国内文学作品一覧

  • 18 永井荷風
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第18巻は、永井荷風。渡仏体験を基に綴られた「ふらんす物語」、自身の文学的立場を顧みた「花火」、江戸趣味に溢れる「すみだ川」「日和下駄」、円熟期の「墨東綺譚」「勲章」「踊子」他収録。
  • 17 堀 辰雄
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第17巻は、堀辰雄。収録作品は、瑞々しい初期作品「不器用な天使」「ルウベンスの偽画」、作家として高い評価を得た「聖家族」、不朽の名作「風立ちぬ」、唯一の長編「菜穂子」他、全14作。
  • 16 島崎藤村
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第16巻は島崎藤村。収録作品は、作者自身の分身である〈岸本捨吉〉を主人公に据えたほろ苦い青春小説「春」と「桜の実の熟する時」、代表詩で編まれた藤村詩抄、「千曲川のスケッチ(抄)」他。
  • 15 尾崎士郎 坂口安吾
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第15巻の収録作品は、尾崎士郎が描く壮大な人生ドラマの第一章「人生劇場 青春篇」、無頼派の代表的作家、坂口安吾の鬼才がほとばしる「風博士」「桜の森満開の下」「白痴」「堕落論」他。
  • 14 室生犀星
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第14巻は、室生犀星。収録作品は、初期の代表詩集「抒情小曲集」、実体験を基にした青春小説「性に眼覚める頃」、映画化もされた短編「あにいもうと」、後期の大傑作「かげろうの日記遺文」他。
  • 13 嘉村礒多 梶井基次郎 中島敦
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    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第13巻収録作品 嘉村礒多「業苦」「崖の下」「途上」「神前結婚」。梶井基次郎「檸檬」「城のある町にて」「桜の樹の下には」。中島敦「李陵」「山月記」「光と風と夢」「かめれおん日記」他。
  • 12 吉川英治
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第12巻は、吉川英治。収録作品は、実在した幇間の数奇な人生を基にした長編「松のや露八」、柳生兄弟の確執を描いた短編「柳生月影抄」、作者が波乱万丈の少年期を回想した「忘れ残りの記」。
  • 11 横光利一
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第11巻は横光利一。収録作品は、不安定な人間関係と心理の綾を「世人の語彙にはない言葉」(小林秀雄)で描いた「機械」、メロドラマ的題材を純文学の域に押し上げた長編「寝園」を含む計11編。
  • 10 芥川龍之介
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第10巻は、芥川龍之介。初期の代表作「羅生門」「鼻」「芋粥」、切支丹物の「奉教人の死」、開化物の「舞踏会」、未完の傑作「大導寺信輔の半生」、最晩年の「河童」「歯車」を含む32作収録。
  • 9 佐藤春夫
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第9巻は佐藤春夫。代表作「田園の憂鬱」「殉情詩集」はもちろん、珠玉の少年文学「わんぱく時代」、画期的SF「のんしゃらん記録」、台湾を舞台にした傑作ミステリ「女誡扇綺譚」他を収録。
  • 8 萩原朔太郎 中原中也 伊東静雄 立原道造
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    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を網羅した文学全集。第8巻収録作品 萩原朔太郎「月に吠える」「青猫」。中原中也 「山羊の歌」「在りし日の歌」。伊東静雄「わがひとに与ふる哀歌」「夏花」「反響」。立原道造「萱草に寄す」「暁と夕の詩」他。
  • 7 森 鴎外
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第7巻は、森鴎外。初期の代表作「舞姫」の他、「雁」「高瀬舟」「阿部一族」「山椒大夫」「青年」「ヰタ・セクスアリス」「うたかたの記」「興津弥五右衛門の遺書」「護持院原の敵討」を収録。
  • 6 夏目漱石
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第6巻は夏目漱石。収録作品は、江戸っ子の新米教師が四国の中学で引き起こす騒動を描いた「坊っちゃん」、明治の知識人のエゴイズムと孤独を描いた傑作「こころ」の他、「三四郎」「夢十夜」。
  • 5 北原白秋 斎藤茂吉 釈 迢空
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第5巻収録作品 北原白秋「邪宗門(抄)」「思ひ出(抄)」「童謡」「桐の花」、斎藤茂吉「赤光(抄)」「あらたま(抄)」「念珠集(抄)」、釈迢空「死者の書」「海やまのあひだ(抄)」他。
  • 4 泉 鏡花
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第4巻は、泉鏡花。代表作「高野聖」「歌行燈」「婦系図」はもちろん、観念小説と呼ばれた初期の短編「夜行巡査」「外科室」、今なお上演され続ける幻想的な戯曲「天守物語」他、全9作を収録。
  • 3 石川啄木 高村光太郎 宮澤賢治
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    日本の近現代を代表する作家・詩人・歌人の名作を集成した文学全集。第3巻収録作品。石川啄木「一握の砂」「悲しき玩具」「あこがれ」「ローマ字日記」。高村光太郎「道程」「智恵子抄」「典型」。宮澤賢治「春と修羅」「インドラの綱」「四又の百合」他。
  • 2 国木田独歩 徳冨蘆花
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第2巻は、国木田独歩と徳冨蘆花。独歩の代表作「武蔵野」「富岡先生」、蘆花の自伝的小説「黒い眼と茶色の目」、一高で行われた講演「謀叛論」他収録。
  • 1 二葉亭四迷 樋口一葉
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    1巻1,018円 (税込)
    日本の近現代を代表する作家・詩人の名作を集成した文学全集。第1巻の収録作品は、近代小説の嚆矢となった二葉亭四迷の「浮雲」「平凡」、哀しい宿命を背負う男女の姿を丹念に描き出した樋口一葉の「にごりえ」「たけくらべ」「十三夜」「うつせみ」他。
  • P+D BOOKS 抱擁
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    1巻605円 (税込)
    妖しい洋館が舞台のロマネスクな人間模様。 大都会・東京の真ん中に静かに佇む洋館に心惹かれた「私」は、得体の知れない不動産屋に誘われるままにその館を訪ねることになる。 そこには幻想的な少女・霧子や近寄りがたい老主が住んでいた。身を固く包んで口さえ開こうとしない霧子に、私の興味は膨らんでいく。 主である霧子の祖父の依頼で、彼女の家庭教師として洋館に同居することになる私……。そこで、この一家の住人たちは数奇な運命に翻弄され始めるのだった。 「ある夕陽」で芥川賞を受賞した日野啓三が幻想的作風で新境地を開き、泉鏡花賞に輝いたロマネスク小説の傑作。
  • 伊勢物語 流転と変転
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    伊勢物語コレクション「鉄心斎文庫」には、海外からの里帰り本など多様な由来の本、物語自体の読まれ方の変遷を示す諸本が集う。本の流転と物語の変転のうちに『伊勢物語』を読む。
  • 海を渡った日本書籍
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    近代以前、ヨーロッパにも日本書籍がもたらされた。誰が、何のために、どんなルートで、どんな本を手に入れたか。海を渡った本の由来を尋ね、知の欲求とその変遷をたどる。
  • 夫の始末
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    女にとって、夫という男は、何ものなのか。「物事の始末が悪い」と言われ続けた著者が、この世の名残りに、散らかし放題に「始末」をつける。劇作家同士、雑巾を縫う夫と山を歩く妻……。見事に違う、個性鮮やかな夫婦の60余年を戯画化した、何ともおかしい自伝的連作集。女流文学賞・紫式部文学賞、W受賞作。
  • P+D BOOKS プレオー8の夜明け
