国内文学作品一覧

  • 心友
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    1巻880円 (税込)
    本格派の短歌と川柳の二重奏。情景から機微まで、七五調のリズムは「心友」となってあなたに語りかける。 森下歳子作品 網戸より入り来る風の涼しさに息づけば外は静かに雨ふる 岩清水ながれながれて山桜の花びら運ぶ里の小川に 宮村典子作品 さまざまな愛され方をしてひとり ちょっとだけ泣かせて懐かしい音色 ふるさとの川が無口になっている
  • 川柳句集 かつぶし
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    1巻880円 (税込)
    歌うように、弾むように、会話するように心に滑りこんでくるキング・オブ・ポップ川柳! 20代で川柳をはじめ現在、静岡たかね川柳会代表、(一社)全日本川柳協会常任幹事、葵川柳倶楽部代表等で活躍する川柳界の若きプリンス、待望の句集。序文・高瀬霜石、熊谷岳朗。 《ディスイズアペンさあ夢を綴ろうよ》 《十八の僕がハチ公前にいる》 《君はもう寝たかな窓の外は雪》 《笑うがいい最後に笑うのは俺だ》 《地下駐車場でB子と待ち合わせ》 《匿名の手紙チワワのように吠え》 《タイムイズマネー寂しい響きだな》 《妻よ子よ俺は負け組だよゴメン》 《沢ガニも君もそーっと掴まえる》 《めぐり遇おう今度生まれて来る時も》
  • 泉鏡花 現代語訳集4 春昼・春昼後刻
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    【あらすじ】 夢を見ないかーと人に勧めているような、この上なく麗らかな春の日に、一人の散策者が三浦半島の付け根にある山寺を訪れる。 あたりに張り散らされた巡礼札の中、美しい女文字で書かれた和歌に目を留めた彼は、寺を守る出家から、この歌にまつわる不思議な話を聞かされる。 それは、互いに触れ合うことも、言葉を交わすこともなく、常識では計り知れない情念の働きかけと受け止めによる、夢の契りで結ばれた男と女の物語だった。 寺を辞し、出家の話に思いを巡らしながら宿へ戻る途中、散策者は自分の行く手にその女主人公の姿を認めるのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集5 義血侠血
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    【あらすじ】 ある夏の日、馬丁とは見えない男の御す、高岡から石動へと向かう乗合馬車に、一人の怪しい美人が客となる。 そこへ普段から反目しあっている人力車が通りかかって、両者は自然相争う形となり、これがもとで御者は職を失ってしまう。 後日、夜更けに涼みに出たその女、実は滝の白糸という評判の水芸の太夫は、浅野川にかかる天神橋の上で先日の御者に出会い、男の身の上を聞いて彼の望みの実現を援助しようと申し出た。 こうして男は東京へ遊学したが、その学業の成就も近くなったとき、白糸は仕送りの金を強奪されてしまう。 悲嘆と絶望とに沈んで街をふらついているうち、見えざる手に導かれるように、今度は自らが強盗の加害者となり、殺人まで犯してしまった彼女は、数奇な巡り合わせにより参考人として裁判に出廷し、そこに思いもかけず先の御者の姿を見るのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集6 夜叉ヶ池
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    【あらすじ】 文学士山沢学円は、見物学問の帰り道、三国ヶ岳の麓で、行方不明となっていた親友の萩原と思わぬ再会をする。 萩原も一昨年、この山中にある夜叉ヶ池を見に来て、鐘撞き堂を守ってきた老人の死に遭遇し、さらに人間離れした美しさの娘、百合と出会ったことで、そこに隠れ住むことを決意したのであった。 その鐘は、昔夜叉ヶ池に封じ込められた竜神に、池から出ないという約束を守らせるため、一日に三度撞き鳴らすべきもので、一度でもこれを怠ると、たちまち大嵐が起こり、一帯は水の底に沈むと言い伝えられている。 この約束に縛られ、恋しい千蛇ヶ池の親王に会いに行くことのできない、現在の夜叉ヶ池の主、白雪姫は、自らの手で鐘を打ち壊そうとするが、従者たちの懸命な説得と、ふと聞こえてきた百合の子守唄により思いとどまる。 しかしその直後、旱魃に耐え切れなくなった村の者たちは、雨乞いの生贄とするため百合を捕らえにかかるとともに、萩原には鐘を撞く事を止めるよう迫ったのである。
  • 泉鏡花 現代語訳集8 草迷宮
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    【あらすじ】 物心つく前の最後の記憶に残る、亡き母の唄っていた懐かしい手毬唄。 それについて思い出したのは、母とよく一緒に毬をついていた三人の娘のことである。 一人は既に亡くなり、一人は嫁いで会うことができず、もう一人は神隠しにあって行方が知れない。 唄への憧れが募り、その文句を求め、その娘を探して、諸国を旅して回っていた葉越は、ある夏、三浦半島秋谷を流れる小さな川で、五色の糸でかがられた美しい毬を拾う。 ちょうどそこに来合わせた爺に、その地で起こった不思議な話を聞いて、彼は黒門の別邸と呼ばれる曰くつきの屋敷の一間を借りることにした。 しばらく滞在して旅の疲れを休めたく、また、そこで自分の望みが叶うような気がしたからである。 街道の茶店で、爺に連れ添う婆から、やはり黒門での無残な出来事を聞き、浮かばれぬ人々の供養を頼まれた旅の僧が、その夜、明と二人、蚊帳の中に枕を並べていると、ぽたりーと何かがその枕元へ落ちてきた。
  • 泉鏡花 現代語訳集3 天守物語
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    【あらすじ】 晩秋のある夕暮れ、姫路城の天守閣に住む富姫のもとへ、猪苗代の亀姫が手毬をつきに遊びに来る。 亀姫が土産として持参したのは、姫路城主・武田播磨守の兄弟にあたる衛門之介の生首だった。 富姫は返礼として播磨守秘蔵の白鷹を誘い捕らえて贈るが、鷹匠・姫川図書之介は鷹を逃がした咎を受け、切腹の代わりに天守の探索を命じられる。 彼が優れた心をもっていることを知った富姫は、理不尽な主君に仕えることをやめて天守閣でともに暮らすよう勧めるが、図書之介は決心がつかず辞退。 しかし、地上へ戻った図書之介は、播磨守家中の者に追われる形で富姫の前へ再度立ち現れるのである。
  • 広岡浅子 激動の時代を駆け抜けた「女傑」の生涯
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    NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』のヒロイン・白岡あさのモデルとなったのは、幕末から明治・大正時代にかけての“激動の時代”に活躍した実在の人物・広岡浅子。炭鉱経営、銀行設立、生命保険会社設立、日本初の女子大学設立と、さまざまな事業&活動に奔走し、後に「女傑」と呼ばれた、その生涯に迫る! [第一幕]広岡浅子が「女傑」と呼ばれるまで ボンボン信五郎との結婚 [第二幕]広岡浅子伝説の始まり 炭鉱経営から大同生命の設立まで [第三幕]広岡浅子が追い求めた理念 女子教育と晩年の思い
  • 川柳 風と組む
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    1巻880円 (税込)
    現代川柳界を代表する女性作家の一人で、茨城県川柳協会副会長・つくばね番傘川柳会創立会長を務める著者が、つくばね創立十周年を記念して編んだ句文集。 日々の暮らしが詠まれた川柳の中に自己主張、社会批判のエッセンスがキラリと光る。 《花筏こころまかせに風と組む》 《桃の花菜の花亡母はどのあたり》 《ひらがなの中で男を赦してる》 《パソコンに夢も家計も詰め込んで》 《いい妻を演じ切るのも義理のうち》 《夫をほめると洗濯が早くすむ》 《来年の母の日までに母になる》
  • 川柳作家全集 今田久帆
