシ、ポソ――「宗教」紛争の負の遺産をどう乗り越えていくか 第9章 パプア諸州――パプアが問う国民国家のかたち 第10章 東ヌサ・トゥンガラ――キリスト教徒多数派の社会 第11章 スマトラ諸州――「開発」を問う森の人々 第12章 ジャカルタからヌサンタラへ――壮大な首都移転構想の目指すもの 第3部 コロナ禍後の世界におけるインドネシア 第13章 イスラームを外交資源とするインドネシア――タリバンへの説得 第14章 新冷戦が刺激する新・非同盟主義外交 第15章 深まる中国との関係と華人系インドネシア人 第16章 近代医学とナショナリズム――インドネシアの原点回帰 終章 日本・インドネシア関係の未来に向けて  あとがき 参考文献 索引

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  • 逆襲する宗教 パンデミックと原理主義
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    宗教から眺めると世界の「いま」が分かる! アメリカのクリスチャン・ナショナリストはなぜ陰謀論めいた主張を叫んでやまないのか。インドでは反イスラムの動きが先鋭化し、モスクワこそが「第3のローマ」と謳うロシアの原理主義者たちもまた陰謀論を思わせる「世界の終末」を唱える。一体、いま世界で何が起こっているのか。――その背景には1970年代以降に広がった「宗教復興」の潮流があった。 パンデミックに揺れる世界で、一気に噴き出した宗教と社会の問題を、各国各宗教ごとに解き明かす。 宗教ぬきに国際情勢を理解することはもはや不可能となった現代にあって、「いま」をあと一歩深く知るために必読の書! イランのイスラム革命に象徴されるように、世界は1970年代から宗教の季節を迎える。それはイスラム教に限ったことではなく、アメリカやロシアなどの大国をも含む複数の国で「宗教復興」とでも言うべき現象が起こり、その勢いはいまなお衰えをみせない。 イスラム教においては、その一部がジハード主義者たちのテロ行為へとつながっていくが、そこで標的となったアメリカもまた、「宗教復興」と無縁ではない。それを示すのが、1980年の大統領選におけるロナルド・レーガンの逆転勝利である。このときアメリカが直面したキリスト教保守主義vs.世俗リベラルの図式は、今日いっそう深刻な分断となって我々の前に立ち現れている。 宗教が各地で影響力を強めていくなかで突然訪れた世界規模のパンデミックは、感染防止のための礼拝の禁止や宗教施設の閉鎖をめぐって大きな反発を生み、各国で思いがけない事態を引き起こした。その一方で、広く影響力をもつ宗教勢力と協力して、危機を乗り越える力を得た国もある。 世界情勢はもはや宗教なしに理解することが不可能となりつつある。本書は、国際交流基金に長く勤めた経験のある著者ならではの筆致で、危機の到来によって急激に前景化した宗教と社会の関係を各国ごとに明快に解き明かす。 読めば世界の見え方がちょっと変わる、「いま」に対する探究心に応える一冊! 【本書の内容】 はじめに  序章 世界の宗教復興現象――コロナ禍が宗教復興をもたらす 第1章 キリスト教(プロテスタント)――反ワクチン運動に揺れる米国 第2章 ユダヤ教――近代を拒否する原理主義者が孤立するイスラエル 第3章 ロシア正教――信仰と政治が一体化するロシア 第4章 ヒンドゥー教――反イスラム感情で軋むインド 第5章 イスラム教――ジハード主義者が天罰論拡散を図る中東・中央アジア 第6章 もうひとつのイスラム教――宗教復興の多面性を示すイスラム社会、インドネシア 終章 コロナ禍で日本に宗教復興は起きるか 参考文献 あとがき
  • 国境を越えるためのブックガイド50
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    自らの殻を破る50冊! 本書は一般的な意味でのブックガイドとは異なる。 本書は、日本最大の公的国際交流機関である、国際交流基金の職員が、自分たちの「愛読書」を取り上げ、それらを通じて、国際文化交流に懸ける自らの思いを語っている。 今、世界は著しく変化している。 ウクライナ戦争やコロナ禍、新冷戦はじめ、国際社会において対立が深まり、人類が悲惨な戦争の教訓から得た国際協調の精神が大きく揺らいでいる。 そもそも、グローバリゼーションの時代にあって国境を越えることが容易になったと考えられていたが、私たちは本当に〈越境〉していたのだろうか? ただ、自己の意識を肥大化させていただけではないのか? はたして他者と出会っていたのか? これが本書の問題関心である。 加速し続ける現代社会において、私たちは立ち止まって、じっくり考えることができなくなっている。 しかし、複雑化し続ける今の社会において本当に求められているのは、より長いスパンで社会を見通す目ではないだろうか。 「書評=ブックガイド」という方法を取ることで、こうしたより根源的な問いにアプローチすることができる。国境を越えて生きるための50冊!
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―
    4.5
    1巻1,430円 (税込)
    力強い経済成長、加速するイスラーム化、テロの脅威など、変貌著しいインドネシア。世界が「イスラームとどう向き合うか?」という重要課題に頭を抱える中、資本主義経済とイスラーム的価値を融和させ、かつ、多宗教/多民族の共生をめざすこの国の重要性は増すばかり。日本の未来をも占う、インドネシアの現在を徹底分析!

