長嶋有のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「猛スピードで母は」にハマり、超速で買った長嶋有さん二作品目。
相変わらずのこのゆるり感。
良いですねぇ…( ´ ▽ ` )
修飾し過ぎない、伸びやかで透明感のある文体。
自然体を地で行く、さわやか純文学という感じでしょうか。
村上春樹さんとかとは真逆を行くイメージです。
そして、まあ何というかエモいですよねぇ…
お風呂のかき混ぜ棒とか、なんかそんなもん昔あったなぁ…とか(笑)
登場人物の名前とかも…朝子とか夕子とか…何か具合が絶妙ですよね。
あと、個人的にはもう瑞枝さんにひたすらにメロメロにされました…( ̄▽ ̄)
天真爛漫さとミステリアスさ、そしてときおり見せる弱さという、このバランスがもう絶妙で絶妙で…
今まで読んだ小説の中でも一番ハマった女性かも(笑)
「私の子供をつくってくれる?」のくだりとか…もう東京ラブストーリーを彷彿とさせる勢いでしたね…
こんな女性だったら、もはや騙されても良いからお付き合いしてみたいなぁ…
あと、全体的にはちょっと長過ぎたかなという気もしました。
けっこうな読み疲れ感あり…
こういう系の小説は、さらりと短く美しくで終わった方が良いのかなと。
まぁでも、それにしても長嶋さんの描く女性は素敵ですねぇ…(´∀`)
さあ、さらなる出会いを求めて次の一冊を…( ̄▽ ̄)
<印象に残った言葉>
・そんなことしてどうするのって問いかけてくる世界から、はみ出したいんだよ(P70)
・じゃあ君、私の子供つくってくれる(P110、瑞枝)
・「弱っている人は、人前に出ない方がいいんだ」こないだ昼間にガメラも海底で一人で傷を治していたよ。(P110)
<内容(「BOOK」データベースより)>
風呂の攪拌(かくはん)棒を人にあげたがる女、鋸(のこぎり)を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公……。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語りあう不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第1回大江健三郎賞受賞作。(講談社文庫)
第1回大江健三郎賞受賞作、ついに文庫化。フラココ屋というアンティーク屋の2階に居候暮らしを始めた「僕」。店長、常連さん、店長の孫たちなど彼を取り巻く人々と時間の流れを丹念に描く。連作短編集。 -
Posted by ブクログ
好きな作家、西加奈子さんが推薦していたので読んでみた。群像っていうの?とにかく登場人物が多くて、そして違う人物のシーンへ変わる時の「一息」みたいなものが全く無くてすぐ変わる。だからところどころ「え?今は誰の話?」「また人変わった?」と混乱もしてしまう。登場人物をきちんと(?)把握するためにも片手間に読むのではなく、腰を据えて集中して読むのがおすすめです。
「(○○だったら)なんと言いますか?」「(○○のとき)何をしたい?」などの質問の前半である(○○〜)部分を抜かして、「なんと言いますか?」「何をしたい?」と漠然とした質問をTwitterで投げかける。フォロアーたちは思い思いの答えを出していき、皆の答えが揃った頃、質問の前半が明かされるという言葉ゲーム。噛み合わない回答や妙に噛み合ってしまう回答が面白い。
東日本大震災始め、秋葉原の無差別殺人など実際にあった出来事への各自の思いも書かれているのもあってリアリティのある小説です。 -
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初めて読んだ長嶋有さんの長編。
感想難しいなぁ…というのが読後最初に思ったこと。面白さを楽しむ系統ではないし、ハラハラドキドキもしないし、ときめく系統でもないし、謎解きもないし。
言葉や登場人物の台詞が印象に残る系統、とでも言えばいいのか。
主人公の失職と妻の浮気がきっかけで(どちらが先か?という問いもあり)離婚した主人公夫婦。だけど離婚後も元妻から毎日連絡が来て、2人は頻繁に会っている。
昔からの友人の津田はプレイボーイで、日々女の子を取っ替え引っ替えしているところが逆に厭世的に見える。主人公はプレイボーイではないものの、時々若い女の子と一夜を共にしたりする。
主人公と津田の会話が俗っぽくて、実際男同士だとこういう会話もするのだろうな、とリアルに感じる。俗っぽいけれど、哲学を感じる部分もあったりして。
人間関係ってすべてがすっぱりと割り切れるわけではなくて、主人公と元妻のように形としては別れているけれどなんとなく関係が続いていたり、そこに思いが残りながらも他の女性と肉体関係を持ったりもする。そういうところが何だか全部リアルに感じた。
時系列が行ったり来たりして多少混乱するところも狙いなのかなと考えたりした。
タイトルの意味が、時系列とか人間関係とか、様々な意味で「平行」なのかと。
