小説 - グーテンベルク21作品一覧

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  • ミラボー橋に消えた男
    -
    身重の妻を残していずこかへ消えた男。実直一途でつつましい男がなぜ? 私立探偵ビュルマは河岸に広がる工場街へと男の足跡をさぐる。気まぐれな都会の偶然が巻き込んだ男と女の運命! フランスのハードボイルド・ミステリーを代表する作家の人気シリーズ。

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  • 無関心な人びと
    -
    モラヴィア21才のときの処女作。出版と同時に、イタリア文壇未曾有といわれる反響を呼び、一般読者からも熱狂と興奮とで迎えられた。だが、この作品は、一部の顰蹙と反感をも買い、のちにカトリック教会によって禁書とされた。以下の紹介文がすべてを語る。「モラヴィアはスタンダールのごとく偏見がなく、観察鋭く、非感傷的・人間的であり、まとに貴重な現代作家の一人である」(ニューヨーク・タイムズ)、「非常に刺激的で、異常な本…モラヴィアはあらゆる可能性を秘めている作家だ」(ニューヨーカー)、「これほどの問題作はない…一読をおすすめする」(パリ・マッチ)
  • 息子と恋人
    -
    主人公のポール、その二人の恋人たち、ポールの母親とのあいだに繰り広げられる愛憎の葛藤を描きつくしたロレンスの代表作のひとつ。母親は希望の星だった長男ウィリアムを亡くし、すべての期待と愛情をポールにそそぐ。ポールにとって母親は絶対だった。ポールの幼馴染の恋人ミリアムは読書が好きで宗教心もあついが、性については消極的だ。一方、もう一人の恋人クララは人妻で肉体的な魅力にあふれ、婦人権運動家でもあった。母親はミリアムに対して敵意さえいだき、クララに対してはむしろ寛容なところをみせる。ポールはミリアムを退けるが、母親が亡くなって絶望的な喪失感をいだく。クララはポールといさかいを起こし別居していた夫のもとに戻る。ポールはミリアムの求婚も振り切って、一人で生きていこうとする。
  • 無名氏の話
    -
    「退屈な話」「決闘」「六号室」をすでに書き、樺太(サハリン)旅行を終えてメリホヴォ村に落ち着いてからの、油の乗り切った時期のチェーホフの代表中編「無名氏の話」と「三年」の2作を収める。「無名氏の話」の主人公は革命家であり、「三年」の主人公は金に困らぬ知識人だが、どちらも日常のどうにもならぬ運命の食いちがいに翻弄される。

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  • 夢遊病者の姪
    -
    離婚裁判で係争中だったドリス・ケントは、夫ピーターが看護婦と結婚しようとしているのを知ると、急に作戦を変更して、離婚訴訟を取りさげた。そして、夫に夢遊病の発作があったことを楯に、精神錯乱だと主張し、禁治産の訴訟を起こそうとしていた。星占術にこるピーターの姪(めい)のはからいでその夢遊病者と逢ったメイスンはそこで奇妙な矛盾を発見する――正気であることを証明させるためにメイスンに依頼してきた男が、狂人じみた芝居をしてみせるのである!
  • 明暗
    -
    1巻770円 (税込)
    漱石の死とともに未完に終ったこの作品は、文字通り漱石文学の総決算であり、近代日本文学の最高傑作のひとつである。客観的な態度で醜悪な人間性を過不足なく描破しながら、その背後に著者が意図したものは、「則天去私」という悟りの境地であった。
  • 夫婦善哉
    -
    1巻550円 (税込)
    柳吉は二十歳の蝶子のことを「おばはん」と呼ぶようになった。「おばはん小遣い足らんぜ」そして三円ぐらい手に握ると、昼間は将棋などして時間をつぶし、夜は二ツ井戸の「お兄ちゃん」という安カフェへ出掛けて、女給の手にさわり、「僕と共鳴せえへんか」そんな調子だった……そんなダメ亭主柳吉に尽くす女房蝶子を描く名作「夫婦善哉」、伝説的な将棋指し、坂田三吉の人間に迫る「聴雨」、人間の切ない感情を綴った「木の都」ほか、「俗臭」「馬地獄」「秋深き」「天衣無縫」「勧善懲悪」「道」「蛍」など、作之助の戦前・戦中の代表作を10編をおさめる。
  • メグレ警視のクリスマス
    -
    ミステリであれ、純文学であれ、外国の作家たちは一生涯に一度はクリスマス・ストーリーを書く。エラリイ・クイーンによれば、クリスマス・ストーリーにはいくつかの約束事がある。「子供を登場させる」ことと、「奇蹟がなければならない」ことだ。『メグレ警視のクリスマス』にも子供が登場し、小さな奇蹟も起こる。『メグレのパイプ』では、メグレ夫人が十年前の誕生日祝いに贈ってくれたメグレのもっとも好きなパイプが盗まれる。毎日、メグレはオフィスのなかをさがす。帰宅しても、不機嫌で、ほとんど口をきかない。メグレがそのパイプを見つけるのは、捜査中の事件の犯人を逮捕したときであった。シムノン自身がもっとも愛している中編。

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  • メグレ激怒する
    -
    田舎の別荘で引退暮らしを楽しんでいたメグレは、孫娘の不慮の死に疑念をいだいたアモレル老婦人に調査をたのまれる。大富豪のアモレル家を訪れたメグレは、そこで意外な人物に出会う。老婦人の娘むことして紹介された人物は、メグレの中学時代の同級生、しがない税務署員の息子のマリクだった! マリクは一家の内情をメグレに知られることを異常なまでに恐れていた…

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  • メグレ氏ニューヨークへ行く
    -
    ロワール河畔の別荘で、夫人とともに定年退職後の静かな生活を送っていたメグレ。そこへ突然、アメリカの大富豪の息子が訪れ、極秘の調査を依頼した。この青年の懇願で、ニューヨークへ旅立ったメグレは……

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  • メグレたてつく
    -
    深夜メグレの自宅に若い娘から電話が。地方からパリに出てきて、当てにしていた友人とはぐれ、お金もなく、困り果てているという。メグレはホテルを紹介してやる。ところが翌朝、彼は警視総監から、若い娘を誘惑して酒を飲ませ、ホテルに連れこんだと叱責を受ける。何者かがメグレの失脚をねらってしくんだ罠だった。メグレは背後で糸をひいている人物を探ろうするが……

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  • メグレと消えた死体
    5.0
    かつてメグレが逮捕したことのある売春婦エルネスティーヌがどんな風の吹きまわしかパリ警視庁を訪れて、メグレに面会を求めた。金庫破りで名を知られた彼女の亭主アルフレッドがパリ郊外のある屋敷に忍び込んだところ、そこで女の死体を見つけたので、何もとらずに逃げ出したというのである。しかも嫌疑を恐れたのかアルフレッドは姿をくらます。メグレはその家を訪れたが、死体は消えていた。しかも、屋敷の持ち主の歯科医とその母親は泥棒に入られたことも完全に否定した…

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  • メグレと口の固い証人たち
    -
    ガール河岸の今は傾きかけている老舗(しにせ)のビスケット会社。その当主が深夜、自室で胸を撃たれて死んだ。荒れすさんだ広壮な屋敷・事務所に細々と暮らす一族は、だれひとり、銃声を聞かなかったという。メグレは執拗にそのことにこだわった。

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  • メグレと首なし死体
    -
    サン・マルタン運河からあがった男のばらばら死体。首だけが発見できない死体の身元確認に奔走するメグレの前に、パリの片隅でひっそりと暮らす居酒屋夫婦の意外な過去が浮かびあがる。メグレもののなかでも一、二を争う傑作!