ユーザーレビュー

  • 変容するインドネシア

    Posted by ブクログ

    2億人強、世界でも4番目の人口を持つインドネシア。ASEAN、BRICs、G20屈指の大国として力を増してきているこの国の変容に着目することは大きな意味がある。とりわけ本書が光を当てる「イスラーム化」と「デジタル化」は、現代インドネシア社会を理解する鍵となる視点だ。21世紀に入りシャリーアを導入したアチェ州や、外部からの影響を受けてヒンドゥーナショナリズムが高まるバリ島など、宗教と政治、地域性が複雑に絡み合う様子は特に興味深い。また、アフガニスタン和平への仲介を試みたイスラーム外交や、「新非同盟主義」とも呼べる多極的な対外戦略も、この国の国際的ポジションを考えるうえで重要な点である。

    0
    2025年06月15日
  • 国境を越えるためのブックガイド50

    Posted by ブクログ

    ☆重要なことは現実を無視して理想論を振りかざすことではなく、現実と理想を行ったり来たりしながら、偏見や差別といった人間の根源的な問題を理解するように努めることだ。そのためには、自分だけの視点や価値観から一歩離れ、現地の視点や価値観に立つこと、つまり、物理的にだけでなく、精神的にも国境を越えることが求められる。

    0
    2022年12月24日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

    Posted by ブクログ

    経済発展著しいインドネシアにおいて、なぜイスラム化が進んでいるのかを教えてくれる本。インドネシアを理解する上で有用

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    2020年05月23日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

    Posted by ブクログ

    日本には、あまりなじみの薄い国、インドネシア。
    しかし、ASEAN加盟国の中で超大国でもあり、日本の外交・経済面では、とても深い関係にあることがわかる。

    インドネシアの総人口もさることながら、当然イスラム教徒が多数を占める。
    そのインドネシアにおけるイスラム教(徒)の歴史、また、政治に関わりなど、興味深かった。

    現在の国際情勢と「寛容なイスラーム」の特徴を持つインドネシアのイスラムを知る。

    本書は、インドネシアを理解するために重要で、かつ多くの視点から述べられている好著だと思う。


    親日国であると同時に、 過去に、太平洋戦争時の日本の占領支配からインドネシア建国時にどんな経緯があったか

    0
    2017年02月25日
  • 国境を越えるためのブックガイド50

    Posted by ブクログ

    国際交流基金の職員の愛読書を集めた本。文化交流の最前線にいる人々の思うところが綴られていて幾つかの気づきがあった。
    ・人を動かす
    ・戦争の記憶
    ・「やさしい日本語」は何を目指すか
    ・他者の靴を履く
    ・ポートレイト・イン・ジャズ
    は、海外で暮らす前に読んでおきたいと思った。

    0
    2023年01月11日

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