長嶋有のレビュー一覧

  • 猛スピードで母は

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    芥川賞としては、あっさり読みやすく所謂モヤモヤする感じは無く軽め。

    文章構成は上手いし平易な文体で手に届く小さい世界を上手く描いてる。

    難解さはなく不快感もほぼない。作者自身の人柄が前向きなんだろうと思う。

    ただ、人の奥に潜んでる闇や美のようなものは描かれていないのが、芥川賞にしては物足りないと思われ、選評もやや割れていた笑。

    選評委員では宮本輝氏、池澤夏樹氏、河野多恵子氏が◎

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    2023年05月19日
  • もう生まれたくない

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    フィクション(小説)の中にノンフィクションである『死』(有名人であったり)が散りばめられてる。
    同じように(?)『死』は私たちの生活の中に突然入り込んできたりと散りばめられてる。
    そういう予期しない『死』というものが、心を動かしたり、止めたり、衝撃的であったり、無関心であたったり。

    ま、ま、そんな感じに捉えました。
    最初は、う〜ん…とは思ったけど、だんだんと世界に入り込んでく感じでした。
    終わりもすーーーっとフェイドアウトのような終わり方。

    よかったと思います。

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    2023年04月05日
  • もう生まれたくない

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    有名人の死や、話題になった事件の死に関して、世間話·雑談の中で、話されていく少し変わった話。話のつじつまを考えながら読むと、なかなか進められなくて、やっと読み終えた本。
    「死」と聞くととても重いテーマなのか…と思うけれど、この物語は、ドライに話されていて、1つ1つの死が新聞やニュースで取り上げられているくらいの軽さで終わってしまう。何が言いたいのか、何となく消化不良な感じは否めない。

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    2023年04月04日
  • 問いのない答え

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    22/10/15
    震災後にTwitterではじまった言葉遊び、謎かけを楽しむコミュニティの群像劇。コンセプトもエピソードもいいのだけど、もう少し登場人物を減らしたら読みやすかったんじゃないかな…この人誰だっけな、に気持ちを分断されがちでした

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    2022年10月15日
  • 三の隣は五号室

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    定点観測な連作集。
    こういうのって「ひとり1話」みたいな
    構成になっているものが多いと思うのですが
    これは少し変わっている。
    第一藤岡荘というアパートの一室に住んだ
    歴代の住人たちの人生を書き留めるのに
    「場所」や「もの」で章わけされているのです。

    たとえば『雨と風邪』の章なら
    部屋に響く雨音を風邪ひきの布団で聴く十畑保
    乗り物の中にいるようだと感じる二瓶環太
    天ぷらを揚げる音のように思う七瀬奈々。

    『ザ・テレビジョン!』の章なら
    白黒テレビだった藤岡一平から
    父・野球、母・ワイドショー、子はアニメと
    昭和そのものな視聴風景の二瓶一家。

    1966年から2016年までの物語。
    その時代、時

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    2022年08月01日
  • もう生まれたくない

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    初めての長嶋有さんの作品。
    有名人の訃報を耳にして、それぞれが思いを巡らす。
    なかなか登場人物の関係性や、結局主のストーリーが掴めず、誰にも入り込めないままなんとか読み終わった感じだった。

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    2022年04月27日
  • 猛スピードで母は

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     2001年第92回文學界新人賞受賞作の「サイドカーに犬」と2002年第126回芥川賞受賞作の表題作「猛スピードで母は」の2作品収録の短編集。
     2作品とも子どもの視点から大人を捉えている。「サイドカーに犬」は父の愛人、「猛スピードで母は」は母親だが、どちらもやっていることはどうなんだろうと思うが、格好よく見えてしまう。ここまで振り切れてしまっている人というのは、案外そういう風に見えるものなのかもしれない。話題も話題なので明るい話ではないが、読後感は想像以上にスッキリする不思議な魅力のある作品。

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    2022年03月26日
  • 泣かない女はいない

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    ネタバレ

    初長嶋有。
    表題作と「センスなし」からなる中編集。

    1999年って、カセットテープと携帯電話が共存する不思議な時代だったんだよなー。ってことを思いながら読んでました。

    泣かない女はいない。

    タイトルがめっちゃ素敵。

    変化がまるで感じられないような日常の中、昨日とは何かが違うと感じ取れる睦美の心の変化がリアルに伝わってきて、何だか切なかったな。

    だって惹かれる気持ちって誰にも止められないんだもん。

    泣いたことがない。という彼女が泣いたとき、それは幸せな涙であってほしいけど、人は案外幸せな場面では泣いたりしないのかも。ということを思いながら読んだ一冊でした。

    でも、最後の場面では追い

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    2022年02月17日
  • パラレル

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    ネタバレ

    七郎と奈美さんの掛け合いと気持ちの小さな変化がすごく絶妙。不倫も離婚も気持ちはわからないけどなんか文化を失うっていう喪失感はわかる気がする。

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    2022年02月06日
  • もう生まれたくない

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    今まで死について深く考えてなかったが、その人が生きてる間にどのくらい自分と関わったかで、その死に対する感じ方が変わってくることに気付かされました。

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    2021年12月08日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    ネタバレ

    二十四節気をさらに三等分した七十二候をもとに、年末から夏にかけて、それぞれ人気作家がつづる短編集。
    季節がテーマで、純文学系の作家が中心ということで、その表現を楽しむ小説であることは間違いない。
    でも、その反面、連想で思考があちこちに飛んでしまうので、集中できないのも確か。
    寂聴氏の作品を初めて読んだが、住職っぽくなく驚いた。もうすぐ100才。

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    2021年10月23日
  • 夕子ちゃんの近道

