小説 - 光文社作品一覧

  • ジャーロ No. 67
    -
    1巻550円 (税込)
    ●新連載!:東川篤哉「烏賊川市シリーズ」待望の長編 ●好評連作&連載:青柳碧人、芦辺 拓、大崎 梢、恩田 陸、笠井 潔、近藤史恵、坂木 司、鳥飼否宇、前川 裕、イクタケマコト ●スペシャル・ゲスト:阿津川辰海、大山誠一郎、柄刀 一 ●第22回日本ミステリー文学大賞受賞記念インタビュー【大賞】綾辻行人、【特別賞】権田萬治、【新人賞】辻 寛之 ●第19回「本格ミステリ大賞」候補作決定!
  • 編集者ぶたぶた
    3.8
    小説家の礼一郎は、依頼をくれた編集者と初めて会う約束をした。待ち合わせの喫茶店に現れたのは、どう見ても小さなピンクの、ぶたのぬいぐるみ。これは夢だ、と思った礼一郎は、おもしろがって、ぬいぐるみに新作の構想を話し始めるが……(「長い夢」)。編集者・山崎ぶたぶたは、本や雑誌を作りながら、出会う人々にも、元気をくれるんだって。大ヒットシリーズ!
  • チャット隠れ鬼
    3.0
    中学教師・祭戸(さいと)は、学院長からサイバー・エンジェルの仕事を命じられた。子供たちを守るため、ネット犯罪を監視せよというのだ。嫌々引き受けた祭戸だが、チャットの面白さにどっぷり嵌(はま)ってゆく。そこで出会った一人が危険な小児性愛者で、少女たちを狙っていることに気づく! 近くで起こった小学生失踪事件との関わりは? 祭戸のスリリングな犯人捜しが始まる。
  • ジャーロ No. 66
    -
    1巻550円 (税込)
    ●コージーミステリーの名手による新連載!:大崎 梢、近藤史恵 ●〈冬の小説特集〉長き雪夜はミステリー:芦辺 拓、大山誠一郎、坂木 司、澤村伊智、曽根圭介、鳥飼否宇、西澤保彦、前川 裕 ●絶好調!連載陣:青柳碧人、笠井 潔、早坂 吝
  • 悪魔はここに~星影龍三シリーズ~
    3.8
    戦時、満洲で莫大な資産を築いた牧良介。いまは山奥で隠居生活を送る彼の還暦祝いに、親族や客人は集まっていた。遺産相続が話題に上るなか、当の主が何者かに殺された! 殺人は続き、なぜか、どの現場にも逆向きにされた物が……。さらに、折からの強い台風で山荘は密室状態に。不可解事件に名探偵・星影龍三の登場! 鋭い「論理」で真相に迫る、大好評シリーズ第3弾!
  • 森のシェフぶたぶた
    3.8
    森の中に建つ人気のオーベルジュ(=泊まって食事を楽しむレストラン)、ル・ミステール。そこには、泊まった人にしかわからない「謎」があるらしい。ちょっと変わった名前のシェフが、四季の美味しい料理で出迎えてくれるというけれど……? 中身は心優しい中年男性、外見はぶたのぬいぐるみ。山崎ぶたぶたが大活躍。読めば元気になれる、大ヒット・ファンタジー!
  • ジャーロ No. 65
    -
    1巻550円 (税込)
    ●〈秋の小説特集〉紅葉踏みわけミステリー:芦辺 拓、坂木 司、曽根圭介、鳥飼否宇、西澤保彦、前川 裕 ●絶好調!連載陣:青柳碧人、笠井 潔、早坂 吝、森川智喜 ●特集・山口雅也〈キッド・ピストルズ〉シリーズ、改訂決定版で復活! ●第18回「本格ミステリ大賞」受賞記念トークショー ●映像ミステリのベスト10を語る
  • 花実(かじつ)のない森~松本清張プレミアム・ミステリー~
    3.8
    1巻550円 (税込)
    会社員の青年・梅木隆介はある夜、夫婦と名乗るヒッチハイクの男女を車に乗せた。高貴さをも漂わせる美女と粗野な中年男は、まるで不釣り合いなカップルだった。好奇心が燃え上がる梅木は、車に残された万葉の古歌が彫られたペンダントから女の正体を突き止めようとする。だがそれは、甘い死の香りが漂う追跡行だった。謎が謎を呼ぶロマンチック・サスペンスの傑作!
  • ジャーロ No. 64
    -
    1巻550円 (税込)
    ●小説特集・夏の夜に涼を追うミステリー:芦辺 拓、坂木 司、澤村伊智、鳥飼否宇、柄刀 一、前川 裕 ●新連載&スペシャル・ゲスト!:青柳碧人、阿津川辰海、北原真理、森 晶麿 ●好評連作&連載:笠井 潔、我孫子武丸、森川智喜、早坂 吝、イクタケマコト ●第18回「本格ミステリ大賞」受賞作決定&全選評! ●特集・山口雅也『生ける屍の死』が全面改稿により新たに甦る!
  • 「ななつ星」一〇〇五番目の乗客
    3.0
    豪華列車「ななつ星」に病気の母親を乗せるため、賀谷大三郎は悪知恵を働かせてツアーに潜り込んだ。ところが乗車直後、大三郎のもとに一通の脅迫状が届く。今回の悪事を見逃してやる代わりに、ある乗客の手帳を盗み出せというのだが……。さらに、乗車していた次期駐日アメリカ大使の女性が行方不明に。続発する事件の黒幕を追い、十津川警部が九州を走る!
  • 恋する組長
    3.7
    1巻550円 (税込)
    “おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて……。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた! ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作!
  • 四十にして惑わず~サラリーマン「論語」小説~
    3.0
    1巻550円 (税込)
    接待酒のあとは、必ず帰社して、部下に説教を垂れる。叩き上げの営業課長・山中剛の猛烈ぶりは、「酔眼課長」「粘土課長」と呼ばれて、もうすっかり時代遅れになっていた。自信を失い、迷い始めた山中は――。(「四十にして惑わず」) サラリーマン大受難のいまこそ、読むべし! 泣けて笑えて、じんとくる。面白すぎて、ためになる。大共感と大納得のユーモア企業小説!