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  • メグレと深夜の十字路
    -
    保険代理人ミショネの自宅車庫から自慢の新車が消え、かわりに隣人アナセンのおんぼろ車が放置されていた。アナセンの車庫で発見された新車の運転席には、至近距離から胸を撃たれた宝石商ゴードバーグの死体があった。パリ近郊の《三寡婦(かふ)の十字路》を舞台に、重厚で、異様な雰囲気と、強烈なサスペンスが盛り上がるメグレもの初期の傑作。

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  • メグレと生死不明の男
    -
    プロ中のプロ、アメリカの殺し屋を向こうにまわして闘いをいどむメグレ! その捜査はメグレの長い警察官暮らしのなかでも、もっとも難しいものだった。メグレもふくめて警視庁所属のエリートたちを嫌う第二街警察署所属の「無愛想な刑事」ロニョンが活躍する長編でもある。

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  • メグレと政府高官
    -
    高地に建設された子供のためのサナトリウムが洪水に見舞われ、128人が犠牲に。この大惨事を予測し、警告を発していた学者、故カラム教授のレポートが盗まれていた。政府高官の首がかかった難事件に極秘調査を命じられたメグレは……

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  • メグレと善良な人たち
    -
    セーヌ左岸、カルチエ・ラタンに近い閑静な住宅街で老人が殺された。すでに事業を退き、一人娘も嫁いで、夫人とともに悠々自適の生活を送っていたこの老人一家のどこに、殺人事件に巻き込まれるような影の部分があったのか? 現場の状況は犯人が被害者とかなり親しい間柄にあることを示していたが、被害者はもちろん、周囲の人物もすべて「善良な」人々ばかりで、メグレには犯人像は浮かんでこなかった。

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  • メグレと賭博師の死
    -
    深夜、パルドン医師を訪れ、名も告げずに立ち去った男女(女は軽傷ながら背中にピストルの弾を受けていた)は、オルリー空港からアムステルダム行きの飛行機に乗ったことがわかった。翌朝、職業的賭博師ナウールの射殺死体が自宅で発見された。家にあった写真から、昨夜の女はナウールの妻エフェリーナと判明した。
  • メグレとベンチの男
    -
    繁華街に近い袋小路のような路地で中年の男が背後からナイフで刺されて死んでいた。残っていた財布から身元はすぐに割れた。近郊の町からパリに通う倉庫係だった。だが死体置き場まで確認にやってきた妻は、遺体のつけている「茶色い靴も赤いネクタイも」覚えがなかった。男は勤め先がとっくに倒産したのに、妻には何も言わず、以前と同じようにして毎日パリへ通勤していたのだ。しかも、男が昼日中、所在なげにベンチに腰掛けていた姿も目撃されていた。いったいこの男は何をして暮らしていたのか。

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  • メグレと宝石泥棒
    -
    宝石泥棒の陰の黒幕とメグレが目星をつけていたマニュエルが自室で銃殺された。車椅子のマニュエルは、若い情婦アリーヌを使って組織を操っていた。密室殺人と連続宝石泥棒の謎に挑むメグレ……

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  • メグレと優雅な泥棒
    -
    冬の凍てつくようなブローニュの森で、頭部を鈍器で何回か殴られて死んだ男の惨殺死体がみつかった。メグレは男に見覚えがあった。はたして、男はキュアンデという名の「優雅な」泥棒であった。検事と判事はこの事件をやくざ同士の喧嘩とみなして重きをおかず、おりから多発していた一連のピストル強盗事件の捜査に全力を傾注するようメグレに言い渡す。だがメグレは不思議な親近感さえおぼえたこの怪盗の過去を洗っていく。

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  • メグレと老外交官の死
    -
    七十八歳の元外交官サン=ティレール伯爵が自宅書斎で数発の銃弾を浴びて即死した。至近距離からの一発が脳頭蓋を吹っ飛ばす致命傷であった。外交上の政治的事件か、恋愛問題か、遺産相続問題か? ミステリーのタブーに挑戦したシムノンの力作は意外な結末をとげる。

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  • メグレと若い女の死
    -
    午前3時すぎのヴァンティミル広場は静かな小島のようだった。死体は湿った歩道に頬をつけて横たわっていた。片方の足には靴がなかった。身につけたイヴニング・ドレスは傷んでおり、肌寒い3月というのにコートは着ていなかった。メグレはなぜか、これが複雑な事件になるような気がした。

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  • メグレの打明け話
    -
    製薬会社の経営者アドリアン・ジョセの妻が深夜、自宅で刺殺された。遊び好きの妻には多くの男友達が、夫には愛人アネットがいた。容疑者ジョセは本当に殺(や)ったのだろうか?
  • メグレの退職旅行
    -
    メグレにも退官のときはある。2日後の退官をひかえて、ひとり身辺整理にあたる。電話が鳴る、自動的に受話器に手がのびる、ホテルで男が殺されたという、出かけずばなるまい(ホテル「北極星」)。メグレの定年前後を扱った他の2編「マドモワゼル・ベルトとその恋人」「メグレの退職旅行」のほか、「月曜日の男」「ピガール通り」「バイユーの老婦人」をふくむ6編からなる短編集。

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  • メグレの途中下車
    -
    メグレはボルドーで開かれた国際警察会議に出席した。帰りがてら、彼はむかしナントの大学で医学の勉強をしていたときに同じ下宿にいて仲良くなったシャボを訪ねてみようという気になった。シャボはヴァンデ県の小さな町フォントネイで判事をしていた。町はつい最近起きた二件の殺人事件で不安に包まれていた。旧家のあるじの義兄が殺され、ついで一人暮らしのばあさんが殺されたのだ。それは単にそれだけのことでメグレには何の関係もなかった。だが彼が町に着くとすぐに第三の殺人が発生した…メグレは否応なく小さな地方の町の特異な事件に巻き込まれていく。

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  • メグレ夫人の恋人
    -
    メグレ物のなかでも、ずばぬけておもしろい中長編集『メグレ、最新の事件簿』から秀作9編を選んでおくる。「メグレ夫人の恋人」では、メグレ夫人が事件の発覚を予測し、いざ事件が起こると家庭から飛び出してメグレ顔負けの名探偵ぶりを発揮する。「殺し屋スタン」は数あるメグレ物中編のなかでも、おもしろさが光る作品。

