小説 - 講談社文庫作品一覧

非表示の作品があります

  • 愛人
    -
    代議士秘書と5万円で愛人契約をした予備校生ミカコ。近所不倫のスリルにのめり込んだ加代子。建設会社社長に3億円の家をもらったエミ。57歳のオジさんが初体験の相手で今は4人のパトロンと愛人契約している亜理沙。「愛人」という生き方を選んだ22人の女たちが求めたセックス・金・愛情を赤裸々に描く。
  • 薄荷草の恋
    3.7
    遠距離恋愛のひかると田口は、なかなか一緒に過ごせない。ひかるがハードな仕事の合間を縫って、久々に4日間休みが取れたと思ったら、すれ違い。会いたさが不満になって、「仕事、やめっ言うんじゃ! 」「何よっ! 」と喧嘩になるが……。表題作はじめ、男女の本質と恋愛の妙を温かく描いた8篇の恋愛小説集。
  • 人肌ショコラリキュール
    3.8
    今の彼の将吾は元カレと違って自分勝手ではないし、セックスも優しくて、料理が上手。でも将吾と付き合ったのは、元カレと顔が似ているから……(「あなたモドキ」)/四年間セックスなし。いまやヴァイブレータが友達の私、浩未、33歳……。(「ヴォルフガング」)など、リアルな女の性と心を描いてきた著者による、「わかるわかる」満載、ドキドキ満載、美しくリアルなエロチカ短編集。甘くて苦い大人の恋。
  • 草のかんむり
    3.0
    カエルにされてしまった僕の哀しい愛の物語。曽祖父のうらみでカエルに変身してしまった僕は、やさしい麦子に助けられた。でもグリム童話みたいに素敵な王子様になれるだろうか? 群像新人文学賞受賞作品。
  • 空白の起点
    -
    大阪出張の帰途にあった小梶鮎子は、真鶴の海岸付近で男が崖から突き落されるのを車中から目撃した。墜落死した男は目撃者の父親、小梶美智雄であったという驚くべき事実が後日判明する。鮎子はまったく偶然に父親の死を目撃したのか。被害者は多額の生命保険に加入していた。異常な死の背後を追及する本格推理。
  • ビッグボーイの生涯
    3.9
    昇ほど「休戦の価値」「休戦の美学」を知った男は少なかったのではないでしょうか。彼は人生に四期ありとしましたが、大いに休んだおかげで、人生を四倍に生きたともいえます。そこには、「人生四倍、休戦の哲学」とでも呼ぶべきものがあったと思います(「あとがき」より)。 大きく休み、大きく生きた男の人生評伝。(講談社文庫)
  • 対馬丸事件 沖縄の悲劇
    -
    太平洋戦争末期、学童・教師・父兄・病人等1600余名を乗せて、沖縄を逃れ、本土へ向かった学童疎開船・対馬丸は、トカラ列島の一つ、悪石島沖で米潜水艦の魚雷を受けて沈没した。この事実は、長い間、軍の命令で隠されていたが著者は、たくましい想像力によって、船と運命を共にした学童たちと沖縄の悲劇を描く。(講談社文庫)
  • 敗れざる教師
    -
    校内暴力を内側から描く衝撃の人間ドラマ! アフロヘアーの頭に深く剃りを入れた、暴力中学生の群れ。何が彼らを暴力に駆りたてるのか。それは愛なき教師への反逆なのか。綿密な取材をもとに描く長編力作。
  • 土地に向って突進せよ
    -
    土地小説の決定版長編!徒手空拳、ただ天性の利殖の才だけを武器に、大都市近郊の土地取引に身を投じた主人公の運命の変転を描く。不動産業者にして直木賞作家の著者ならではの長編力作。
  • 土地相続人
    -
    悪質不動産屋の手口、欠陥住宅の内情、大手商社の土地転がし。空前の土地ブ-ムを背景に、一億総不動産屋といわれた土地投機の実態を描く。
  • 虚名
    3.0
    本名・北野弓子、芸名は長山レナ・風見圭子・簗瀬ルミと変わって十年ぶりに会った女は昔とちっとも変わらぬ美貌を誇っていた。かつてひょんなことから同棲した女が急に売れ出したとき、二人の仲は破局に向かった。再会した男と女の胸中に流れる甘く苦いノスタルジー。虚構の世界に生きる男女を描く連作集。(講談社文庫)
  • ケープタウンから来た手紙
    -
    昔、学生運動の闘士だった友人が中退し、能登の近海で漁師になった。さらにインド洋のマグロ漁船に乗換えた。友人の手紙を見た男は昔の恋人だった彼の妻を訪ねた。(講談社文庫)
  • 明日の朝、観覧車で
    4.0
    夜明けまで、まだ100km。私が変わるまで、あと30時間。歩き続ける、青春小説!夜通しかけて100kmを歩く催しに、一人で参加した高校生のみちる。完歩の自信もなく、早々にリタイアしようとした時、謎かけのような言葉で自分を励ます初老の男性と出会う。その人と歩くうち、脳裏に浮かんできたのは、ある事故をきっかけに変わってしまった家族のこと。『100km!』改題。
  • 人類資金I
