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15歳の僕と14歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。僕らの冒険はそこから始まる。地元の高校に進学し大学受験――そんな10代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。鮮烈!新青春エンタ!! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
青春小説?そんなこと全く思わなかった。 密室というミステリーにおける鉄板ネタを、あれやこれやと否定否定。バカなトリック。だけど愛おしい。しかも家族とかけて再生の物語なんて、舞城天才かよ。 名探偵ルンババといいキャラの破天荒。ストーリーのはじっけっぷり。そこにドライブ文体。 井上姉妹の心情は、西加奈...続きを読む子や川上未映子っぽさがあり、女性作家?いやいや、友紀夫とルンババの笑いのセンスは男性作家?相変わらず不思議な作家だ。 久しぶりな舞城作品は愛も変わらず、愛の話。そこにミステリーのエッセンスがあるのだから、楽しいに決まっている。 おススメマラソンその④ 杏仁さんより紹介いただきました。感謝。
完全にやられた。面白い! 青春ミステリーチックだけど、文章のポップさとたまにかっこいい言い回しはクセになる。 ふざけっぱなしだったのに、最後はほろっとお涙頂戴。確かに世界は密室でできている。とんでもない鉄格子に囲まれ囚われても、乗り越えて生きていく。
『何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。』 『でも僕までここで一緒に泣いていたら、誰が明るい明日を運んでくるんだ?』 『ポテトチップスさえあれば全てがOK。』 『頭働かせよう、何かちゃんと考えようと思って考えるの...続きを読むが最近習ったばかりの受動態の構文で、ビーサプラチズドアット、ビープリーズドウィズ、ビーボーンインとか一生懸命唱えちゃって訳が判らない。ビーパンチトバイやげ俺。』 「ふざけんなって、ねー?奥さん妊娠させといてこっちも妊娠させようって、それは虫が良すぎるってもんでしょ。こっちの子宮は甘くないっつの」 『くそ、こうなりゃ踊るか?ヴィッツのボンネットの上に登ってシャバダバデュワップデュビデュバとやってやるか?それとも得意のロボットダンスか?それとも後部座席でいきなり漫談でも始めるか?泣いてる女の子の背後で必殺の一人漫談。』 『「その愛のハンカチ、私に頂戴」。え。「いいですよ」。何?「ありがと」。それから僕は埼玉のどこかの国道の脇で、初対面の女の子に、出会って二時間でキスを奪われるという、唐突過ぎて素敵なんだかどうだか判らない経験をする。それは短いキスだったが、でも唇と唇は乱暴なくらいにブッチュ〜とぶつかり合って離れた。僕の凄いところは、その瞬間咄嗟に手を出して彼女の胸をばっちり触っておいたところだ。あらゆるチャンスを逃さない男・西村友紀夫。』 『何しろ僕は修学旅行中の中学生で、場所は旅行のルートを大きく外れた埼玉で、相手はそこに住んでいる、僕より二つ年上の、何度も言うけどまだ出会って二時間しか経っていない、それもその内一緒にいたのはまだ一時間ほどの、色々複雑なものを抱えていそうな女の子だった。謎の理由でワーンと泣いて涙も拭かず、一言「愛」を口にしただけでキスを求めてくるような情緒不安定な女の子だった。』 『「はい、西村です」「う、もしもし。うう、ヒノウエですけ、ど」。エノキは最初からもう涙声でグジグジだった。僕の全身に結構たくさんある普段は寝ていていいはずの細胞がザーッと起こされる気配があった。うわわわわわわエノキさん泣いてるよ!』 『何事も一つ一つ順番に片付けなくてはならないのだ。もし何かを本当にちゃんと片付けたいのなら。』 『女の子の肩は、見た目よりずっと小さい。 お風呂で熱いと思うお湯の温度が、口に入れてみると全然ぬるいのと同じだ。何かを適切に計る器官は、対象によってそれぞれ決まっているのだ。女の子の肩の大きさは、抱いてみなけりゃ判らない。』 『人生皆、それぞれにいろんな楽しみ方がある。どんな楽しみ方をしようと、それは人の勝手である。』 『どうして泣いちゃいけないの?→エノキが泣くと、僕まで悲しくなるじゃないか。だからエノキ、泣くな。僕まで泣いちゃうからエノキ、泣くなよ。頼むから。』 『「俺の父親と母親、どうやって殺してやるかなと思って考えたやつやで」 うーんそりゃ燃えて良かったね。』 「思い出したわボケ。おめえ何してるんじゃこんなところで。涼ちゃんの命日なら、こんなところで自殺なんて図ってんと、墓参り行け、墓参り」 『それからごめんごめんと繰り返し謝った。助けられなくてごめん。あの時助けられなくてごめん。本当はどうにかして助けたかったのに、弱くてそれができなくて、助けられなくてごめん。ごめん。ごめん。ごめん。』 『「私先帰ってるね。友紀夫、今日これからどうする?」 「まず布団の洗濯手伝って、ほやな…」 「デートしよか」 それいいですね。』
