長嶋有のレビュー一覧

  • 問いのない答え

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    ネタバレ

     5年前の東日本大震災後、あらゆる情報網が麻痺した際にTwitterが情報拡散や励ましの一躍を担ったことは記憶に新しい。逆に、無責任なツイート・リツイートの応酬が混乱を来したり、心ない言葉が飛び交ったりし、その使い方について議論が起こったこともあった。
     この物語では、Twitterの有用、あるいは短慮な使い方にフォーカスしていない。「何をしていましたか?」などの投げかけられた質問に思い思いの答えを返す大喜利のようなことをしている人々の群像劇である。中には震災の被災者もいるが、決して悲惨さは描かれていないし、和やかなタイムライン上では震災があったことすら触れられていない。まるで、日本中で叫ばれ

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    2017年09月28日
  • 泣かない女はいない

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    この人の小説は初めて読む。名前からてっきり女性の作家かと思っていたが、折返しの作者紹介欄を見てびっくり。文章はシンプルで淡々としていて中性的。別れ際のアラサー女性を書いた中編2編。
    『泣かない女はいない』は知らぬ間に他の男に心を惹かれていて、そのことを自覚していく様子にとてもリアリティーがあった。一目惚れなんてのはほとんどなくて、この話みたいに少しずつ疑惑から確信に変わっていくのがリアルな感覚だよなあと思った。最後の場面もよかった。存分に悲しみを味わえた。一つ気になったのは、展開が強引なところが少しある気がした。
    『センスなし』こちらの方が個人的にはよかったと思う。夫に愛人が発覚したばかりの、

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    2016年08月24日
  • 佐渡の三人

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    不謹慎だとピシャリと言われたら言い訳できないけれどそれでもじんわり心が緩んで「なんかいいやん」と思えてしまう。
    ヨツオ、ムツオ、ヤツオの名前がなかなか覚えられず苦労した。

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    2016年06月14日
  • 電化文学列伝

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    現代文学の中で、家電が登場するシーンを取り上げて評した異色の本。
    コンセプトにひかれて手に取った。
    家電というピンポイントから、その作品全体が見える...というようなところを期待したのだが、それはちょっと虫が良過ぎたか。
    川上弘美「センセイの鞄」の電池は、電池の固執するセンセイのたたずまいを象徴的に表現したものだという長嶋さんの説に納得できたが、他のはどうなんだろうなあ。
    100年くらいして、ここに取り上げられた家電がいずれも姿を消したとき、資料的に参照される本になるのかも。

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    2016年04月26日
  • 佐渡の三人

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    ちょっとヘンな家族の納骨の旅をしみじみ描く連作小説。
    作家の「私」とひきこもりの弟、そして古道具屋の父が、親戚のおばちゃんの遺骨を郷里の佐渡へ納骨に行く。終始噛み合わない道中だが、そこはいつもの長嶋テイスト。意外とNHKの『ドキュメント72時間』で、この三人の話を聞いたら涙が出てきそう。

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    2016年03月07日
  • 佐渡の三人

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    数年間に3度にわたる先祖の土地・佐渡への納骨の旅を描いた作品。
    納骨といえば哀しみや厳粛なイメージですが、そんな感じは全く無く。
    どこか世間からズレた家族が、何となく世間の風習を無視できずに、適当に、でもそれなりに真面目に納骨します。そこが何ともオカシクて。
    どうも半私小説という雰囲気です。身の回りに起こったことを淡々と丁寧に描いて行く。何故「半」かと言えば、この作品では主人公が女性に変わって居たりして、若干脚色が入るので。
    読みながら『ジャージの二人』を思い出しました。ダラダラとした気怠い雰囲気が良く似てます。ま、タイトルも続きみたいなものだし。。。

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    2016年05月15日
  • ぼくは落ち着きがない

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     主人公の望美ちゃんがとても好きだ。ひょうひょうとしていて、自分のいる状況を受け止めるのが上手だなぁ、と。 
     それにしてもこの作品は帯に学園小説と書いてある割には、他の学園ものほど劇的な展開や刺激的な出来事も起こらない。が、それが高校生のリアルだと思う。そうドラマチックな出来事なんてなくて、日々は胸がざわつくような小さな出来事の積み重ねだよなぁ…。

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    2015年11月29日
  • 夕子ちゃんの近道

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    ネタバレ

    登場人物に癖がありキャラがたっている点は読んでいて面白いと思ったが淡々と話が進むのでなかなか進まなかった。

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    2015年06月10日
  • 泣かない女はいない

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    風景描写が多く取り入れられてたり、主人公の心情が絶妙なバランスで伝わるかんじ。
    ただの平凡なOLの話なんだけど、ひとつひとつのシーンが印象深い。
    桶川さん、かっこいい。
    会社の雰囲気も、ゆるく距離がありながらも些細な出来事で近付いてる感じが自然ですき。
    好きな分は、
    使い道がないのに消えない記憶や知識は、使える時使った方がいい。
    我々は連帯しながら断絶している。

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    2015年01月15日
  • 泣かない女はいない