  • 夜行列車
    3.0
    1巻550円 (税込)
    「樹齢八百年のきんもくせいを見に行く」という絵葉書を最後にOL中瀬恵子は、消息を絶つ。新宿発の最終夜行列車で旅に出たひとり娘の行方を懸命に追う父親の正治。だが、彼も同じきんもくせいの近くで車に轢かれて亡くなる。正治と夜行列車で隣り合わせた医師の北里は、2つの事件の背後に蠢く男女の存在を突き止めた。だが、その女性までが死体で発見される――。
  • 完全犯罪のエチュード
    3.0
    1巻550円 (税込)
    夜の顔を持つ美人作詞家が、新宿のホテルで、薬物による死体となって発見された。浴室の床には、ユリの花弁が敷きつめられ、備えつけの便箋には、遺書を思わせる、美しい詩が――。捜査を進める牛尾、青柳ら、新宿署員が追いつめた意外な、そして哀しい真相!(「敗れる花」) 物語の中に、人間の真実を彫り込む、森村ミステリー・ワールド、珠玉の六編!
  • 叩かれる父
    4.0
    1巻550円 (税込)
    28歳の息子・隆一が、職を転々とした揚げ句に実家に戻ってきた。以来8ヵ月、ひきこもり生活を続けている。母親を階段から蹴落とした隆一に反省をうながすが……。逆上した息子に叩かれ続けても、父親はひたすら耐える。胸中では自らの半生を振り返っていた。(表題作) 義母の介護、熟年離婚、愛人との再会など、さまざまな夫婦の姿を通して、人生の機微を描く。
  • 犯行(やま)
    5.0
    1巻550円 (税込)
    10年前、タクシー運転手の藤森は裏社会の仕事に就いた。暴力団の女に手をつけたのが原因だった。今回の犯行は、中国マフィアの地下銀行に流れる2億円強奪。だが、ガセネタだったのか計画は破綻した。疑惑をもたれた彼の身に、凄絶な私刑の雨が降り注ぐ。謀略の渦に巻き込まれた藤森は、怒り心頭に発し、真の敵を求め果敢に反撃に出るが……。官能と暴力の世界!
  • 新・東京駅殺人事件
    3.0
    修復されて美しく生まれ変わった東京駅と東京ステーションホテル。一人の新人作家がここに滞在し、鉄道ミステリーの構想を練っていた。その部屋から見下ろせるコンコースで、人待ち顔で佇んでいた女性が、深夜に謎の死を遂げた。さらに駅で開かれるコンサート「エキコン」に、爆破するとの脅迫電話が! 十津川警部が、続発する事件の裏にある巨大な陰謀を追う!
  • 踊る手なが猿
    4.0
    1巻550円 (税込)
    新宿西口地下にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。向かいの喫茶店で働く純子は、この猿に結ばれている赤いリボンが、時によって位置を移動するのが気掛かりだった。(「踊る手なが猿」) 都立高の敷地から江戸時代の墓地が? その中の樽形の棺に男女2体の人骨と、密封された小壺が入っていた。(「暗闇団子」) サスペンス&トリック傑作集。
  • 毒を売る女
    3.6
    1巻550円 (税込)
    夫に性病をうつされ、それが不治の病と知ったとき、若妻は狂った! 大道時靖子は、秘密を打ち明けていた友人とその家族に対して、次々と鬼気迫る接触をはじめ……。(「毒を売る女」)“糸ノコとジグザグ”という風変わりな名のカフェ・バー。だが、店名の由来には、戦慄すべき秘密が……!?(「糸ノコとジグザグ」) 本格推理の旗手が精選した、サスペンス&トリックの自信作。
  • 招待状~赤川次郎ショートショート王国~
    4.3
    1巻550円 (税込)
    ファンクラブ会誌「三毛猫ホームズの事件簿」で、毎号書下ろされているショートショート。「封印された贈り物」「幽霊の忘れ物」「シンデレラの誤算」「テレビの中の恋人」。会員から募集したタイトルを元に、創作された27の物語。ミステリーはもちろん、サスペンス、ファンタジー、ラブストーリー……。赤川ワールドの魅力が、ぎゅぎゅっと詰まった一冊。
  • 女の絶望
    4.3
    1巻550円 (税込)
    「夫と話すことがありません」「赤ん坊と二人ッきりでいると息がつまりそう」「パート先で好きになった15歳下の男性が遠くに転勤して寂しい」次々と寄せられる読者からの身の上相談に答えるのは50代前半の詩人兼回答者・伊藤しろみ。不倫、セックス、子離れから、更年期、離婚、親の介護まで、迫力と説得力たっぷりに語りたおす。女の人生の絶望と希望が詰まった一冊!
  • 婚外恋愛に似たもの
    3.9
    1巻550円 (税込)
    容姿も境遇もまったく異なる5人の女性。共通項は人妻、35歳、そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。ステージ上の「恋人」に注ぐのは、歪だけれど、狂おしいほどにひたむきな愛。たとえ手が届かなくとも、たとえ現実が悲惨でも、「彼」さえいれば、人生は美しい――。女の本音を余すことなく描いた“最凶恋愛小説”。
  • 三毛猫ホームズの登山列車 新装版
    4.0
    片山兄妹はヨーロッパを歴訪中。もちろん、ホームズ、石津も一緒だ。スイスの観光地・ユングフラウヨッホの展望台で、日本人女性観光客が氷河へ滑落! 義太郎と石津が決死の救出劇を演じる。その女性・多田靖子は、姉が自殺し、傷心旅行中だった。ところが、靖子は、このヨーロッパで、姉を自殺に追い込んだ男を目撃して……。そこから、次々と事件が!
