長嶋有のレビュー一覧

  • 夕子ちゃんの近道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古道具屋「フラココ屋」の二階に住み込みで働くことになった「僕」を語り手とする連作短編集。

    店長や大家さんの孫姉妹、常連客など、少し変わった個性的な面々との、ささやかな日常の触れ合いが淡々と描かれる。第1回大江健三郎賞受賞作。

    ・・・
    何だか淡々とした作品だった。或いはほのぼの系とでも言おうか。

    骨董屋のバイトが主人公であり語り手。彼の周りを取り巻く人達の日常が穏やかに描かれる。

    そこに(小さいのはあるが)大きな事件は起きず、バイトの主人公の心象風景や他の登場人物との会話が緩やかに展開する。

    ・・・
    本作の作風、例えて言うならば、小川糸さんの作品や、中島京子さんの作品に似ているかもしれ

    0
    2025年10月18日
  • ルーティーンズ

    Posted by ブクログ

    夫婦が代わりばんこに日々の生活を綴った日記風の作品。綴られているのはコロナ禍下の暮らし。異常な状況下で、何故か日常化していったあの日々の暮らしが、夫婦それぞれの視点で捉えることによって立体的に描き出されている。

    日記は3回目の緊急事態宣言が発出された2021年4月より始まる。最初、起こった出来事だけを記載していた文章は、いつしか随筆のようにそれぞれの考えや感情も綴られるようになり、より解像度
    を増していく。物語中、特に大きな事件は発生しない。保育園が閉鎖されようが、飲み会や音楽教室がなくなろうが、日々の生活は容赦なく繰り返されルーティーン化されていく。それだけに、取り立てるほどの事もない日々

    0
    2025年08月05日
  • 猛スピードで母は

    Posted by ブクログ

    学生が夏休みに読むのにピッタリかなと思うものの自分としては、何となく読み終わった感じ。
    2作掲載されていて、いずれも思春期の子供が少し特有な家庭環境での日常の出来事やそれに対する心情描写の作品でスッキリしたオチがある訳ではなく、この後どうなるの?で終わる感じだった。

    0
    2025年07月21日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    あの時代の空気感を書いた小説なのかと思ってたら、舞台は現代で、あの時代を懐かしむような感じの内容の大人のロードノベル。

    0
    2025年04月15日
  • 猛スピードで母は

    Posted by ブクログ

    当たり前のことだけど、子供目線で親に育てられてきた。これからは、親目線で子供を育てる側になるから、そのときはこの本で描かれているような、強いお母さんになりたい。

    0
    2025年04月06日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    なんだか知らないうちに最後まで読み終わってしまった。医者の息子のひこきもりのシンスケさんが印象的。パソコンの話はよくわかりませんでした。

    0
    2025年02月23日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    著者の長嶋有さんは同年代だ。
    みゆきやレコードプレーヤーがカバーにプリントされているのでそんな予感がした。

    共感できたのは、[メモリの容量が不足しています]のところかな。なんか、うわってなるよなぁって。無料で使わせていただいているのに。

    目に見えないもの。その実体はどこに存在するのか?
    昔はファクス、今はクラウド、、、?
    便利だから仕組みをわかったふりして利用してますが、何か?

    実体が無いようなものでも保存には限度がある。人の記憶も保存容量が関係しているのかな。最近保存先がなかなか見つからないことが増えてきたかも。

    0
    2025年02月22日
  • ルーティーンズ

    Posted by ブクログ

    あまりにも解像度の高い日常にしみじみ。あえて言葉にしていないだけで、私の日常にもこの話に出てくるような気づきや思いがきっとあるはず。それらに目を向けて言葉にしてみようと思わせてくれる。

    0
    2025年02月07日
  • トゥデイズ

    Posted by ブクログ

    すべてが日常の延長で、ほんとに何も起きない。どこにでもある日常なりに、もう少し内容に強弱があっても良いのでは。愛おしいという気持ちまで湧かなかったなぁ…

    0
    2025年01月25日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    マガジンハウス系の雑誌のコラムっぽい。オシャレと泥臭さのセンス。距離感も東京っぽいなぁ。
    パソコン黎明期をやった時代。ノスタルジーと一言で片付けるのには生々しく軽い記憶の断片。人とも記憶とも絶妙な距離の取り方が心地よかった。空気感がすごい。