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    1巻880円 (税込)
    現役の高校教諭であり、静岡県川柳協会会長、浜松川柳社いしころ会会長などの要職にある著者。 比喩を効果的に用いて、自分の思いを十七音の物語に昇華させる。 《親と子が絵本に架ける虹の橋》 《ひたむきな母がこっそり伸ばす腰》 《褒められた記憶がボール弾ませる》 《逆境にかざすと見える愛の色》 《破壊して生を実感する若さ》 《伝えたい思い机上でひからびる》 《くたびれた皺を伸ばして描く夢》 《地球にも必要になる解毒剤》
  • 川柳句集 一片の華
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    1巻880円 (税込)
    小中学校校長を務め、長く教育界の第一線で活躍してきた著者初の作品集。第一章「処世片片」、第二章「老いらくの坂」、第三章「学びへのピアー」、第四章「やぶにらみ」の構成。《無職にもその他大勢にも馴れた》 《追い越して行く人どうぞ老いの坂》 《老骨に猫もパスする膝枕》 《今日もまた昨日のコピーする老後》 《オレ流に生きる月日は悔やまない》 《欲張るな終の住処は壺の中》 《運不運のせて綿毛の着地点》 《一夜だけ月下美人に添い寝する》 《踏んづけた後に四つ葉のクローバー》
  • 川柳句集 葦の言ノ葉
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    1巻880円 (税込)
    「葦のように儚いわたくしの句」と語る現役の数学教諭である著者が呟くように、囁くように、時に心に秘めた情念をぶつけるように己の弱さや葛藤を吐く、魂を揺さぶる一冊。 《目の前にあるものずっと探してる》 《吹っ切れて軌道に乗った四コマ目》 《昨日なら空いていたよと断られ》 《幸せの境界線が上下する》 《もう誰も追っては来ない氷点下》 《酒池肉林きっと長生き出来ないな》 《懸案事項死んでもスマホ離さない》 《拘り消えて背骨ゆるやか》 《白い息君の答えを待っている》
  • 川柳句集 幻聴
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    1巻880円 (税込)
    40代の新進気鋭の若手作家の鮮烈なデビュー句集。 みずみずしい感性と洞察力の鋭さ、アイロニーの適確さで、読む人全てをケンジロウワールドに引き込む。 《ファイティングポーズのままで飯を喰う》 《取扱説明書だけ残った》 《かみさまがしあわせになりますように》 《これ以上アホになったら神になる》 《無職です今日は勤労感謝の日》 《リサイクルショップで買った社長椅子》 《一所懸命適当に生きている》 《ロボットが作り続けている無職》 《ご褒美に一枚紙を貰うだけ》
  • 川柳作家全集 古谷龍太郎
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    1巻880円 (税込)
    福岡県川柳協会会長、県内屈指の伝統結社・川柳くろがね吟社主幹である九州を代表する著者。 骨太ながらも飄々と人生を詠んだ「起」「承」「転」の3章構成。 《鉄鍛う男我流の花を生け》 《嫌いから好きに変わった一ページ》 《芽が出ないそれで気の合う屋台酒》 《退屈だなあ女房と昼寝する》 《転変の雲と一日なにもせぬ》 《貧しさは言うまい今日の飯を炊く》 《見通しはどうあれ今日の石を積む》 《しょうもない話だけれど茶は旨い》 《よくやった自分を褒める馬の脚》
  • 川柳作家全集 田辺進水
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    1巻880円 (税込)
    川柳まつやま吟社会長、愛媛県川柳文化連盟事務局長などで活躍する愛媛を代表する作家である著者が、誰にでも分かる平易な表現で自分の思いを十七音の調べに乗せて、読者の心に届ける。 《定年後二人は蝶になりました》 《まだ妻は信じていない地動説》 《本物の男は暗闇で光る》 《年金が助けた亀を待っている》 《謝罪会見髪が薄くてすみません》 《真実になるまでシャドーボクシング》 《招き猫は頭掻いてただけだった》 《ポケットの大吉少しずつ使う》
  • P+D BOOKS 大洪水(上)
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    1~2巻550~715円 (税込)
    中上健次、もう一つの遺作も初の電子化! 「路地」の解体時期に父親(浜村瀧造の朋輩・ヨシ兄)殺しに手を染め、「路地」から逃れた鉄男は、やはり夫・セキグチジュンを殺した女・セキグチマリと出会う。女は鉄男にそれまでと異なった衣装を着せ、ジュンと名付け、ジュンという<物語>を背負わせる。 マリが精神病院の患者同士として知り合った友人で、富豪の“太った女”水島エリは、鉄男を教祖とあがめる新興宗教に加わろうとし、道すがら出会った暴走族の首領の若者も、これまた鉄男の教祖としての雰囲気に惹かれていく。 そして、鉄男、マリ、エリ、暴走族の若者とその妹は、南の地・シンガポールへと向かうのだった……。 中上作品の中でも最もエンターテイメント色の濃い作品で、雑誌「SPA!」に連載中に未完のまま絶筆した。
  • 野分
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    1巻110円 (税込)
    白井道也はどこに行っても長くは続かない教師である。東京へ出てきて何とか編集者の仕事をして食いつないでいた。結核の高柳と裕福な中野は学生時代、道也を追い出した教え子たちであった。孤高な理想を持つ道也は貧窮のあまり借金をするが……。後半、道也の迫力の演説に聴衆は圧巻される。見事な大団円に爽快な読後感。
  • 花埋み
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    1巻550円 (税込)
    日本最初の女医である、荻野吟子。テレビドラマ化、舞台化もされた渡辺作品の感動長編の一つ。 18歳で結婚した吟子は、夫からうつされた病気が原因で、子どもができない身体となってしまい、離縁されてしまいます。そして、その病気の治療に際し、異性に診察される恥ずかしさを感じた彼女は、同様な屈辱を感じる女性のためにも、医師になろうと志します。 まだ、女性が学問を究めることに対し、偏見や障害があった時代にそれらを乗り越え、道を切り拓いてきた一人の女性の波瀾にとんだ生涯を描いた感動の名作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 麻酔
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    1巻836円 (税込)
    1時間ほどで終わる予定の、子宮筋腫の摘出手術を受けた妻・邦子だったが、麻酔のミスが原因で意識が戻らず、植物状態に陥ってしまう……。 医療過誤が原因となり、変わっていく夫婦の在り方、子どもたちとの絆・関係を描き、テレビドラマにもなった渡辺作品の名作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 雲の階段 (上)
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    1~2巻484~638円 (税込)
    三郎は、島でただ一人の医者がいる診療所で助手を勤め、その手先の器用さを買われ、医師資格を持たない身ながら診療を行っていた。 所長が、島外へ出かけたあるとき、急患が運び込まれてくる。東京から友達と遊びに来ていた女子大生・亜希子だった。彼女の生命を助けるべく、意を決して、手術を敢行するが、一時、生命の危機にさらしてしまう……。 意図せず、偽医者を演じることになってしまった男を描き、テレビドラマ化もされた長編傑作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 孤舟
