「現代の忠臣蔵」というキャッチコピーがありましたが、まさにその通りでした。
登場人物の名前からはじまり、各所に本家・忠臣蔵のオマージュがちりばめられています。
主君(株式会社の社長)が不正を嫌う清廉潔白な性格ゆえに、商売敵に嵌められて外国で逮捕拘禁されること、会社が破産に追い込まれ、社員が辛酸をな
...続きを読むめること、そして復讐のために地下に潜伏して好機を伺う「東京組」と、その動きにブレーキをかけるような副社長・石倉。
経済的なやりとりや政府高官を巻き込んだ不正、反社会勢力とのつながりなど、「現代版」のあれんじはされていますが、根幹が「忠臣蔵」ですから勧善懲悪の物語であることは想像がつきますし、主人公たちが窮地に立たされても、安心してハラハラすることができる作品です。
韓国ドラマの「梨泰院クラス」のような会社同士の対立を含む復讐劇を、ややマイルドにした雰囲気の作品で、楽しんで読むことができました。