  • 二歩前を歩く
    3.8
    ある日、僕は前から歩いてくる人に避けられるようになった。まるで目の前の“気配”に急に気がついたかのように、彼らは驚き避けていく……。(表題作)とある企業の研究者「小泉」が同僚たちから相談を持ちかけられ、不可思議な出来事の謎に挑む。超常現象の法則が判明したとき、その奥にある「なぜ?」が解き明かされる! チャレンジ精神溢れる6編のミステリー短編集。
  • 三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソディー) 新装版
    3.5
    ヴァイオリン・コンクールの決勝に残った7人は、東京近郊の別荘に集められ、課題曲にとりくむことになった。脅迫電話、襲撃事件……出場者の一人である桜井マリが何者かに狙われ、片山義太郎が彼女の警護にあたることになった。地震、盗聴、殺人、自殺未遂、放火――コンクール関係者に次々起こる怪事件。華やかな音楽の舞台に潜む「暗部」をホームズが暴く!
  • 雨のなまえ
    3.7
    女は小さな声で、マリモ、と言った――。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが……。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ5編の短編集。
  • オレンジの壺(上)
    3.7
    1~2巻550円 (税込)
    佐和子、25歳――とりたてて不幸なことなど何もない、しかし決して幸福ではない。ある日、亡き祖父から残された日記帳を読んだ佐和子は、重大な秘密を知る。パリへ旅立ち、祖父の本当の姿を探し求める彼女は、いつしか大切な何かを追い求めている。平凡な自分に何ができるのか? 佐和子が見つける答えは――。女性のひたむきな成長を描く宮本文学の傑作!
  • クロスカウンター~金融探偵・七森恵子の事件簿~
    3.3
    1~2巻550~935円 (税込)
    元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっかけにフリーの金融探偵に転身した。新テクノロジー、中国の出版ビジネスなど数々の潜入調査のなかで、次第にひとりの天才詐欺師の存在に気づく恵子。相棒の如月浩二郎とタッグを組み、強大な詐欺に挑む。『T.R.Y.』など時代を映した小説で読者を虜にする作者の新たなる「コンゲーム・ミステリー」。
  • 大蛇伝説殺人事件
    3.0
    島根県松江市のホテルで、画壇の巨匠・月原龍生が失踪。同じころ、出雲大社内で男の肉体の一部が発見される。さらに島根県各地のスサノオを祭る神社から次々と同じ男のバラバラ死体が。鑑識により死体は月原と判明。何故、ヤマタノオロチの如く解体されたのか? スサノオの意味は? 探偵・大道寺綸子は、真相を追う! トリックと神話を見事に融合させた巨編!
  • 三毛猫ホームズの怪談 新装版
    4.0
    片山義太郎が、夜行列車で出逢った女性は白猫の化身!? 晴美との結婚を当て込んで、石津が引っ越した郊外の団地。その近所に、開発から取り残されたような村があり、〈猫屋敷〉と呼ばれる地主の家で惨劇が起こった。飼われていた11匹の猫たちとともに、女主人が殺された。その後、次々起こる殺人は、殺された猫たちの怨念なのか!? スリリングなミステリー。
  • 智頭(ちず)急行のサムライ
    3.0
    宮本武蔵生誕の地にある智頭急行「宮本武蔵駅」。その名誉駅長に、在野の若き天才剣士が任命された。誰の挑戦でも受けると宣言した彼は試合に勝ち続け、ついには全日本大会優勝者に挑戦状を突きつける! 一方、東京・上野で刀剣商が殺害された。犯行は武道家によるものと思われるのだが……。十津川警部は、事件の背後にある武道界の深い闇へと踏み込んでゆく。
  • 痙攣的(けいれんてき)~モンド氏の逆説~
    4.0
    ロックバンド「鉄拳(てっけん)」が神話的存在になったのは、あまりにも衝撃的なデビュー公演のためだった。密室状態のライブハウス。演奏中、メンバー全員が突如姿を消し、ステージ上にはプロデューサーの死体が。メンバーの消失方法と、その後の行方は謎のまま……(「廃墟と青空」)。ロック、現代アート、マッド・サイエンスを舞台に展開される、痙攣的なまでに美しい本格推理!
  • 孤高の狙撃手
    4.0
    「銃はただのメカではなく、主人公の生き方にかかわるものであり、時と場合によっては“生き物”ですらある」。大藪作品の圧倒的にリアルな銃撃描写の背後には、その豊富な銃体験があった! アラスカの荒野で、アフリカのサバンナで、アメリカの海兵隊基地で――日本で最も銃を知り、銃を愛した作家が、世界を股にかけ撃ちまくった全記録! 待望の単行本未収録エッセイ集。
  • 明日になったら~一年四組の窓から~
    3.3
    中学2年から3年に進級した井嶋杏里、市居一真、里館美穂、前畑久邦の仲良し4人組。高校進学を前にして、それぞれの夢に向かって突き進もうとする4人の前に、新たな壁が立ちはだかる。将来への不安、新しい環境への不安に押し潰されそうになりながら、かけがえのない友だちと家族に支えられ悩みながらも成長する15歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 別れの言葉を私から 新装版
    4.3
    「さよなら」なぜ、この言葉をもっと早く言えなかったのだろう。恋や友情、仕事と、日々の中で誰しもがいつか直面する別れのシーン。そんなとき、傷つきながらも、気丈であれる強さを持ちたい。凜と、潔く、美しい別れのための振る舞いを、遠距離恋愛、女友達、仕事など、8つのテーマにちなんだ短編小説とエッセイで描き出す。新たな装いで贈る別れのための書。
  • 国籍抹消捜査官
    -
    犯罪の国際化に備え、警視庁は地方警官を抜擢、国籍を消され自由に世界を駆ける捜査チームを密かに育てた。そのエース格が一文字隆介(いちもんじりゅうすけ)。ときに猛毒パラチオンが日本で生産され、世界の内線地帯にバラまかれているとか。一文字の出番だ。が、毒薬はすでに中央アジアのテロ組織の手に。一文字は現地の刑事とアジトに肉迫!
  • 要塞都市炎上
    -
    若き戦士、五條(ごじょう)友彦に危険な仕事が舞い込んだ。九州宮崎を根城に大躍進する「神州教」が、実は武力革命で日本制圧を狙っているという。この恐るべき指導者は公文剛(くもんごう)。一匹狼の五條と陰謀グループの血みどろな対決で、「神州教」の要塞は遂に落ちる。だが五條の知らないところで、新しい危機が! 活字が劇画を超える俊英の野心作。
  • 死神は地獄へ行け
    -
    五條(ごじょう)友彦、人呼んでウルフ。出羽(でわ)山中で闘技を修め、狼のように駆ける若き戦士だ。超高性能で微小な記憶装置オメガ2000の奪取を図るクレムリン派遣の暗殺集団「死神」と対決。五條に課せられたこの企業秘密の死守が、国の安泰に通じる。相次ぐ死闘、粟(あわ)立つ恐怖、斃(たお)れる恋人……。新進アクション作家の、手に汗を握る野心作!