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    1巻715円 (税込)
    主人公の大谷威一郎は、大手広告代理店常務を務め、関連会社子会社の社長ポストの内示を蹴って、定年退職をする。定年退職後は、楽しい第二の人生が待ち構えているかと思いきや、家族に対しては相変わらず威張りちらし、「粗大ごみ」化してしまう。 当然、夫婦関係、親子関係がぎくしゃくしてしまい、飼い犬のコタロウが相手だけの時間を持て余す生活が続く。やがて、ひょんなことから若い女性と付き合いだし、人生が華やいでくるが……。 いずれ誰もが迎える定年退職後の生活を、どう過ごすか、問題を提起した考えさせられる傑作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 遠き落日 (上)
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    1~2巻473~660円 (税込)
    第14回吉川英治文学賞受賞作品! 人間・野口英世を余すことなく描き切った傑作長編伝記。 1876年、貧農の家に生まれた野口英世は、やけどによって左手の自由を失う。 しかし、驚異的な忍耐力で自らに降りかかるハンディ、偏見、蔑視などをはねのけ、やがて世界の注目を浴びるようになる。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 冬の花火
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    1巻781円 (税込)
    昭和短歌界に颯爽と出現した中城ふみ子。 彼女の歌集『乳房喪失』は、歌集として異例のベストセラーとなる。 その美貌と才能に恵まれながらも、乳がんを患い、激しく生き抜き、31歳で夭折した女流歌人・中城ふみ子の評伝。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • いのちより、たいせつなもの
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    1巻550円 (税込)
    針金の蔓に、アルミ箔の花びら。銀色の植物で埋め尽くされた小さな裏庭。大切な人を失い、自分だけが生き残った小春は、銀色の植物を増やしつづける。見守る大学生の弟と、その友人や彼女。ある日、小春が亡くした「大切な人」の娘・菜津が、銀色の庭を訪ねてくる。父の死の真相を知るために。現実の中にある美しさと悲しみを描いた、日常の物語。2002年に京都で上演された戯曲作品。
  • 川柳句集 YANAGI
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    1巻880円 (税込)
    次世代の川柳界を担う川柳作家として、全国から注目の集まる著者の電子句集。川柳作家と同時に川柳論にも評価が高く、総合雑誌・川柳マガジンにて「Senryu! japan」を連載。  「やなぎの川柳らしきものたち」「帆波のいろは歌留多」「かたのちからがぬけてあすいろ」の3章構成。 《つんのめりながら氷の息を吐く》 《たつまきが来る洗濯が終わらない》 《ヒロインになりそこなった雪の中》 《なれあいを確かめている6度5分》 《ほどいたらおしまいになるダンボール》 《プラトニック舌を抜かれる覚悟なら》
  • 化身 上巻
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    1~2巻880~935円 (税込)
    巷で人気のある文芸評論家・秋葉大三郎。 ある日、銀座のクラブ「魔呑(マノン)」で働いている、若い霧子と出逢う。 純粋で初心な霧子に、女としての蕾を見出し、自らの理想の女性にしようと惜しみない愛を贈り、霧子もそれに応えるかのように変身をとげていく……。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 化粧 上巻
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    1~2巻935円 (税込)
    京都・祇園の料亭に生まれた、美しき三姉妹それぞれの生き様。 一番上の頼子は舞妓から転じて銀座のクラブのママになる。頼子には、舞妓時代、双子の鈴子が犯され、客の熊倉の子を身籠り自殺といった凄惨な過去があった。 二番目の里子は結婚し、老舗の若女将を務めている。 末の槇子は東京に出て自由奔放な大学生活を送っている――。 奥行のある渡辺文学の傑作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 川柳句集 偲ぶ
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    1巻880円 (税込)
    人生の達人が贈る、生きるためのヒントが満載の一書。91歳の現役川柳作家の著者が亡き妻を偲んで編んだ初の川柳句集。10代で満洲に渡り、戦後は旧ソ連に抑留された壮絶な人生を送った著者は、愛する家族そして川柳を通じて「人はどう生きるべきか」を学び心の糧にしたという。「世相」「偲ぶ」「老いの坂」の3章構成。 《駄馬でよし最後に笑う夢がある》 《飲まないと心配顔の妻がいる》 《躓いて拾った石は温かった》 《ありがとう没句に百点くれた妻》 《適量を越えて鼾が唄い出す》 《さよならを決して言わない妻でした》
  • 川柳句集 なめくじら
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    1巻880円 (税込)
    鋭いまなざしで社会を、人間を、自分自身を見つめる著者が、アイロニカルで知的で正統派なユーモア川柳に仕立て上げた、川柳愛好者にとっておきの句集。「暮しの章」「世相の章」「くすぐりの章」の3章構成。 《あの世でも一緒と言って厭がられ》 《エリーゼのために近所が眠れない》 《言う前にすっとお茶出た頃もある》 《兎小屋ふとん叩きも気を遣い》 《老い二人暗くなったら寝ると決め》 《最後まで以下同文の組に居る》 《スマホしていない僕だけ上を向く》 《鼻に付く自分以外の加齢臭》 《非常灯だらけになった世界地図》
  • 川柳句集 起きあがり小法師-喜寿回想
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    1巻880円 (税込)
    川柳歴60年、長きにわたり川柳の普及と発展に貢献してきた達人しか詠めない17音の境地。著者の喜寿および金婚を記念して編まれた待望の第3句集。 《あと一球良からぬことを考える》 《潔い進退誰も見ていない》 《打ち合わせしたアリバイがすれ違う》 《偉いこと言ってる偉くなった人》 《冗談はさて置き蝉のいのちなど》 《起きあがり小法師も払う消費税》 《不可侵のものがまだある喜寿夫婦》 《手花火のその真ん中に孫を置く》 《笑ってはいるが善人とも違う》 《見えてきたのは人の世の薄なさけ》
  • 川柳作家全集 富田房成
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    1巻880円 (税込)
    山口県を代表する川柳作家の一人である著者の第一句集。「直球」「変化球」「危険球」の3章構成。 《マニュアルに土下座があってたまるかい》 《出来ますか下り坂での回れ右》 《がむしゃらに走りようやく並の並》 《年金で呑む酒旨い筈がない》 《頭ひとつ下げるたんびに腹が減る》 《少しずつ思い通りになる恐怖》 《遺伝子が護ってくれる体脂肪》 《用済みの鍵が束から外れない》 《踏ん切りがついてすらすら丁寧語》 《雨が降る声が聞きたいEメール》 《神様が鬼で隠れる場所がない》
  • 「小説家」登場 尾崎紅葉の明治二〇年代
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    1巻4,620円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 紅葉作品は"近代小説か否か"という従来の視点から抜け出し、同時代に存在した数多の小説群の中で相対的に捉える試み。紅葉自身が意識していた、素材や場面を用いて小説"世界"を構築する"趣向"という創作の観点から解析することで、紅葉作品の意義を検証。同時に作品から見えてくる「小説家」尾崎紅葉の輪郭を描き出す。