    無料あり
    3.6
    1~7巻0~1,078円 (税込)
    終戦時、日銀の地下倉庫から莫大な金塊が姿を消した。戦後の混乱と日本の復興を糧に膨れ上がったその資産の名は『M資金』。七〇年ののち、詐欺を生業とする真舟雄一の前に“M”と名乗る男が現れ、とてつもない計画を持ちかける。「『M資金』を盗み出してもらいたい。報酬は50億」待望の書下ろし超大作!(講談社文庫)
  • 猫の舌に釘をうて
    -
    最愛の女有紀子が、友人塚本の妻になるや私の塚本への殺意はおさえられなくなった。だが塚本を殺せば有紀子も不幸になる。そこで考えたのが代償殺人行為だ。行きつけの喫茶店の常連に塚本そっくりの男がいる。彼のコーヒーに“毒”を入れよう!! ところが展開は意外や意外。ミステリの難題一人三役に挑んだ傑作。
  • ダイアモンドは傷つかない
    -
    弓子は予備校教師の三村に激しく魅かれる自分を感じた。彼には妻のほかにも女がいたが、すべてを知ったうえで、弓子は三村との交際の深まることを期待する。(講談社文庫)
  • 日曜日たち
    3.8
    ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。(講談社文庫)
  • 老人のための残酷童話
    3.3
    昔話の裏側にある摩訶不思議な世界。鬼に変貌していく老婆を捨てた息子と、その嫁の意外な末路とは……。「姥捨山(うばすてやま)」や、織女(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)の「天の川」といった、有名な昔話をベースにしながらも、独特の解釈で綴られた10の物語。大ベストセラー『大人のための残酷童話』の著者が、性欲や物欲、羞恥心といった、人間の奥底にひそむ感情を見事に描きだす。
  • 神々の午睡(上)
    4.5
    1~2巻550円 (税込)
    はまったら抜けられない? 清水&宗教の世界! “開祖たち”は、詐欺師、怒りっぽい族長、世間知らずのおぼっちゃまだった? 小説より奇なる事実よりさらに奇なるもの“宗教”をテーマに、パスティーシュの天才が築きあげた大スペクタクル。世界に誇る3大宗教(アルカマ教、サライ教、ジブ教)はいかにして生まれたか。開祖が現われ、教典が編まれ、正統と異端が生まれる。嵌まったら抜けられない清水ワールド。(講談社文庫)
  • 星からの1通話
    3.0
    ショートショートの奇才が贈る75回の電話遠い星にも大人と子どもがいて、樹や石があってみんな苦労しているのだろうか。身の回りのほんのささいな、けれどもせつなくなるような世界を卓抜な筆致で描出。(講談社文庫)
  • 禁じられた土地 見果てぬ夢1
    -
    1~5巻550円 (税込)
    ソウルの空港に降りた趙南植を待っていたのは北のスパイ容疑だった――革命の光をもとめ、近代化の夢を追って青春を生きぬこうとする人々を描く大河小説、全5巻。(講談社文庫)
  • 「名探偵」に名前はいらない
    4.0
    依頼人は美女、老人、ヤクザ! 内容も夫の浮気からポルトガルまで遺産渡しへ行く国際的活動まで様々。皮肉な寂しい中年探偵は金もなく愛を求めながら今日も街を歩く。(講談社文庫)
  • サラリーマン裏新撰組
    -
    史上最強のセールス軍団の猛営業が始まった関西地区では弱いポポロビールが一大セールスをかけることになった。サバイバルゲームのようなオーディションを勝残った108人が何でもありの猛セールスを開始。(講談社文庫)
  • 三階の魔女
    -
    異端者を利用する計画殺人他、推理名作集。マンションに一人住む女をあげつらう、社宅族の悪意。敢然と立ち向う女と、奇想天外なトリックの結末は? 華麗、緻密な伏線と、あふれる人間味の、傑作短編集。(講談社文庫)
  • 無明の蝶
    4.0
    古書店を舞台に、不思議な人生模様を描く。蔵書を金額で値踏みし、故人の人生の裏まで見すかす古書店主の回りには、棟方志功の肉筆やら暇つぶしの猫、ホモと奇妙な人ばかり。直木賞作家の書き下ろし小説集。(講談社文庫)
  • ヨコハマ幽霊ホテル
    -
    両親をなくしたみづきは、祖母から横浜の古いホテルを引き継いだ。幽霊が出ると噂される建物、いわくありげな客たち、みづきへの殺人予告・・・。戦慄の傑作長編。(講談社文庫)
  • 殺人の詩集
    -
    人気俳優が高層ホテルから墜落死した。さらに彼と最後に会ったコールガールも殺された。俳優の死体の傍らにはレイプ殺人を扱った本が落ちていた。警察はこれが事件を解く鍵とみて捜査を始める。誰しも忘れたい、隠したい過去がある。その過去が暴かれた時……。人間の心の奥底に潜む病理を抉り出すミステリー。(講談社文庫)
