小川忠のレビュー一覧

  • 変容するインドネシア

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    2億人強、世界でも4番目の人口を持つインドネシア。ASEAN、BRICs、G20屈指の大国として力を増してきているこの国の変容に着目することは大きな意味がある。とりわけ本書が光を当てる「イスラーム化」と「デジタル化」は、現代インドネシア社会を理解する鍵となる視点だ。21世紀に入りシャリーアを導入したアチェ州や、外部からの影響を受けてヒンドゥーナショナリズムが高まるバリ島など、宗教と政治、地域性が複雑に絡み合う様子は特に興味深い。また、アフガニスタン和平への仲介を試みたイスラーム外交や、「新非同盟主義」とも呼べる多極的な対外戦略も、この国の国際的ポジションを考えるうえで重要な点である。

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    2025年06月15日
  • 国境を越えるためのブックガイド50

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    ☆重要なことは現実を無視して理想論を振りかざすことではなく、現実と理想を行ったり来たりしながら、偏見や差別といった人間の根源的な問題を理解するように努めることだ。そのためには、自分だけの視点や価値観から一歩離れ、現地の視点や価値観に立つこと、つまり、物理的にだけでなく、精神的にも国境を越えることが求められる。

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    2022年12月24日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

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    経済発展著しいインドネシアにおいて、なぜイスラム化が進んでいるのかを教えてくれる本。インドネシアを理解する上で有用

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    2020年05月23日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

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    日本には、あまりなじみの薄い国、インドネシア。
    しかし、ASEAN加盟国の中で超大国でもあり、日本の外交・経済面では、とても深い関係にあることがわかる。

    インドネシアの総人口もさることながら、当然イスラム教徒が多数を占める。
    そのインドネシアにおけるイスラム教(徒)の歴史、また、政治に関わりなど、興味深かった。

    現在の国際情勢と「寛容なイスラーム」の特徴を持つインドネシアのイスラムを知る。

    本書は、インドネシアを理解するために重要で、かつ多くの視点から述べられている好著だと思う。


    親日国であると同時に、 過去に、太平洋戦争時の日本の占領支配からインドネシア建国時にどんな経緯があったか

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    2017年02月25日
  • 国境を越えるためのブックガイド50

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    国際交流基金の職員の愛読書を集めた本。文化交流の最前線にいる人々の思うところが綴られていて幾つかの気づきがあった。
    ・人を動かす
    ・戦争の記憶
    ・「やさしい日本語」は何を目指すか
    ・他者の靴を履く
    ・ポートレイト・イン・ジャズ
    は、海外で暮らす前に読んでおきたいと思った。

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    2023年01月11日
  • 国境を越えるためのブックガイド50

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    ブックガイドとして見た場合、それぞれは短くまとめられていて各筆者の経歴や経験の違いから、とりあげる書籍やそれへの距離感と言った要素の幅が広く
    そもそもの集団の母胎に対しても個人的には知らないことばかりで、知らないことに触れる一端としてのブックガイドの役割として多く資するものがあると思われる。

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    2022年11月21日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

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    ネタバレ

    【216冊目】現代のインドネシアを知る上で極めて有用な書であったように思う。難点は、筆者が国際交流基金職員という立場で現地を観ていることから、学校教育や文化交流の網にかからない、いわゆる「下層部」に属するインドネシア社会や市民までフォロー出来ていないのではないかということ。インドネシアの国土は広大で、人口も2億人以上いることから垣間見ただけで全てを知ることができたとするのは早計である。

     それでも、この書は有用である。パブリック・ディプロマシーの担い手である筆者は、その主張の通り、一部のエリート層よりも広い層と交流してきたのだろうし、文章も他の学問的研究や一次資料からの引用がなされていて、ア

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    2017年11月15日
  • インドネシア イスラーム大国の変貌―躍進がもたらす新たな危機―

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    インドネシアをイスラムの国として正しく理解していなかったと、思い知らされた。田中角栄時代の反日暴動は知ってはいたが、今、ビジネスだけを追求している事に対して、ハッとさせられた。福田ドクトリンの再考と実践が、結果、自らのインドネシアでのビジネスの成功にもなると思う。

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    2016年11月13日
  • 逆襲する宗教 パンデミックと原理主義

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    人は不安になったとき、何かに縋りたくなる。
    この本はコロナ下において各宗教の活発化した動き、観測しやすいためだろう、主に原理主義に焦点を当てている。3.11でイスラム教が話題になったくらいで、他宗教でも信仰を集めているのは知らなかった。
    科学的に謎が解き明かされようともそれが個人の不安まで吹き飛ばすこととイコールで結びつけられないという意味で、宗教は滅びないのだろう。ただ、縋る対象として宗教が選ばれた背景には、信者を減らしつつもまだ身近なものではあった点は関係するのか気になった。日本で信仰が深まらなかった理由は、確かにテロによる忌避感もあるだろう。だが個人的には、それが無かったとしても増えたと

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    2025年08月28日