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    「猛スピードで母は」にハマり、超速で買った長嶋有さん二作品目。

    相変わらずのこのゆるり感。
    良いですねぇ…( ´ ▽ ` )

    修飾し過ぎない、伸びやかで透明感のある文体。
    自然体を地で行く、さわやか純文学という感じでしょうか。
    村上春樹さんとかとは真逆を行くイメージです。

    そして、まあ何というかエモいですよねぇ…

    お風呂のかき混ぜ棒とか、なんかそんなもん昔あったなぁ…とか(笑)
    登場人物の名前とかも…朝子とか夕子とか…何か具合が絶妙ですよね。

    あと、個人的にはもう瑞枝さんにひたすらにメロメロにされました…( ̄▽ ̄)

    天真爛漫さとミステリアスさ、そしてときおり見せる弱さという、このバ

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    2021年10月06日
  • 俳句は入門できる

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    Webサイト「LIKE THIS」の連載「俳句ホニャララ」を改稿したものなのだとか。
    長嶋さんが俳句やってるとは知っていたが、その本は初めて。
    とはいえ入門書以前の雑記集という感じで、それが長嶋さんらしいとも思うけど。
    順調に中堅作家としてコミュニティを作ったり離れたりしているんだろうな、と個人的にはルサンチマンの思い。
    秋葉の加藤へ思い入れていた頃には凄みを感じたけど。
    でも面白い記事も多い。
    「車を捨てましょう」のくだりは、臨場感たっぷり。

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    2021年09月06日
  • 猛スピードで母は

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    文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」と芥川賞受賞作の「猛スピードで母は」の2作を収録した贅沢な本書。
    どちらも、同じ世界を幼い頃の物事をあまり理解していない目と、大人の現実感をもった目で描かれている感じが読んでいて裏表紙にあった"皮膚感覚で描いた"とはこの空気感かと思った。
    とんでもない大事件が起こるわけでもなく、それぞれがもつ人生の一部分をフォーカスしただけの話なんだけど、知らずに岐路になっていた部分って感じがして良かったな。

    長嶋有さんの本はこれが初めてだったんだけど、色々読んでみたくなった。

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    2021年06月12日
  • 問いのない答え

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    著者作品はすべて読んでるが、この本が発表したときは、Twitterの話ということでなぜか敬遠してしまい、今頃読んでみる。

    年数経って読んでみても、通信・デバイス関係の違い・古さは明らかでなんだけど、それでも今読んでみると、その時代にちゃんと人は考えていたなと分かる。
    しかし、今はどうなんだろう・・・とも思うけど。

    同じ時間軸の中に、多くの人が登場して混乱しながらも、それを巧みにつなげる著者のすごさに脱帽するのである。

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    2021年03月30日
  • 夕子ちゃんの近道

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    骨董品屋、フラココ屋の2階に居候する主人公の周りで繰り広げられる日常が描かれる。それぞれが思い悩みながらも、今ある自分の人生を生きる、ゆったりとした時間が流れるフラココ屋の空気を感じられて心地よい。登場人物がみな個性的で温かく、特にタイトルになっている夕子ちゃんは次女らしい自由さと、一生懸命なのに抜けているところが可愛らしい。

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    2021年02月27日
  • 三の隣は五号室

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    「文化住宅」というような、昔よくあった建物の1つの部屋の様々な移り変わりを、その部屋の中にある物や雰囲気をテーマにして優しく語り続けられていく。よくあるような手法に思えて、そういえば真新しい表現方法で楽しく読むことができました。
    それにしても密人さんの部屋の中にあった箱の中身は何だったんだろうか…?

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    2020年10月20日
  • 問いのない答え

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    好きな作家、西加奈子さんが推薦していたので読んでみた。群像っていうの?とにかく登場人物が多くて、そして違う人物のシーンへ変わる時の「一息」みたいなものが全く無くてすぐ変わる。だからところどころ「え?今は誰の話?」「また人変わった?」と混乱もしてしまう。登場人物をきちんと(?)把握するためにも片手間に読むのではなく、腰を据えて集中して読むのがおすすめです。

    「(○○だったら)なんと言いますか?」「(○○のとき)何をしたい?」などの質問の前半である(○○〜)部分を抜かして、「なんと言いますか?」「何をしたい?」と漠然とした質問をTwitterで投げかける。フォロアーたちは思い思いの答えを出してい

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    2020年09月25日
  • 問いのない答え

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    長嶋さんは言葉の感覚が敏感なのだろうなと思う。"積み重なる"SNSと"地続き"の自分たち、アイコンと自分の姿。
    半分世界観に浸かったくらいで読んだ、もっとのめり込めると思ってた。視点がくるくる変わり、(この人どんなひとだ?どのエピソードだっけ)と思ってたらおわっていた。笑
    私はSNSのアカウントをあまりリアルと連携させすぎたくない。いろんな使い方があるよね。端末上の自分とリアルの自分は別にしておきたい。「5つ星つけてよ」に続いてネット関連の本

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    2020年06月23日
  • 三の隣は五号室

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    NHKの72時間というドキュメンタリーを思い出した。ある場所を3日間定点観測する番組だが、この小説の場合はあるアパートの一室を数十年にわたって観察している。
    この部屋にやってきて、数年住み、去っていった、年齢も性別も経歴も異なる人たち。後から住む人たちは、前の住人たちとは全く関係はないのだけれど、なんとなくその痕跡を引き継いだり、同じようなことを思ったり、全然異なる生活を営んだりして暮らしていく。ある場所に積み重なる、様々な人生・時代の地層のような感じ。すごく面白い観点だなと思った。

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    2020年05月05日