色んな小説を読んできたけど、読後好きなのか嫌いなのかも判別しづらく、後を引くようなそれでいてすぐ忘れてしまうような…とにかく初めて読む感覚の物語だったので、とりあえずそういう意味でとても印象に残った。 -
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祖父と祖母、その隣に住む大叔父と大叔母が相次いで亡くなり、孫の道子と家族、親族たちが、それぞれの遺骨をお墓のある佐渡まで納骨に行くというだけの話。
たったそれだけ、3度の納骨という出来事だけでこれだけの作品が描けるのが本当にすごい。
「焦らずたゆまずな」が口癖の祖母・みつこも、ヒネている時期が長かったから友達と会話する自分を「よかったよかった」みたいな目で見られるのが鬱陶しくて平坦を装うひきこもりの弟も、通夜の席で道子たちに「ドストエフスキーは・・・」と文学論をさんざん説諭したあと「・・・なんつって」と締めくくり皆を脱力させるブンガク老人の大叔父も、みんな可愛くて、優しくて、愛おしい。
「坊主の前でBOSEはね~」の箇所では声を上げて笑い、「金銀パールプレゼント~♬」は歌を口ずさみ、トキコが朱鷺子だと気づいたところではじんわり。。
家族の死というともすれば重く、深刻になりがちなテーマを、これほどまで「不謹慎に」笑いに変えて描き、それでいて、人がいなくなるということ、残された者が生きていくことをしみじみと考えさせてくれる作品でした。その後の道子と弟と父の話を是非とも読んでみたいものです。 -
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ネタバレ「結婚は文化であります。
夫婦のようになった、と感じる時、その二人の間には確かに文化が芽生えているのです。(それ、がなにかわかる、建具を開ける力の入れ具合を二人だけが会得している)そういう些細なものの集合体は全て文化で、外側の人には得られないものなのです。
籍を入れずに同棲することを選カップルもいます。恋人のままでいいじゃないか、と。だけれども、これは断言しても良いですが、文化のない場所に人間は長くいられません。
お二人は夫婦という文化に守られるのではなく、結婚によって自分たちを守る文化を築いていってください。」
「物語が終わるのは「悲しい」だけど、文化がなくなるのは「怖い」なんだ」
「夫婦円満の秘訣は信じることです。信じるとは、何か疑わしいことがないから信じるのではなくて、ただもうむやみに信じるのです。屁理屈も理屈、邪道も道、腐れ縁も縁。」 -
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長嶋有の短編集。淡々と何が起こってどうしたということが流れるように書かれており、伏線や表現など何も考えなくていい作品。
公園で突然1万円を渡され、隣家の娘を世話するように依頼される。ステーキを焼き、家で一緒に食べ、娘の持ってきたCDを聴いてみる。聴くのは、祖父の遺品のオーディオシステムだ。
短編が4篇。全編にに特徴的なのは表題作のとおり、固有名詞やそれぞれの特徴がこれでもかと描かれていること。小川洋子「原稿零枚日記」のときに感じた、今の小説に不足している点が、固有名詞が少なすぎる問題だが、この作品群に感じることはない。
それぞれの作品で、情景はサラッとではあるがかなり細かく描かれる。逆にそれらが多すぎて、内容が頭に入ってこないという人も多いだろうが、そもそも全部読む必要など無いのだ。
それはそうと、中間の二作(金庫とバルセロナ)は、ちょっと長すぎるんじゃないかと感じる。特に金庫の話は、過去に戻ったんだか現在なんだかがフワフワと不明瞭で、弟の立場がよくわからないのはよろしくない。女なら女の話、男なら男の話にしないとダメなのかなこの人。バルセロナも自分の話なのか、自分を見ている妻の話なのかという不鮮明感がいただけない。その点、表題作はそこまでのものはないので非常に好感。
最後の「三十歳」はこれらの中で、やはり頭一つ分以上飛び抜けた感じを受けた。固有名詞にこだわらず、淡々とした日常と不安と逃避がうまく描かれていたと思える。これだけだと☆4。
オチを求める人には向かない。こういう小説書きたいな。ブログで始めてみようかな。 -
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これは割とつまらんぞな。次元大介の言葉を借りるなら、つまらんものを読んでしまった、ってやつだ。五衛門先生か。
まぁ何がつまらんって、盛り上がりにかけるというか、なんかこう、もっとあるあろう、と。なんもないところにも煙を立たせる、みたいなみのもんた的な煽りが欲しかったわけですよ。
とは言えこの話の中のいろんな人の生き方は共感できるというか、こんな風に生きたい、というか死に様というか、だいたい墓に骨を埋める話ばっかりなんで、ゆるゆると死後の雑事をこなしていくのが、イイネ!つける感じだけど、それを語られてもつまらんのよ。
まぁそれとこれとは別って話なわけね。