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    兵士の日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学。 第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。 他に筆者処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのか――今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。
  • P+D BOOKS 白球残映
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    1巻605円 (税込)
    永遠の野球少年の胸に染み入る直木賞短篇集。 思春期の頃、年齢の近い叔母に密かに寄せた熱い恋心。亡くして初めて知った父の意外な一面。トレードに出されたベテラン・プロ野球選手とリストラ進行中の会社に勤める中堅社員という、岐路に立たされた男2人の友情。輝かしい成績を残しながらも突如プロ球界を去った名投手の秘密……。 野球をモチーフに、野球少年なら誰しもが通過するホロ苦い挫折、郷愁などをさわやかに描いた短篇集(野球描写がない作品を1編収録)。胸に染み入る第113回直木賞受賞作。
  • 作家と楽しむ古典 好色一代男 曾根崎心中 菅原伝授手習鑑 仮名手本忠臣蔵 春色梅児誉美
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    古典を平易にわかりやすく。「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の古典新訳で活躍した作家たちによる古典講義。人気シリーズの第三弾は江戸のベストセラーと三大浄瑠璃を軽やかに紹介。
  • 西部邁 日本人への警告 わが国にとって「保守vs.革新」とは何だったのか
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    巨星墜つ。 気鋭の論客が読み解く、稀代の大思想家が身を賭して遺したメッセージ。 2008年4月28日に開催された「主権回復五十六周年記念国民集会」で、「こんなザマで主権回復したなどおこがましい」と壇上で絶叫した西部邁氏。会場の空気に水を差すスピーチではあったが、多くの観衆は喝采した。その背景には、対米追従をよしとする現代の保守論壇に対する痛烈な批判と、日本の自立への強い思いが込められていた。その知の巨人・西部邁氏を偲び、気鋭の論客3人が遺された膨大なテキストを通して現代を読み解く。 西部さんの自裁は、晩年にお書きになられていたことを そのまま実行されたという「意志の力」を非常に強く感じた。 知識人の連中たちが、あまりにも安閑とした、 堕落した状態だということを再認識させられた気がする。――西村幸祐 一つひとつの用語や言葉を非常に重要視することが 西部邁という思想家の根幹にあって、それが最後まで一貫していた。 言葉の定義、あるいは論理の厳密さが保守思想の 原点、出発点でもあり、転回点でもあった。――富岡幸一郎 西部さんは、日本という社会が急速に、言論人や政治家だけではなく、 もう回復できないまでに溶解していくような思いがあったのではないか。 大衆社会化という、言葉だけでは語れないような空虚さと退廃。 それが知識人としての悲劇だったのかもしれない。――三浦小太郎
  • 宇治拾遺物語 全訳注 合本版
    値引きあり
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    1巻3,619円 (税込)
    鎌倉時代前期に成立した代表的説話集の一つ。人の耳目をひく話を集める。都の巷から鄙の里、震旦・天竺まで、世の奇異なものへと開かれる好奇心。仏菩薩の霊験には純朴な感情で、えせ聖や詐欺師・幻術師の行為には分別わきまえた言葉で、民衆の反応がさまざまに語られる。古本系統『伊達本』を底本として94話を全訳・解説。
  • 作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草
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    代表的な古典作品である土左日記から徒然草まで、人気作家たちはどう捉え、どう訳したのか。作家ならではの古典作品への誘いとそれぞれの文学論が楽しい、大好評の古典講義。
  • 現代文士廿八人
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    中村武羅夫が文壇に名を売り出すきっかけになったのは雑誌『新潮』に明治41年(1908)からほぼ毎月発表した「作家訪問記」でした。今日風にいえば「直撃取材」し、そこで得た個人的印象、いわば「独断と偏見」を臆面もなく堂々と記したことで、読者の反響を呼び起こしたのです。 本書はその連載を書籍化したもので、版元を変えながら刊行されつづけた隠れたベストセラーであり、明治の文壇を知る好資料です。
  • 夏の終わりの静かな風
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    1巻550円 (税込)
    東京でアルバイトをしながら小説家を目指している僕は 久しぶりに故郷である宮崎県へと帰省する。 そしてそこで偶然再会した友人や家族たちとの会話を通じて、 僕は改めて生きることの意味や、これから先の将来のことに ついて考えていくことになる。 僕が東京に戻る頃、夏の終わりの静かな風が吹き始めていて……。 こちらは既にKindleから出版している『夏の終わりの静かな風』 を加筆訂正し、更に『二十七歳の誕生日』を併録したものになっています。
  • P+D BOOKS 地を潤すもの
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    1巻660円 (税込)
    戦犯として処刑された弟の“生と死の意味”。 第2次大戦後まもなく、現地住民虐殺の戦犯としてシンガポールで処刑された水島団。 それから30年の時を経て、兄の水島譲は弟が辿った死までの道のりを追体験してみようと、旅に出る。タイ・バンコクからマレー半島を列車と車で南下し、一路シンガポールへ。 かつて虐殺があった事件現場や団が刑死したチャンギ刑務所、そして墓地と、弟ゆかりの地を訪ねていくうち、事件の意外な真相が明らかになる。戦争を題材に、人間の生と死の意味を問う意欲作。
  • P+D BOOKS 女優万里子
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    1巻715円 (税込)
    実母の女優人生を愛惜を込めて描いた力作。 時は大正二年――当時まだ珍しかった聚楽館の養成所女優となるも、周囲からは色眼鏡で見られ、鳴かず飛ばずの日々が続いていた横田シナ(後の女優・三笠万里子)。 だが、作家・佐藤紅禄との運命的出会いによって、シナの運命は大きく舵を切っていく。 草創期の関西新劇界を舞台に、紅禄との恋愛や葛藤、修羅場の中を生き抜いたシナの激動の生涯を、実の娘である著者が愛情豊かに描いた感動作。
  • ロボットとベッドの重量
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    1巻275円 (税込)
    ある男が死ぬ前、自分の妾のためにロボットを作った。死後、妾に自分の代わりをするために、そして妾が他の男と結ばれないようにするためのロボットだった。だが、妾は男の意志に反して新しい男とできてしまうのだが……。
  • 入江のほとり
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    1巻275円 (税込)
    教職に就きながらも独学で何年も英語を勉強していた辰雄。だがある日、久々に帰ってきた長男の栄一から、お前の英語はすべて無茶苦茶で意味を成していない、どうせ発音も間違いだらけなのだろう、愚の極みだ、田舎にいるのなら短歌や句でいいんじゃないか、伝わらない英語を学んでもどうにもならないだろう、と言われてしまう。
  • 川柳句集 ひびき
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    1巻880円 (税込)
    「土俵に戻る花道はない。でも歩くしかない。生きるしかないのだ。」セカンドライフを送る人すべてに贈る、五七五の人生賛歌。野良猫が水を飲んでいる風景に発想を得て作った川柳を職場の仲間に披露したところ、思いがけず大きな反響があったという著者が退職後、本格的に川柳をライフワークと活動をはじめ生きた証を一冊にまとめた川柳句集。 暮らしの中のちょっとした気づきから社会諷刺、人生観にいたるまでの振り幅の大きい題材を、書名の通り「読者と響き合えるもの、共感できるもの」を意識しつつ、誰にでも分かる易しい言葉をつかい、個性ある視点で十七音で綴っている。また正義感や孫、クラス会、みちのくの旅、野田市に住んで、生き物とともに、という六つのテーマ吟も意欲的。 丸くない男の土俵そっとおり 愛の鞭力加減が難しい 見返りがたまには欲しい時もある 軟弱な地盤に立てた旗印 生きるには泣くか笑うか金が要る 捨てる人いて拾う人誉められる 人様をじっと見ている認知症 少子国九月生まれが少し増え 安心がかけ捨てられた保険料 フランスが日本部下に☆三つ
  • 本格からHONKAKUへ 21世紀本格宣言II
