長嶋有のレビュー一覧
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4篇とも30歳前後の、人生というマラソンで集団から遅れていて、尚且つその状況を諦めの境地で受け入れている様子の人物が主人公になっている。とても共感できた。この作家は子どもから大人、女から男まで年齢性別を問わず「生身の人間」を描き出すのが本当に上手くて感心してしまう。文字を読んでいるだけで、人物像が確かな肉体を持って浮かび上がるような感じがする。特にその人の歩んできた歴史がありありと感じられるのがすごいと思う。
どの話も面白くて順位をつけるのは難しい。似たような主人公を設定しながら、それぞれ違う味わいがある。けれど強いて言えば『三十歳』が一番好きだろうか。人生における一歩を踏み出す物語がなんだか -
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久々に。好き嫌いが分かれそう。
というか、読んでいて、繋がっていくようなバラバラなような、で読みにくかった。
Twitter大喜利?
で絡んでいくという視点は、面白い。
みんな、結局、関係ないようなお題を、自分に関係付けて答えているんだな。
そういう意味で、自分を捨てきることはきっと、見えない世界でも出来ないのかな、と思う。
離婚した友達に、本当の意味で共感できはしないのに、必要とされる分だけ慰めて、見送って、その間だけ流れる悲しい空気みたいなフワッとしたものを一緒に感じ取る。
こんな関わり方は、心からの何かではないのだろうし、お互い暗黙のギブアンドテイクで成り立っているんだろう。
でも -
Posted by ブクログ
ネタバレ5年前の東日本大震災後、あらゆる情報網が麻痺した際にTwitterが情報拡散や励ましの一躍を担ったことは記憶に新しい。逆に、無責任なツイート・リツイートの応酬が混乱を来したり、心ない言葉が飛び交ったりし、その使い方について議論が起こったこともあった。
この物語では、Twitterの有用、あるいは短慮な使い方にフォーカスしていない。「何をしていましたか?」などの投げかけられた質問に思い思いの答えを返す大喜利のようなことをしている人々の群像劇である。中には震災の被災者もいるが、決して悲惨さは描かれていないし、和やかなタイムライン上では震災があったことすら触れられていない。まるで、日本中で叫ばれ -
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この人の小説は初めて読む。名前からてっきり女性の作家かと思っていたが、折返しの作者紹介欄を見てびっくり。文章はシンプルで淡々としていて中性的。別れ際のアラサー女性を書いた中編2編。
『泣かない女はいない』は知らぬ間に他の男に心を惹かれていて、そのことを自覚していく様子にとてもリアリティーがあった。一目惚れなんてのはほとんどなくて、この話みたいに少しずつ疑惑から確信に変わっていくのがリアルな感覚だよなあと思った。最後の場面もよかった。存分に悲しみを味わえた。一つ気になったのは、展開が強引なところが少しある気がした。
『センスなし』こちらの方が個人的にはよかったと思う。夫に愛人が発覚したばかりの、 -
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数年間に3度にわたる先祖の土地・佐渡への納骨の旅を描いた作品。
納骨といえば哀しみや厳粛なイメージですが、そんな感じは全く無く。
どこか世間からズレた家族が、何となく世間の風習を無視できずに、適当に、でもそれなりに真面目に納骨します。そこが何ともオカシクて。
どうも半私小説という雰囲気です。身の回りに起こったことを淡々と丁寧に描いて行く。何故「半」かと言えば、この作品では主人公が女性に変わって居たりして、若干脚色が入るので。
読みながら『ジャージの二人』を思い出しました。ダラダラとした気怠い雰囲気が良く似てます。ま、タイトルも続きみたいなものだし。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【本の内容】
両開きのドアを押して入るとカウンターがある。
そこは西部劇の酒場…ではなく図書室だった。
桜ヶ丘高校の図書部員・望美は今日も朝一番に部室へ行く。
そこには不機嫌な頼子、柔道部と掛け持ちの幸治など様々な面々が揃っている。
決して事件は起こらない。
でも、高校生だからこその悩み、友情、そして恋―すべてが詰まった話題の不可資議学園小説が文庫化。
[ 目次 ]
[ POP ]
ベニヤの壁で仕切られた図書室の奥の小さな空間を舞台に、図書部員の高校生たちの日々をゆるやかにかつ生き生きと描く青春小説。
友達が不登校を宣言したり部長と顧問が噂になったりドラマになりそうな出来事も -
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ネタバレ好きな歌人、枡野浩一さんが長嶋さんについて本の中でふれたり、対談が掲載されていたのをきっかけに読んでみました。
初めて読む作家さん、気になっていた作家さん。
さてさて。
会社を辞め、離婚した七郎。
プレイボーイの友人・津田、別れても連絡をまめによこす元・妻…過去と現在、様々な人間関係が交錯する物語。
物語が進む、時間が進む…と思ったら、戻る…そして、また一度は進んだ時に戻る…不思議な流れを持った作品です。
慣れぬ内はちょっと目が回る、私は特に反射神経が鈍いから。
題名と表紙の雰囲気などからくる勝手なイメージでほんわかしたお話なのだと思い込んでいたら、内容自体は不可思議ではない。
非常に