長嶋有のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    小説家ってぶっ飛んでる!と思ったり、意外と庶民的、と思ったり。なかなか知ることのできない彼らの本音やキャラクターを垣間見れてうれしい。
    対談形式なので、すらすら読めた。

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    2022年01月10日
  • 猛スピードで母は

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    「サイドカーに犬」と「猛スピードで母は」の2話編成。

    サイドカーに犬:小学校四年生の女の子と母親が家出中に急に転がり込んできた父親の愛人との友情物語。設定とは裏腹に二人の関係がとても爽快に描かれていて、物語に吸い込まれるような感じ。周りを巻き込んでく強さを持っていてどこか憧れる愛人の人物像が印象的。映画では竹内結子が演じてるそうですね。

    猛スピードで母は:シングルマザーの母親と小学5年生の息子との、依存から自立への過程をを描いた物語。この作品も母親の人物像が印象的。一見強引で自分中心に物事を進めるものの行動の裏にどこか表には出ない愛情が潜んでることが感じられます。だからこそ息子が異様になつ

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    2022年01月06日
  • ご本、出しときますね?

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    その人特有の変な癖や、趣味趣向×本
    という、私の好きなものが詰まってた。

    おもしろくない訳がないじゃないか!

    好きな作家さんもで出て、その人となりが知れたのが興味深かった。

    尾崎世界観×光浦靖子の歪んでるけど、
    優しくて、不完全な感じがよき。


    あぁ、もっと力を抜いていいんだなー

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    2021年12月18日
  • 猛スピードで母は

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    ネタバレ

    目次
    ・サイドカーに犬
    ・猛スピードで母は

    「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」のどちらも、子どもの日常が子どもの目線で書かれているのだが、そのどちらもが親との精神的距離がある。
    親を嫌いなわけではない。
    親も、子どもを嫌いなわけではない。
    ただ、子どもの他にいろいろとあるのだ。好きなこと、やらなきゃならないこと。
    子どもはそれを知っているから、いつか、親に捨てられるかもしれないことを心のどこかで知っている。
    それは特に寂しいことではない、とも思っている。
    結局捨てられることはないのだけれど。

    どちらの作品も主人公の心は終始フラットで、時々不安に駆られることはあっても、大笑いしたり激怒し

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    2021年11月27日
  • ご本、出しときますね?

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    作家さんの内面を知る事ができて面白いし、読んでみようとなる。
    「この人こんな考え方なんだ」「こんな思いで本を書いてるんだ」とか…
    作家さんによって考え方が違うのもとても面白い。

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    2021年09月02日
  • ご本、出しときますね?

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    ネタバレ

    小説家×小説家×若林さんの鼎談(初めて知った言葉だ)集。対談ではなく鼎談、そして小説家ではない人がいるところが面白さを生み出しているのだと思いました。

    作家の方の、作品への思いではなく、その周辺や日常の話だったり、マイルールだったりが分かり、作家も雲の上の人ではないんだなと思えます。本の紹介もあって、本の世界が広がっていきそうで嬉しいです。

    ・ロイヤルホストに行きたくなる。
    ・「あたし」を使わないは、よく言ってくれた!これだけで星5つ!

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    2021年08月21日
  • 猛スピードで母は

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    ◯サイドカーに犬
    子供ながらに親の入れ替わりを不思議と思うことなくなんとなく受け入れてそれなりに親しんでいく。不器用ながらもしっかりと私に愛情を注いでいる洋子さん。感受性豊かで雑なところがある分、子供としてみられがちなだけど、今でも私はある意味尊敬していて、逆に自分に情けなさを感じる。キレイに生きるのではなく、がむしゃらに大切な人のことを大切と言える人、何事にも全力でぶつかれる人を「大人」と感じている私。ラストの私もそろそろかなぁのところは、そういう意味だと感じた。

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    2022年01月16日
  • 三の隣は五号室

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    『三の隣は五号室』長嶋 有
    こういう小説もアリなのか。純文学って本当に面白い。
    ある人の何気ない暮らしが全く知らない別の人の暮らしに少しのドラマを与える。これを読んでいると、自分のマンションの『前の人』はここでどんなことを考えたんだろうとか、どこにベットを置いてどんなテレビを見てたんだろうとか分かるはずもないことを色々と想像してしまった。
    解説で村田さやかさんが書いてたけど、自分もいつかはこの部屋において誰かの『前の人』になるだろうし、自分はその誰かのことなんてどうでもいいんだろうな。

     何にもしていない時間でも人は思った以上に「生きて」いて、自分とは別の誰かに何かしらの影響を与えている。す

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    2021年08月01日
  • 三の隣は五号室

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    ネタバレ

    ★星4.4
    初めての作家さん。
    第一藤岡荘五号室に、1966年~2016年の間に入居した13人(世帯)の住人の、それぞれの物語。
    物語は、時系列ではなくランダムにそれぞれの住人にスポットが当たるってのがテンポ良くて好き。
    最終章は、何かあるんじゃないか!って思わせるようなフラグがありちょっとハラハラ…でも結局、日常に戻るのが、この物語の良さなのかなって思いました。
    何気ない日常を描く、とっても好きなタイプのお話でした。