  • 狙撃者の悲歌
    -
    巨大暴力団組長殺害後に、兄貴分の身代わりで敵の組長の首を狙う若きヒットマン。その潜伏先でヒットマンと刹那の恋に生きるホテトル嬢。下宿先の娘をレイプ殺害され、復讐の炎を燃やす青年警官。大都会の根無し草同士が絡み合い、一点に集中したとき不可思議な光が点灯し、想像を絶する暗部を照らし出す。(講談社文庫)
  • 傷口にはウオッカ
    3.6
    40歳の永遠子は、もう晩年期じゃないかと思いつつ、生への執着はなまじっかじゃない。恋人の寿一郎を手放せばあとがないけれど、恋愛が終わるとわかっていればそれでいい。しかし恋愛は思いがけずしてしまうもの――。自らの体で感じる痛みを確かめながら生きる永遠子の愛のかたち。ドゥマゴ文学賞受賞作。(講談社文庫)
  • ひさしぶりにさようなら
    3.0
    世にもだらしない家庭で育った都。そこから脱出しようと結婚するが、夫も彼女同様に怠け者。身に染み付いた怠惰さは直ることなく、なんとなく出産し、子育てするが……。そんな男と女の結婚生活を描いた表題作に加え「いも・たこ・なんきん」の2作品を収録。ちょっと奇妙な日常を淡々と綴る、異色の家族小説。(講談社文庫)
  • 泣きぼくろ
    -
    ちんぴらヤクザの生態をリアルに描く連作。元暴走族の水田順公は駆け出しのヤクザ。鉄砲玉に使われて服役へ。年季の入ったヤクザの水田順一伯父が救い出そうと大活躍するおなじみの塀の中ストーリー! 水田がせっかく密告までして救ってやっても刑務所行き。男の生き方を貫くヤクザの哀歓。(講談社文庫)
  • ジェット・ストリーム
    -
    国際線パーサーの松島は国際犯罪結社の一員だった。日本と海外とで稼いだ額は二百万ドル。最後の強奪はヤクザ相手にヘリを使った秘密作戦。痛快アクション長編! (講談社文庫)
  • ともだち刑
    4.1
    中学のバレー部に、顧問教師の勧誘で入部してきた「あなた」に私は憧れ、一緒に帰宅できるともだちになれたことが嬉しかった。が、注目を浴びるほどにミスばかりを繰り返す私は、「笑ってんじゃねえよ! 」というあなたの言葉に凍りつく。痛みという実体を伴った怒りの向かう先を凝視する、渾身の長編小説。(講談社文庫)
  • チェルシー
    3.4
    死へと向かっていく少女たちの心の闇を描くネット掲示板「メビウスゼロ」に書き込みをする“チェルシー”と名乗る少女。その掲示板では集団自殺旅行が計画されていた。チェルシーによる、死の旅の結末は? (講談社文庫)
  • 縮んだ愛
    4.0
    障害児学級教員の岡田は、働いていた小学校の卒業生・牧野に出会う。自分が受け持っていた自閉症児サトシを殴った過去を持つ牧野だが、彼につきまとわれて、岡田は毎週彼と酒を飲むことになる。が、ある日牧野は突然暴漢に襲われる。物語にひそむミステリー性も話題になった、第24回野間文芸新人賞受賞作。(講談社文庫)
  • 闇に咲く花
    -
    昭和庶民伝第二部。笑いと涙の、傑作戯曲。敗戦後、復員してきたプロ野球選手を巡って神田の愛敬稲荷神社で起こる珍騒動。戦争と神道という重いテ-マを野球で明るく解き明かす名作。(講談社文庫)
  • 私小説
    3.5
    男に会うためだけに海を越える私のいじらしい性欲。南国ホーチミンのレストランで口説いたボーイと、酷寒の宵に出会ったソウルのホテルマン。高校時代の翌(あす)なき春から、痛ましい夏を経て終焉の春へ、20年にわたる恋愛遍歴。魂の放浪記はここから始まった。静かで熱く、どこまでも赤裸々に描いた自伝的恋愛小説。(講談社文庫)
  • 由布院温泉殺人事件
    -
    黒い喪服を着た女が式場にきていた! 人気作家本郷慶と結婚した朝霧玲子に、そのショッキングな事実を伝えようとしたスチュワーデス仲間の森田有美が惨殺。何も知らずに九州の由布院へ新婚旅行に出かけた玲子は、夫の慶の言動に不審を募らせるが、その夫も「幽霊」に脅迫されていた! 意表の真犯人は誰? (講談社文庫)
  • 高橋克彦自選短編集 1 ミステリー編
    値引きあり
    4.0
    だれの心にも、鬼がいる。大胆不敵なトリックが冴える短編ミステリーの逸品集。かつて「衛生博覧会」と呼ばれる見世物が人気を博していた。疾病模型や死体写真が陳列されるなか、私は精巧な美少年の鑞人形に目を奪われた。だがそれには、驚愕の秘密が隠されていた(「悪魔のトリル」)。現代日本屈指のエンターテインメント作家の傑作短編集。(講談社文庫)
  • 殺人倶楽部
    3.0