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    1巻2,200円 (税込)
    日本本格ミステリーの海外発信、新人の発掘・育成に尽力してきた島田荘司がこの10年の本格ミステリー界を振り返り、向こう10年への提言を行う!! 筆者は、「本格」がミステリー小説世界全体の背骨であると考えており、この信念が揺らぐことはないが、[中略]乱歩の「変格」諸作が大ベストセラーとなって列島を覆い、[中略]亜流が氾濫するなどして一斉を風靡しており、かたや「本格」の水脈はといえば、両手ですっかり掬い取れるかと思えるほどにささやかであった。  しかしこれは澄んだ清水であり、この水源なくしては「変格」も干上がってしまうと発案者は危惧した。この構図は、現在でもまったく同じである。「本格」の水脈は今や小川程度には川幅を増したが、ベストセラー・ミステリーの大河とは、較ぶべくもない。それなのに何故「本格」の書き手たちは、大河に引っ越さずにいるのか。

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  • P+D BOOKS 長い道・同級会
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    1巻990円 (税込)
    「少年時代」の原点となった疎開文学の傑作。 太平洋戦争末期、東京から富山の漁村に疎開した小学5年生の杉村潔。その潔に対して屈折した感情をいだく地元の少年、竹下進。進は潔に表面上は友好的に接しながらも、裏で陰湿な悪事を繰り返し、潔はそれに戸惑う。 都会からの疎開児への地元っ子の愛憎を中心に、戦争の影にゆれる海辺の村で繰り広げられる人間模様を描いた自伝的作品。 のちに「少年時代」として漫画化、映画化もされた。特別に映画「少年時代」の脚本を手掛けた山田太一氏の解説(1989年執筆)も併録。
  • P+D BOOKS 黄昏の橋
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    1巻660円 (税込)
    全共闘世代のバイブルだった高橋和巳の長編。 博物館に勤める青年・時枝正和は機動隊と学生の衝突で、一人の学生が橋から転落する様を偶然目撃する。 煩雑な人間社会から逃れるように古美術世界に沈潜していた時枝だったが、この出来事により、閉ざしてきた外界に対する怒りと悲しみが再び覚醒する。事故死と報道された学生の死――だが、時枝は死んだ学生のガールフレンドに会い、事件の深層に迫ろうとするのだった。 全共闘世代に多大な影響を与え、早世した作家・高橋和巳が、その晩年、理想と現実に引き裂かれる内面の荒野を描き、未完のまま絶筆した長編小説の復刻。
  • 宇治拾遺物語 上 全訳注
    値引きあり
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    1~2巻1,848~1,925円 (税込)
    鎌倉時代前期に成立した代表的説話集。貴族・僧などの著名人から、下級官人、侍、庶民、子供まで、登場人物が多様で世俗的傾向の強い話を集める。強力譚、報恩譚、聖譚、不思議譚、艶笑譚など世の万般を描く切れ味鋭い話の数々。本巻には「舌切り雀」「瘤取りの話」「芋がゆ」など現代に伝わる物語をはじめ百余話を収録。古本系統「伊達本」を底本として現代語訳、語釈、解説を付す。
  • 清水幾太郎さんへの手紙
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    1巻275円 (税込)
    進歩的文化人として60年安保闘争の指導者であり、その運動を大きく先導する論陣を張り、時には言論活動を超えた闘争の先頭に立って安保反対のリーダーとして活動した社会学者である清水幾太郎。その清水に劇作家の三好十郎が公開質問状の形で1953年『群像』に発表したのが本書である。絶対的な平和なのか反米としての平和なのか、と清水幾太郎およびその向こう側にある平和運動の欺瞞を問うている。 その後、安保闘争を敗北と捉えた清水幾太郎はマルクス主義を批判的に総括し、その立場を「右旋回」させ、のちに核武装による軍事力強化を含んだ戦後批判を唱えるのであった。
  • 文学方法論
    -
    1巻275円 (税込)
    『学問としての文学理論化が可能ならば、これまでの学問と同様に文学や芸術を形式的定義から始める前に、純粋に実験的・具体的な試みとして研究するところから始めなければならない』といった宣誓文で始まる本書は、これまでの科学などの学問同様に研究するべきという方法論を説く。シェークスピア、ユーゴーなどを題材に文学作品の時代背景、社会的背景など、そして文学作品の裏に通底するイデオロギーを考慮し読み解く文学方法論を提唱する。
  • 魔のひととき
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    1巻275円 (税込)
    “だから、僕は道路の方へ歩きだしても、足もとの地面はくらくらし、遠い頭上から何かサツとおそろしい光線がやつて来さうになつたり、魔のやうな時刻がつきまとふのだが……。” 己の病状が悪化したなか、肉体と精神の苦しみを叙情と詩情にあふれた文体で描かれる。終戦間もない街の中を歩きながら、目に入る光景や遠い自分の過去の内面を身を切るような思いで見つめ描き出す。
  • P+D BOOKS 虚構の家
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    1巻935円 (税込)
    高度成長期の“家族の崩壊”を描いた問題作。 異常に潔癖な息子を持つ一家と、駆け落ちに走る高校生の娘を持つ別の一家。物質的には満たされた高度成長期において、一見、幸福そうに見える双方の家庭には外部からは窺い知れぬ深い闇があった。 裕福で社会的地位の高いふたつの家族の「内と外」をモチーフに、富裕層が、断絶のうちにじわじわと崩壊していく様を痛烈な筆致で描ききり、1973年当時、大きな反響を呼んだ。後にテレビドラマ化もされた作品で、時代の嚆矢ともなった問題作。
  • 大衆文芸作法
    -
    1巻275円 (税込)
    直木三十五による大衆文芸論。大衆文芸を1.時代小説 2.児童小説 3.科学小説 4.愛欲小説 5.探偵小説 6.宣伝小説 7.ユーモア小説と分類し、文章表現を平易として芸術や思想などといった目的意識を持った小説以外のもの、とした。特に文章の表現の違いこそが、大衆小説と芸術小説の違いである、としている。
  • 死までを語る
    -
    1巻275円 (税込)
    直木三十五の自叙伝的な小説。幼少時の記憶から、教師が手に負えないほど反発した中学時代、初恋、結婚して子供が生まれるが貧乏ゆえの苦労など、直木三十五の破天荒な生き方が描かれている。
  • 大阪を歩く
    -
    1巻275円 (税込)
    真田幸村が討ち死にしたにもかかわらずその碑がない大阪に憤慨し、木津川から梅田にかけての風景を三流都市とし、谷崎潤一郎のように地震が怖くて料理がうまいから好きになったのではなく、ただ単に懐かしいのだと評するなど、軽妙に綴る直木三十五による大阪・大阪人論。「夕刊大阪」(大阪新聞の前身)にて連載された。大阪に見切りをつけ東京に出たものの、大阪を見る目がよくなってきた、という直木三十五は、この翌年に長編「大阪物語」を上梓することになる。
  • 北守将軍と三人兄弟の医者
    値引きあり
    -
    1巻82円 (税込)
    宮沢賢治による短編小説であり、賢治作品の中では数少ない生前の発表作。兄弟三人の医者がおり、それぞれ人、動物、植物を治す医者であった。兄弟三人の住む国に、北守将軍ソンバーユが率いる9万の軍勢を率いて30年におよぶ長い戦いを終え凱旋して帰ってきた。しかし将軍は自分の体が馬から離れないことに気づく。まわりの兵隊たちも同じで長い戦いの中で馬と体が一体化し、体から草が生えてきているのだった。困り果てた将軍は三兄弟の医者のもとに向かうのだった。
  • 私の貞操観
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    明治から昭和にかけて活躍した歌人・与謝野晶子による評論。女に貞操を厳しく説く男の中に、貞操を守らなければならない合理的根拠を考えたり、理由を説明した者は今日までいない、と晶子が不思議と感じる疑問は現代においても鋭い刃のような説得力を持つ。自分が貞操を守ってきた理由は純潔であることに自分を見出したからであり、少女期から文学の中に恋愛感情を持つことで、恋愛に憧れて感情を満足させていたことが貞操を守ってきた根拠である、と綴る。
  • 近世快人伝
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    幻想的かつ怪奇な作風で、日本近代文学の中で唯一無二の存在とされる作家・夢野久作による「近世快人伝」。要らぬ生命ならイクラでも在る、との想いで集まった、頭山満・杉山茂丸・奈良原到の玄洋社の3人。そして博多の魚屋の大将である篠崎仁三郎といった怪人・奇人たちの痛快かつ破天荒な逸話の数々が全編にわたって繰り広げられる!ユーモアと、無茶苦茶なエピソードを見事に描きあげた、夢野久作だから成しえた痛快な人物評伝!