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    2021年05月07日
  • 泣かない女はいない

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    表題作は都心ではない、かと言って地方でもない、どこか間の抜けた郊外の風景を時にしょうもなく、また時には愛すべき空間として切り取る描写が上手いと感じた。

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    2021年02月07日
  • 三の隣は五号室

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    第一藤岡荘の5号室を舞台に、同室に居住した合計13代の住人が織りなす物語。方法論としては「問いのない答え」と同様、多くの人々・出来事が連想ゲームのようにつながっていくというところなのだろうが、「問いのない答え」よりもさらに研ぎ澄まされているように感じる。何しろ、場所は同じ五号室でも、時間を前後していったり来たりしながらなんの違和感もなく、しかしなんでもないのにちょっとひっかかる言葉が、結構ページ数を離れてもしっかりと想起されるようにできている、というのは物凄いことではないだろうか。そこで描かれていることは他愛のないことかもしれないが、しかし時を超え人々が共有するものがある、ということが、何か意

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    2021年01月04日
  • 猛スピードで母は

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    ものすごく読みやすくサラサラとはいってくるのに大事なものを見落としているような感覚がある、これはいいなあ。

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    2020年10月29日
  • 泣かない女はいない

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    長嶋さんの作品、既読のものはどちらも群青劇っぽかった。こっちの作風の方が好きだなあ。「泣かない女はいない」の睦美も「センスなし」の保子も、鈍感なんだけど淡々と生きていてよかった。隠したからといって自分の好きなものを自ら貶したことにはならないんだよ、そうかなあ。

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    2020年08月27日
  • 大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる

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    少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
    大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
    で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
    なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
    受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。

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    2020年07月24日
  • いろんな気持ちが本当の気持ち

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    最初の「ぽんぽん」の話が一番面白かった(*´ω`*)
    あと髭の話とかも...あ、だんだん記憶が薄れていってるからまた今度読もう。

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    2020年03月09日
  • 俳句は入門できる

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    Web連載「俳句ホニャララ」がもとになっているので、軽く読みやすい。(ちょっと古い)他の入門書には書いてないことが多々あって納得。

    "五七五の間に空白を入れないでほしくて、" 110頁

    なんですが、何と私は施設の月間通信を作る時に、空白どころか、分かち書きしています。他の本にも、短歌や俳句は空白を入れず分かち書きもしないとあります。でもね、改行しないと新聞の段におさまらないんですよ。

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    2020年02月02日
  • 猛スピードで母は

    ネタバレ 購入済み

    夜な夜な読みました。

    優しくて切ない物語。文章の表現がその時の状況をよく想像させるので、夜中の静かな時間に読むのにぴったりな雰囲気の本でした。

    子供は親を選べない、どんな親だろうとその人の子供に生まれたからには、一緒にいるしか生活できない子供たち。

    親も子供は選べないはずだけど、この親たちは本に登場する子供たちが自分の子でいてくれて良かったなと思います。

    女性にとって子供を宿し産み育てるということは、一生の人生がかかったことなのだと感じます。

    男性にとって一生愛せないかもしれない女性が自分の子供を宿し産むということが、自身の一生において、どれほどのことなのか。

    今愛していると感じている

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    2019年12月28日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    24節気を3等分した72候があることを知って、日本には季節を細かく愛でる文化があったのだと再認識した.その季節感を念頭に置いて、著名な作家が短編を綴るという贅沢な本だが今回は春夏を読んだ.村田喜代子の雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)が面白かった.戦前の裕福な家庭に育った姉妹だが、それぞれにねえやがいて、様々な世話をするという、今では考えられない家庭内のやり取りが出てくる.あんな時代があったことは、映画や小説の中でしか接することはできないが、この姉妹の会話からその情景が想像できることが新しい発見をしたような感じだった.

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    2019年11月06日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    トップバッターの 瀬戸内先生のが 一番俗っぽかったな と思うほど 瀬戸内先生 相変わらず かわいらしい人を書くんですね ほぼほぼ 幻想的で不思議な短編 ちょっと読むには 分かりにくいものもある 芥川賞作家が多いからでしょうか

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    2019年08月22日
  • 結婚失格

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    ネタバレ

    離婚協議中の私が、離婚エッセイを読んでみました。
    枡野さんは昔から好きだし。

    離婚はつくづく十人十色。
    結婚よりずっとバリエーションが豊富だよね。「豊富」と言うと、自分でもなんだか悲しく響くけど、でも実際子ども有無からバリエーションは無数にあって、私と誰かの離婚が同じなんてあり得ないんだろうなー。

    お子さんと会えなくなった枡野さんは本当にかわいそうで、読んでいる私もその場にうずくまりそうになったくらいだったけど、こうして公の場に晒される元奥様やお子さん達にもやはり同情してしまう。

    そして、解説の映画評論家の町山さんが厳しい。鋭い。
    町山さんもおもしろい方だな。町山さんの著作もちゃんと読み

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    2019年03月03日