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  • メジャー・リーグのうぬぼれルーキー
    -
    原題はYou Know ME ALで、「アルよ、君はおれのこと、よく知ってるよな」という意味。アルは友達の名だ。この作品は投手としては抜群だが田舎者でウヌボレ屋でケチなジャック・キーフという青年が、アルに書き送る手紙でできている。1910年代の小説だが、実在のチーム、選手、監督を織り交ぜて描いて大好評を博し、ユーモア小説、野球小説の古典的名作となった。作者ラードナーは野球物のあとで中流層の市民たちを描いたユーモアと諷刺のきいた諸作品によっても高く評価された。アメリカン・ユーモア小説はマーク・トウェイン→ラードナー→デイモン・ラニアンと受け継がれていく。
  • 牝猫
    -
    1巻330円 (税込)
    甘い新婚生活のはずだった若い二人の暮らし…だが、自己中心的な男と、がさつな女の組み合わせ。男は自分が前から飼っている猫が大好きで、女には同等の愛情をそそぐことができない。そして遂には破局が…動物、なかでも猫が特別に好きだったコレットならではの技巧の円熟を感じさせる名作。

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  • メソポタミアの殺人
    -
    クリスティの中東を舞台にした作品中の最高傑作! 考古学者レイドナー博士と再婚したルイーズのもとに、殺された先夫からとしか思えない奇怪な脅迫状が舞いこみはじめる。さらに、古代アッシリアの遺跡調査のため、夫とともにイラクへと渡ったルイーズを追いかけて、死を予告する不吉な手紙が届く。ポワロが「幻想的な犯罪」と呼んだ不可思議な殺人の幕が切っておとされ、殺人鬼の知恵とポワロの灰色の脳細胞とはすさまじい緊張のうちに対決した……
  • メリー・スチュアート(上)
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    あるときは残忍な殺人者、または聖なる殉教者、あるときは愚かな陰謀家として、16世紀ヨーロッパの政治権力とからむ宗教的分裂の時代を背景に生きたスコットランドの女王メリー・スチュアート。生後6日にして女王に。58年にはフランス皇太子と結婚、翌年フランス王妃となり、61年には夫の早世により帰国。以後新旧両教派の争いと家臣間の内紛を極めた政治情勢の中に生き、さまざまな争いの渦中に、エリザベス女王廃位の陰謀荷担の疑いで監禁され、19年間各地に幽閉後、処刑された。ツヴァイクは豊富な資料をもとに、悲劇の女性を、対照的なリアリスト、エリザベスとの心理的対立の中に捉えて描く。「ジョゼフ・フーシェ」「マリー・アントワネット」とならびツヴァイクの三大伝記小説とされる。
  • メリー・ディア号の遭難
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    荒波にもまれ、無気味に静まり返るメリー・ディア号。サルベージ業者サンズはこの瀕死の貨物船に遭遇し、救助のため船内に乗り込んだ。残留していたのは船長代理の男パッチ唯一人。彼の口からサンズは航海中の事件の数々を知る……船長の死、船主の失踪、火災、そしてその際の全乗組員による船の放棄。が、パッチ自身も謎に充ちていた。英仏海峡の魔の岩礁にあえて船を座礁させ、サンズと共に帰還した彼は、海難審判の場で船が沈没したと偽証、しかも直後に逃走してしまったのだ! 果たしてその真意は?

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  • 妄執の影
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    アイリッシュの短編には「味のある作品」という言葉がぴったり当てはまる。この味にはアメリカの小説とは異なるヨーロッパ的なものが多分に感取される。その作品がフランスで受けている理由であろう。アイリッシュの代表作といえば長編『幻の女』と『黒衣の花嫁』が念頭に浮かぶ。しかしアイリッシュの本領は、長編よりもむしろ短編のほうにあるのではないかと思われる。本書におさめた数編でもわかるように、その短編は粒よりの珠玉編である。(訳者のことば)
  • もう探偵はごめん
    -
    トムとディックとは無二の親友だった。同じ大学を出、同じアパートで暮らし、いっしょに美人の尻を追いかけ、いっしょに女から逃げ、ひとつの背広を着あう仲だった。ところが、ある夜、トムに幸福と不幸がいちどに訪れる。トムとマーシャの結婚祝賀パーティが、ホテルでひらかれた夜である。宴たけなわに、その夜社交界にデビューしたばかりの、うら若いマーシャの妹が変死をとげた。死因は誤って親指に突き刺さったバラの棘に毒が塗られていたためで、そのバラというのが、トムが婚約者に贈った花束の一輪だった! 警察の嫌疑はトムに向けられ、ディックは親友にかけられた見当違いな濡衣を晴らすため、素人探偵を買ってでた。この表題作の他、サスペンス派の巨匠アイリッシュの好短編6編を収録。
  • 盲目の理髪師
    -
    大西洋をイギリスに向かう豪華客船のなかで盗難事件が起こり、奇怪な殺人事件が発生する。死体が消えたあと「盲目の理髪師」が柄に描かれた、血まみれの剃刀が残っていたのだが、これはいったい何を意味するのか。そんなこととはおかまいなく、船上ではあれやこれやのドタバタ劇が続発、笑いのうち肝心の事件は消え失せるかに見えたのだが…真打のフェル博士が安楽椅子探偵となって登場する、円熟味を加えたカーの名編。
  • 盲目物語
    -
    1巻440円 (税込)
    三味線の腕も達者な弥市という盲目のあんま師が、かつて仕えたお市の方の悲劇的な後半生を物語る。信長の妹で美人と名高いお市の方は、嫁いだ浅井長政を信長に攻め滅ぼされ、再婚した柴田勝家を秀吉に攻められ、ここで夫と運命を共にする。そんなお市に弥市は深い憐憫の情を寄せるが、それはまた恋慕そのものでもあった。お市にどこまでもついていきたい、地獄までお供したいという気持ちが平仮名を多用した文体で連綿とつづられる。
  • 木曜日の男
    -
    無政府主義者のグループは「日曜日」と呼ばれるボスによって統括され、幹部はそれぞれ曜日の名前を冠された7人で構成されていた。たまたまメンバーの「木曜日」が急死したため、まぎれこんだ詩人のサイムは「木曜日」に任命された……スパイもの? ファンタジー? 思想小説? チェスタートンならではのエンターテインメント。

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  • 門

    -
    1巻330円 (税込)
    「三四郎」「それから」につづく3部作の最終編。「それから」で親友を裏切りその妻と結ばれた二人は、この作では宗助とお米という名に変わっている。罪を意識する宗助は宗教に救いを求めるが…