  • 源氏物語玉鬘解読 光源氏の実像に迫る
    -
    1巻1,144円 (税込)
    光源氏は、「うそつき」である。しかも、そのことにためらいがない。理想的な男性として読み継がれることの多い光源氏。しかし「うそ」という観点から物語を読み解くと、彼の信用ならない不誠実な一面が浮き彫りになる。不遇の死を遂げた、玉鬘の母・夕顔。妻として、献身的に源氏を支える紫の上。実の姉・玉鬘に想いを寄せる、柏木。多くの人を翻弄する光源氏の「うそ」を読み解く。

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  • イギリス海岸
    値引きあり
    -
    1巻82円 (税込)
    宮沢賢治が農学校の教師だった頃、イギリス海岸と名づけた北上川に生徒を連れて水遊びに行っていた思い出が描かれている。川泳ぎする者を助ける救助係の男が暇そうにしているのを見て、馬鹿そうなその姿が滑稽に感じた。だが男と話をするうちに、男の安全に対する配慮を知ることになり、自分の浅はかな考えを恥じるのだった。
  • 晩夏
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    軽井沢に旅に出た「私」と妻。その旅はずっと訪れていた軽井沢にて、来年の夏に過ごすところを探しに行ったのだった。そして私と妻は野尻湖のレイクサイド・ホテルを訪れる。そこはたくさんの外国人客が出向くところで、私と妻は外国人たちの話などをしながら過ごしていた。そんなある日、ちょっとした小屋の近くに焚火の跡を見つける。「これはボンファイアをした跡だわ……」と妻が懐かしそうに話しだした。
  • 現代日本の開化
    値引きあり
    -
    1巻82円 (税込)
    「現代日本の開化」は、夏目漱石が和歌山で二度目に行った講演を纏めたものである。西欧列強の圧力によって外発的開国した日本の性急な近代化について「幸福は野蛮時代とそう変りはなさそうである」と厳しく批判し、近代化とはどうあるべきかと説いた。
  • 李陵
    -
    1巻275円 (税込)
    33歳の若さで早世した小説家、中島敦の没後に発表された短編小説「李陵」。母国に忠誠を誓いながらも敵に寝返ったと誤解された悲運の将軍、李陵の運命を描く。
  • 光と風と夢
    -
    1巻275円 (税込)
    中島敦のデビュー作となる「光と風と夢」。「宝島」で有名なイギリスの作家スティーヴンソンが、療養のために各地を転々としながら死に至るまでの数年間を日記体を織り交ぜながら書かれた作品。
  • 虎狩
    -
    1巻275円 (税込)
    33歳の若さで早世した小説家、中島敦の短編小説。日本統治下の朝鮮を舞台に、日本人の「私」と友人である趙大煥との交流が描かれた作品。
  • 命を弄ぶ男ふたり(一幕)
    -
    1巻275円 (税込)
    劇作家でもあり、小説家である岸田國士による戯曲。飛び込み自殺しようと鉄道線路沿いの土手にやってきた二人の男が偶然に出会い、お互いの身の上を話しながら生きる事に思い悩む様を描いた作品。
  • 老愛小説
    -
    1巻2,420円 (税込)
    フランスから日本へと舞い戻った大学教師。古都で出逢った女、異国に置き去りにした女、幼い日に消えた母への追憶。過去と現在、異国と故国、男と女の思いが交錯する──。長くフランスで仏文学研究に勤しんだ著者が放つ、時を越える幻想恋愛譚。濃艶な三篇を束ねた小説集。
  • HUMAN LOST
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    坂口安吾、織田作之助、石川淳らとともに新戯作派、無頼派と称された小説家である太宰治の短編作品。昭和初期「慢性パビナール中毒症」の病名で入院していた一カ月間の病床体験が日記形式で描かれており、「人間失格」の原型になったともいわれている。
  • 時代小説盛衰史
    -
    中里介山「大菩薩峠」から司馬遼太郎の登場まで、半世紀に及ぶ時代小説の栄枯盛衰を豊富なエピソードと味わい深い語り口で描ききった力作。大衆文学研究賞・長谷川伸賞受賞。(※電子書籍ではちくま文庫版の上下巻を合本いたしました。)
  • 文壇さきがけ物語 ──ある文藝編集者の一生
    -
    大正の終わりに新潮社へ入社し、長きにわたり文藝編集者生活をおくった楢崎勤の一生を追うことで、戦前から戦後にかけての昭和文壇草創期の舞台裏を描き尽くした名著。『文壇栄華物語』『文壇挽歌物語』以前の時代を描いた“文壇三部作”の最後。
  • 文壇栄華物語
    -
    「文藝春秋」「オール讀物」が永井龍男により復刊される敗戦直後から和田芳恵「一葉の日記」の完成を見た昭和三十一年までの十有余年。栄枯盛衰ただならぬ文壇と中間小説誌の発展期に重なる華やかな時代を舞台に生きた人々──筆一本に賭けた作家たちと編集者が織りなす哀歓の明け暮れを豊富な資料をもとに描いた、もう一つの戦後文壇史。第18回新田次郎文学賞受賞。
  • 文壇うたかた物語
    -
    興亡激しい文芸雑誌の世界を舞台に、松本清張、司馬遼太郎をはじめ、池波正太郎、吉行淳之介、野坂昭如、井上ひさしら多くの文士たちが獅子奮迅の活躍をみせた疾風怒涛の一時代。その華々しい小説雑誌の時代を往年の名編集長が自らの編集者体験を通して語った、悲喜こもごもの文壇回想録。
  • 川柳にんげんのうた
    -
    1巻880円 (税込)
    「川柳をつくる人も、見て楽しんでくれる人々にも、日常生活の中に普段着の文芸」として息づくことを願い、また「佐渡産川柳の増産と川柳の地産地消から生まれる文化豊かな環境づくり」を目標に掲げ、新潟・佐渡島を拠点に全国を舞台に川柳普及に努め、活躍中の著者。川柳は「にんげんのうた」であり、尽きることのない人間讃歌であることを、読者は本書を通じて理解することができる。 良質な笑いを醸し出す風の章「ユーモアはビタミン」、妻への惜しみない感謝と愛情を表す花の章「愛燦々」、著者の人生観に迫る海の章「いのちの祭り」、佐渡讃歌の夢の章「朱鷺よ舞え」の4章構成。 通知表親に似てきて叱られる 手拍子をください一句できそうだ 一行を使うほどでも無い利息 盗塁のサイン妻から来たメール 平成を昭和のダシで煮ています 日に一度酒に胃腸を診てもらう にんげんの味見ただいま握手中 誕生日加齢お見舞い申し上げ 生きるとは祭りだ飯が炊き上がる 少年の朝を起こしにくる未来
  • 川柳句集 筆の向くまま気の向くまま
    -
    1巻880円 (税込)