    満員電車で痴漢の濡れ衣を着せられ、職と家庭を失った有田順二は、雑談クラブの主宰者と知り合う。不条理に人生を破壊された被害者たちが吹き寄せられる都会の片隅のカフェ。そこで語られるのは空前の報復計画か。生を謳歌する加害者たちは、相次ぐ事故で死傷していった!“見えざる手”、その正体とは!?(講談社文庫)
  • 深海の迷路
    3.0
    一人歩きの女性を狙う通り魔に、老舗和菓子屋強殺放火犯。それぞれの事件で愛する者を喪(うしな)った2人の若者が邂逅(かいこう)したとき、凍結していた事件が動きだす。深海の迷路のように錯綜する現代を映し、複合犯罪の糸はもつれにもつれ、ついに浮かび上がる予期せぬ犯人像。その残酷な真相に、あなたは耐えられるか?(講談社文庫)
  • 『深い河』創作日記
    4.0
    「この小説のために文字通り骨身をけずり、今日の痛みをしのがねばならなかったのか」。作者最後の長編小説であり、純文学の奇跡と今もなお絶賛される『深い河(ディープ・リバー)』は、壮絶で苛酷な闘病生活のなかから生み出された。1990年8月26日から1993年5月25日まで、小説と死を見つめ続けた感動の軌跡。(講談社文庫)
  • さらば、夏の光よ
    3.8
    背が低くて鈍いと女を愛する資格もないのか。心は優しいが女性にモテない野呂は悩む。明るく行動的な親友の南条は、野呂が密かに恋する同級生の戸田京子の心を掴んだ。微妙に翳る友情。そして8年が過ぎる。歳月は彼らの人生をどう変えたか。愛と哀しみの十字架を背負った3人の運命を描いた青春ロマン。(講談社文庫)
  • 真・天狼星 ゾディアック1
    5.0
    1~6巻550~764円 (税込)
    新宿で発見された少女3人の死体は、血を抜き取られ、バラバラに継ぎ合わされていた。同様の事件は日本各地でも起こっていた。少女たちの間で密かに流行する「ゾディアック・カード」との関連は? 魔人シリウス復活の予感に、伊集院大介は戦慄する。宿敵との最後の闘いが始まった。全6巻シリーズ第1弾。(講談社文庫)
  • 双頭の蛇(上)
    4.0
    はみだし刑事・沖竜介が挑む地方権力の亡霊。東京を追われ因襲と封建的人脈うごめく地方都市、平野に降りたった竜介。落ちつく間もなく権力を握る財閥の巨悪に迫ろうとした新聞記者が記事とともに消された。
  • 第六の大罪 伊集院大介の飽食
    3.3
    暴食――それは神が司る凶暴で甘美な誘惑。「現代グルメ」は暴食という罪を犯し続けている。肥え太らせることで恋人を奪った親友に復讐を企む「グルメ恐怖症」の他、命を救ってくれた“幻のラーメン”の正体を追求する「芥子沢平吉の情熱」、ワニの姿造りを作ろうとした有名シェフの悲劇を描いた「地上最凶の御馳走」など、シュールなフルコースの全4編。(講談社文庫)
  • 風の絵本
    -
    色のあわい日常生活を、風のように流されていく郁子。ふと郁子は日常をぬけ出して旅に出る。いわば<風の絵本>のヒロインである。彼女の目の前に次々とあらわれるのは、時間のひだにかくされていたいくつかの思い出――。知的女性のゆれる心理を、実験的な手法と新鮮な矜情とで描いた秀作。その他二編収録。
  • ディプロトドンティア・マクロプス
    3.4
    京都で探偵事務所を開設したばかりの私に依頼人が2名。「失踪した父を探してほしい」という大学教授の娘と、「カンガルーのマチルダさんを見つけて!」とわけのわからないことを叫ぶ美少女だった。捜査を始めた途端、私は暴漢に襲われる。すでに巨大な陰謀の渦中にいたのだ。先の読めない我孫子流ハードボイルド。(講談社文庫)
  • 行楽特急殺人事件
    2.7
    警視庁の西本刑事は恋人ゆう子と、箱根にむかう小田急ロマンスカーに乗っていた。この車両にはゆう子の友達の千加が接待係として勤務していて、彼らとあいさつを交すはずだった。ところが千加はノンストップの車内から消失し、自宅で死体となっていた! トラベル・ミステリーの王者の傑作集。(講談社文庫)
  • 我が父たち
    -
    血のつながりのやり切れなさを、鋭敏な感性でつづり、独自の文学世界をひらく。不思議な物語の魅力あふれる力作中篇集。(講談社文庫)
  • なにもしてない
    5.0
    “ナニモシテナイ”幸福な私を脅かすのは?生きていることのリアリティを希求して、現実と幻想の世界を往還するモノロ-グの世界を描いた野間文芸新人賞受賞の表題作を含む2編を収録する第一小説集。(講談社文庫)
  • 恋の休日
    3.7
    放校された女子高生と、男に夫をとられた漫画家。ふしぎな青春小説。肩を“ポンと叩いただけ”で教師が階段から落ち、女子高生のフィンは高校を退学になった。父は体調を崩し、愛人に看病されている。大学生の彼氏とは大喧嘩の末別れたばかり。今どきの若者の風俗や生態を淡々としたタッチで描きながら、心の奥底でふるえる悲しみをとらえた真摯で切なく、心やさしい作品集。(講談社文庫)