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  • モンテ・クリスト伯(1)
    5.0
    青年エドモン・ダンテスは「ファラオン号」の次期船長の有力候補として、希望に胸ふくらましてマルセーユに帰港する。そこにはフィアンセが首を長くして彼の帰りを待っていた。だが、足取りも軽く父親とフィアンセのところへと急ぐダンテスの背後には、「ファラオン号」の会計士ダングラールの食い入るような憎悪のまなざしがあった。…ダンテスが知らずして託された手紙が陰謀の引き金をひく。ダンテスは無実の罪を着せられ、死の牢獄「シャトー・ディフ」に幽閉される。囚人三十四号としての十四年の獄中生活! だがダンテスはついにチャンスをとらえて脱獄する。まず知りたいのはフィアンセのこと、父のことだ。せめて獄中で知り合ったファリア神父から聞いたスパダの秘宝を手に入れることができれば…雄大な構想で展開する波瀾万丈の物語。 全5巻。
  • モンパルナスの灯
    -
    どこからともなく集まってきた貧乏芸術家やボヘミアンたちがたむろする町モンパルナス。極貧と絶望の中で創作に没頭する画家モジリアニはジャンヌを得て、生きる力を与えられる。だが、ついには病とのたたかいに敗れる。画家本人とも実際に交際のあった作者はその壮絶ともいえる生涯を、彼の生きた時代と場所とともに丹念に描きあげる。かつてジェラール・フィリップ、アヌク・エーメ主演で公開された同名の映画の原作であるが、原題は「1919年のモンパルナス」であった。
  • モンマルトルのメグレ
    -
    モンマルトルの怪しげなキャバレー《ピクラッツ》の踊り子アルレットは酔っぱらった勢いで警察に出頭し、殺しが行われるかもしれないとほのめかした。酔いが醒めるとそれを否定したが……ほどなく彼女は自室で絞殺死体となって発見され、予言のように口にした「伯爵夫人殺し」も現実となった。彼女が同時に口にした「オスカル」という人物は何者なのか? パリの場末のモンマルトルを舞台にタフなメグレは奔走する。メグレもの屈指の名編。

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  • モーパッサン怪奇傑作集
    5.0
    目に見えるものをリアルに描き、その奥にある「目には見えないもの」を想像させる薄気味のわるい物語11編。超自然現象、異常な幻覚、狂気錯乱など、作者自身の実体験をへて生み出された「怖い話」の集成。
  • 野性の叫び
    -
    「バック」は安定した飼い犬の境遇から一転して、橇(そり)引き犬としての過酷な生涯を背負わされる。つぎつぎに代わる主人たち、仲間の犬たちとの対決と交流と友情が、北米の凍てつく大地を舞台に展開する。そうしたなかでいつしか、「バック」は深い森の奥から聞こえてくる野性の呼び声を耳にする。放浪と苦難のうちに作家生活をすごしたアメリカの作家ジャック・ロンドンの「ユーコン物語」の代表作であり、動物文学の傑作。

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  • 八ケ嶽の魔神
    -
    1巻660円 (税込)
    「……私は故郷は信州諏訪です。そこから八ケ嶽がよく見えます。……八ケ嶽と反対の方角に、一連の山脈がございます。……可愛らしい山脈ですが、これを越すと伊那へ行かれます。この二連山に囲まれてみるのが所謂諏訪の平であり、そこにあるのが諏訪湖です。で此三ツを材料にして、作為を構へたのが『八ケ嶽の魔神』で、勿論全然空想の作で、史実など毫もありません」作者はこう語る。1924~26年(大正13~15)に「文芸倶楽部」に発表されたこの作品は発表時、「平安朝時代より明治大正に及ぶ怪奇伝」とうたわれた通り、八ケ嶽の窩人族と諏訪湖の水狐族との、長大な「確執・怨念・復讐」の物語である。

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  • 屋根裏の散歩者
    -
    世の中の全てのものに興味をもてない郷田三郎は、たまたま明智小五郎と知りあったことから、「犯罪」に興味を抱くようになった。彼が見つけた密かな楽しみは、下宿の屋根裏を歩きまわり、他人の生態をのぞきみることだった。そしてある日、郷田は屋根裏でふと完全犯罪を思いつく…明智小五郎が初登場して見事な腕を披露するこの「屋根裏の散歩者」ほか、「火星の運河」「白昼夢」「踊る一寸法師」「夢遊病者の死」「赤い部屋」の6編を収めた。
  • 矢の家
    -
    ハーロウ夫人の莫大な遺産を相続した養女は義弟に脅迫される。それが失敗に終わると義弟は夫人殺害のかどで養女を告発した……養女は弁護士事務所に救いをもとめ、アノー探偵の登場となる。はるかにモンブランをのぞむ風光明媚なブルゴーニュのディジョンを舞台に、犯人と探偵とがくりひろげる壮絶な心理戦。第一級の古典的名作。

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  • 病は気から
    3.0
    医者や薬剤師によって「自分は病気だと思いこまされている男」アルガンが主人公。若い後妻は財産目当てで、夫のすみやかな死を待っている。医者への痛烈な風刺をたっぷりと盛り込み、陽気な歌と踊りでふんだんに味付けした喜劇。国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は記録的で、見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居との評価が定まった傑作。
  • 大和路・信濃路
    -
    1巻330円 (税込)
    古典的な美へのあこがれと、近代的な感覚を研ぎすまして、「大和路」を歩いた際の小品集・随想集と、同じく旅の記録「信濃路」をまとめて1巻とした。堀辰雄の資質を知るための鍵となる作品。

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  • 闇からの声
    -
    引退した名刑事リングローズは、彼に恩義を感じている知り合いのホテルの主人に招かれて、イギリスの田舎のホテルに滞在することになった。その第一夜のことである。闇をつんざく幼児の恐怖にかられた悲鳴が聞えたのは。だが、同宿の老婦人によれば、その子は以前に亡くなって、いまはいないはずだという……その背後には、恐るべき罠が忍びよっていた。悪の天才との息詰まる闘争を中心のすえたフィルポッツの代表作。
  • 闇の奥
    5.0
    作者は船員時代にコンゴ川流域に出かけたが、そのときの経験が元になって書かれた作品。「闇の奥」とはアフリカ奥地の闇をさすが、同時に人の心の闇、文明の闇をも象徴していると思われる。コンラッドの代表作。

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  • 闇のオディッセー
    -
    ジャン・シャボは、金持ちを上得意とする産科クリニック医師で、パリ大学の教授でもあった。揺るぎない社会的地位と潤沢な経済基盤を持ち、自信に満ちた人生を送ってきたが、家中をめぐる人間関係に失敗し、医療過誤におびえてもいた。それを癒やしてくれた唯一の若い女「熊のぬいぐるみ」が自殺したとき、そして匿名の男からの脅迫にさらされたとき、彼は拳銃をポケットに一切の決着をつけるべく夜の町へと出かけていった。シムノンのサスペンスが冴える。
  • 誘拐されて
    -
    若者デーヴィッド・バルファは遺産相続の権利をもちながら、欲深な伯父の陰謀によって「誘拐され」、アメリカ植民地へ奴隷として売られそうになる。だが船は難破、たまたま知り合ったジャコバイト党員のアランとスコットランドの荒野をさまよう。そこは内乱の影を宿す危険極まりない場所だった。スコットランド出身の作家が描く「宝島」とならぶ冒険物の代表作。