  • 半井本 保元物語 本文・校異・訓釈編
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    1巻10,450円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 漢字仮名混じり文の始発期に成立した軍記「保元物語」から日本の漢字文化を見通す。
  • 喪章を着けた千円札の漱石 伝記と考証
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    1巻4,180円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 半生をかけて探し挙げた豊富な資料をもとにした、新たな漱石伝記。熊本時代の漱石の空白部を満たす夏目漱石論のほか、芥川龍之介、谷崎潤一郎関係の論文も収録する。
  • 新古今集古注集成 近世新注編〈1〉
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 [翻刻]新古今集契沖書入本(三手文庫本)美濃の家づと(板本)美濃の家づと疑問(本居宣長記念館本)美濃の家づと疑問評(本居宣長記念館本)芝原春房が疑問評(静嘉堂文庫本)鈴平問答(阪本竜門文庫本)ささぐり(天理図書館本)みのの家づとの難(大阪府立中之島図書館本)
  • 新古今集古注集成 近世旧注編〈4〉
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新古今和歌集の注釈書を集め、翻刻するシリーズ。近世旧注編の4巻では、「新古今七十二首秘歌口訣」「新古今注釈」「新古今口授」「和歌二十一首秘注」などを収録し、解題を付す。
  • 曽禰好忠集の研究
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    1巻14,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 諸本研究、表現研究、享受史研究の3部構成。影印資料も具わる(『標注曽丹集』『曽丹集摘草』)。曽禰好忠集研究の基礎資料。
  • 曽禰好忠集の校本・総索引
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    1巻12,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 平安時代の異色ある歌人、曽禰好忠の家集についての基礎研究。尚書禅門本を底本にし校本を作製。自立語・付属語索引を完備。
  • 三巻本枕冊子抄
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    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「校本枕冊子」(田中重太郎著)に依拠して作られた三巻本の校訂本文による抄本である。頭注は注釈と校異からなるが、評釈にかかわることがらにもできるだけ言及。巻末に詳密な解題、系図、年表を付して、作品ならびに清少納言の全体像を明確に把握できるよう配慮した。
  • 標注曽丹集
    -
    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 編者蔵「標注曽丹集」(文化13年刊本)の影印本である。契沖本(元禄8年刊本)を底本とし、躬弦・由豆流・寛光が校訂し、各自の考察を頭註に記したもの。歌数は補遺を含めて592首。頭註及び本文の行間の校異の掲出が、元禄本よりはるかに多いのが特徴である。
  • 春妙のユーモア句集
    -
    1巻880円 (税込)
    「ドタバタ喜劇ではない、むしろ真面目な中にふっと見せるおかしさ、涙ぐみたくなる程の暖かい笑い、大口あげて笑うのではなく、クスクス心の底から湧きあがるような笑い、いつまでも心に残って、人にも話さずにいられないような笑い」をユーモアと定義づける著者が、昨今のユーモアの在り方に疑問を投げかけ、自らの川柳で世に問う。 《睡眠薬ですと看護師来て起こし》 《いやらしい力士だという誉め言葉》 《黒犬が白髪になったことはない》 《修理屋が来て電源を入れてゆき》 《私だけ笑った品のない駄洒落》
  • 川柳句集 綜麻
    -
    1巻880円 (税込)
    埼玉を代表する川柳作家の一人である著者は昭和63年に川柳入門、20年の節目を記念して編まれた金字塔。「黎明」「桜前線」「竹とんぼ」「忘れたパスワード」「待合室」「びっくり水」など13章構成。題字と本文の書は川瀬翠氏。 《パスワード忘れわたしでない私》 《それなりの位置に落着く鼻眼鏡》 《一服の茶も飲み頃の湯を注ぐ》 《サイコロの目からこぼれた七が好き》 《前線が過ぎて桜は木に戻る》 《拝まれてやおら飛び立つ竹とんぼ》 《秒針の動作にあった小休止》
  • 川柳句集 かみさまのいうとおり
    -
    1巻880円 (税込)
    十七音かつ平易な言葉を用いながら、深く読者の心に入り込む、一編の小説以上の物語が紡ぎ出される詩情豊かな世界。川柳界の芥川賞と称される「川柳マガジン文学賞」第8回大賞受賞記念出版。 《虹だよと庭であなたの声がする》 《だいじょうぶ雨のち晴れははずれない》 《十指みな愛のパートを持っている》 《人生は二度ある桑のうすみどり》 《幸せも大きく見える虫めがね》 《のみこんだ夢のかけらがつきささる》 《肩に雨 ほら人生が軽くなる》
  • 坑夫
    -
    「本当の人間は妙に纏めにくいものだ。」 十九歳の家出青年が降りてゆく、荒くれ坑夫たちの飯場と「地獄」の鉱山、そしてとらえがたいこころの深み――明治41年、「虞美人草」と「三四郎」の間に著された、漱石文学の真の問題作。最新の校訂に基づく本文に、新聞連載時の挿絵を収録。(注・解説=紅野謙介)

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  • 文学論 (上)
    -
    1~2巻946~1,034円 (税込)
    1903年苦しいロンドン留学から帰国した漱石は帝大でいよいよ文学を講じる。後の文豪は世界文学といかに出会い自らの文学を築いたか。Fやfの用語など一見難解な外観と厖大な原文は人を圧倒するが、独特の苦渋とユーモア漲る痛快な口調で語られる文学修行の精華。西洋と日本の近代をつなぐ迫力満点の講義録。【亀井俊介注解】

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  • 川柳句集 大倉山 発
    -
    1巻880円 (税込)
    密度の濃い社会体験、広く知り広く読み広く体験してきた男の骨格から生まれる十七音のポエム。 鋭い感性、上質なユーモアで社会をよむ、人間をよむ。待望の第1句集。 《抜け道も至るローマと書いてある》 《躓いた数もかぞえて歩数計》 《懐手影は両手を上げている》 《アニメなら描ける男の黙示録》 《豆を抱く莢の形は母に似る》 《花追えば花の都はビルの地下》 《カーナビに散骨場所も入れておく》 《七色を混ぜれば黒き虹の裏》 《冬靴に桜を見せてから仕舞い》
  • 川柳句集 強制しないオムライス
    -
    1巻880円 (税込)
    俳人の父を持ち、教師として生徒に川柳を指導、「日本語は噺家さんに教わった」と語る著者のウイットに富んだ第一句集。 東葛川柳会、川柳研究社、川柳展望社、東京番傘川柳社、都々逸しぐれ吟社など多方面で活躍。タイトルは収録句《君が代を強制しないオムライス》より。 《飼ってます散歩いらない熱帯魚》 《イラク叩いた手でスマトラを撫でる》 《十五の春が蕾のままで震えてる》 《濡れ煎餅早く食わぬと乾き出す》 《指貫をことりと仕舞い母が寝る》 《間を空けて叱られに行く歯科の椅子》 など。