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    中途入社した先での人間関係や恋人とのこと。そして心変わり。
    浮気して出ていった夫とのやり取り。それを告げられないまま交わす友人との電話。
    二作それぞれに何か淡々とした女性の心理を感じる。

    2815.1.12

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    2015年01月12日
  • ぼくは落ち着きがない

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    ネタバレ

    【本の内容】
    両開きのドアを押して入るとカウンターがある。

    そこは西部劇の酒場…ではなく図書室だった。

    桜ヶ丘高校の図書部員・望美は今日も朝一番に部室へ行く。

    そこには不機嫌な頼子、柔道部と掛け持ちの幸治など様々な面々が揃っている。

    決して事件は起こらない。

    でも、高校生だからこその悩み、友情、そして恋―すべてが詰まった話題の不可資議学園小説が文庫化。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    ベニヤの壁で仕切られた図書室の奥の小さな空間を舞台に、図書部員の高校生たちの日々をゆるやかにかつ生き生きと描く青春小説。

    友達が不登校を宣言したり部長と顧問が噂になったりドラマになりそうな出来事も

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    2014年10月31日
  • パラレル

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    ネタバレ

    時制があちらこちらに飛ぶ割には読ませるが、妻との距離感の微妙さについてもっと言及があってもよかったかも。子どもがいなけりゃ離婚してもこうしたライトな付き合いが出来るのか。でも別にそのことを求めて読んだのではなかった。僕にとってはどうでもいい内容の小説だと読んでみて思った。構成は巧みだけど。

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    2014年08月26日
  • 祝福

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    「ジャージの二人」「ぼくは落ち着きがない」のスピンオフが収録されているということで買ってみた。
    それも良かったけれどやっぱり他のも良かった。
    生活のテンポや波長が私とよく合っているような気がして嬉しくなる。
    「海の男」の主人公は私だし「山根と六郎」の六郎も私だ。

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    2014年07月15日
  • パラレル

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    別れたばかりの若い夫婦の微妙な距離感が面白く感じられた、という普通の感想では何も描けない不思議な雰囲気の文章。台詞と記述がつながって書かれていてどこが会話かどこが心の中かを、考えるというより感じながら読み進めた。いまひとつ登場人物に共感できずに近寄れずにいたことが読み手として消化不良だったか。

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    2014年05月12日
  • 泣かない女はいない

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    中篇2作とも身近なものへの感性が非常に鋭敏な割に、世間との距離感をうまくつかめない女性の日常を描いた作品です。
    視点が優しく細やかで、男性が書いたとは思えない味わいがありました。

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    2013年10月07日
  • パラレル

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    ネタバレ

    好きな歌人、枡野浩一さんが長嶋さんについて本の中でふれたり、対談が掲載されていたのをきっかけに読んでみました。
    初めて読む作家さん、気になっていた作家さん。
    さてさて。


    会社を辞め、離婚した七郎。
    プレイボーイの友人・津田、別れても連絡をまめによこす元・妻…過去と現在、様々な人間関係が交錯する物語。

    物語が進む、時間が進む…と思ったら、戻る…そして、また一度は進んだ時に戻る…不思議な流れを持った作品です。
    慣れぬ内はちょっと目が回る、私は特に反射神経が鈍いから。

    題名と表紙の雰囲気などからくる勝手なイメージでほんわかしたお話なのだと思い込んでいたら、内容自体は不可思議ではない。
    非常に

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    2013年09月18日
  • 夕子ちゃんの近道

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    さらりとした日常の中にある物語。穏やかな中にも味わい深さというか心地よさがある。
    ゆるりと過ぎていく毎日っていいものだなぁ。

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    2013年06月17日
  • ぼくは落ち着きがない

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    図書部員・望美の視点が描かれる高校生の日常。とはいえ、登場するのは図書部員だけなので、非常に狭い世界だ。
    そうだよなあと思うのが156頁。
    この世の中の人は、誰もがただ会話するだけでも芝居がかる。即興で「キャラを演じる」。役割の中でボケたり、ツッこんだりもする。
    誰もがテレビや本や、あるいは先人たちのふるまいや、それぞれの心の中に降り積もった情報を参照して、言葉を外部に発しているんだ。
    上手にふるまえない人は、しんどい。当意即妙に冗談がいえたり、余計なこといわなかったり。「空気よめない」のは生きにくい。

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    2013年04月30日
  • パラレル

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    ネタバレ

    いつ読んだか忘れた。多分2013年の1〜3月?
    そして内容も忘れた。
    起業家とその友達の話。あと女の話。元妻のこと。仕事のこと。
    ほんと覚えてねぇな、ひどい。

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    2013年04月25日
  • ぼくは落ち着きがない

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    高校の図書部が舞台の青春ストーリー。
    図書部のメンバーは何となくクラスメイトと上手くいかない人が多く、さわやかな青春とは違う屈折した雰囲気が漂う日常が描かれている。
    最後まで大きな出来事がないのに飽きないところが本書の魅力だと思う。

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    2013年04月23日