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  • 郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす
    -
    町から町へと放浪の暮らしを送るフランクは、ほとんど金もない状態でカリフォルニアの街道筋の安レストランにたどり着く。気のいいギリシア人店主はフランクを雇いたいともちかけ、フランクはそれに同意する。だが、フランクの目は店主のセクシーな女房を見逃しはしなかった。二人はほどなく共謀して店主殺害を企てる……アメリカン・ハードボイルドの代表傑作。

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  • 幽霊の死
    -
    死後の忘却を憂慮した画家ラフカディオは12点の作品を未発表のまま残し、死後10年を経過した時から毎年1点ずつを公開するという遺志を残した。社交界の人々が集まるレセプション当日、殺人事件が起き、遺族の友人でもある探偵アルバート・キャンピオンが犯人究明に乗り出す。画家、批評家、画廊などをめぐる美術界の実状が詳しく描かれ、それだけでもおもしろく読める。アリンガムはセイヤーズ、クリスティとともに、イギリスの三大女流推理作家の一人に数えられる本格派の代表格である。
  • 誘惑
    -
    「読ませる小説」の技術と良心をもち、人間の魂を描きつづけたイギリス文学の巨匠の短編集。「昼食」「蟻とコオロギ」「約束」「ルイーズ」「物知りさん」「察しの悪い女」の6短編と、モームの短編のなかでは最も長いものの一つ「誘惑」を収めた。
  • 雪の中の三人男
    -
    懸賞に当たった大金持ちのトーブラー氏と貧乏人のフリッツ。トーブラー氏は貧乏人に変装してホテルに宿泊、トーブラー氏と間違えられたフリッツ青年は事態にとまどいながら特別待遇を受け、トーブラー氏の下男は航路持ちの富豪を演じさせられる。これにホテルの従業員やくせのあるお客が絡んで巻き起こす大騒動。三人の男たちは嬉々として雪ダルマ「カシミア」を作るが…ユーモアと皮肉が渾然となって躍動する傑作。「消え失せた密画」「一杯の珈琲から」とならぶケストナーのユーモア三部作。
  • 夢十夜
    -
    1巻330円 (税込)
    「大阪朝日新聞」の依頼を受けて書かれた小品集。「こんな夢を見た…」で始まる十のファンタジックな夢を語る「夢十夜」、小鳥の死を淡々と描いて名作といわれる「文鳥」、日常雑記といってよいエッセイ「永日小品」の3編からなる。

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  • 夜明け前(巻一)
    -
    1~4巻550円 (税込)
    「夜明け前」は何度読んでもぼくを感動させる。陶酔はますます深まり、ぼくの月並みな思念は千々にみだれ、目前の言葉と言葉の合間に、意味しえぬ意味がひろやかに、しかも幾重にも層をなして透けてくるように思える。陶酔から醒めたときに、ぼくははるかなる彼方をかえりみるように、あるいは遠い昔のことを思いだすようにして、この小説がぼくに経験させてくれたものの意味を考えようとする。ぼくが想いみたものは、あるときは、ありとあらゆるものを食い尽してゆく時間についての作者の毅然たる形而上学であり、あるときは主人公青山半蔵の悲槍な劇的生涯であり、またあるときは、ぼくたちの祖国が、黒船の到来とともにヨーロッパから押し寄せてきた近代の巨大な波濤に、身をさらしながら切り拓いてきたぼくたち自身の近代の困難さであった。……篠田一士。

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  • 洋上都市
    -
    「洋上都市」はヴェルヌならではのエンターテイメント中編だ。19世紀後半、大西洋を横断してアメリカへ向かう屈指の巨船「グレート・イースタン号」を舞台に(ヴェルヌ自身もその航海を経験した)、若い男女や、さまざまな人間を配して、そこに巻き起こるドラマを活写する。最後はナイアガラ瀑布を眼前にクライマックスを迎える。他に「老時計士ザカリウス」ほか好評を得たヴェルヌの初期の短編3作を収録した。
  • 良き兵士シュベイク(上)
    -
    1~2巻880円 (税込)
    プラハで怪しげな犬の売買をして暮らしていたシュベイクは、オーストリア軍に召集されて前線に送られる。以前に兵役に服したときは「愚鈍」とレッテルをはられて除隊になったのだが、シュベイクははたして「愚鈍」なのか、それとも「知恵者」なのか。だが、シュベイクは上官の命令を忠実に実行することで、軍に多大な損害をあたえる。軍律の盲点をつく天才だったのだ。この長編は、第一次世界大戦時に被支配状態にあったチェコ人の一下級兵士がおこなった珍無類の抵抗と冒険をコミカルにえがき、諷刺・ユーモア文学の世界的傑作として名高い。シュベイクが常連だったことになっているプラハのレストラン兼酒場「ウ・カリハ(さかずき屋)」は、今も観光名所として知られる。

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  • 四畳半襖の下張り
    5.0
    永井荷風作といわれる和製ポルノの代表作。作家丸谷才一氏らが弁護側に立って「猥褻かどうか」が法廷で争われたことも有名。

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  • 四つの署名
    -
    ある日ホームズのもとに美しい婦人が訪れる。インドに勤務していた彼女の父が消息を絶って十年になるのだが、ここ数年、高価な真珠が送られてくるという。ホームズたちが真珠の送り主を捜しあてたとき、巨万の富をもつその男は顔と手足を異様に歪ませた他殺体となって発見された。かたわらには「四つの署名」と走り書きされた紙切れが……インド王家の秘宝をめぐって繰り広げられる大活劇! ホームズもの2作目にあたる代表長編。

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  • 四人の巨匠
    -
    二十歳前後ですでに詩人、翻訳家、劇作家として認められ、短篇小説でも成功したツヴァイクは、バルザック、ディケンズ、ドストエフスキーという三大小説家を対象としたユニークな評伝を発表した。それが本書収録の三編であるが、これに追加して第四編として、最晩年に書かれた「モンテーニュ」を含めてタイトルを「四人の巨匠」とした。モンテーニュの生きた時代と、彼の境遇、性格、考え方に多くの共通点を見出したツヴァイクは、彼を「自由なる人間」の友であると考え、この評伝を書き上げてまもなく自ら生命を絶った。
  • 夜歩く
    5.0
    カーの処女作。「私にとって単調で退屈ということは許されざる罪悪」というカーは、本書に対する自信のほどをのぞかせて、こう言う。「神経質な読者に悪夢をもたらし、パズルの玄人(くろうと)に頭痛をおこさせれば、私は満足だ」本書『夜歩く』は成功を収め、カーは職業作家として立つ。彼は別の機会に書いた。「私の野心は今もなお真に傑出した推理小説を書くことであるが、いまだに達成したとは正直、思わない。作家がこう述べるとき、その本音はほかのすべての推理小説がつまらないものに見えるような傑作をものしたいということである。無論、それは不可能だ。しかし、いつまでも試みつづけることはできる」
  • 夜の樹
    -
    「夜の樹」は、1949年に出版されたカポーティの唯一の短編集で、「夢を売る女」「誕生日の子供たち」「最後の扉を閉めよう」「銀の酒壜」「ミリアム」「無頭の鷹」「私の言い分」「夜の樹」の8編からなる。多くは人間の深奥にひそむ欲望や夢をシュールに描いた作品であるが、「誕生日の子供たち」のような幼年期への郷愁から生れた自伝的色彩濃厚な心優しい作品も含まれている。