  • 硝子戸の中
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    1巻110円 (税込)
    「硝子戸の中から外を見渡すと、霜除けをした芭蕉だの、赤い実の結(な)った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼につくが、その他にこれといって数え立てるほどのものはほとんど視線に入ってこない。」胃の大病を患って外出もままならない漱石が、書斎の中で静かに人生と哲学を語った漱石最後の随筆集。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 川柳句集 一本の道
    -
    1巻880円 (税込)
    川柳まつやま吟社、愛媛県川柳文化連盟事務局長・理事などで活躍する著者が還暦を記念に編んだ第一句集。 易しい言葉で人生の機微を人間の喜怒哀楽を、日常生活を深く読む著者の句風は定評があり、十七音のポエムが読者の心に響く。 《息継ぎの下手な父だが沈まない》 《一本の道を人が歩いている》 《まっすぐに歩けば虹が見えるはず》 《消しゴムがあるから文字を間違える》 《三年も我慢したのは石の方》 《美人だと鏡も思うようになる》
  • P+D BOOKS 熱風
    -
    1巻715円 (税込)
    中上健次、未完の遺作が初単行本化&電子化! 1個3億円のエメラルド3個を携え、ブラジルから来日したオリエントの康の遺児タケオは、新宿で「中本」の一統である“毒味男”や、オリュウノオバの甥っ子である“九階の怪人”と出会う。 “毒味男”の一味は、最初に地上げ屋の斎藤順一郎を焼き殺したが、彼らの周囲をGメンが嗅ぎ回り始めので、一味は共に紀州・新宮へ舞い戻る。そして、次の標的に土地の実力者・佐倉(この時、130歳近い年齢だが)を選ぶのだが……。 新たな抗争の予感を湛える長編。「千年の愉楽」の続編ともいえる未完作。「週刊ポスト」にて連載中に絶筆した。
  • 川柳作家全集 安永理石
    -
    1巻880円 (税込)
    昭和25年に大嶋濤明が創設した川柳噴煙吟社の創立会員で、熊本柳友川柳吟社主宰、熊本県川柳協会会長、川柳噴煙吟社主幹を歴任、現在噴煙吟社会長として活躍する熊本川柳界の泰斗である著者の第2句集。 「昭和の譜」「平成の譜」「近年の譜」の3章構成。 《明けまして一銭もないお正月》 《目じりからこぼれてしまう母の嘘》 《生きるとはゴミを出す日はゴミを出す》 《ライバルへ顔の半分笑っとく》 《回れ右すると軍靴の音がする》 《八十歳どこを切っても血は赤い》
  • 川柳作家全集 平田朝子
    -
    1巻880円 (税込)
    九州発の伝統結社、川柳噴煙吟社主幹・幹事同人兼機関誌「ふんえん」編集人、熊本県川柳協会副会長、熊本県文化協会副会長など要職に就く著者の第2句集。 女性ならではの感性がほとばしる。「私の中のわたし」「愛……飾らねば」「人生いろいろ」の3章構成。 《この指に止まった人だ信じよう》 《思わせぶりな花があなたへ半開き》 《女だけ住む玄関を擬装する》 《ピコピコと親指だけのお友だち》 《飾らねば時がひたひた押し寄せる》 《水を飲む時人間の音がする》
  • 川柳で平成の世をぶった切り
    -
    1巻880円 (税込)
    1989年から2013年までの25年間に詠んだ時事川柳を、年さらに月ごとに分けて収載した平成の25年間をこの1冊で俯瞰することができる、クロニクル的川柳句集。 《名君も一億借りて腹を切り》(1994、細川借入疑惑で辞職) 《アメリカの心を砕くテロリスト》(2001、9月11日) 《ティッシュから自転車になりパンクする》(2007、消費者金融) 《大地震ぼた餅だけは落とさない》(2011、菅内閣延命) 《兵卒は四億円もさっと貸し》(2011、総理は最低資産) 《手拍子で送られて逝く人生も》(2013、人生いろいろ島倉千代子)
  • 川柳句集 猫のうた
    -
    1巻880円 (税込)
    素晴らしきかな、猫のいる人生―猫好き必読の250句の猫まみれ川柳。 ほか博学多才の著者による連作「チリ鉱山の奇跡」100句、「時事川柳」「春から夏へ」「秋から冬へ」など情趣に富んだ川柳句集。 《泣き笑い我が人生は猫といた》 《自分史の索引に猫の名がずらり》 《茶柱が立ったと猫を抱きしめる》 《皿を割るついでに猫も居なくなる》 《猫の仔の貰い手つかず空が澄み》 《切り札がやっぱり出せず猫を撫で》 《ゆたんぽの湿りに猫のひげも濡れ》 《世は愉しぞっこん愉し猫飼えば》
  • 泉鏡花 現代語訳集10 海神別荘
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    【あらすじ】 海底世界の公子は、さまざまな海の宝と引き換えに、貧しい漁師の美しい一人娘を妻として迎えることとなった。 案内の女官に海底へと導かれたその美女は、故郷を離れて嘆き悲しむのではないかという公子の懸念をよそに、彼の力と宮殿の壮麗さ、そこに満ち溢れる金銀宝玉を喜び、人間の世界へなど帰りたくはないと言う。 が、いまや自らの身を包むこの栄華、それは措くとしても、自分が海の底で生きていることだけは、どうしても故郷の人々に知らせたく、そのために一度陸へ戻らせて欲しい―と強く請うた。 それに対し、公子は「人は自分自身だけで生を生きなければならない。それに、ここに来た貴女は、もう人間ではない。」と宣告したのだった。 人々の目に、自分が蛇体に見えることを知った美女は悲泣し、どうか殺して欲しいと公子に願うのである。
  • 化粧
    -
    さびれた芝居小屋の淋しい楽屋に、一人の女が座っている……。女の名前は五月洋子。大衆演劇「五月座」の女座長である。やがて客入れの始まる音が聞こえ、いよいよ初日幕開きの時刻が近づいてくる。洋子が舞台化粧を始めたその楽屋に、かつて彼女が捨てた息子だという人物が現れた――。捨てたのではない、ああするより他に仕方なかったのだ。わかっておくれ……。洋子の語る物語に、観客は幻惑されていく。井上ひさし初の一人芝居にして、一人芝居というジャンルの中でも最高峰と讃えられる傑作中の傑作戯曲。併せて松尾芭蕉の生涯を描く、歌仙仕立ての名作『芭蕉通夜舟』も収録。モノローグの至芸を味わえる戯曲集。
  • 川柳作家全集 高瀬霜石
    -
    1巻880円 (税込)
    映画と音楽を愛し、青森県川柳連盟理事長、(一社)全日本川柳協会常任幹事、弘前川柳社顧問、川柳塔社理事等、ラジオパーソナリティの要職で活躍中の著者による注目の1冊。 「イエスタディ(Yesterday)「フール・オン・ザ・ヒル(The Fool On The Hill)」「イン・マイ・ライフ(In My Life)」の3章構成。 《たてがみあるか時々確かめる》 《ノーカット版ではお見せできぬ過去》 《恥ずかしい右脳なまけものの左脳 《カギカッコ外せば恥があふれ出る》 《とりあえず休火山だと言っておく》
  • 川柳作家全集 大野風柳
    -
    1巻880円 (税込)
    (一社)全日本川柳協会会長、柳都川柳社主幹として20歳から60余年にわたり川柳界をリードしてきた著者の代表句が揃った1冊。「うめぼしの種」「る・る・る」「地蔵菩薩」の3章構成。 《蟹の目に二つの冬の海がある》 《はくちょうのねむりのそこのそこのしろ》 《なんとなくすこし疲れた靴が好き》 《一列のスリッパどこから履いたらいいのかね》 《号泣のあとの自分をどうしよう》 《女房の財布をあけて閉めている》 《花鋏指紋はひとつ妻だった》
  • 川柳作家全集 赤松ますみ
    -
    1巻880円 (税込)
    川柳文学コロキュウム代表として、女性作家を代表して、川柳界を牽引する著者の第4句集。「薔薇のアーチ」「水を足す」「波の音」の3章構成。 《ぽつんと雨 モノクロになる水面》 《ワンコインで凌ぐこの世の吹きだまり》 《まだ青い果樹園のある行き止まり》 《下り坂正気に戻る時間です》 《磨かれてますます罪を深くする》 《花の色盗んでくちびるを飾る》 《にっこりと笑って海にしてしまう》 《泣いている部分をなぞる世界地図》 《美しい曲がり具合になってゆく》