  • おしゃべり怪談
    3.0
    納会帰りに雀荘へ寄った4人のOLが、おしゃべりな男に包丁を突きつけられながら、延々と麻雀をする羽目に陥る表題作ほか、コミカルで、繊細で、温かく、ちょっぴり怖い4篇を収録した作品集。若者の日常に潜むいつもは見えない不安や心のほころび、性の揺れを優しくリリカルに描いた野間文芸新人賞受賞作。(講談社文庫)
  • 彼女の部屋
    3.2
    ささやかなハプニング、仄(ほの)かな心のざわめき。何度か顔を合わせた程度の女友達から強引に部屋に誘われた恭子。しょうがなく訪れた彼女のマンションで見たものは……。表題作ほか「ハローウィーン」「アメリカを連れて」など6作品を収録。何気ない日常を淡々と描きながら、気にも留めずにやり過ごしている“心のざわめき”を繊細に浮かび上がらせる掌編集。(講談社文庫)
  • ドーン
    値引きあり
    4.0
    人類初の火星探査に成功し、一躍英雄(ヒーロー)となった宇宙飛行士・佐野明日人(さのあすと)。しかし、闇に葬られたはずの火星での“出来事”がアメリカ大統領選挙を揺るがすスキャンダルに。さまざまな矛盾をかかえて突き進む世界に「分人(デイヴイジユアル)」という概念を提唱し、人間の真の希望を問う感動長編。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。(講談社文庫)
  • 世界は密室でできている。
    3.8
    15歳の僕と14歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。僕らの冒険はそこから始まる。地元の高校に進学し大学受験――そんな10代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。鮮烈!新青春エンタ!! (講談社文庫)
  • 山陽路殺人事件
    5.0
    京都の大学を卒業した友人たちと共に中川美帆は山陽路を旅する。旧交をあたためる旅のはずだったが、倉敷の第一夜で小笠原由紀が変死、一転仲間を疑うツアーになる。そして由紀の通夜に出るため京都に泊まったら、こんどは武村明が死ぬ。誰が、何のために殺人を? 青春の愛憎をサスペンス豊かに描く長編。
  • 火の国殺人事件
    5.0
    熊本、そして北海道。サラブレッドを愛して旅したカメラマンの兄が失踪した。行方を捜す妹は兄の恋人を名乗る謎の女の存在を知る。しかし手がかりを握るその女は京都・南禅寺の境内で死体となって発見された。髪にはすずらんの花がさされていた。隠された悲恋と連続殺人の謎。旅情あふれる本格ミステリー。
  • 平家伝説殺人ツアー
    5.0
    平家ゆかりの四国・徳島で惨劇は始まった。男女5人のグループ旅行で出掛けた祖谷渓で吊橋から転落して男が死んだのだ。橋のたもとで目撃された謎の美女。落人伝説の残る村で起こった殺人は平家の怨霊の仕業か。一緒に旅した同僚の犯行か。愛憎からみあう事件の真相とは? ミステリの醍醐味溢れる本格長篇。
  • 京都三船祭り殺人事件
    5.0
    京都嵐山で、色艶やかな平安絵巻を繰り広げる三船祭り。呼び物の扇流しで祭りが頂点を迎えたとき、大観衆の目の前で人気女優・野上麗子が毒殺された。メイク係の中村由紀子は大部屋女優・田中朱美に不信を抱くが、朱美もまた何者かに毒殺される。二転三転する容疑者。真犯人はいったい誰か!? 傑作長編推理。
  • 京都紫野殺人事件
    5.0
    池上鮎子の恋人で新聞記者の北条が、デートから京都へ戻る新幹線の車中で毒殺された。鮎子は警察の事情聴取をうけた際、北条には京都に婚約者がいたと知らされ、衝撃と疑念をおぼえる。謎を追いはじめた彼女の前に次々意外な事実が。そして北条が記者として追及していた巨大悪とは?
  • 愛の飛鳥路殺人事件
    5.0
    人気推理作家の大西秋彦が取材旅行中失踪、2週間後、惨殺死体で発見される。恋人の中山亜矢子は、自らの手で犯人をつきとめようと彼の取材先の京都、奈良、飛鳥へと向かうが、そこで彼女を待ちうけていたのは、恐るべき第2の殺人だった。春の大和路を舞台に、愛と犯意の交錯が感動的な旅情推理傑作長編。
  • 三十三間堂の矢殺人事件
    5.0
    京都三十三間堂の行事「通し矢」のさなか、若い女が矢で刺殺された。その際、彼女のアラーム時計が鳴っていたという。あらかじめ午後3時にセットされていたらしい。銀行員だった彼女の自室からは、驚くべき日記が発見された。愛する男のために横領しているとの……。古都と出色トリックで織りなす傑作集。