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  • 夜はやさし
    -
    スイスの診療所に入院していたアメリカの富豪の娘ニコルは、若いアメリカ人の医師ディックを恋し、やがて二人は結婚する。だが、ニコルには暗い過去があり、精神を病んでいた。ディックも夫と付添医師という二重の役目を負わされる。二人の子にも恵まれた平穏の暮らしのなかへ、ハリウッドの新進スター、18歳のローズマリーがあらわれ、ディックはその誘惑に抗しきれなくなる。深酒にふける彼のモラルの崩壊はこのときから始まる。だが、夫の愛情が冷めてゆくにつれて、ニコルは精神の健康をとり戻し、以前から秘かに彼女への思慕をつづけてきたトミー・バーバンへ走る。…「ジャズ時代」の申し子であった作者の野心作であり、すぐれたドキュメンタリーな作品ともいえる。
  • 楽園のこちら側
    -
    この作品は自伝的要素がこく、主人公のアモリーは作者と同じ年で、同じ年にプリンストン大学にはいり、同じ年に参戦したりする。しかし、その恋愛遍歴は作者のそれというより当時の青年のそれをよくうつしたものであった。酒、ペッティングなどの大学生活の描写は、当時としては、初めて、しかも、大胆に行ったもので、お上品な時代に育った親たちを驚倒させた。だが、大学生活を愉しんでいた青年たちには受けて、ベストセラーとなった。フィッツジェラルドは失ったゼルダの愛をとりもどし、「ジャズ時代」を謳歌し、フランスへ渡る。「華麗なるギャツビー」はそこで生まれた。
  • ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
    -
    1巻330円 (税込)
    本書は16世紀半ばにスペインで書かれ、当時大人気を博すとともに、その後のピカレスク小説の模範とされた。貧しい主人公ラーサロ少年は7人の俗人・聖人につぎつぎに仕えるが、だれひとり偽善の仮面の下に疑わしい品性を隠していない者はなかった。ピカレスク小説の主人公は、社会の下層にうごめき、あちこちと放浪に近い暮らしを送りながら自らの知恵と才覚で(ときに大いに反社会的な手まで使って)生きのびようと努力する人物である。

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  • 羅生門・鼻
    -
    1巻275円 (税込)
    処女作「老年」にはじまり、今昔物語に想をえた「羅生門」「鼻」「芋粥(いもがゆ)」などのほか、「手巾(ハンケチ)」「煙草(たばこ)と悪魔」「煙管(きせる)」「運」「忠義」の9編を収録した短編第一集。

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  • ラシーヌ名作集
    -
    ラシーヌは17世紀後半のフランス古典悲劇を代表する作家だ。彼は幼くして孤児となり、修道院で教育を受けた。はじめモリエールの庇護を受け、劇作家としての道を歩み出した。「アンドロマック」は愛の情念をうたうラシーヌ悲劇の出現である。「ベレニス」はローマ皇帝とパレスチナ女王の別離という最小単位の素材から、悲劇を成立させる実験であり、表現の優雅さがうかがえる。「イフィジェニー」と「フェードル」はギリシア古代劇と対比されるラシーヌ劇の最高峰である。
  • ラジオナメンティ
    -
    ナンナは十六になった娘の身の振り方を決めてやるのに迷い、友達のアントニアに相談する。「修道女にするのがいいか」「さっさと結婚させるのがいいか」「娼婦にするのがいいか」というのだ。それというのも、ナンナ自身、この三つの暮らしをすべて経験してきたからで…ルネサンス期ローマの町のけた外れの淫乱ぶりを暴露するポルノの元祖。

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  • 螺旋階段
    -
    亡き兄の二人の遺児をひきとって育て上げ、肩の荷をおろしたレイチェルは、郊外の別荘でひと夏を過ごすことにする。だが、静かな田舎に安らぎを求めた彼女を待っていたのは恐ろしい事件の連鎖であった。到着早々、不気味な物音や奇怪な人影に心を騒がされ、子供達の到着にほっとしたのも束の間、別荘の持ち主の息子が螺旋階段の下に射殺体で発見される!
  • ラバー・バンド
    -
    沿海物産会社の社長が、社で起こった三万ドル盗難事件の調査を依頼にきた――同社の事務員クララがこの件で疑われているから、彼女の無実を明らかにしてもらいたいという……。ついで今度は当のクララが奇妙な依頼をもってきた。それは、戦死した父がまだ若かった頃、ネヴァダ州の鉱山町で首吊りにされそうになったイギリス貴族を助け出したことがあり、その男が他日、財産を相続したらその半分を謝礼すると約束してあったので、それを取り立ててもらいたいという。ウルフは彼女の話に興味を感じ、たった一ドルでその依頼を引き受けた…
  • ランベスのライザ
    -
    ロンドンの貧民窟ランベス街。母親を養い工場で汗を流すライザは、明るく魅力的な町一番の人気娘だ。真面目でおとなしい青年トムは彼女に熱を上げるが、どうした運命のいたずらか、ライザがひと目ぼれした相手は、妻子ある中年男のジムだった。美しい悲恋を描いて好評を博したモームの処女作。モームが自身の全作品の出発点と位置づけ、みずからの作品選集の冒頭に選んだ作品でもある。出版は一八九七年、彼は23歳の医学生だった。本訳書では選集に付加された「はしがき」を冒頭に掲載、作家としての覚悟をうかがうこともできる。
  • ランボー詩集
    -
    描きようのないものを描き、刹那に永遠の輝きをあたえた早熟な天才少年の詩の全貌を示す訳詩集。「第一詩集」「イリュミナシオン 」「拾遺」「解説」「年譜」からなり、ランボーの韻文詩のほとんどを収めている。長年、これらに親しんだ詩人金子光晴の苦心の訳でおくる。

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  • ランボーの手紙
    -
    「地獄の季節」破棄説の真相、アラビアヘの逃亡、ブリュッセル事件の前夜など、その時々に書かれた手紙は、ランボーの文学思想と人となりを垣間見るまたとない資料を提供している。