    ほのぼのして、ほんわかして、クスッと笑えて、ちょっぴりワサビも効いた、芯から心が温まる人情川柳。「そうそう」「あるある」と読者が思わず膝をポンと打つような、日常どこにでも転がっている句材でありながら、卓越した観察眼と的確な表現力に、著者の人情味がプラスされたとびきり上質なユーモア川柳に仕上げられている。本書が著者の必需品である小さなノートとたった一本の鉛筆から生み出されていることを考えると、川柳の可能性は無限に広がっているという大きな期待をかけたくなる魅力を有している。 第1章「女房と私」、第2章「定年後」、第3章「スマイル」の3章構成。 ゴマをする相手は女房だけになり 父の日はブブゼラの音にかき消され 泥酔の一部始終を見てる猫 鬼の面必要ないと妻に言う 一日がこんなに長い定年後 おもてなし受ける理由がわからない 白よりもグレーが似合うお金持ち 上記した猫が出てくる掘ごたつ 鏡見て口角上げる誕生日 おさらいをしないどうしがへぼ将棋
  • 川柳句集 雨男晴男
    -
    1巻880円 (税込)
    人生は晴れのち雨、雨のち晴れを信条とし、どんな時にも前を向く天晴流川柳。パティシエを天職として20数年、オーナーシェフとしても忙しい毎日をおくる著者。 第1章はまさに仕事人としての著者を詠んだ「ケーキ作りの半世紀」。繁忙期のせわしない作業室の様子、真心を込めてつくったケーキの甘い香りや味、驚きの職人技が手に取るように伝わってくる。第2章は「一人称」で、言葉の通り自分自身を掘り下げて、時に自虐的ともとれる句、愛する家族との絆などが盛り込まれている。第3章「天晴流川柳」は客観に重きを置き、社会性やユーモア性のある著者の持ち味が存分に活かされている。第4章は愛娘への普遍の愛情がリアルに描かれている。 妻の留守わたしは女装などしない 南こうせつに似たおばさんを知っている 歯を磨くようにケーキを作ってる 仕事以外ほとんどずぼらです私 目を瞑ってもできるケーキはおよそ百 還暦にもう何度目の反抗期 学歴を恥じる心を恥じている 横にしよ縦に歩いた道だから 一身上の都合で消した影法師 自慢ですちょっぴり私似の娘
  • 詞華美術館
    -
    柿本人麿、紀貫之、式子内親王、藤原定家、後鳥羽院、芭蕉、蕪村、茂吉、石川淳、石原吉郎、西東三鬼、寺山修司からラブレー、ネルヴァル、アポリネール、ランボー、マラルメ、ジョイス、トーマス・マン、フォークナー、ダニエル・キースまで。古今東西の言語芸術から最も壮麗で美味な部分を収集し、二十七の主題の部屋に陳列した、超一級の言語美術館。
  • 俳句への道
    -
    1巻275円 (税込)
    俳人・高浜虚子が雑誌「玉藻」に連載していたものをまとめた「俳句への道」。日本の景色、花鳥諷詠などと俳句を重ね合わせ論じた評論や、正岡子規や河東碧梧桐についてなどを綴っている。
  • 日本文化私観
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    「堕落論」と並び称される坂口安吾によるエッセイ。「僕は日本の古代文化についてほとんど知識を持っていない。ブルーノ・タウトが絶賛する桂離宮も見たことがなく、玉泉も大雅堂も竹田も鉄斎も知らないのである」と始まるこのエッセイは、太平洋戦争の真っ只中でナショナリズムや当時掲げられていた日本文化の伝統を重んじる風潮が色濃く及んでいたなか発表された。「法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺を取り壊して停車場をつくるがいい」の有名な一節など、時代を経ても色褪せない安吾独自のスリリングな日本文化批評が展開される。
  • 桜の森の満開の下
    値引きあり
    -
    1巻110円 (税込)
    昔、鈴鹿峠に山賊がおり、旅人を襲っては金品を奪い、気に入った女がいればすべて自分の妻とした。我が物顔で山を支配する山賊だったが、桜が生い茂る森だけは忌み嫌っていたのだった。そんなある日、旅人を襲い一緒にいた美女を妻として迎えた。その女は山賊に対して物怖じせず、今抱えているすべての妻を殺せ、など様々な命令をするなかで、女は山を降りて都に住みたいと言う。山賊はそれに従いふたりは都に移り住むのだが、女は山賊が殺した生首を並べたり、目玉をくり抜いたりする遊びに興じるのだった。さらに新しい首を要求する女に山賊は参ってしまい、山へ帰ることを決めるのだが……――。
  • 氷川清話
    -
    1巻330円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幕末、そして明治維新の中心にいた勝海舟が、晩年、赤坂氷川の邸で、自身の経験、彼と親交のあった人物(西郷隆盛・坂本龍馬・木戸孝允・藤田東湖など幕末から明治維新にかけて活躍した人々)、時局などについて自在に語った談話。
  • 痴恋
    -
    1巻550円 (税込)
    元バンドマンで仕事もなくぶらぶらと過ごす《自分》は、同居の女も去りカードの借金もかさみ途方に暮れていた。公園で呑んだくれて絵を描いているうち、そこにたまに来る美少女が気にかかる。 そんなある日ビルのオーナーだという老人《シゲさん》に声をかけられる。 「管理人をやらないか? 住まいも与える。ただし条件がある」と。 《自分》は、住み込み管理人となったが、給料をもらいながら夜な夜なその奥方《ヒサコ夫人》と関係することになった。 家主シゲさん、スナックのママ、後輩ワガラシなど、濃いキャラクター満載で、ほんのりせつなく滑稽なゲス私小説。
  • 其角と楽しむ江戸俳句
    -
    豪放磊落で酒と遊里を愛し、難解かつ奇抜な句風で人気は芭蕉を凌いだともいわれる其角。彼をこよなく愛する著者が、古典や歴史を駆使して名句の謎を探り、軽妙に綴ったエッセイ。
  • 日本の神さま 古事記の物語
    -
    不思議な力と、冒険、恋、そして戦い。日本の神様のすがたを生き生きとえがいた「古事記」。その中から有名な神話を選んで一冊に。天をおさめる女の神様・アマテラス、その弟で、ヤマタノオロチを退治した暴れん坊のスサノオ、意地悪をされたうさぎを助けたオオナムヂ、強さゆえに親に遠ざけられた悲劇の王子ヤマトタケルなど、個性的な神様が続々登場します。<すべての漢字にふりがなつき 小学中級から>
  • 川柳句集 斜光線
    -
    1巻880円 (税込)
    「川柳はウガチである」という主張のもと、数々の川柳句会・大会で優勝、上位の常連として名を連ねる達吟家の待望の川柳句集。 「題をどのように消化するか、題との距離をどう測るか。句会の句は題と格闘したり遊んだりして作る句であり、その面白さは題を省いてはわからない」と語る著者は、雑詠(自由吟)よりも軽く扱われがちな句会吟の復権を本句集で果たしたいと宣言。 川柳研究社幹事、東都川柳長屋連店子、NHK学園川柳講座講師などで活躍中。 第1章は雑詠、第2章は「句会吟・いろはかるた」と称して課題別に句会吟を掲載。さらに巻末に課題索引を掲載する著者らしい構成に注目が集まる。 「言葉のセンス」と「ダンディズム」が堪能でき、課題吟の作り方のお手本句集として必携の書。 スーパーの籠に男が磨かれる ナマズからアポが取れない地震学 青い鳥みたいな顔で妻が居る アメリカの庭に咲いてる日章旗 次世代に白紙委任をして寝よう ハコモノが役所の前科まで喋り 妻の皿僕がほどよく煮えている 出会い系怖いマッチがおいてある 人事部のパソコン僕を出庫する 山頭火後ろ姿がステキです