  • シンガポール蜜月旅行殺人事件
    3.0
    令嬢探偵キャサリンは恋人の浜口とシンガポールに行く。そのツアーは新婚や不倫のカップルでいっぱい。不吉な予感のなか、2日目に新婚の沖田しのぶが浜で溺死体に。彼女は莫大な遺産を相続した直後だった。犯罪の匂いをかぐキャサリンは調べ始める! シンガポール、バンコク、香港を舞台の華麗海外推理集。
  • シンデレラの殺人銘柄
    5.0
    恋人を京都駅に見送りに来ていて知り合ったOLふたり。麻子は結婚を切望してその資金作りに躍起。そしてまゆみは不倫の恋の相手と別れ話の最中にある。お互い順調に進まぬ恋に悩みながら株に走るが、やがて奇怪な殺人事件が相次ぎ、ふたりは疑惑の渦中に……。株ブームと推理を融合させた好長編。
  • 熟れすぎた林檎
    3.5
    親友の三田村毬子の母親に頼まれて、謎の女を探ったみすずは、恐るべき事件にまきこまれる。複雑怪奇な三田村家の事情は、若いみすずの手に余るが、毬子も協力して突きとめた真相の、更に奥には……。愛を求める叫びと、歯止めを失った欲望が、ついに破滅をよんだ時、一筋の光明が射す、傑作サスペンス長編。
  • 自由が丘ダウンタウン物語
    3.0
    花の盛りの娘が二人、自由が丘で共同生活を始めた。互いの大切な夢のために励ましあう日々。他人には無関心、不干渉がルールの街で、二人はしかし、次々と事件に巻き込まれていく。柔剛絶妙のコンビが解いていく、哀しく恐ろしい多くの謎。娘たちの、愛を信じる心と夢の清らかさ。都会派ミステリー傑作集。
  • Piss
    3.3
    あたしはボーイフレンドの伸ちゃんと一緒に小料理屋を持ちたい。もし夢が叶ったら嬉しい……そんな想いを胸に秘めて、見知らぬ男たちに性を売り、おしっこまで飲ませるみゆきの心が、次第に壊れていく――。リアルな表現で発表時に話題を呼んだ表題作など、狂気を孕んだ「愛」と「性」を描いた6つの作品集。
  • 西鹿児島発「交換殺人」特急
    -
    寝台特急「はやぶさ」車内と横浜の山下埠頭で、同じ日に二つの変死体が発見。両事件の自・他殺、関連性の調査に管轄の違う二つの警察署が動き、私立探偵もまきこまれる――。列車と航空機の巧妙なダブル・トリック、関係者たちの人間性、そして以外極まる結末までみごとに活写する本格長編ミステリー。
  • 新潟発「あさひ」複層の殺意
    -
    上野へ向かう新潟発「あさひ」11号車のトイレで、若い女がナイフで刺殺された。死ぬ間際に、女が発した謎の言葉“ジョ”とは?そして2ヵ月後、同じ「あさひ」の車両で第二の悲劇が……。事件の背後には、複雑に絡んだ男と女の愛欲の炎が燃えていた。ニヒルな探偵・鏑木一行の推理が冴えるエロチック・サスペンス。
  • 殺人急行北の逆転240秒
    -
    札幌駅に着いた急行『まりも』の寝台車で美貌の人妻が殺された。登山ナイフが、正確に女の心臓を貫いていた。前日、釧路駅で黒いコートの男と一緒にいるところを見られている。7日後、今度は下りの『まりも』で、またも同じ手口の殺人が発生!事件の鍵は、二つの列車が交差(クロス)する240秒に隠されていた。
  • 殺人特急逆転の15分
    -
    寝台特急「さくら」で発見された変死者が遺した奇妙な文句の意味は? 政党代表者の息子の不祥事に端を発してさらに「さくら」車中で連続殺人が! なぜいつも「さくら」なのか? 死体消失のトリックは? 容疑者の鉄壁のアリバイはいかに作られたか? 錯綜する謎と戦慄の真相を鮮やかに描く傑作長編推理。
  • 光源氏殺人事件
    3.0
    藤谷建設の会長綾子は、夫の死後堅実に社業を担ってきた。先妻の子和正は畑違いの国文学者で、その年若い妻尚子は、一族の青年秋弘との罪の子を妊娠している。素知らぬ顔の和正は、秋弘に源氏物語に関するある調査を命じるが、驚くべき秘密が判明しかかって……。愛執の悲劇を、王朝物語に託す推理長編。
  • 運転士
    3.3
    時刻ヨーシ、方向切替ヨーシ、発車。電車はスピードを急速に上げ、間もなく軌道が緩やかに下り始め、徐々に傾斜がきつくなっていく。傾斜角1000分の35。都市と都市生活者の様々な貌(かお)をトンネルの闇と駅の輝きが妖しく繋ぐ。カミソリのように光る二本のレールの上に現代を官能的に描く。第107回芥川賞受賞。
  • 津軽海峡+-の交叉
    -
    青函連絡船の上りに犯人が乗り、同時刻に被害者は下りに乗って津軽海峡上ですれちがった。真相に迫った男たちが次々に殺され、事件は連続殺人に!おなじみ文芸編集者・笹谷美緒と恋人の数学者・黒江壮の名コンビが不可能犯罪の解明に乗り出す。壮が示した犯行の全容から全く意外な真犯人が浮かんだ!