  • 「活けじめ美女」殺人事件
    -
    活魚料理店で美貌のグルメ評論家が活けじめされ、女拓までとられて発見された! 雑誌で批判した料理人の逆恨みか。活けじめの名人、魚拓とりの達人も容疑者に……。その犯人像を追って酒島警視は博多から指宿温泉、済州島へと飛ぶ。お供の西郷刑事と恋人の由紀は愛する間もなく危険な罠に!! 旅情、歴史、官能、ご馳走を盛り込み、真犯人をさぐる贅沢な推理小説。
  • 秘湯ギャル探偵疾る!
    -
    伊豆の旅館で板前が殺された。容疑者は、「まずい料理の恨(うら)みは必ず晴らす」と喚(わめ)いて去った男女の客。女は津軽三味線を持ち、「次は太宰治の生家・斜陽館に泊まる」と語っていた。重要な手がかりだ。なのに酒島警視はアルツハイマー病、西郷刑事は重い糖尿病。そこで西郷の恋人・由紀が協力、逃亡情報を頼りに青森・秋田・山形の秘湯に潜入し、裸の検証を――。さて、成果は?
  • グルメ殺人事件
    5.0
    〈毎日、御馳走が食べ放題〉という好条件でフランス料理店の娘と結婚した主人公。有頂天になったのも束の間、彼に魔の手が迫ってくる(フォアグラ殺人事件)。そこで酒島警視と人妻探偵・鮎子という楽しい食通(グルメ)コンビが殺人事件に挑戦を――。他に贅沢な素材を香辛料のミステリーで調理した8編を盛り込んだ御馳走連作推理集!(『デリシャス殺人事件』改題)
  • 一年四組の窓から
    3.7
    中学1年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まった――。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する14歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 迫りくる自分
    3.5
    総武線で隣を並走する電車に乗っていた、自分に瓜二つの男。後日その男と再会した俺は、気づけば犯罪者にさせられていた。顔が同じことを利用して周到に仕組まれたらしい冤罪。あいつはいったい誰だ? なぜこんなことを? 日常を突然奪われた俺の、必死の逃走劇が始まった。自分から過去から警察から、逃げて逃げて逃げまくれ。疾走する新感覚のエンタメ小説。
  • 青き犠牲(いけにえ)
    3.2
    高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一カ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。高校3年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の鉄男に向けられるが、仰天の顛末とは――。「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。
  • 百怪祭
    3.0
    1~2巻550~660円 (税込)
    《戦乱の昏き世。足利が織田が豊臣が、そして妖異の者たちが描きだす壮大な伝奇絵巻!》その男は龍にならんとする蛇か? ──琵琶法師を殺(あや)めて奪った古文書が、油売り・庄五郎の野心を烈(はげ)しく燃やす。そこに記されしは邪淫教立川流の秘儀! 天下を取り、女を抱くため、古文書にしたがい、魔物と約定を交わす庄五郎。彼が辿る凄絶な運命とは?(「魔蟲傳(まむしでん)」)
  • NOTHING
    4.0
    空手を習い、ジムに通って、通勤電車でも足腰の鍛錬を欠かさない五島は、朝の新宿駅南口で、若い二人組にボコボコにされた。ガタイはいいけど、見かけ倒し。そんな真実の姿が明らかになると、五島の人生も暗転して――。(表題作) 泣きたくなるほど切なくて、でも、どこかおかしく、いとおしい。純な心を描いて、あなたの胸に、ずんとくる珠玉のエイト・ストーリーズ。
  • 南青山骨董通り探偵社
    3.3
    1~3巻550~660円 (税込)
    大手企業に就職したものの、うだつの上がらない日々に塞ぐ井上雅也。ある日、南青山骨董通り探偵社の社長・金城から突然話しかけられた。「探偵になる気はありませんか?」。雅也は訝しみながらも体験入社をするが、厄介な事件に関わることになり……。個性的なメンバーの活躍が、軽快なテンポと極上のサスペンスで繰り広げられる、ベストセラー作家の新シリーズ始動!
  • 時代まつり
    4.0
    雅やかで妖しい古の都、京都。彷徨う魂を鎮めるかのように繰り広げられる数多の「まつり」。再び出会うことを運命づけられた人々は囃子に誘われる。男を裏切った祇園の元・舞妓、理不尽な理由で結ばれなかった男女、ふたりの女とひとりの男の奇妙な三角関係……。褥で交わされた睦言が情念と打算を駆り立てる。「京おんな」の怖さ、切なさ、狂おしさに満ちた極上の官能短編集。
  • 湯布院の奇妙な下宿屋
    -
    全部の部屋が別棟で点在し、トイレや風呂場まで三角形でできた奇妙な下宿屋。しかも居住者は芸術家ばかり。持ち主の狭霧(さぎり)吉宗は、姪の結婚相手を下宿人から選ぶことに決めていた。ところが発表の前日、吉宗は心臓発作で急死。その後も怪事件が続発し、姪の木綿(ゆう)は、一尺屋遙(いっしゃくやはるか)に調査を依頼する。――リゾート地・湯布院を舞台に、著者が大仕掛けで挑む驚愕の結末!