  • 川柳作家全集 普川素床
    -
    1巻880円 (税込)
    短詩型文芸の世界を縦横無尽に飛び回り、現代川柳界が誇る智者による、川柳誌および柳俳交流誌に発表したノーボーダーな句集。 40年以上にわたり、川柳作家としてはもちろん、多数の評論、論文、鑑賞文を発表する評論家として常に第一線で活躍しながら、川柳の未来を誰よりも思考し、新しいものを受け入れる包容力を持つ著者。 第1章「ZからZへ」、第2章「健・祐・一・青のY」、第3章「三・冨・慎・美のX」、第4章「百白集―百人の感想集―」。 難解な言葉は使わず、冒険を恐れず、それでいて読者を不思議な共感へといざなう唯一無二の世界観に定評がある。第4章は「川柳作家全集 普川素床」を読んだ100名の感想集をまとめたもの。 これは頭ではありません私の帽子です 鼻の奥に灯りが見える春は眠い 一日をむすんでひらく酔いながら 影をクリーニングに出しぼんやり煙草 あとがきの死体をオキシフルで拭うv 抜いて差す釘一日はやわらかい 似ているとどうして笑っちゃうのかな めしを食う 影も遅れてめしを食う うしろまえなんだよきみのやさしさは 墓地いっぱいのこの人間の明るさは
  • 新しい小説のために
    値引きあり
    -
    1巻1,971円 (税込)
    小説の中の「私」とは、誰なのか?新世代の小説家たちが切り開いてきた現代文学の新たな地平の持つ意味を、小林秀雄以来の文芸理論を徹底的に検証しつつ探った、まったく新しい小説論。「役割を終えた」近代文学を更新する!
  • 生誕150年記念 正岡子規 名作セット
    値引きあり
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    1巻440円 (税込)
    生誕150年記念! 正岡子規の名作を収録! 日本人なら誰しもが知っている俳人・正岡子規の名作10作を収録! 後世に残したい名作! 【収録作品】 ●従軍紀事 ●曙覧の歌 ●明治卅三年十月十五日記事 ●病牀苦語 ●病牀六尺 ●墨汁一滴 ●歌よみに与ふる書 ●人々に答ふ ●俳人蕪村 ●寒山落木 巻一
  • 「日本沈没」小松左京の警鐘が甦る【文春e-Books】
    -
    「日本沈没」「復活の日」など、多くの名作を世に送り出した日本SF界の巨匠・小松左京。トランプ大統領の当選で、「孤立化」するアメリカを予言した小説として「アメリカの壁」がメディアに取り上げられるなど、いま小松作品に注目が集まっている。科学的知識をもとに検証し、起こりうる危機を小説にしていた小松氏は、未来の日本の読者に何を伝えようとしたか。小松氏の次男・小松実盛氏と『見果てぬ日本』で小松左京論を書いたほどの愛読者・片山杜秀氏が、小松作品について語り合った。(※文藝春秋2017年11月号に掲載された記事を電子書籍化)
  • 池澤夏樹、文学全集を編む ダイジェスト版
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    史上初の全巻個人編集「世界」「日本」文学全集の楽しみ方とは。 ダイジェスト版では、紙書籍版の一部を抜粋して収録。池澤夏樹ロングインタビューや、石牟礼道子、大江健三郎との対談、その他、世界文学全集&日本文学全集全巻完全ガイド等を掲載。
  • 橇・豚群
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    昭和初期に隆盛したプロレタリア文学運動の潮流の中で、写実的な文章と複眼的想像力による傑作短篇を立て続けに発表して一躍脚光を浴びながらも、肺病による喀血から郷里・小豆島での療養生活を余儀なくされた黒島伝治。官憲の横暴に対する農民の知恵がドラマを生む「豚群」、戦争の悲惨さと裏腹の滑稽な現実を鮮やかに描いた「橇」、「渦巻ける烏の群」など時代を超えた輝きを放つ代表作集。
  • 川柳句集 風の中
    -
    1巻880円 (税込)
    生駒番傘川柳会、番傘川柳本社、川柳瓦版の会、奈良新聞ニュース川柳選者等で活躍しながら2017年に急逝した萩原三四郎氏の遺句集。川柳作家として活躍しながら後進の指導や育成にも多大な貢献をした。また、川柳の本質に迫ろうと過去の有名作家の作品を論評し、盛んに仲間と積極的に川柳論を交わすなど常に向学心に燃えていた。著者が残した3千余句からご家族の手により選出された3章構成の作品群には、風の中に人の心が見え隠れするように、人生の機微や氏の人生観を垣間見ることができる。序文は長年の柳友である笹倉良一氏、書と画は夫人の萩原久美子氏が担当。 しがらみをすてて原野の風の中 埋火とふたりになれる冬の海 一筋に生きて乱世の木偶の坊 大過無しこれも勲章だと思う 駅裏を歩いて街の風にあう 野が消えて子守が消えて詩が消え 狂わずに生きて狂いに憧れる 危機管理こんな物です机上論 リストラで出した黒字は誇れまい 想定外使い勝手のいい言葉
  • 風が吹いたら時事川柳
    -
    1巻880円 (税込)
    時事川柳専門結社「川柳瓦版の会」同人となってまもなく20年を迎える著者による、時事川柳を中心にテーマ別に分けて収録した一書。著者は時事川柳の魅力を、日々のニュースに加えて、日常の生活において、ちょっとした感動や面白さを詠む、あるいは個人的な心の変化や思いを「人間の社会の今」として17音にまとめることにあると語る。時事川柳のネタは世界中に、たとえニュース性がなくても日常にいくらでも転がっており、「風が吹いただけでも時事川柳は生まれる」とも。著者の感性で掴み取られた時事川柳の幅広い作品群を堪能できる。「一、歳時記の時事川柳」「二、定番の時事川柳」「三、番外の川柳」の3章立て。 新年のたった二文字でリフレッシュ 花マルがたくさん欲しいカレンダー 不景気も地震も火事も秘書のせい 色々な指紋の付いている談話 総選挙祭り好きにはたまらない イチローも打てぬ日がありほっとする タイガースファンを見るのが面白い やせた運ばかり集まるハローワーク ボーナスで笑った師走あったっけ あのドアホどこ行ってんと寂しそう
  • 川柳句集 杏
    -
    1巻880円 (税込)
    「私にとっての川柳は、人間にとって大切な水のように必然であった文芸なのかと思えてきた」。川柳一族の一人として、川柳作家になるべき宿命を負ってこの世に生を受けた著者。16歳で作句活動をはじめ、学生生活、就職、結婚・・・とめまぐるしく変わる人生のステージで一時は川柳に遠ざかった時もあった。紆余曲折を経て、運命に導かれるように50代で再び川柳と巡り合ってからは、為すべき「業」を悟り、人間の裏の裏まで詠み尽くさんと赤き情熱を燃やす。「第一章 すりりんご」「第二章 走馬燈」「第三章 飛行機雲」「第四章 凪」の4章構成。 風邪で寝た時だけ貰うすりりんご 私の心緑に負けている 自分の目信じ自分の耳信じ いつまでも笑うモナリザの不気味 どん底を知った体が動じない 人生の苦労はいつか凪になり ライバルに慰められてムッとする 躓いた石を次には蹴り返し コート脱ぐ陽気疑わないで春 春という不思議に人は惑わされ