  • 北津軽 逆アリバイの死角 「太宰治の旅」殺人事件
    -
    名コンビ笹谷美緒&黒江壮が寝台特急「あけぼの1号」で北津軽の「斜陽館」に着いたころ、前夜に上野を発った「北斗星5号」が男の刺殺死体を乗せて札幌に着いた! 奥羽本線と東北本線の2本のブルートレインを結ぶトリックの裏にさらに巧妙・緻密なトリックが隠されていた。美緒&壮ははたして見破れるか。
  • 密書
    -
    日本の首相からインドネシアのスカルノ大統領宛に“密書”が発せられた。インドネシア賠償協定成立の前夜のことである。賠償の利権を求めて暗躍する日本商社員。彼らを利用し着々と武装蜂起を謀る軍部右翼勢力の動きも急を告げる。東京とジャカルタでの二つの怪死事件を織り込みながら国際謀略戦の火花が散る。
  • 無国籍者
    -
    公害の町にある鴨先密入国者収容所に大村福夫と名のる男が収容された。彼は記憶を失い、中国語で日本人だと主張するばかりで身元をさぐる手がかりは何もなかった。唯一の所持品は三つの「9」のついた石鹸だけだ。そこへ三人の面会者がやって来る。この正体不明の人物に石鹸の謎を絡ませたスパイ・ミステリの傑作。(「炎の中の鉛」を改題)
  • 湖畔の殺人
    -
    晩秋の河口湖畔、朝霧の中に艶めいた和服の女性の絞殺死体が発見された。下半身剥き出しのその凄惨な姿は行きずりの凶行を匂わせた。しかし狙いは意外なところにあった――。歪んだ欲望と金への妄執、社会のひずみが生み出す小悪漢たちの犯罪。本格推理の名手がミステリータッチで描く、傑作事件小説8編。
  • 瀬戸内を渡る死者
    -
    週刊誌の女性編集者北川真弓は、四国取材の途中、屋島で藤の花の下に倒れた若い女の他殺体を発見した。被害者は東京で夫とスナックを経営する人妻で離婚の寸前だったという。真弓は週刊誌の記事にするべく事件を追う。露わになった被害者の人生、そして意外な犯人とは? 旅情あふれる、アリバイ崩しの名編。
  • 妄想名探偵
    3.0
    酒場の客で、もと奇術師、もと商杜マン、もと数学教師、もと刑事、もと俳優、そしてもとポン引きでもあったと自称するこの探偵役は、アルジェの忠太郎、すなわちアル忠氏だ。飲んだくれの名探偵アル忠氏が、見かけによらぬ鋭い洞察力で怪事件、難事件を鮮やかに解決してゆく、奇想天外の連作ミステリー。
  • にぎやかな悪霊たち
    -
    新婚夫婦のベッドで、夫の背越しに妻の表情をのぞく幽霊、入浴中の女子大生を凝視してる幽霊、水洗トイレで女性の髪を引っぱる幽霊等々。出雲オカルト研究所に持ち込まれたこれら幽霊騒動を、出雲と助手の鶴来とが次々に工夫、解決してみせる。奇抜な設定と素材で軽快に描くスラップスティック風のお化け物語。
  • 十四歳のエンゲージ
    3.7
    たった一人のともだちだったルー。優しかったルーが妊娠して傷ついて死んだ。日の輝く晩、三角山の頂きに集うシュウや冴子さん、カツヤたちで静かに雪の中、ルーの埋葬が始まった。愛情に満ちあふれた家庭を捨てきれず、不良仲間にも入り切れない少女の14歳の心のふるえをみずみずしく描いた青春小説。
  • もと夫婦
    3.0
    何気ない日常生活にひそむ、おかしさ、愚かしさ、そして愛の喜びと悲しみを、関西弁の味を心憎いまでに駆使して描く田辺聖子独自のユーモア世界……別れた夫婦が喧嘩をくり返しながら、いつのまにか元のさやにもどった「もと夫婦」、他に「求婚」「あじさい娘」「あめりか・じゃがたら文」「金蒔絵の雲」等9編を収録。
  • 宮本武蔵をくどく法
    -
    遠大な計画は胸に隠して、《かわゆい》魅力を大きく育て、上手に誘って楽しみましょう。きっと結婚につながる恋の秘術が、確かに身につくとっておきの話。家つき男をくどく法、女闘士をくどく法、年下男をくどく法、二十五の女をくどく法……かしこい人も、ふつうの人も、皆幸せになる、甘く多彩な、傑作短編集。
  • 私本・イソップ物語
    3.0
    奸智にたけながら結局不如意な狐、愚かで粗暴で純情な狼、立派すぎる正義漢の犬、甘くてかわいい娘兎、臆病な権力者の獅子、何でも商売の狸……動物好きの著者が生き生きと語る、抱腹絶倒の現代版イソップ話。動物たちのいじらしさが滲む姿を描いて、人間という生き物を深く考える、知恵と笑いの傑作小説集。
  • 無常ソング
    -
    母親の葬式で、和讃にギター伴奏をつける若者。その奔放さに中年男は苦々しい顔をする。「まあ、ええやないか」と分りがいいのは坊さん。その若者も最後にはご詠歌、つまり無常ソングを合唱しつつ涙を流し、中年男をホッとさせる。冠婚葬祭をテーマに、巧みなユーモアで人生の哀歓を盛り上げた、独得の小説世界。
  • 秘伝
    4.0
    巨魚に挑む男たちを描いた直木賞受賞の大ロマン。長崎県西彼杵半島の西海岸を舞台に、二人の釣り名人と怪魚イシナギの死闘劇の幕は切って落とされた。まるで潜水艦のような黒い影が潜む海中に、特殊な工夫を施した必殺の仕掛けが送り込まれていった……。他に中編「赤い海」を収録。