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  • ラーオ博士のサーカス
    -
    アメリカはアリゾナ州の片田舎にやってきたラーオ博士の大サーカス。そこでは、蛇の髪のメデューサ、火を吹くキマイラ、両性具有のスフィンクスなどなど、神話上でしか知られていない怪物たちをひとつひとつの特設テントで目にすることができるというので大賑わい。すべては博士の頭の中で作り出された出し物。魔女たちの饗宴あり、奇妙で少しわいせつな要素を盛り込んだものあり、しかも入場料はたった10セント。作者フィニーは寡作な作家だが、1935年本書は「今年もっとも独創的な小説」と評され、全米書籍業協会賞を受賞した。
  • ラーマーヤナ(上)
    -
    古代インドのサンスクリット語による大叙事詩。詩聖ヴァールミーキの作と伝えられる。ガンジス川の中流に位置するコーサラ国の首都アヨーディヤーを統治するダシャラタ王は3人の妃によって4人の王子を得た。長男のラーマは魔類を滅ぼすためにヴィシュヌ神が人間に化身したものであった。王は長男ラーマに王位を譲ろうとしたが、継母のカイケーイーは、自分の産んだバラタを王位につけ、ラーマを14年間追放するよう王に迫る。ラーマはそれを知ると、自ら森に入った。妻のシーターと弟のラクシュマナも彼に従った。王が亡くなると、バラタはラーマを連れ戻しに行くが、拒絶されたので、ラーマのサンダルを玉座に置いて、王国を守りつつラーマの帰国を待った。ラーマはダンダカの森において有害な羅刹(らせつ)を退治したので、羅刹の王ラーヴァナは彼を憎み、かつシーターの美貌に魅了され、彼女を略奪して、自分の王宮に幽閉した。ラーマはラクシュマナと共にシーターを救出しに出かける。この救出劇の詳細がラーマーヤナの主筋である。途中、ラーマは猿王スグリーヴァの窮地を救ったので、神猿ハヌーマンをはじめとする猿軍の支援を得て、ラーヴァナの王宮がランカー島にあることをつきとめる。ラーマは猿軍とともにランカーに渡り、激戦につぐ激戦のすえ、ついにラーヴァナとその配下の悪魔たちを殺し、シーターを救出する。1年間ラーヴァナの王宮に幽閉されていたシーターは、身の貞潔を証明するために火神を念じながら火の中に入り、火神はシーターを抱きあげてその身の潔白を証言し、ラーマに手わたす。ラーマは彼女を伴ってアヨーディヤー市に凱旋し、王位についた。「ラーマーヤナ」はヒンドゥー教の聖典とされて後代の文学と思想に多大な影響を与え、インド国外でも、ジャワ、マレー、ミャンマー、タイなどの文化に強い影響を及ぼし、中央アジアから中国や日本にも説話として伝えられた。表紙絵はタイ、バンコクの「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」にある大壁画の一部である。
  • リア王
    -
    老いを迎えたリアは三人の娘の「孝行の約束」の言葉によって、領地と権力の移譲をおこなおうとする。上の二人の娘は言葉をつくして父親への愛情を語る。だが、一番下の最愛の娘コーディリアは「親子の定めにしたがって愛します。それ以下でも以上でもありません」と謙虚に述べたことが高慢と受け取られ、領地もわけてもらえず、さびしくフランスへ去る。リアは上の二人の娘に面倒をみてもらうが、しだいに冷たくあしらわれ、ついには荒野をさまようようになる。シェイクスピア四大悲劇中でも最も激越・悲壮な悲劇中の悲劇。

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  • リチャード3世
    -
    醜く生まれついたリチャードは、自分を呪い、世の中を呪い、あらゆる権謀術数を弄して、野心と復讐心にもえてつぎつぎと悪事を重ねる。妻を殺し、友を殺し、部下を殺し、幼い皇太子兄弟を殺し、国王にまでのぼりつめる。だがリチャードはつねに孤独である。彼のそばに現われては呪いの言葉を投げかける故ヘンリー六世王妃マーガレット、彼に肉親を殺され嘆きと悲しみのなかに沈む人びとの呪詛。近代的悪人像を描くシェイクスピア史劇の傑作。

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  • 陸橋殺人事件
    -
    イングランドの田舎の鉄道陸橋下で、判別ができないほど顔のつぶれた男の死体が発見される。発見者は陸橋近くのゴルフ場でプレイ中の4人組だった。自殺か他殺か、それとも単なる事故なのか? 警察の調べのすすむなか、推理小説ファンの4人はそれぞれ独自の見解を披露していく。
  • リトル・ドリット(上)
    -
    リトル・ドリットは、大人になっても小柄でか細い。しかも債務者監獄生まれ。ドリット一家は20年以上も壁の中で暮らしているが、彼女は体面だけは捨てない父ウィリアムを世話する日々を送っている。一方、中国での事業を畳んで帰国したアーサー・クレナムは陰気な生家を訪ね、そこにお針子として通うリトル・ドリッドを見かけ、その身の上を知るようになる。だが彼女の父親には疑問がわき、知り合いに、その借金について調べる事を依頼する。ロンドンの社交界には一大勢力がはびこっていた。その中心は官界・政界に巣喰うバーナクル一族、財界の巨頭マードルだ。踊り子として舞台に立っていたドリット家の長女ファニーはマードル家の息子に見初められる。クレナムは、発明家ダニエル・ドイスの共同事業に活路を見い出す。そんななか、リトル・ドリットには、驚くべき知らせがやってきて、一家は監獄から解放される。
  • 猟人日記(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    狩猟家(猟人)の日記というスタイルを借りて、ロシアの美しい自然と、その中に営まれる人びとの苦衷にみちたさまざまな生活を、25編の物語としてリリシズム豊かに描いたツルゲーネフのデビュー作であり、生涯の代表作。

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  • リラの森
    -
    フランスのセギュール夫人(1799~1874)がカラレ家の自分の孫たちのために書いた童話集「新仙女物語」から、5編を選んで訳した選集。夫人は宮廷文学の伝統をひく子どもの文学をつくった人として知られ、その童話は今日でも出版されつづけ、依然として根強い人気を保っている。夫人はロシアの将軍の娘で、一家はのちフランスに移り住み、彼女はフランスの名門貴族と結婚して、セギュール伯爵夫人となった。

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  • 李陵―中島敦名作集
    -
    1巻440円 (税込)
    漢学者を祖父にもち、漢学の教養と広い読書に支えられた知性と感性を身に付けた中島敦は、前人未到の高い芸術性をもった作品群を残して夭折した。ここには「李陵」「弟子」「名人伝」「山月記」「文字禍」「悟浄出世」「悟浄歎異」「牛人」「光と風と夢」の代表作9編をおさめた。

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  • リルケ詩集
    -
    「親愛なるリルケよ、私が彼のなかに見、そして愛したのは、この世の最も繊細で、最も精神にみちあふれた人、あらゆる精神の神秘に最も多く見舞われていた人であった」これはポール・ヴァレリーの哀悼の辞である。透徹する孤独のなかに安らぎをもとめたゲルマン的、スカンディナビア的な詩魂の精華。

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  • 林檎の木・小春日和
    -
    銀婚式の日、妻と連れ立って車でムア(荒野)にむかったアシャーストは、見晴らしのよい丘の上で昼食をとろうとする。スケッチをやめてもどる妻を待つあいだ、アシャーストは、そこの景色に見覚えのあることに気づく。そして痛みのともなうある過去の出来事がよみがえる〔林檎の木〕。田舎の屋敷で孫と静かな暮らしを送る老ジョリオンのまえに、美しい女があらわれる。それは今はない恋人の思い出を求めてやってきたアイリーンだった。ジョリオンは彼女にあうことに唯一の慰安と幸福を感じるようになる〔小春日和〕…イギリス的な田園詩二編。

