歴史・時代小説作品一覧
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3.7可愛さ余って憎さ百倍――でも、愛してる! 江戸は柳橋で一番人気の芸者・菊弥は、男まさりで気風がよい。芸は売っても身は売らないを地でいっている。 そんな芸者仲間からの信頼も厚い菊弥だけれど、ただ一つだけ欠点がある。実は、根っからの「ダメ男好き」なのだ。 恋人で岡っ引きの北斗は、誰がどこからどう見ても、「ダメ男」。しかも、自分は「デキる男」と深く思い込んでいる。なのに、菊弥は恋心が全然吹っ切れない。 その「ダメ男」で恋人の北斗が、「菊弥馴染みの大店が盗賊に狙われている」と知らせにやって来た。もちろん、しっかり小遣いをねだるのを忘れないところが、腹が立つ。 事件を解決しようとしているのか、それとも、引っかき回そうとしているのか分からない、飄々とした北斗の姿を見て、菊弥はひとり呟くのだった――。 「世間のみなさま、すみません」 新進気鋭の人気作家が描く、ほのぼのお笑い捕物帖第一弾!
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3.7長谷川平蔵の甥っ子が人足寄場与力に! 人足寄場は、平之助の伯父である長谷川平蔵が立案実施した施設である。罪を犯した者たちに職業修業を施し、社会に復帰させる画期的な仕組みだった。 定掛与力として、阿比留平之助は平蔵とともに勤めることになった。平之助が、人足寄場を歩いてみると、男には大工や左官、屋根葺き、鍛冶、紙漉き、表具など、女には裁縫や機織りなど、さまざまな仕事を訓練させていた。ただ、予算の限りがあり、正すべきところも直せなかった。 その頃、盗賊鬼洗いの鉦七の押し込みがあり、事情も知らないまま逃走用の船の船頭に雇われて捕まった、癸助という男が入ってきた。気がかりなのは、一人残してきた妹のトミのことだった。ある日、人足寄場に入ってきた男たちが癸助と親しくなる。鉦七一味は、自分たちに繋がる証拠を知っているかもしれない癸助を殺そうとしていたのだ。 長谷川平蔵は、自宅で倒れてから、徐々に弱っているようだった。 平之助は、癸助を救うことが出来るのか。鉦七に迫ることが出来るのか。 平之助の活躍を描く、人情味溢れるシリーズ第一作!
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5.0ぎょろりと動く大きな黒目。ぞんざいで伝法な口ぶり。武士の面目など気にもせず、昼間から馴染みの飯屋で酔いどれる鷹井十郎は、北町奉行所の定町廻り同心。上役に挨拶もせず、同僚ともつるまない奇態ぶりから、『はぐれ鷹』と揶揄されているが、凶賊かげろうを追うことを使命とし、亡き友の妻を思いやる一面もあった。ある日、十郎は、与力から新入り同心である佐分利進吾の教育を命じられる。単独行動に慣れた十郎と御役目に気張る進吾は、ことごとく反発しあうのだが…。秘めた恋に揺れながらも、様々な事件を解決していく十郎に、謎の刺客が襲いかかる。十郎の大刀が闇に閃き、霞の剣が悪を斬る。
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3.8父祖二代にわたって“城取り”で武功をあげてきた竹中家に生まれ、宿命のようにして難攻不落の要塞、稲葉山城を攻略してゆく半兵衛の人物像を陰影豊かに浮かび上がらせた表題作「城取りの家」。関ケ原役において九州を平定し天下をも望む加藤清正一世一代の野望を描く「虎之助一代」。ほかに福島正則、直江兼続、大月義政など、戦国乱世を駆け抜けた男たちの生と死を綴った雄渾の戦国武将伝。 ※本書は、一九九六年一二月に新人物往来社より刊行された『戦国武将伝 虎之助一代』を改題し、文庫化したものです。文庫化にあたり「時代小説大全99夏号」(新人物往来社)に掲載された「寝返りの陣」を新たに巻末に収録しました。
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3.2安房国の港町・片海で漁師をしていた見助は、京の寺々に遊学していたという僧侶と出会う。僧はやがて日蓮と名を改め、鎌倉の松葉谷に草庵を構えて辻説法を始める。見助も鎌倉まで従い、草庵で日蓮の身の回りの世話をするようになる。その後日蓮は、他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府がこのまま邪宗を放置し法華経を用いなければ、国内の災難が続き他国からの侵略を受けると主張した。そして見助は日蓮の予言に伴い、九州の対馬に一人で赴くことになる。日蓮の目となり耳となるために。鎌倉から京の都までは陸路、京から博多さらに壱岐・対馬までは海路だ。遥か遠国の地への、見助の苦難の旅が始まった。
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4.2八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
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-凶賊捕縛の大捕り物で、同心・坂巻慶之進は、賊の頭目が放った捨て身の一撃により非業の死を遂げてしまう。残された妻・お幸は、ひとり息子の辰之助とともに、市ヶ谷の屋敷へと移り住んだ。慶之進の死から五年が過ぎ、天保三年、夏―。武芸道場月心館で、辰之助の学友、新一郎の行方がわからなくなった。心配する辰之助をよそに、あまりにも冷淡な態度をとる新一郎の母親。話を聞いたお幸は、新一郎の消息を知るため、ある策を講じる。秘めた親子の情が結んだ、意外な結末とは?市井に巻き起こる様々な事件を、鮮やかに解決していくお幸の活躍。夫の親友、北町同心・麻生源史郎との間に芽生えるほのかな恋慕に、お幸の女心が揺れ動く。
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-天保十一年、江戸の風紀は乱れに乱れ、とくに堕落した幕府役人の間では、賄賂や不正がはびこっていた。幕臣の腐敗に業を煮やした目付・鳥居耀蔵は、使い捨てにできる若い侍を探し、きたるべき政治改革に向けて、極秘の計画を進める…。深川の岡場所をうろつく中川勇之助は、小人目付中川家の三男。いわゆる部屋住の身分である。将来に希望が持てず、自暴自棄となっていた勇之助は、深川で思わぬ刃傷沙汰に巻きこまれた。やくざとの喧嘩に負け、切腹さえも覚悟した勇之助の前に、実戦剣術の荒武者と、鳥居耀蔵の姪、お凛が現れる…。必殺の剣法を身につけた勇之助が、卑劣な役人どもを成敗する。
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