  • 花はくれない 小説 佐藤紅緑
    3.0
    佐藤紅緑――俳人・劇作家・小説家・児童文学者。「ああ玉杯に花うけて」(少年倶楽部連載)などの大衆的な少年少女小説を執筆し、短篇童話中心だった日本の児童文学に長篇小説の礎石をすえる――ひたむきな激情に生きた、明治の男、紅緑の波瀾の青春からその死までを娘の眼から赤裸々に描く感動の長篇。
  • コマのおかあさん
    3.3
    みすぼらしい雑種の捨て犬を自宅に引き取った日、私は「おかあさん」になった。だが、コマと名づけた愛犬が大人しかったのはその日だけ。盗み食いはする、抜け毛による大気汚染は深刻、いろんな言いつけが守れない。恩知らずな我が子とのバトルな日々は、けれどこんなにも素晴らしい喜怒哀楽に満ちている。
  • 中国笑話集
    -
    昼間、子供を隣家へ追いやっての房事。ところが、子供がすぐに帰ってきたのであわてて叱ると……。健康で、エロティックで、辛辣で、小気味よく、痛快。豊かな歴史に育まれたさまざまの笑いと知恵が、色とりどりに渦巻く。「笑林」等の原典から訳出され、笑いの醍醐味を満喫させる600編のコント集。
  • 中国妖姫伝
    -
    中国の歴史を華麗に彩った美姫たち。驪姫(晋)、無残な末路を呼ぶ妖しい情炎。夏姫(陳)、吸精導気の房術が保つ永遠の美貌。朱太后(秦)、邪婬と陰謀に生きた始皇帝の母。呂太后(漢)、殺戮に明けくれた血塗りの女権。甄フク(漢)、権力抗争の陰に咲いた一途な女心。則天武后(唐)、恐怖政治と巨陽に徹した妖帝。楊貴妃(唐)、玄宗皇帝をまどわせた凝脂の肌。
  • 一条さゆりの性
    3.0
    ほかの踊り子には真似のできない“演技”を彼女は見せた。舞台のはしにしゃがんだ彼女の花弁のあいだから、ひとすじの流れがするするとあふれ出す。照明の光をあびて、それは感動的な光景だった。……ストリッパー一条さゆりの性と生を、舞台と日常を、暖かいまなざしで共感こめて描く異色の傑作小説集。
  • 旅券のない旅
    3.0
    風雲急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。青年の手元に残ったのは黒龍江岸の崖に建つ古い碑から取った謎の碑文の拓本のみ。その秘密と失われた愛しい女性の跡を求めて、四十年後、異国へ旅立った男は意外な人物と再会したのだった。
  • 恋情
    -
    70歳を目前にして、突然離婚を迫られた主人公が人生を振り返ると、いつも脳裏に浮かぶのは、炭坑で出会った彼女の姿だった。海岸や木々に隠れて逢瀬を繰り返していたのに突然去った君枝。あれから50年、思わぬドラマが、主人公を待ち受けていた。自伝的要素を含むエロチックで叙情的な勝目文学の真骨頂。
  • 李朝残影
    -
    昭和十五年の京城。日本人画家野口は、李朝時代の宮廷舞踊を舞う美しい妓生を知り、大作のモデルにしたいと懇望するが、彼女の応対は冷たい。彼女の過去に日本軍を憎悪せざるをえない或る出来事が強く刻みこまれていたのだ。元軍人を父にもつ野口の衝撃は大きかった。京城に愛惜の念深い著者の代表作。(103版より、表題作と、同じく朝鮮に材をとった「族譜」の二作品を収録。)
  • 那覇心中
    -
    不動産業者の倉地は、沖縄・那覇で出会った青年山口を東京にさそい、就職の世話をする。山口の那覇での荒れた生活が気になったのだ。しかし半年後、山口は心中した。しかも相手は七十の老女! 倉地にあてた長文の遺書は、青年のおどろくべき生活を赤裸々に告白していた……。単行本未収録作や放送劇を含む、鬼才の心中小説集。
  • わが鎮魂歌
    -
    新聞社の入社試験で肺に空洞を発見され不採用となった俊吉は、失望の日々を酒や女に費やす。新聞記者から作家へというのが、彼の人生設計図だった。そんな折、光明となったのが恋人の決断だった。二人は手を取り合い、広島から上京する。だが東京での生活はなお辛酸をなめ……。屈指の流行作家だった著者が、青春をふり返り綴った自伝的長編。
  • 協奏曲
    -
    かつての恋人で、今は外交官夫人になっている女性を忘れられず、再会を期してフランスへ渡る中年作家。また、海外取材という名目で、この中年独身作家のあとを追う、天衣無縫に生きる若い女性アナウンサー。二つの世代の恋愛とその心理的葛藤を、同時並列の映画的手法で描く傑作長編。

    試し読み

    フォロー
  • 神宿る手
    4.0
    伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?四十余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。奇跡の楽壇復帰を仕掛けたのは、スイス在住の島村夕子であった。しかし、ベストセラーを続けるCDに疑惑の影が。美に憑かれた女のゆくところ、謎また謎。最終章に衝撃的ラストが待ちかまえる音楽ミステリーの一大傑作。

最近チェックした本