  • 川柳句集 ありがとう有り難う
    -
    1巻880円 (税込)
    時事川柳のエキスパートであり、川柳路吟社幹事、横浜文芸懇話会幹事等で活躍する待望の第4句集。 「冬の雨」「春日和」「夏景色」「秋遍路」の4章構成は「私の人生は、厳しい冬から始まった」と記す著者の人生と重ね、敢えてこの順に編まれた。 《胃に米がある幸せがイロハのイ》 《つまずいた石としばらく話し込み》 《生きざまは見られたくない足の裏》 《かあさんの顔を見たくて目をつむる》 《骨壺へもぐる最後の隠し芸》 《この指にとまって幸せだったかい》
  • 川柳句集 やまびこ
    -
    1巻880円 (税込)
    鍛えぬかれた人間力と磨きぬかれた洞察力、研ぎ澄まされたユーモア。九州のユーモア川柳作家の雄として佐賀番傘川柳会、番傘川柳本社、わかば川柳会等で活躍する著者の第2句集。 「好奇心」「急がない旅」「お魚の意見」「信号青になる」「花の八合目」の5章構成。 《母を看るゆっくり鯛の身をほぐす》 《命より大事なメモが見当らぬ》 《くどいほど愛情運を聞いている》 《温めた夢へ信号青になる》 《どんちゃん騒ぎしてよ私が逝った時》
  • 川柳句集 川柳三味II
    -
    1巻880円 (税込)
    昭和期の川柳黄金時代を創った六大家の一人、川上三太郎を創始者とする大結社・川柳研究社の代表を務める著者。千葉県川柳作家連盟会長、(一社)全日本川柳協会理事などの要職で活躍。 1999年「川柳三味」、2010年「川柳作家全集 津田暹」に続く第3集。 《真実は一つチワワの眼は二つ》 《花束の似合う男は信じない》 《一列に並ぶとゼロも怖ろしい》 《天国も地獄もきっと高齢化》 《君と居て何度もできる宙返り》 《快感と言えば背中を掻くくらい》
  • 川柳句集 2010年
    -
    1巻880円 (税込)
    一途な純粋さで「私」の川柳を右手に、時事川柳を左手に川柳の道を究めんとする著者の渾身の第1句集。「よくわかる上に語彙が豊かで表現が適切」と川柳瓦版の会・前田咲二会長が絶賛する作品を「沙羅の花」「豆の蔓」など6章に収録。 《曼珠沙華自分に嘘をつきとおす》 《さみしさが溜まり半開きになった》 《約束のように桜が咲いている》 《一人称ばかりがせめぎあうコップ》 《止まってはいないわたしのなかの水》 《遮断機の向こうはきっとわらべ歌》
  • 川柳句集 平成二十五年
    -
    1巻880円 (税込)
    透徹した眼と洗練された言葉、清純簡潔な表現が織りなす待望の第六集。 「川柳の理論と実践」の著者で、「川柳マガジン」に「名句を味わう理論と鑑賞」を好評連載中の著者が平成元年から五年ごとに刊行する川柳句集。 《上品に飲むと悪酔いしてしまう》 《用済みの包丁すぐに仕舞うべし》 《七十歳あたりで分かる砂の味》 《志望した通り無職のおじいさん》 《引きだしの奥も年寄りじみてきた》 《ライバルに拍手するのも修行なり》 《あとはもう酒喰らうだけ午後七時》
  • 川柳句集 合わせ味噌
    -
    1巻880円 (税込)
    息をするように、歌をうたうように自然と生まれる著者の飾らない17音の旋律。淡々と喜怒哀楽が盛り込まれた人生の達人が詠む川柳。つくばね叢書シリーズとして刊行。 《回り道した分 花もたんと見た》 《頬ずりをしてから孫は近寄らぬ》 《ご先祖はイケメンだった肖像画》 《親の脛齧る前歯が生えてきた》 《クラス会僕が一番若いかな》 《ヒマだからなんていうのが来て困る》 《お別れと思って来たな見舞い客》 《やわらかい手だなお金は貸すまいぞ》 《清濁を合わせ味噌して老いの味》
  • 川柳句集 夜明け前
    -
    1巻880円 (税込)
    女性して、人間として奥底で燃える情念の世界を余すところなく17音で綴った激動の人生譜。豊橋番傘川柳会会長、番傘川柳本社同人を務める著者が22年間に詠んだ作品を「金粉」「陶酔」「秘密」など全10章に収録。 タイトルは平成9年全日本川柳三重大会入選句《夜明け前確かに聞いた銭の音》より。 《いい女だったと過去になる私》 《土下座した土の匂いを忘れない》 《捨て台詞拾い集めてまだ憎む》 《離婚する勇気ください子がいます》 《惚れてたは再び恋ができぬほど》
  • 津軽
    -
    1巻110円 (税込)
    「なぜ旅に出るの?」「苦しいからさ」太宰治の自伝的小説。出版社からの依頼で幼少期を過ごした青森県津軽地方を旅する。思い出を交え当時の世相や風景歴史的な考察をしながら旅する。行く先々で大酒を飲む太宰の姿が痛快。真面目にその町の歴史やエピソードを語りながら、実家や親戚、兄弟とのやりとりの中に太宰の心情、原点がしのばれる。そして幼少の頃、育ててもらった「たけ」との感動の再会。
  • P+D BOOKS 虫喰仙次
    -
    1巻715円 (税込)
    戦後最後の「無頼派」色川武大の傑作短篇集。 元海軍司令官の父の末弟で、受験に何度も失敗し自らの人生を決めあぐねた若き叔父・御年。悲しい結末を迎えた彼の書き残した父宛の手紙で構成した「遠景」をはじめ、夢の手法をまじえて綴った「復活」ほか、生家をめぐる人々をモチーフとした作品を中心に、ギャンブル仲間であった一人の男の意外な出世と悲惨な転落を追った「虫喰仙次」など、短編7篇を収録。戦後最後の無頼派作家の描く、はぐれ者たちの生と死。
  • 頭痛肩こり樋口一葉
    -
    ぼんぼん盆の16日に地獄の釜の蓋があく…。夭折の天才女流作家、樋口一葉の19歳から死後2年目まで、それぞれの盆の16日に巡り来た運命は――。幽界(あのよ)と明界(このよ)にまたがる卓抜な仕掛けと会話で綴る樋口一葉像。没落士族の女家長・樋口夏子が、いかにして家族のために闘い、生き抜き、作家・一葉となって奇跡のような名作を生み出したのか。井上ひさしがユーモアをちりばめて描く、明治という激動の時代を駆け抜けた一人の女性の短くも美しい人生。再演のたびに新たな感動を呼び起こす傑作戯曲。
  • 小林秀雄の後の二十一章
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    この国の危機は政治や経済にあるのではない。 国語の空虚化、文学の衰退、すなわち、日本人の核となる精神の喪失こそが、最も深刻な危機である。 小林秀雄の正統な後継者と目される著者が、ドストエフスキー、フルトヴェングラー、川端康成、平野啓一郎などの批評をとおして、日本の精神と文化の再生に挑む。真摯な野心にあふれた本格文藝評論集。
  • 一冊で名作がわかる 芥川龍之介(KKロングセラーズ)
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    あの芥川賞作家が読書好きになった原点。発表された140作品のうち、70作品のあらすじを紹介! 「芋粥」「鼻」などの平安王朝物から、「杜子春」「トロッコ」などの清新な児童向け作品、「奉教人の死」に代表されるキリシタン物、そして「河童」など晩年の作品群まで。
  • 小説家という生き方
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    人はいかにして小説家になるか、をさぐる画期的な作家論。村上龍、村上春樹らの現代作家から、団鬼六、三島由紀夫、川上宗薫、川端康成、江戸川乱歩をへて、泉鏡花、夏目漱石、森鴎外まで。平成から明治へ時間をさかのぼりながら、新しい角度から日本の大作家たちの生き様を検討していきます。あわせて、これを読まずに死んだらせっかく生まれてきた甲斐が半減するという珠玉の小説作品を厳選し、実体験に基づき愛をもって解説。既成の文学評価を根底からくつがえし、あなたの読書体験を次の次元へと誘う禁断の文芸評論。
  • ユーモア川柳傑作大事典
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    日本唯一の川柳総合雑誌「川柳マガジン」の「笑いのある川柳」欄に寄せられた約5万句の中から、ユーモア川柳の大家・今川乱魚がセレクトした3352句を39のテーマ別に収録。 コンパクトな文庫版に珠玉のユーモア川柳が詰まったマスターコレクション。 《女偏考えたのは男だな》 《病み上手哀れな声で妻を呼ぶ》 《結婚記念樹別れてからもよく伸びる》 《クラス会見栄には見栄で立ち向かう》 ほか。