  • 悪魔の水槽密室~「金子みすゞ」殺人事件~
    3.0
    〈二十六歳で自ら命を絶った、天才童謡詩人・金子みすゞ〉 素人探偵・一尺屋(いっしゃくや)遙(はるか)の友人で作家の八追(やおい)純平は、金子みすゞの取材で山口県の仙崎を訪れた。だが、彼を待ち受けていたのは、顔を切り刻まれた死体や水槽状態になったホテルの一室に浮かぶ女の死体だった。事件を解く鍵は二十年前に起きた悲惨な事故。満を持して登場した一尺屋が、真相に挑む。長編恐怖ミステリー。
  • 蛇遣い座の殺人
    3.0
    「壁を突き破り、空中を飛揚(ひよう)して落ちた」としか思えぬ不可解な死。――はるばるフランスから移築された、奇怪な大蛇の幻影がまとわりつく“オランジュ城館”では、じつは25年前にも同様な事件が起きていた。館主を巡る過去の複雑な男女関係の因縁から、事件の渦中に巻き込まれた人々を、巧妙に操って行く蛇遣いは、果たして誰か――。本格推理の女流が放つ会心作。(『蛇つかいの悦楽』改題)
  • 死角の時刻表
    -
    全国のSLファンが集まった伯備線(はくびせん)沿線の山林で、殺人事件が発生! 一方、秋田市内の公園で死体となって発見された貝塚充(かいづかみつる)は、熱烈なSLファンで、岡山県の事件当日、現場近くにいたことがわかった。だが、二つの事件の捜査線上に浮かんだ容疑者には、鉄壁のアリバイが……。時刻表に隠された意外な落とし穴。岡山―秋田を結ぶ殺人ルートの謎。長編推理の傑作!
  • 届け物はまだ手の中に
    3.7
    楡井和樹は恩師の仇である江藤を殺した。しかし裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、復讐は完結しない。設楽邸を訪れた楡井は、設楽の妻、妹、秘書から歓待を受ける。だが息子の誕生パーティーだというのに設楽は書斎に籠もり、姿を見せない。書斎で何が起きているのか……。3人の美女との探り合いの果て明らかになる、驚愕の事実とは!?
  • 父娘(おやこ)の絆~三世代警察医物語~
    3.7
    東京の大学病院に勤めていた内科医の望月美並は、長野県大町市で祖父のあとを継いで警察嘱託医を務めることとなった。ある日、美並に警察から検死要請がくる。遺体は、北アルプスで滑落死したと思われる男性だった。検死が終わり、死体検案書を作成する段階になって、事態は一変、事件の可能性が出てきた。いったい死因は何か。著者渾身のシリーズ、待望の第2弾。
  • 悪夢の果て 新装版~シリーズ・闇からの声~
    -
    「さらば、民主国家日本よ、だな」日下良治は自嘲気味に呟いた。政府の〈教育改革審議会〉が、徴兵制に道を拓く答申を出したのだ。翌朝、モンペ姿の妻に揺り起こされた日下は、息子の達郎に〈赤紙〉が来たことを告げられる。そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だった。(表題作) 羅針盤を失った現代の日本に、著者が警鐘を打ち鳴らす! 「危機意識」を呼び覚ます4編。
  • しにんあそび
    -
    女4人の同窓会。酔いから醒めると、全員が一室に閉じ込められていた。暗闇に潜む、恐るべき悪意とは?(表題作) 縁日のお化け屋敷で消えた夫と娘。必死でふたりの行方を探す妻を、戦慄の結末が待ち受ける。(「お化け屋敷」) 仕事に疲れた中年男が25年ぶりに帰郷した。再会した旧友たちが仕掛けたのは?(「昭和の夜」) 一読忘れがたい印象を残す「奇妙な味」の小説集。
  • 異常快楽殺人者~若き法医鑑定人の事件簿~
    3.0
    都内の住宅地で、白昼、主婦を狙う連続殺人が起きた。犯人は主婦を絞殺するのみで、盗難や凌辱した痕跡は皆無。ただ、現場の絵画や花、死体の一部に奇妙なペインティングが残されていた。このペイントが物語るものは? 犯人像が見えないまま、事件を鑑定した法医学教室に謎の電話が……。身近に潜む異常犯罪の闇の部分にメスを入れる、戦慄の問題作!
  • UFO殺人事件
    -
    海上自衛隊機が南の洋上で、セスナ機からSOS信号を受けた。救援に向かったUS-1機は、突然謎の閃光に襲われる。現場の遭難機にはミイラ状の男二人、女一人の死体。そして、その一人の手にUFOの文字が残されていた。三時間前には生きていた人間が、なぜ、ミイラ状態に……!? 航空推理(ミステリー)第一人者の野心作!
  • 謎の飛行計画(フライト・プラン)
    -
    パイロットの水田徹と撮影士の米沢吾一が撮影した山梨県大月市小金沢近くの航空写真には、巨大な前方後円墳が写っていた! 水田は航空写真専門家と謎の前方後円墳を探りはじめる。一方、水田の恋人は突然の失踪、米沢も焼死体となって発見された! 航空小説の第一人者が豊富な飛行体験を基に描く傑作ミステリー!
  • 謎の巨人機(ジャンボ)
    3.0
    「緊急事態発生(メーデー)!」沖縄行き巨人機(ジャンボ)で離陸直後、エンジン火災が発生。機は、羽田に緊急着陸するとの報が管制塔に入った。が、その直後、交信が途絶え、そのまま辛うじてC滑走路に着陸した。ところが、機内の乗員、乗客が全員死亡していたのだ……!? 航空ミステリーの第一人者が、空の密室犯罪に挑む傑作長編!
  • ハムレット狂詩曲
    4.0
    『劇団薔薇(そうび)』新劇場の柿落(こけらお)としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門(かたぎりせいえもん)は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが……。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は……真夏の夜の夢!?