  • 川柳句集 ジンジャーエールの味
    -
    1巻880円 (税込)
    時代の風をつかむ確かな眼力、読者の胸奥に迫りくるアイロニー。時事川柳を愛し、一般川柳も愛する著者は「川柳さろんGunma」世話人として活躍中。「第一章 宛名書き」「第二章 追われる如く追う如く」「第三章 現代民話集」の3章構成。川柳というフィルターを通して、人間や社会の美しさから醜さまでを著者が暴き出す。ドキリとさせる痛烈な諷刺が小気味よい。シュワシュワと清廉な泡を吐きながら、甘くそして時折ピリリと効かせる、ジンジャーエールのように誰からも永く愛される好著として輝きを放つ。 団塊が団塊のまま老いてゆく 宛名書き様の字だけがうまくなり 君の愚痴ジンジャーエールの味がする 定年の胸にも滾るものがある カタカナ語その説明もカタカナ語 リストラは完璧だった社も消えた 休耕地いきなり街が生えてくる 折り鶴も羽ばたくでしょう平和なら 倒れても微笑の消えぬ野の仏 笑いとは何かと問えば笑えない
  • 句集 戯画絵巻
    -
    1巻880円 (税込)
    川柳、自由律俳句、俳句が1冊になった短詩句集。自由律俳人・塩谷鵜平の俳句誌「俳藪」に参加していた兄の影響で、高校1年生から俳人として活動していた著者は後に川柳と出合い、やがて川柳に専念。現在、岐阜新聞「文芸川柳」選者、美濃加茂市文芸祭・川柳の部選者、羽島市文芸祭・川柳の部選者、城西川柳会会長などで活躍中。人間観察を怠らず、常に社会へ向ける目を磨き、生涯を通して尽きぬ著者の情熱と創作心が本書に込められている。「第一章 戯画絵巻」「第二章 世俗連歌」「第三章 自由詩歌」「第四章 セピア彩歌」の4章構成。 まだ戯画を描き続けるまつりごと 履歴書の山へそれでも置いてくる リストラと交換された花の束 二人だけなのに貴方は意気地なし 悪人にされた渋柿吊るされる この俺を要らぬと書いてある福祉 信仰の仮面がずれたとき地獄 いつの世も小言ばかりが降り積もる 楕円のしゃぼん玉また苛めがはじまる 冬木混む進学の意志すでになし
  • 川柳句集 さとの風
    -
    1巻880円 (税込)
    川柳と二人三脚の27年、80余年の人生を1句1句、丁寧に形にしてきた著者。掲載された333句は、著者みずから全国各地の大会や所属結社の入選句、約4,000句超から時間をかけて選び抜いた入魂の句が揃う。その内容は、ふるさと岩手への想い、自然の賞賛、愛する家族への想い、半生を彩ってきた仕事への想い、人生への夢や希望のことなどバラエティに富み、まさに著者の「生きてきた証」と呼べる作品群である。「第一章 妻と薔薇」「第二章 旅好きの雲」「第三章 夢紀行」の3章構成。 持て成しも気兼ねもしない里の風 口下手も身の上話なら聞ける 妻と薔薇どちらも二番にはできぬ 大切な夫に毒味してもらう 敗者でも勝者でもなく職終える 妻のこと抜きに自分史綴れない 喝采を浴びた記憶のない軍手 人生のゲーム一点差がつづく どの顔も不真面目そうでホッとする この空の続きに捨てた里がある
  • 梁塵秘抄
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    遊女や巫女など、歌や舞いを生業として諸国をめぐり歩く女たちが歌い継いだ流行歌「今様」。後白河はそれら、やがて消えゆく「声わざ」を蒐集し、「梁(うつばり)の上の塵も動くほど妙なる歌」という意味の名前をつけた。それが梁塵秘抄である。法皇をも虜にした、アウトサイダーたちの歌うたの調べを、稀代の古代文学者が耳をすませて読む。
  • 雲は天才である
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    詩や短歌では叙情味あふれる作品で天性の才能を発揮し、矛盾に満ちた明治という時代への鋭い考察も相俟って今もなお熱烈な読者を持つ石川啄木が心血を注いだ小説。故郷・渋民村の高等小学教の教員時代に書き出され、青年たちの鬱屈と貧しき者、弱き者の心に共振していく初期短篇三作と、唯一新聞に連載された中篇を収録し、短い生涯を駆け抜けた啄木文学の可能性を提示する。
  • P+D BOOKS 眞晝の海への旅
    -
    1巻715円 (税込)
    帆船という“劇場”で巻き起こる人間ドラマ。 海を愛する若者が生の歓びを求め、ブリガンティン型帆船<大いなる(グローセル・)眞晝(ミッタ-タ)>号に乗り込んで船出をする。 「無一物主義」という哲学思想をもつベルナールを船長に、フランソワ、ターナー、ケイン、女性のファビアン、そして日本人の私など11人のクルーは、ヨーロッパから日本を経由して、一路、太平洋へと航海を続ける。 やがて、南太平洋に入ると、荒れ狂う颶風(ぐふう)圏に突入していく中、嵐のさなかに恐るべき事件が起きてしまう。帆船の船内は、さながら芝居の劇場のように複雑な人間関係が入り組んで、それは悲劇への序章にふさわしい舞台だった。 辻作品らしい“詩とロマンの薫り”に満ち溢れた長編小説。
  • はがきの名文コンクール 一言の願い 明日への願い
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    2015年(第1回)・2016年(第2回)に開催された、「はがきの名文コンクール」(選考委員:齋藤孝氏、吉本ばなな氏、堺屋太一氏)。全国から計7万通近く寄せられた応募作品の中から、168通の名文を収載。はがきに記された老若男女の願い事は、どれも切実で思いやりに満ち、読む人の心に深々としみわたる。21世紀の万葉集とも呼ぶべき作品集。 ●第1回テーマ 「一言の願い」 ●第2回テーマ 「明日への願い」 20文字以上200文字以下で願い事をつづり、奈良県御所市の郵便名柄館に送られたはがき計約7万通から、各回、大賞1作、佳作10作、日本郵便大賞10作、郵便名柄館賞10作が選ばれました。 本書には最終候補作から計106作も合わせて収載しています。 正直な言葉が胸を打つ、不安な時代に生まれた「普通の人の名言集」
  • 竹久夢二童話集
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    1巻1,540円 (税込)
    『さあ今度は母様の番だよ。母様、何かお噺!』 大正浪漫を代表する人気画家が描く童心の世界 竹久夢二は明治~昭和期にかけて活躍した画家・詩人で、大きな瞳の憂いをおびた「夢二式美人」と呼ばれる美人画や詩歌「宵待草」で一世を風靡しました。 時代の寵児だった彼の作品は、雑誌の挿絵や日常雑貨のデザイン、商業広告など大衆文化の中に洒落たエッセンスとして取り込まれていました。 そして、それは子どもの世界にも表れていたのです。 夢二はこども向け書籍に本格的に取り組んだ最初の画家でもあり、自著六十冊のうち童謡、童話、絵本などこども向けの文筆作品は三分の一にものぼります。 本書はその中から、童話『草の実』と『春』を収録しました。 合計52編あるおはなしには、全て夢二自身による可愛い挿絵が挿入されています。また文章は現代仮名づかいに改めルビを付し、読みやすくしました。 詩人になりたかったという夢二の紡ぐお話には、いつの時代でも誰の中にもある寂しい心にそっと寄り添うような、優しくて、温かいまなざしに溢れています。華やかな女性遍歴や美人画だけではない、夢二の知られざる純粋な一面にきっとあなたは夢二をずっと好きになることでしょう。 ・初版収録時のカラー口絵と挿絵を全点収録