  • 課題別秀句集 川柳歳事記
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    俳句の歳時記に存在にあたる「川柳歳事記」は川柳人必携の一書。本書はその第一弾。 川柳総合雑誌「川柳マガジン」が全国の川柳句会・大会の上位入選作品を厳選し、課題別に編集した川柳版の歳事記。収録句数6045句、課題数2015題。 入門書より手軽で実践的で即戦力に。これ一冊で全国川柳界の作品の傾向と対策が学べる。
  • 選者のこころ
    -
    1巻770円 (税込)
    川柳選考の教科書。 川柳界の第一線作家であった著者が丁寧に綴る、選考者の心構え。もちろん実践、選考としてのあり方なども丁寧に説く。 投句者にとっては、選者のこころを知ることができ、逆入門書ともしても読める好著。
  • 父の勲章 (室生犀星文学賞)
    -
    1巻110円 (税込)
    好きだった白菊で埋め尽くされた父の棺に、私は一冊の手帳を納めた――堅実なサラリーマンだった父は「犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助ける」ことを使命とする保護司の顔も持っていた。主を失った書斎で、ふと目にしたある「遺品」。かつて、父を訪ねてくる少年たちを苦々しく思っていた「私」の脳裏に一人の男の記憶が立ち上がる……。雪の北陸を舞台に「私」が辿った、父を送る旅路の記録。電子書籍オリジナル作品。 【第四回室生犀星文学賞受賞作】
  • 点綴自分史
    -
    1巻660円 (税込)
    大学で日本文学史を教えるかたわら部落差別問題にも携わった著者の半生を自ら綴った自分史。 太平洋戦争の激動期に少年時代をすごし、高度経済成長を見つめた著者の赤裸々な自伝作品となっている。
  • 月光に書を読む
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 月光に書を読んだ古人に思いを馳せ、近くは類稀なる随筆家であった岩本素白や、慎ましい人柄と博識を愛された柴田宵曲の姿を描き、人間にとっての書物の意味を考える。
  • 中野重治書簡集
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1923年の北村喜八宛てから晩年の知友に宛てた書簡まで、半世紀を超えて綴られた765通の書簡集。
  • 現代語訳 徒然草
    -
    世間や日常生活を鮮やかに、明快に解く感覚を、名訳で読む。合理的・論理的でありながら皮肉やユーモアに満ちあふれていて、極めて現代的な生活感覚と美的感覚を持つ精神的な糧となる代表的な名随筆。
  • 現代語訳 南総里見八犬伝 合本版
    -
    わが国の伝奇小説中の「白眉」と称される江戸読本の代表作を、やはり伝奇小説家として名高い白井喬二が最も読みやすい名訳で忠実に再現した名著。長大な原文でしか入手できない名作を読める、現代語訳上下巻の合本版。 ※本電子書籍は、「現代語訳 南総里見八犬伝 上・下」の合本版です。
  • わかれ道
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。孤児の吉三は町内の暴れん坊だが背が低いのでみんなから「一寸法師」とバカにされている。仕立て屋のお京はそんな吉三を弟のように可愛がる。姉弟愛のような純愛と孤独な吉三の心情の吐露が切ない。物語は唐突に終ることで余韻が残り、今後の行方が気に掛かる。
  • 恐ろしき通夜
    -
    1巻220円 (税込)
    ホラー短編集。風変わりな医学生の吹矢は腸のことばかり考えていた。死体から抜き取った腸を訓練し飼い慣らし始める。腸と吹矢との同棲生活。最初はガラスビンの液体の中でうごめいていたがついに外へ這い出した。腸は意思を持ったのである。想像してもおぞましい「生きている腸」。他に「恐ろしき通夜」「夜泣き鉄骨」「殺人の涯」「三角形の恐怖」を収録。
  • 墨東綺譚
    -
    1巻110円 (税込)
    永井荷風の最高傑作の一つ。美しい情景描写に当時の風景、風俗が生き生きと蘇る。ある日小説家の大江匡はお雪と出会う。お雪は玉ノ井の娼婦ながら、可憐で美しい女性。大江はたびたび通い、お雪は「おかみさんにしてほしい」と言われるが、「資格がない」と断ってしまう。過去何度も映画化された作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • この子
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。結婚当初は仲が良かった夫婦がすれ違いで険悪になったとき子供を授かる。夫婦再生のお話。裁判官の夫と結婚した私だが、強情でわがままなため、結婚生活に不満が募る。そのうち夫は外で遊ぶようになりますますすれ違いの日々。離婚して実家へ帰りたいと願っていたのだが……しみじみと心にしみる深いお話。
  • うつせみ
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。美しい名家の一人娘雪子。彼女に許婚者がいるにも関わらず愛してしまった植村録郎。周囲の人々により仲を引き裂かれ、自殺した録郎を想うあまり精神を壊してしまう雪子。食事も摂らなくなり、やせ衰えながらも許しを請う姿は痛ましくも美しい。
  • 睡魔
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    1巻110円 (税込)
    蘭郁二郎ミステリー集。四話収録。湘南のサナトリウムで治療する結核患者たちに迫る死の恐怖。魅力的なマダム丘子に刺青を描く恋と芸術に狂った男。丘子は殺されたのか、そして丘子の秘密とは……「虻の囁き」。他に「睡魔」「足の裏」「鱗粉」。
  • 孤独
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    1巻220円 (税込)
    蘭郁二郎の恐ろしい話、グロテスクな話を集めたホラー、全7本。若い鉄道員が遭遇した恐ろしい出来事とは、死体を埋めた穴はどうなったのか……「穴」。都会の恐怖、孤独を愛する男は出会った人間をどうするのか……「孤独」。他「自殺」「蝕眠譜」「鉄路」「魔像」「歪んだ夢」。
  • 日輪
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    1巻110円 (税込)
    横光利一の初期の作品。「ああ、地上の王よ、我を見よ。我は爾らの上に日輪の如く輝くであろう」その美貌を武器に邪馬台国の女王になった卑弥呼。さまざまな国の権力者たちが卑弥呼を奪い合う。格調高い文章とセリフを楽しめる。女王になる前の卑弥呼を描いた冒険、恋愛小説。
  • 貞操問答
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    1巻220円 (税込)
    美しい南条家の三姉妹。次女の新子は一番のしっかりもので一人で南条家を支えていた。前川家の子供たち家庭教師になった新子だったが華族出の夫人からいびり出されてしまう。その間に妹美和子に恋人を取られてしまい失意のどん底へ落ちてしまう。しかし新子に好意を寄せる夫準之助は出資して銀座に店を持たせる。女性としての悪徳である、嫉妬心、高慢、わがまま、邪推をさらけだす夫人。恋愛と三角関係のドロドロの愛憎劇。女の貞操を守ったままの交際は可能なのか迫力の対決。意外にも妹美和子が味方になり新子を守る。ドラマ化もされた今なお面白い菊池寛の傑作。
  • 花の咲くころ
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    1巻330円 (税込)