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  • 輪廻の蛇
    -
    第二次世界大戦前後の時期のアメリカを、色濃く反映した短編集。主人公たちの生き生きとした行動や、彼らがうごきまわる世の中の的確な描写はハインラインならでは。本書に収めたのは、既刊の『失われた遺産』『魔法株式会社』に続く「未来史」シリーズ以外の短編集だ。1929年、アナポリスの海軍兵学校を卒業後航空母艦勤務をしたハインラインは、体をこわして退役、以後、「生命線」でSF作家としてデビューするまで、UCLAの理数系大学院に学び、さまざまな職種を転々とする。「象を売る男」の元セールスマン、「わが美しき町」の腐敗政治家とたたかう地方新聞の記者、「歪んだ家」の建築家などの描写に、その体験が生かされている。
  • ルコック探偵(上)
    -
    シュパン女将《おかみ》の居酒屋から、恐ろしい悲鳴とともに3発の銃声がひびき渡った。不思議な殺人事件の発端だった。パリ警視庁の若手刑事ルコックが捜査に乗り出す。そして浮かび上がったのは、ナポレオン時代にさかのぼる、貴族たちの血塗られた歴史だった……史上初めての長編ミステリーとされるガボリオの傑作。江戸川乱歩はこの作が大のお気に入りで、少年向きにした「ルコック探偵」を書いている。

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  • ルバイヤート
    -
    12世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの、とくに「酒呑みをたたえた」作品として有名な詩集。1859年、英国の詩人フィッツジェラルドによって英訳されて非常に有名になったが、この日本語訳は、第二次大戦以後の研究の進展にともなってまとめられた、より信頼のおける詩集にもとづいている。

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  • ルパン対ホームズ
    -
    シャーロック・ホームズが依頼を受けて、はるばるロンドンからパリに乗り込んでくる。第一話では謎のブロンド女が絡む青いダイヤの盗難事件を解決するために、第二話ではユダヤのランプを取り戻すために。待ち受けるのは女性の味方、ダンディなルパンだ。虚々実々の両雄の対決はどちらに軍配があがるのか。軽快なテンポで一気に読ませる好エンタテイメント。

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  • ルパンの告白
    -
    夫の罠に落ち込んだ美しい伯爵夫人を救う「結婚指輪」、謎解きを見せ場に約束の時間まぎわにさっそうとオートバイで姿をあらわす「影の合図」など、カッコよさ満点の9編からなるルパンもの短編集。ガニマール警部との追いつ追われつが、またなんとも楽しい。

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  • レスター・リースの冒険
    -
    弁護士ぺリー・メイスンで有名なガードナーの生み出した怪盗レスター・リースを主人公とする短編集。下男スカットルが用意した新聞の切り抜きを見て、リースは犯罪の真相を見破る。ただし、警官でもなく、「犯罪をなくすためには犯人を逮捕処罰するよりは、盗品を掠奪してやるのが一番よい」と考えているので、下男に注文しておいた何に使うかも分からないような品々を使って盗品を奪い取る。そして抜け目なく2割くらいの手数料をいただいて、残りは慈善事業に寄付する。上質のB級エンターテイメント6編を収録。
  • 列車の死
    -
    第二次大戦中、ドイツ軍の猛攻にさらされていた英国政府は、急遽、極秘の物資輸送を決定した。だが、その輸送列車のちょっとした故障のために、先行した旅客列車が轟音と共に転覆した! 破壊工作の跡が発見され、計画の漏洩に気づいた政府は、ロンドン警視庁に捜査を命じ、フレンチ警部はスパイ組織壊滅の密命を受けた。突破口を開くべくフレンチは一計を案じた…

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  • レ・ミゼラブル(上)
    -
    日雇い労働者ジャン・ヴァルジャンは、貧しさのどん底で、ある日一片のパンを盗もうとして捕えられ、重刑を科せられる。彼は不当な刑に怒りをおぼえ2回も脱獄を企てたため19年も刑に服すことになった。ようやく釈放された彼は片田舎の町ディーニュに現われたが、宿屋は前科者と知ると泊めてもくれない。あてどなくさまよった彼は、アルプスのふもとにあるミリエル老司教の家にたどりつく。司教は、暖い部屋に招き入れ銀の食器でもてなしてくれた。だが、恩を仇で返すように、彼は司教館の銀の食器を盗んで逃げる。すぐにつかまり、彼は司教館に連れもどされたが、「それはわたしがこの人にあげたのです」と司教は言う。ジャン・ヴァルジャンは奇跡を目にしたような衝撃をうけ、寒風の吹きすさぶ野を泣きながら駆け去る……ジャン・ヴァルジャンの改心と苦闘の人生がはじまる。この主人公をめぐって、売春婦ファンテーヌ、その子コゼット、その恋人マリユスらの人生がからみあい、おりからの激動する時代とともに数多くの人々が嵐のように渦巻き過ぎる。ユゴーの世界観を集大成した代表作。

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  • 檸檬 梶井基次郎傑作集
    -
    1巻330円 (税込)
    病魔と闘いながら、鋭敏な感受性を駆使してすくい取られた小品の数々。梶井基次郎の作品は日本近代文学史上に異彩をはなっている。ここには、「檸檬」「城のある町にて」「泥濘(でいねい)」「路上」ほか、15編の代表作を収めた。

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  • 連合艦隊の最後
    -
    1巻1,100円 (税込)
    連合艦隊はお葬式を出していない。一個人の死が新聞の記事になり、本願寺や青山斎場の行列を見ることを思えば、410隻が沈み、2万6000機が墜ち、40万90000人が┏斃┳たお┓れた「連合艦隊の死」を、お葬式なしに忘れ去るということは、余りにも健忘症であり、かつ不公平でもあろう。私は、その国防史の一つのブランクを埋める役目を買って出たようなものだ。…敗戦後10年に著者はこう書き、本書は巷間に好意をもって迎えられ、当時のベストセラーとなった。いま改めて、この古典を世に問う。

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  • 老人と海
    5.0
    舞台はキューバの港町とメキシコ湾流の広大な海、84日間も魚を釣り上げることができなかったサンチャゴ老人は、いままた使い慣れた舟の帆を張り、ひとり外海へと出かけてゆく。目指すは《まかじき》だ。…ついに大物がかかる、二日にわたる死闘のあと、老人はとうとう「わしの大きな魚」を引き寄せ、その姿を目にする。ヘミングウェイの代表作。

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  • 蝋人形館の殺人
    -
    オーギュスト陳列館には数々の蝋人形たちが並び、薄暗い照明の中で異様な雰囲気をかもし出していた。ギロチンの下でのけぞるルイ16世、臨終のナポレオン……中でも傑作中の傑作『人殺しのルシャール夫人』の出来栄えは見事だった。その蝋人形がある娘の後を追って暗い階段を降りてゆき、そのあと、その娘が、屍体となってセーヌ河に浮かぶという事件がおきる!

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