  • 夏の夜会
    2.9
    祖母の葬儀のため、久しぶりに帰省した「おれ」は、かつての同級生の結婚式に出席した。同じテーブルになった5人は皆小学校時代の同級生。飲みなおすことになり、思い出を語り合い始めたが、やがて30年前に起こった担任教師の殺害事件が浮かび上がる……。女性教諭は、いつどこで殺されたのか? 各人が辿る記憶とともに、恐るべき真実が明らかになっていく。
  • 天使などいない
    3.7
    いつも他人のものばかり欲しがる幼なじみに悩まされ続けたOLが、最後に打った手は……? 恋にも仕事にも疲れ果てた女性が、地下鉄で見かけた華やかなビジネスウーマンの後をつけ、見てしまった“素顔”とは……? 天使なんかじゃない、等身大の女性たちが、ふとしたことから事件に巻き込まれ、意外な人間性の断面をのぞかせる。鮮やかな描写が心を抉(えぐ)る9つの物語。
  • 昆虫探偵~シロコパκ(カッパ)氏の華麗なる推理~
    3.8
    ある朝目覚めるとゴキブリになっていた元人間のペリプラ葉古(はぶる)。無類のミステリ好きだった葉古は、昆虫界の名探偵、熊ん蜂シロコパκ(カッパ)の助手となった。人の論理が通用しない異世界で巻き起こる複雑怪奇な難事件を、クロオオアリの刑事の力も借りて見事解決していく! 「ジョロウグモの拘(こだわり)」を追加収録。昆虫と本格ミステリについてのユニークな注釈を新たに付加。
  • グッピー・クッキー
    5.0
    殺人事件の被告・イアンに無罪が言い渡された。影の力が動いたのだ。その代償として、山岳地帯に埋まる古代の仮面を探索せよとの謎めいた指令が。滑走路には、同じく釈放されたばかりのラウルと女友達のアンジー、そして謎の日本人・ケンジ。4人はセスナ“グッピー”に乗り込んだ。メキシコを舞台に、歴史、政治、幻想を圧倒的迫力で描く傑作長編!
  • 合鍵の森
    -
    螢。33歳。グランドキャバレー「赤羽ファンタジー」のホステス。小柄で、泣き虫で、寂しがり屋。でも、負けん気は強い。いくつになっても少女をやめられない女は、お客と恋愛ごっこはできない。恋には命をかけてしまう。今夜も、いつも自分に優しい黒服が若いコと怪しいとわかり、心乱れて……。自分らしく生きようとする螢が出会う人々。お水系純愛物語。
  • 内部告発
    -
    総合商社TOHOの機械統括室長が、首脳部のスキャンダルを週刊誌で暴露した。31人の取締役全員が、社の所有する株を分配し、私腹(しふく)を肥(こ)やしたという内部告発文である。現社長の次を狙う常務の田代は、儲けた金で2人の女を囲い、愛欲生活に耽(ふけ)っていた。暴露記事がもたらしたのは……!? 表題作ほか6編。激しい欲望に衝(つ)き動かされる人間を描いた経済企業小説集。
  • 真昼の闇
    -
    業界トップの野々宮(ののみや)証券。ここになぜ、真昼の暗黒時代は訪れたのか? 日陰のポストにいた岡田勇次に対する突然の辞令は、出世への跳躍台だった。抜擢したのは土岐邦明(ときくにあき)。シャープでスマートな証券マンとは正反対の土岐は、しかしなかなかのやり手だった。岡田は土岐の派閥に組み込まれ、出世の階段を昇ったが……。日本的な企業体質を人間ドラマに描いた傑作。
  • 虚業集団
    -
    戦後の混乱期に戸籍を消された上条(かみじょう)健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業といっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐより相手をそっくり食ってしまうのが狙いであった。上条のもとには経済犯罪のスペシャリストたちが集(つど)っていたが、そこへある融資話が……。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を抉る異色作。
  • 女患者
    -
    早朝、草むらのなかで死にかけていた若い娘。発見した老人は娘を気づかい、息子でTV局に勤める畠山修治に、その後の様子を探るように命じた。娘はまったくの身元不明。脳内出血で昏迷状態だった。修治は看護婦の尾形悠子の提案を受け番組で紹介、身元を知る者も現われたのだが……。女患者の謎に満ちた過去を、鮮やかに解きほぐす社会派サスペンス・ミステリー。
  • イエス・キリストの謎
    -
    空港に近いホテルで電話をしていた男が〈象〉(エレファンタ)という謎の言葉を残して消えた! そこに偶然出くわした私(作家)は、その後、男に会う予定だった大学助教授の論文の行方を追ううちに、美人全裸殺人現場に遭遇した。古来よりキリスト伝説のある東北の地を舞台に、著者が描く異色の長編ミステリー。
  • 奥の細道殺人事件
    -
    大胆な仮説を掲げ、秀抜なトリックを駆使した、記念碑的代表作! 日本重化学工業の田辺工場長が相模湖畔で他殺死体で発見された。捜査の末、工場のたれ流し公害のため妻子を失った東陽大講師の三浦八郎が容疑者として浮かんだ。しかし、三浦は“芭蕉忍者説”解明のため、東北に旅行中だった。アリバイは崩せるか……!?
  • 日本語探検~「おや?」と驚く、まちがい発見~
    -
    日本の文字は微妙だ。横棒一本の長短でも意味が変わる。著者は、まず疑ってみること(疑の章)、次に迷うこと(迷の章)、そして知識を求め(知の章)、へえ、そうだったのかと驚く(驚の章)、こうすれば文字との触れあいが楽しくなる(楽の章)という信念から五章編成を実現! どのページも現場から得た解答で、面白くて役に立つ。
  • 亀裂─老朽化マンション戦記
    3.5
    築20年、50世帯のマンションに建替え計画が持ち上がった。管理組合副理事長のやり手営業マン・山上(やまがみ)は、あるもくろみから推進派の急先鋒。猫と暮らす独身OL・恭子(きょうこ)や、家族の想い出と生きたい独り暮らしの老女・貞子(さだこ)らは反対派。住民同士の攻防戦は、それぞれの家庭の事情を明らかにしていく。現実的な社会問題と、根幹となる人間を活写する意欲作!(『マンション戦争』改題)
  • 人間椅子~乱歩奇譚~
    4.0
    始業前の教室。何者かに眠らされていた小林少年が目覚めると、そこにあったのは変わり果てた担任教師の姿だった。バラバラにされ椅子の形状に組み合わされた首無し死体――。高校生にして名探偵の明智は、容疑者となった小林に、自分で事件を解決してみせろというのだが……。江戸川乱歩の世界を現代に蘇らせた大ヒットアニメを完全ノベライズ。シリーズ第一弾!
  • ショートショート・マルシェ
    3.3
    カフェで隣り合わせた青年が、私に不思議な話をし始めた。彼の持つ角砂糖のようなキューブには、世界中の様々なカフェの空気が封じこめられているというのだ。(「カフェの素」) 素敵な結婚をした友人が教えてくれた「行くと必ず結婚できる、秘密のお店」とは?(「男をつかむ」) 新世代ショートショートの旗手が贈る、あなたに5分間の魔法をかける18の物語!