    みすぼらしい旅僧を無下に扱った長者は八人の子供を次々に亡くしてしまう。深く後悔した長者は懺悔の旅に出るのだが……。浮気を繰り返す主人に復讐する為、妻はどうしたのか……。幻想と怪奇、人間の醜悪さや怨念を描き出す田中貢太郎の作品集。「長者」「八人みさきの話」「蠅供養」「母の変死」「母親に憑る霊」「花の咲くころ」「一握りの髪の毛」「偶人物語」「庭の怪」「鼓の音」十話を収録。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 夏目漱石 後期三部作
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    1巻660円 (税込)
    夏目漱石、後期三部作を一冊にしました。誠実だが行動力のない内向的な男と純粋な感情を持ち、怖れるところなく行動する従妹との恋愛を描く。短編を連ねて一つの長編を構成している。探偵小説風味もあり非常に凝った作品「彼岸過迄」。弟の二郎の目線で兄、一郎の苦悩を描いた作品。大学で学問を教えている一郎。しかし彼には誰にも理解されない苦悩と孤独があった。妻からも家族からも疎まれ、弟には妻と一晩泊ってくれなどと言い出す。偶然にも災難に遭い泊まってしまうが……人間を深く見つめた漱石ならではの名作「行人」。私が「先生」と呼び、敬愛していた人からの手紙が届く。そこには、親友を欺いて好きな女性を手に入れた罪悪感から、長い間苦しんで自殺を決意した「先生」の想いが綴られていた。友人、家族・親族、恋人との間に起こる「こころ」の葛藤を、見事に描いた名作「こころ」。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 現代推理小説論
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    1巻770円 (税込)
    1970年代半ばから約10年間、推理小説界はブームを迎えて躍動していた。バラエティ豊かな作品が次々と刊行され、大きな話題を呼んだ。新しい推理小説の流れとは? 現代の名探偵の存在意義は? トリックに未来はあるのか? ネオ・ハードボイルドへの疑問とは? 変容する警察小説はどこへ向かう? 名探偵はグルメなのか? 悪女の魅力って? 推理評論の第一人者が硬軟自在、さまざまな視点からその時代を論じた好著。
  • 源氏物語原文分解分類法 心の宇宙の物語 千年の時を超えて
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    1巻1,496円 (税込)
    源氏物語を原文で読むことは、日本人であっても至難の業だ。源氏物語原文54帖の量は膨大で、複雑で慣れない古語は外国語にさえ思える。著者は、源氏物語原文を、18の項目に分解し読み進めていく独自の手法を編み出した。この手法で読み進めると、源氏物語54帖の全体を俯瞰して見ることができ、紫式部がこの壮大な物語に込めた思いを感じとることができる。これまで源氏物語といえば、主人公光源氏の美しい外見や、女性たちとの華やかな恋愛ばかりがクローズアップされがちだったが、紫式部が読む者に問うているのは「人間は目に見える外見と、目に見えない内心の2つをあわせもって生きている。その違いを見極め、人間の本質(真実)を追求することの大切さ」である。源氏物語の新境地を開いた、注目の一書。

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  • P+D BOOKS 焔の中
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    青春=戦時下だった吉行の半自伝的小説。  昭和19年8月――、僕に召集令状が届いた。その後の入営は意外な顛末を迎えるが、戦時下という抑圧された時代、生と死が表裏一体となった不安を内包し、鬱屈した日々を重ねていく。まさしく「焔の中」の青春であった。  狂おしいほどの閉塞感の中にあっても、10代から20代の青年らしい友人との、他愛のない会話、性への欲望、反面、母への慕情など巧緻な筆致で描かれる。また、戦争とは一線を引いたかのような、主人公の透徹した眼差しと、確固たる自尊心は一貫しており、吉行自身のメンタリティが垣間見える、意欲作である。
  • 【舞姫、山椒大夫】森鴎外著作集 2冊セット
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    1巻880円 (税込)
    【舞姫】 時は19世紀末。ドイツ帝国に留学した官吏・太田豊太郎が帰国途上の船内客室で、回想録の形で綴られる作品。高雅な文体と浪漫的な内容から時代を超えて愛される不朽の名作であり、森鴎外初期の代表作のひとつ。 【山椒大夫】 本作は、中世の芸能であった説経節の「五説経」と呼ばれた有名な演目の一つ「さんせう太夫」を原話として森鴎外が執筆した作品。 森鴎外の味わい深い文体をじっくりと味わってください。
  • 【国会図書館所蔵図書】【陶庵随筆、欧羅巴紀遊抜書】西園寺公望著作集 2冊セット
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 公家出身の政治家西園寺公望は、桂太郎の後を引き継ぎ内閣総理大臣として第一次・第二次西園寺内閣を組閣、桂と交互に政権を担い「桂園時代」を主導した。 また、留学経験も豊富で公家出身でありながら「教養ある市民の育成」や「女子教育の重要性」を訴えるなど当時としてはリベラルな考えの持ち主であったことも知られている。 「陶庵随筆」はそんな文人政治家、西園寺公望が記した自伝的エッセー。 本書は、明治36年に出版されたものを電子書籍化したものである。 「欧羅巴紀遊抜書」はそんな西園寺の国際的な考えがうかがえる一冊。 本書は、昭和7(1932)年に出版されたものの電子書籍版。
  • 【国会図書館所蔵図書】【西洋旅案内、西洋事情】福沢諭吉著作集 2 6冊セット
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    1巻3,795円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 福沢諭吉の著作「西洋旅案内」は、通訳として渡米した福沢が帰国後に記した西洋旅行のための実践的な案内書である。 当時大変な人気を博し、そのため数多くの偽版が出回ったほどである。 福沢諭吉が自らの渡米・渡欧経験をもとに当時の欧米の政治や科学技術、インフラを紹介した「西洋事情」は維新期の日本人に多大な影響を与え、日本が近代化を進める上で重要な役割を果たした。1868年(明治元年)に出版され、当時のベストセラーとなった1冊。
  • 【国会図書館所蔵図書】【学問ノススメ、世界国尽】福沢諭吉著作集 1 4冊セット
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    1巻2,365円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといえり」。 福沢諭吉が人の歩みべき道を示した著作であり、簡潔でわかりやすい文章は、いま読んでもなお新しい発見がある。 「世界国尽」は福沢がビギナー向けに世界の地理や歴地を著した書である。
  • わたしの長谷川さん
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    1巻550円 (税込)
    OLあさひ(26歳)は最近ついてない。会社でもプライベートでも、ちょっとしたトラブルに見舞われ、彼氏とも不穏な雰囲気。先日も、帰宅途中で大嫌いな犬にからまれ、万事休すのところを、正体不明の中年男性・長谷川に助けられた。その後、行く先々で、たびたび長谷川に遭遇する。しかし、追いかけるとすぐに彼は姿を消してしまう。お礼もろくにしていなかったので、あさひは気になったが、長谷川の正体はなかなかつかめなかった。もしかして、彼はストーカーかも?と急に恐怖を覚えたが、彼はあさひの守護霊、つまり幽霊であることが判明する…。奇妙な守護霊との日々を送るうち、生前の長谷川の姿を知りたくなったあさひは…。

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