どうして舞城節の虜になっちゃうかっていうと、例えが抜群に気持ちいいからだと思う。って書いたけどぱっと思いつかないからパラっとめくってみたけどそれでも見つからなかった。前どっかで見たのが「大人だってトトロにガバっと抱きついてがおーってしたい時もある」ってのがあって、単に「ストレスを発散させたい時もある...続きを読む」って書くのと比べたら感覚に訴える土着力がトトロのほうが高いのは歴然でそれが持続して読書中飛びっぱなしだから読んでいる間は一種のアッパーになってる。リーディングハイ。あと発見したのが限りなく映画的な動きが見えたりする。椿の抱いている赤ちゃんに近づくシーンでは”ゆっくり近づいたが、しかしそれはもう走る必要が無いため、ツバキさんが赤ちゃんに注いでいる親密なる視線を壊さないようにわずかながらでも猶予を与えてあげる配慮のような気がする。本能的にここで追い付くことは決定的に何かを壊してしまう気が僕はした” ありありと情景が浮かぶし、映像を見てこの感覚を得るようにもありえそう。これは説明の過多ともとられそうで、文章と文章の行間を読みたい派であれば拒絶対象でおれもそのきらいはあるんだけど、舞城王太郎のは屈服したくなる。それはより感覚を味わいたいってのがあると思う。物語のフルスロットルはいわずもがな「プギャーイッヒ」なんて赤ちゃんの鳴き声を表すのはこの人しかいない。
面白かった。 最後は少しシリアスな場面だったけど、友紀夫とルンババの友情が固いものだと伝わって感動した。 舞城王太郎氏の作品は初めてだったが、まるで大阪のしゃべくり漫才を観ているかのような疾走感は読んでいて気持ちいいものだったし、笑える部分も多々あって素晴らしい作品だったと思う。
舞城王太郎作品をおすすめしてもらったので読んでみました。 序盤からどぎつくグロテスクな表現が続き、顔をしかめながら読み進めると、軽快な一人称の語り口に気づけば引き込まれています。 ぶっ飛んでいながらも友情、恋愛、青春の機微が切なく描かれています。 中毒性が高いと思います。
青春カケル殺人事件 冒頭の、肌を搔きむしって全身が乳首のやうになるシーンは、なかなか想像するとグロテスクだ。 下品でくだらなくて気色悪いのだが、最後まで読むと、まあめちゃくちゃでヘンテコリンな小説だけど、アリかなといふ気がしてくる。 登場人物はみんなどこかをかしい。けれど、まあツバキエノキ魅...続きを読む力的だしアリかな。連続殺人もバカミスすぎてアホらしい。けど、ここまで飛ばしてると、全体と調和してるしまあアリかな。で、最後もよく書けてゐる。 いままで読んだ舞城王太郎のなかでいちばんおもしろかった。 たとへばツバキさんが屍体を使ってしてしまったことが、たいへん狂ってゐる。度肝を抜いた。しかしそのイメージがいつまでも頭から離れない。鮮烈なイメージ。 笠井潔氏は、かつて日本推理作家協会賞の短篇部門に舞城氏の「ピコーン!」が候補になった時(2003年)、かう評した。《ミステリとしての歪みや撞着にかんして作者は確信犯であ》る。つまり、わざとこのやうなバカバカしい書き方をしてゐるといふことだ。舞城氏の作品が一貫してこの傾向にあることは、作品を読めば明らかだ。 さて、氏は小説にモチーフやパロディを用ゐる人だ。たとへば、デビュー作の『煙か土か食い物』は、尾崎真理子氏の指摘の通り、大江健三郎の『万延元年のフットボール』でした。また、短篇「熊の場所」と『阿修羅ガール』は、神戸連続児童殺傷事件がモチーフです。『ディスコ探偵水曜日』はさまざまなパロディが仕込まれてをり、西尾維新やそのほかに留まらない。 さう考へると、この『世界は密室でできている。』もなにかしらのものが根底にありさうな気がする。 (どうも私はまた大江健三郎の『万延元年のフットボール』なんぢゃないかと、根拠薄弱ながら思った。なんたって『万延元年のフットボール』は、《この夏の終りに僕の友人は朱色の塗料で頭と顔をぬりつぶし、素裸で肛門に胡瓜をさしこみ、縊死したのである。》といふ、度肝を抜く文から始るから。)
例によってミステリーとしても小説としてもメチャクチャ( ´ ▽ ` )ノ ミラーやフォークナー、ジョイス系列の「意識の流れ」小説を、一人ノリツッコミ満載の漫談仕立てにしたところがミソ( ´ ▽ ` )ノ ちゃんと書けば普通(以上)のミステリーを書く腕を持ってる作家であるからこそできる「お遊び...続きを読む」だね( ´ ▽ ` )ノ 改行の回数増減で文章のテンポを表現してるところが面白い( ´ ▽ ` )ノ 「時効警察」なんかのバカドラマっぽくもあるけど、ぶっ飛びさ加減はそれ以上( ´ ▽ ` )ノ 落語「らくだ」の現代版アレンジ(?)「ピングー」には笑った( ´ ▽ ` )ノ まあ、ペヤング焼きそばチョコソースみたいなもんで、常食には到底向かないけど、ネタとしてたまに食べてみるには最適だね、O太郎( ´ ▽ ` )ノ ゴキブリが入ってるかもしれないし( ´ ▽ ` )ノ 2019/04/07
ミステリもさることながら心情、キャラの成長。密室というガジェットを使いながら様々なことを書いていて好印象。いやあ、感服。文体は独特だがそれが癖になってしまった。良いなあ。あとエノキ可愛い。
10代男子の青春ミステリはやっぱりいいなぁ! と思えた一冊。 涼ちゃんの話は、つい最近あった密室に15年間閉じ込められ亡くなった女の子の事件を思い出して、胸が苦しくなった。
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舞城王太郎
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熊の場所
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