長嶋有のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ古道具屋「フラココ屋」の二階に住み込みで働くことになった「僕」を語り手とする連作短編集。
店長や大家さんの孫姉妹、常連客など、少し変わった個性的な面々との、ささやかな日常の触れ合いが淡々と描かれる。第1回大江健三郎賞受賞作。
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何だか淡々とした作品だった。或いはほのぼの系とでも言おうか。
骨董屋のバイトが主人公であり語り手。彼の周りを取り巻く人達の日常が穏やかに描かれる。
そこに(小さいのはあるが)大きな事件は起きず、バイトの主人公の心象風景や他の登場人物との会話が緩やかに展開する。
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本作の作風、例えて言うならば、小川糸さんの作品や、中島京子さんの作品に似ているかもしれません。こんな感じだと伝わりますかね?ほのぼのした感じ。
そう言えば、「例える」という行為、なかなか難しい作業だなあと突然思い立つ。
世に広く膾炙する事例でもって共通理解を促す、といのが例えるという行為でありましょう。
私、小川糸さんだとか中島京子さんだとかに似ているだとか書きましたが、彼らの本を知らない人にはあまり(全然!)通じないかもなあ、と反省。というより、伝えるってのが難しいなあと改めて感じた次第。
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さて、本作は第1回大江健三郎賞受賞作とのことで、大江健三郎氏本人が3章構成の大掛かりな解説を展開されていました。
内容は、言われてみればそうかもなあと思うこともあり、何だか簡単な事を小難しく捉えているかなあと思うこともあり。
偉い賞を背負うのも楽ではないかもなあ、とちょっと感じました。
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といことで長嶋氏の作品、これで4作目でした。
長嶋氏の作品ではじめて読んだ『パラレル』がかなり男性目線の作品で、うーむちょっと馴染めんかも、と思いましたが、4作も読むとそれぞれ作風が異なり、色々書けるんだなあ、と改めて感嘆。
ほのぼの系だけどみょうちきりんな倫理観の押しつけみたいなのが一切なく、気持ちよく読めました。
結局「僕」は誰だかわからず、語り手不詳なまま終わる点もミステリアスでもありました。 -
Posted by ブクログ
夫婦が代わりばんこに日々の生活を綴った日記風の作品。綴られているのはコロナ禍下の暮らし。異常な状況下で、何故か日常化していったあの日々の暮らしが、夫婦それぞれの視点で捉えることによって立体的に描き出されている。
日記は3回目の緊急事態宣言が発出された2021年4月より始まる。最初、起こった出来事だけを記載していた文章は、いつしか随筆のようにそれぞれの考えや感情も綴られるようになり、より解像度
を増していく。物語中、特に大きな事件は発生しない。保育園が閉鎖されようが、飲み会や音楽教室がなくなろうが、日々の生活は容赦なく繰り返されルーティーン化されていく。それだけに、取り立てるほどの事もない日々を描き出すために、解像度の高さは必須事項だ。
日記や随筆の訴求力を改めて認識させられた作品でした。このスタイルの普通の小説も読んでみたくなりました。何か良い作品ないかな。