    0
    2024年12月24日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    著者の作品は初めて読みました。私に語彙力がなくて上手く言えないけど、面白かった。文体とか、好きです。

    0
    2024年12月08日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    5作から成る短編集。ずっと昔に登場したグッズや社会現象の記述が懐かしかった。最後はテスラ迄出てきて、乗ってみたいと思った。

    0
    2024年12月04日
  • ルーティーンズ

    Posted by ブクログ

    そんな時もあったなあと思いながら、あの時の閉塞感とかがよみがえった。ただこのお話には閉塞感とかがなく、どんな時にも穏やかに日々が流れていく感じがあり読んでいてやっぱりそんな時もあったようなに戻る(笑)
    普通(職業)ではない家族のコロナ喎の過ごし方。
    そうかあって、感じ。
    闘っていた(笑)私にとっては羨ましいルーティンだ。

    0
    2024年11月29日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    今作も作者ならではの、言葉にできないちょっとした気持ちの機微を見事に表現してくれる文がいくつもあって楽しめた。
    話はMSXという昔のパソコンをキーワードにそれを昔もっていたり持っていなかったりした人が少しづつ関わっていって、「ロードムービー」というより、ちょっと少ないロバートアルトマンの群像劇的的。
    世代的にはギリ当てはまるのだけど、MSXは見たこともないので、そのを熱く語られてもよく分からず。いつも作品よりより今回はいろんなことが「起こる」のだけど、だからと言って印象がドラマチックにならないところがさすが。今のところすぐに2回目を読もうとは思わなかったから3点。でもまた読みたい。

    0
    2024年11月25日
  • トゥデイズ

    Posted by ブクログ

    長嶋有作品、子有りかつコロナ禍を描くと子を主軸としてぐるぐる回る日常、自分が人生の主役の筈なのに脇役として逡巡している毎日で楽しめない。
    一方で、表題作ではない「舟」の良さったら。彼の描く女の子って何でこうも鮮やかなんだろう。

    0
    2024年10月26日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    時代の流れを感じる。それほど生きてきたということね。これからもますます発展していくんだろうな、技術が。

    0
    2024年10月12日
  • 僕たちの保存

    Posted by ブクログ

    大人のロードノベル。
    懐かしい、と何度感じただろう。

    ゆったりとした流れのなかで、やんわりと進んで行く…トゲトゲしさがまったく無い、ただただ過去と現在を繋いでいくと言ったらいいのか。

    ちょっとした旅とでもいうのか、いわないのか…

    とにかく移動が車・「そこにある場所」新幹線・「運ばれる思惟」バス・「シーケンシャル」自転車「ゴーイースト車「ぼくたちの保存」といろいろな乗り物を利用して、物を運ぶ=思い出を運ぶのである。

    その思い出にさまざま感情がくっついてくる。
    それもいい味となっていて、自分の過去の記憶も蘇ってきた。



    0
    2024年10月09日
  • 猛スピードで母は

    Posted by ブクログ

    「サイドカーに犬」は面白かったけど、「猛スピードで母は」は、微妙だったかな。

    「サイドカーに犬」は、サバサバした洋子さんや犬が座るサイドカーへの主人公の少女の憧れが丁寧な描写で描かれていて、ひとつひとつのエピソードが電球を灯したように脳裏で再生されて読んでいて面白かった。

    「猛スピードで母は」は、曇り空のようにくすんだ内容の割に暗い気持ちに沈まない作品。

    0
    2024年09月18日
  • いろんな私が本当の私

    Posted by ブクログ

    職場の方から勧められた本♪( ´▽`)

    長嶋有氏の原作に触れたことがない為
    漫画化は読みやすい反面
    最初は???( ; ; )

    短編漫画化6作品の中で
    「三十歳」と「問いのない答え」は原作を読んでみたいと思えた

    じっくりと
    もう一度読み返してみよう

    0
    2024年08月31日
  • 猛スピードで母は

    Posted by ブクログ

    どこか懐かしくて、切ないお話しでした
    子供の視点で親の不在や不安定な家庭環境が描かれ、いまの仲良し親子ではない、どこかドライな関係性が印象的でした
    親が自分なりに生きる姿を見せれば、子供はちゃんと育つのかもしれません
    そんなことを考えさせられました

    0
    2024年08月08日