  • ヘア・デザイナー殺人事件
    4.0
    京都のホテルで、東京の食品会社の社長夫人が殺された。居合わせたキャサリンは、被害者の所持品から、東京の有名ヘア・デザイナーの客であることを知る。一週間前にも同じヘア・サロンの客が殺されていた。さらに、ヘア・サロンに関連する人間が次々と殺され……。華やかな美容界を舞台に、名探偵キャサリンが密室殺人と凶器消失の謎に挑む傑作推理!
  • 京都新婚旅行殺人事件
    5.0
    南田物産に勤める田中美知子は憧れの上司・朱雀修一郎と結婚式を挙げ、新婚旅行先の京都へ。同日に結婚式を挙げた、南田物産社長の先妻の娘・千津も京都へ。だが、幸福の絶頂の夜は、悲劇の朝に変わった! 千津がホテルの屋上から飛び降り、死亡したのだ。夫の過去に疑いを持つ美知子はやがて、連続殺人の渦に巻き込まれて行く。愛する夫が“犯人”だなんて……?
  • ガラスの棺
    -
    重要文化財の京都二条城大門と広島の宮島大鳥居に、男女の名前が落書きされた。そしてこの二人が怪死! 推理作家でTVキャスターの矢村麻沙子は、この事件を番組で取りあげたことから関心をもち、犯人の追及に乗り出した。事件を洗ううち浮かび上がった八年前の惨劇。さらにその背景には……。ダイナミックな物語展開と創意あふれるトリックが織りなす傑作。
  • 燃えた花嫁
    5.0
    絞殺、青酸死、モデルが相次いで殺され、日進化繊が社運を賭(と)した夢の繊維の売れ行きに暗雲がたちこめた。巻き返しを図り、首相令嬢の結婚衣装を提供。しかし、挙式直後ドレスが突如燃えあがり花嫁は無残にも焼死した! ファッション界の醜悪な内幕を背景に、お馴染み、キャサリンと浜口の名コンビが謎に挑戦する!
  • 妖狐(ようこ)伝説殺人事件
    -
    栃木県那須・賽(さい)の河原――妖狐伝説の地で奇怪な溺死体(?)が発見された。被害者は、新興商事の会長・草下部泰造。草下部の姪・城所美和子の狐狗狸(こくり)占いが告げた犯人の名は、金毛九尾(きんもうきゅうび)の化身・玉藻の前だった。名探偵・滝連太郎は、美和子からの依頼をうけ、独自の捜査を開始。やがて第2の殺人が!? 神戸―東京―那須を結ぶ鉄壁のアリバイ・トリックを駆使!
  • 重役室午前零時
    -
    星海(せいかい)銀行の真弓伊織(まゆみいおり)と和倉(わくら)銀行の桜田直稔(さくらだなおとし)は共にワンマン頭取として鎬(しのぎ)を削り合いながら業績を伸ばしてきた。ところが両頭取それぞれの思惑をはらんだ両行合併の話が持ち上がる。成功すれば世界第三位の大手銀行の誕生だ。だがいざ実現となると和倉側から反論が湧き、銀行内部の懊悩が炸裂(さくれつ)する。銀行マンでこそ知る内幕小説!
  • 銀杏坂
    3.0
    築三十年のアパート・さつき荘には、ひとりの幽霊が住み着いていた。そのアパートの一室で、二百万円のダイヤのブローチが盗まれた! ところが容疑者は全員シロ。犯人は幽霊? 中央署の刑事・木崎と吉村は、幽霊に事情聴取をすることになるが……(「横縞町綺譚(よこしまちょうきたん)」)。北陸の古都・香坂市(こうさかし)を舞台に繰り広げられる、不可思議で切ない連作ミステリー!
  • パートタイム・パートナー
    3.4
    「話し相手が欲しいとき、ひとりぼっちでいたくない、あなたに。パートタイム・パートナーは、お望みのときに、ビッグスマイルをお届けします」就職しても長続きしない進藤晶生(しんどうあきお)。女の子の相手をするのだけは得意技。先輩に勧められ、デート屋を開業してはみたものの……。年齢にかかわりなく揺れ動く女性心理を、巧みなストーリーの中に鮮やかに描き出す一冊。
  • 風の神様
    3.0
    秋山正紀は、バイク、小型車を販売するシェイク社の社長。バブル景気で業績が急伸するなか、若く、肉感的なOLを愛人とし、所有する競走馬はダービーを制する。秋山は、ますます愛人と競走馬にのめり込み、至福の時に酔う。しかし、その足もとには、平成不況が迫っていた……。時代の波に翻弄された男の、栄光と挫折を、巨匠が描ききる。
  • 一瞬の寵児(ちょうじ)
    -
    越後小千谷(えちごおぢや)から名門大学に進学した北原甲平(きたはらこうへい)は、苦学生であった。そして、医者として成功し、不動産業に転向してからも巨額の財をなし、不動産業界の寵児と呼ばれるに至った。その男が今、東京拘置所に収監されようとしている。――一体、彼になにがあったのか。一人の男の流転(るてん)を通して、バブル経済の本質を追究した長編経済小説。
  • 別名は“蝶(バタフライ)”
    -
    美貌と才知を備え、男たちを手玉にとって世界中を飛びまわるバタフライこと宇佐美三千代。ビジネスの相手は政財界のトップばかり……。老舗のオリエンタルデパート専務・瀬戸は、海外有名ブランドの企業買収のため彼女の力を借りて、次々と成果を収めていったのだが……。国際的企業買収の内幕を、ダイナミックに描いた傑作ビジネス・ミステリー。
  • 歪んだ器
    -
    藤井一族が経営するクリーニング会社・白井舎が倒産した。三代目。長男の重雄が社長の時であった。そして物語が始まった。たくましい長女・華恵。ガラス職人として生きようとする次男の伸介。母親・サキの痴呆が進行した時、物語は動き出した。舞台は会社創業の地・東京の北千住。人と街が「再生」するということ。経済=企業小説の重鎮が創出した、新しい地平。
  • 宴かな
    -
