角川文庫の検索結果
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誓いて我に告げよ
昭和30年5月12日深夜、静岡県三島市の丸正運送店内で女主人が何者かに絞殺された。同30日、市内のトラック運転手2名と助手1名が逮捕され、内2名は、無期懲役と懲役15年の判決を受けた。その日から、2人の運命は暗転する。無実を訴えつづけながら、模範囚として獄中に耐えた20年。その間、著名な2弁護士による真犯人の“告発”と後援会の活動もむなしく、控訴・棄却、上告・棄却を繰返した。刑期満了と病気加療のため仮釈放の身となった今も、2人の魂は強く真実を訴えかけている。本書は、現実に起り、社会の大きな関心を集めた「丸正事件」を取材し、虚構化した問題の長編小説である。汚名を被せられた2人の人物の過去と現在をたどり、その内面の葛藤と痛切な心情を伝える。直木賞作家・佐木隆三が、真摯な情熱をもって取組んだ、深い感動を誘わずにはいない作品であり、受賞作『復讐するは我にあり』以来の力作である。 -
大罷業
大正9年2月、官営八幡製鉄所の一画に突然汽笛の音が鳴り響いた。日本労働運動の戦前の到達点とされる大ストライキを告げる、それが歴史的な闘争の幕開きであった。臨時工から本工になったばかりの20歳の青年・篠原辰吉は、争議の渦中で悩み、疑いながら、闘いに参加する。嫂への思慕と、ときに娼婦への惑溺に揺れつつ、辰吉は自分の生きかたをつきつめてゆく。辰吉の父は戦死し、兄もまた同じ職場で殉職していた。争議の過程で、さまざまな人間関係の軋轢が生じ、一方、警察・暴力団の介入や、朝鮮人臨時工のスト参加など階級関係が明らかにされてゆく。そして辰吉が自らの真実の生きかたを自覚したとき、それは厳寒の洞海湾で「無産者萬歳!」と叫びつつ、生を終える時でもあった。佐木文学の原点ともいうべき、作者24歳の最初の長編力作。戦後労働者文学の感動的な代表作である。 -
ウォーレスの人魚
ダーウィンと同じく〈進化論〉を唱えたイギリスの博物学者ウォーレスは、『香港人魚録』という奇書を残して1913年この世を去る。2012年、セントマリア島を訪ねた雑誌記者のビリーは、海難事故で人魚に遭遇する。マリア一号と名付けられたその人魚は、ジェシーという娘に発情してしまう。2015年、沖縄の海で遭難した大学生が、海底にいたにも拘わらず、3ヵ月後無事生還する。人間はかつて海に住んでいたとする壮大な説を追って、様々な人間達の欲求が渦巻く。進化論を駆使し、今まで読んだことのない人魚伝説を圧倒的なストーリー・テリングで描く渾身作。 -
走れ、コヨーテ
風戸進介、22歳。バイクに憑かれ、走ることに魅せられ、風を切ることだけに己れのすべてを賭けた青年。高校を3年で中退して以来ひたすらに働き、やっと手に入れた一台のバイクと共に、進介は唯一の友人・高木と連れだち日本を飛び立った。目的は、北米大陸縦断の耐久(エンデユーロ)レースへのエントリーだ。総走行距離1万6000キロ、30日間に及ぶ究極のオフロード・レース。進介は鋼の馬を駆り、地を削り砂塵舞う陽炎の果てをひた走る。太陽が、人々の群像が、進介を通り過ぎてゆく。ゴールの先には、また新たな日々があるかも知れない。けれど、ゴールはまだ見えない――。感動のバイク小説。 -
眞説 光クラブ事件 戦後金融犯罪の真実と闇
終戦直後の混乱期。若槻礼次郎以来の天才と称された東大生・山崎晃嗣は、ヤミ金融会社「光クラブ」を設立し時代の寵児となるが、わずか27歳で服毒自殺する。後に三島由紀夫、高木彬光らが小説のモデルとし、アプレゲールの典型といわれた山崎は、なぜ死ななければならなかったのか。昭和史研究の第一人者が徹底取材し、その死後60年にして明らかにした山崎の真実の姿とは。戦後金融犯罪の謎に迫る。 -
コブテン船長の冒険
僕は英雄コブテン船長だ! ――えっ? なんでコブテンというかって? それはだな、女の子の前でできもしない大回転やら大車輪やらやってみたとたん、ドシンと墜落。おでこにコブができたのさ。それがコブテンと呼ばれるもとなんだ。さて読者諸君、僕はこれから廃物利用で作ったヨットで大航海に出かけようとしている。お化けイカが出てくる、タコ星人と話をする、ロボットの国に入り込む、お化けの戦争も見る……。どうだい、君もいっしょに出かけないかね――? 君の決心がついたら出発だ。僕から離れないように、しっかりついて来てくれよ。それ、行くぞ、ヨーソローッ! 矢野徹が痛快なギャグとユーモアで描く、奇々怪々の冒険小説。 -
本の雑誌風雲録
大学を卒業し、就職はしたものの、“本を読む時間がない”という理由から三日目退職を繰り返す目黒考二。たわいもない話を延々と続ける不思議なイラスト描き・沢野ひとし。そして、若き編集長で激務の最中でも本を手離さない椎名誠。70年代初め、彼らは新宿に定期的に集い、彼らの理想とする幻の新雑誌を肴に、夜を徹して飲み明かしていた。そして七六年四月、彼らの夢であった『本の雑誌』は創刊された。いわば贅沢な遊びだった……。始めたのは良いけれど書籍流通のイロハも知らない彼らが、如何にして今日に至ったのか。多くの仲間とともに奮闘を続けた、本を愛する人間たちの物語!
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