  • P+D BOOKS 大洪水 上・下巻 合本版
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    1巻1,265円 (税込)
    待望の上・下巻合本版!! 中上健次、もう一つの遺作も初の電子化! 「路地」の解体時期に父親(浜村瀧造の朋輩・ヨシ兄)殺しに手を染め、「路地」から逃れた鉄男は、やはり夫・セキグチジュンを殺した女・セキグチマリと出会う。女は鉄男にそれまでと異なった衣装を着せ、ジュンと名付け、ジュンという<物語>を背負わせる。 マリが精神病院の患者同士として知り合った友人で、富豪の“太った女”水島エリは、鉄男を教祖とあがめる新興宗教に加わろうとし、道すがら出会った暴走族の首領の若者も、これまた鉄男の教祖としての雰囲気に惹かれていく。 そして、鉄男、マリ、エリ、暴走族の若者とその妹は、南の地・シンガポールへと向かうのだった……。 中上作品の中でも最もエンターテイメント色の濃い作品で、雑誌「SPA!」に連載中に未完のまま絶筆した。
  • 川柳擬
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    1巻880円 (税込)
    抽象と具象の狭間から読みとる、確かな人間臭。昭和一桁生まれの著者は江田島海軍兵学校教官の父をもち、戦時中から戦後の激動の時代を生き抜いてきた。自らの目で見た現実をありのままに忠実に川柳に表現する姿勢は多くの読者の胸に感動を呼ぶ。 「えふえい」「せみのこえ」「おおはなび」「ゆめをくう」「ねたふり」の5章に、4編の詩が若き日の著者のほとばしる思いが伝わる詩が加わり、本書を重層的に彩っている。 《輪郭が見えぬリンゴの向きを変え》 《UFOが咳をしながら飛んで来る》 《とうがらし熟れて静かな退職日》 《体温をなくして生きる影法師》 《地図になる道を残して僕の自負》 《波飛沫本音は海の底にある》 《八月を無口に過ごす生き残り》 《太陽と水と少しの塩で生き》 《ずり落ちた老眼鏡で見る政治》 《自分史の終りに未完と書いておく》
  • 川柳句集 流れ星の詩
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    1巻880円 (税込)
    川上大輪・富湖夫妻による30年余りの川柳人生の記録を一冊にした川柳句集。夫・大輪は川柳塔社副主幹、川柳塔わかやま吟社主幹などの要職につき、第5回オール川柳賞大賞など全国の大舞台で数々のタイトルを手中にしてきた誰もが認める実力作家として活躍中。 一方、川柳作家・大矢十郎を父に持ち、彗星のごとく現われて川柳界期待の星、大型新人と呼ばれた富湖は、第3回オール川柳賞大賞を受賞し、まさにこれからという時に病に倒れ、その才能を惜しまれつつ他界。人気句集の電子書籍化。 【川上大輪作品】 いい日だな机の上に何もない 家中の明かりを点けて一人きり 生まれても死んでも時刻告げられる 鉛筆の長さよ人の一生よ 大声を出すなよ空が落ちてくる 【川上富湖作品】 甘えたら低温火傷してしまう 赤い糸結び直した跡がある 親という皿が浅くて子が荒れる 思いやりだろう鏡が曇るのも 手が届きそうで過去にはまだ出来ぬ
  • P+D BOOKS やややのはなし
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    軽妙洒脱に綴った、晩年の短文随筆集。 安岡章太郎、結城昌治、立原正秋、村松友視、森茉莉、澁澤龍彦、色川武大、柴田錬三郎ら作家や知人との交流、子供の頃の邂逅、愛用の粋な小道具、酒や甘味、美人論、身体の不調など還暦前後の身辺を腹蔵なく語っている。 《いささか変った書名をつけてみたが、同じ題名の随筆が、この本の中にある。「ややや」と驚く短い話ばかりを集めてみたものだが、いま読み返してみると、そういう要素を含んだ話がこの本の大部分といえそうだ。》あとがきより。 昭和57年から平成3年までの短文随筆を所収。
  • 川柳句集 さまざまな想い
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    1巻880円 (税込)
    我が句は我が子。17音に人生を投影させて輝き出す、さまざまな想い。岸和田市在住。 地元の健老大学から始まった川柳は良き師や仲間に支えられ楽しいものとなった著者。これまでに詠んだ一句一句が我が子のようにいとおしく、作品を残したいという思いから編まれた作品集。 そのうちにきっといいことありますよ 狙ってた席にライバル座ってる 心配事ないのか君はよく笑う 飾らない人柄なのに華がある 子育てが終わり女を取り戻す 種牛のプライドもなく殺される お茶ですとペットボトルが並べられ 野良猫に餌をやる人にらむ人 まな板は家の盛衰知っている ひらがなのやさしさほしい私です
  • 川柳句集 花こぶし
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    1巻880円 (税込)
    兵庫県、丹波に生まれ、12歳の頃から川柳に出合う。 川柳の他、俳句・短歌といった短詩型文芸すべてに長ずる著者による第一句集であり川柳作句生活70年を迎えた結晶である。 正論を通し路傍の石となる 阿呆になる世の中うまく泳ぐため 正論を貫きこぶし白く咲く 売られゆく牛にれんげの首飾り 呆けた母だんだん神に近くなる 天辺に鴉へ残す柿ひとつ 余生など言うまい恋がまだできる 靴が鳴る老いらくの恋手をつなぐ 花椿 首から落ちるのがきらい 写経するなんと無の字の多いこと
  • 漱石激読
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    漱石生誕150年。こんな読み方があったのか!漱石研究をリードしてきた名コンビが読めば、漱石文学の読みの可能性はまだまだ泉のように湧いてくる。
  • 明暗
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    1巻880円 (税込)
    漱石の死とともに未完に終ったこの作品は、文字通り漱石文学の総決算であり、近代日本文学の最高傑作のひとつである。客観的な態度で醜悪な人間性を過不足なく描破しながら、その背後に著者が意図したものは、「則天去私」という悟りの境地であった。

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