    スーパー・ゼネコン小松組。その下請け業者・高村工務店社長の高村敏之(としゆき)は、会長に直訴した。今になって切り捨てるなどと、言われる理由などない……。あの「宴」の時代は去っていった。残ったのは家庭の崩壊、虚栄のハワイの別荘、複数の女たちとの関係、そして会社の危機。日本経済のからくりを鋭いメスで解剖し、バブル時代の本質を抉(えぐ)り取った力作。
  • 銀行取付
    -
    稲荷銀行は規模は小さいが、その地方に競合する大手の支店がないため、経営基盤は安定していた。ところが突然、潰(つぶ)れるらしいという流言蜚語(ひご)が拡がった。群集心理による取付騒動は、収拾のつかない事態へ発展した。噂の発信源は? どんな意図が秘匿(ひとく)されていたのか?(表題作)。経済企業小説の傑作集。
  • 匿名商社
    -
    日之出商事食品課の猪木南男(いのきなみお)は、日頃から南の島にロマンを求める商社マン。ところが、新企画をめぐるトラブルで課長を殴り、辞表を提出。そこに、やり手の常務・吉川から思わぬ提案が出された。大口客相手の競馬のノミ屋をやれというのだ。不振の商社をたて直すこのアイデアは大当たり、莫大な収益をあげたのだが……。競馬と日本人。経済小説の重鎮が描く傑作。
  • 水色の密室
    -
    もっか3浪の身であるおれは、隣りのおじさんに頼まれて、絞殺事件に関わった。現場は内部から完全に施錠(せじょう)したサンルーム。被害者には愛人が存在し、しかも最近、多額の保険金を掛けられていた。おれは密室の謎を解くべく推理を展開するが、なかなか物証が得られず途方(とほう)にくれる。やがて第二の事件が……(表題作)。奇抜な着想とトリックで読者を魅了する傑作ミステリー。
  • 動く密室
    -
    神戸―川崎間を航行(こうこう)する大型のカーフェリーに、それぞれの思惑を抱く3つのグループが乗船していた。その中の一人が航海の途中、船内のトイレで毒殺された。だが、被害者には殺される理由がみつからない。誤殺か? 犯人はフェリー内にいる。しかし、全員に完璧なアリバイがあり、捜査は難航した。洋上に仕掛けられた巧妙な犯罪トリック。本格推理の力作!(『フェリーKT79に何が起きた』改題)
  • 香港(ホンコン)殺人旅行
    -
    香港帰りの団体旅行客・谷口拓郎が、空港からのタクシーの中で急死した。死因は心臓発作。一方、神戸湾の臨海倉庫からは、若い女の手足が発見された。兄の死に不審を抱いた谷口の妹・礼子は、同じツアーに参加していた神奈川県警の水田警部補を訪ねるが……。香港と東京の“地域差”を巧(たく)みに利用した犯罪事件。〈公害と観光〉をはじめて結びつけた、公害ミステリー決定版!
  • 王将殺人
    -
    北海道・定山渓(じょうざんけい)での対局に勝ち、アマチュア将棋会の最高の座に就いた星純一。その夜、純一の後援会長・倉西正文が、札幌のホテルの浴室で殺された。彼は父・恵三の不審な言動に不安を覚える。また、恋人・真理子の父親・森田八段にも容疑が……。殺害現場に残された、まちがえた棋譜の意味は? 亡き母が、純一に遺(のこ)した曲詰(きょくづめ)の秘密とは? 棋界に精通する著者の力作!
  • 河童殺人事件
    -
    鎌倉の病院で看護婦が刺殺された。彼女は屏風に書かれた歌の中の“河”と“童”の文字に血で印を付けて死んでいた。床には水がこぼれ、水藻の臭いが! 一方、川崎市内の産院から建設大臣の孫が誘拐され、現場を目撃した看護婦・圭子も一緒に連れ去られた。しかし、犯人は身代金受取りに失敗。嬰児も取り違えと判明し、二人の命を……。サスペンスあふれる推理傑作。
  • 喧嘩侍 勝小吉
    3.0
    男谷平蔵(おたにへいぞう)の三男・亀松は、7歳で旗本勝家の養子となり、小吉と名乗る。学問嫌いの彼は、喧嘩に強くなることこそ出世の早道と信じて、道場破りや喧嘩三昧の日々を送っていた。行く末を案じた父親は、小吉を座敷牢に幽閉。そして許嫁(いいなずけ)と二人きりにしたところ、長男・麟太郎(海舟)が生まれたことで……。勝海舟の父・小吉の自由奔放な生涯を描く、痛快時代力作!
  • 妖精狩り
    -
    2年がかりで愛車〈マン・フラワー号〉を改造したケンスケとタマシローは、九州から北海道までの全国縦断ハント旅行に出発した。ベッドにシャワー完備とまるで動くラブホテル並み。若さと体力に自信を持つ二人は、行く先々で言葉巧(たく)みに女を口説きまくる。彼らの破天荒(はてんこう)な珍道中の行く末は……。ユーモアあり、官能あり、若者の性を題材にした快作!
  • 鎖された夏
    -
    「この作品の見どころを、私は、論理の面白さにあるといったが、作者大西赤人の文学精神は、単なる謎とき小説に終わらせることを潔しとしなかった。犯罪者の鬱屈した思いが、抑制された達意の文章によって語られるとき、読者は陶然として文学の世界に酔い、慄然として人間の深部にひそむ悪の正体に直面する」(土屋隆夫氏評)(『熱い眼』改題)
  • 越後七浦殺人海岸
    -
    吉成行夫(よしなりゆきお)には、十二年来の秘密があった。彼が高校三年生の時、彼の同級生で想いを寄せる宮地亜以子が、廃工場で殺人を犯し、その壁に消えたのを目撃した。卒業後、亜以子は消息を絶った。ところが、同窓会の席上、吉成は、彼女が社長夫人に納まっていたことを知る。未だに彼女を思う吉成は、極秘に彼女を調査すると……!?──トリックを駆使する本格推理の白眉(はくび)!

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