長嶋有のレビュー一覧
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好きな作家、西加奈子さんが推薦していたので読んでみた。群像っていうの?とにかく登場人物が多くて、そして違う人物のシーンへ変わる時の「一息」みたいなものが全く無くてすぐ変わる。だからところどころ「え?今は誰の話?」「また人変わった?」と混乱もしてしまう。登場人物をきちんと(?)把握するためにも片手間に読むのではなく、腰を据えて集中して読むのがおすすめです。
「(○○だったら)なんと言いますか?」「(○○のとき)何をしたい?」などの質問の前半である(○○〜)部分を抜かして、「なんと言いますか?」「何をしたい?」と漠然とした質問をTwitterで投げかける。フォロアーたちは思い思いの答えを出してい -
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ネタバレサイドカーに犬
母親が家出した小四の夏休みに薫ちゃんちに来た,ちょっとガサツなところが魅力的な洋子さんと父親(+父親の変な仲間)についての薫ちゃんの思い出話.洋子さんとの別れは意外であっけない.
飼われている想像が心地よいものだったのは,カッコイイ洋子さんとごっこ遊びをしている感じだったのかな.父を思い出すととても愉快な気持ちになるっていうのがいい.洋子さんの年齢を追い越した薫さんが感じた「そろそろ」は何なのだろう.
猛スピードで母は
小学6年生の真面目でいい子の慎くん.いつも祖父母から再婚をせっつかれているちょっとカッコいいお母さんと二人で暮らしている.お母さんから結婚するかもと告げ -
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初めて読んだ長嶋有さんの長編。
感想難しいなぁ…というのが読後最初に思ったこと。面白さを楽しむ系統ではないし、ハラハラドキドキもしないし、ときめく系統でもないし、謎解きもないし。
言葉や登場人物の台詞が印象に残る系統、とでも言えばいいのか。
主人公の失職と妻の浮気がきっかけで(どちらが先か?という問いもあり)離婚した主人公夫婦。だけど離婚後も元妻から毎日連絡が来て、2人は頻繁に会っている。
昔からの友人の津田はプレイボーイで、日々女の子を取っ替え引っ替えしているところが逆に厭世的に見える。主人公はプレイボーイではないものの、時々若い女の子と一夜を共にしたりする。
主人公と津田の会話が俗っぽく -
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祖父と祖母、その隣に住む大叔父と大叔母が相次いで亡くなり、孫の道子と家族、親族たちが、それぞれの遺骨をお墓のある佐渡まで納骨に行くというだけの話。
たったそれだけ、3度の納骨という出来事だけでこれだけの作品が描けるのが本当にすごい。
「焦らずたゆまずな」が口癖の祖母・みつこも、ヒネている時期が長かったから友達と会話する自分を「よかったよかった」みたいな目で見られるのが鬱陶しくて平坦を装うひきこもりの弟も、通夜の席で道子たちに「ドストエフスキーは・・・」と文学論をさんざん説諭したあと「・・・なんつって」と締めくくり皆を脱力させるブンガク老人の大叔父も、みんな可愛くて、優しくて、愛おしい。
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ネタバレ「結婚は文化であります。
夫婦のようになった、と感じる時、その二人の間には確かに文化が芽生えているのです。(それ、がなにかわかる、建具を開ける力の入れ具合を二人だけが会得している)そういう些細なものの集合体は全て文化で、外側の人には得られないものなのです。
籍を入れずに同棲することを選カップルもいます。恋人のままでいいじゃないか、と。だけれども、これは断言しても良いですが、文化のない場所に人間は長くいられません。
お二人は夫婦という文化に守られるのではなく、結婚によって自分たちを守る文化を築いていってください。」
「物語が終わるのは「悲しい」だけど、文化がなくなるのは「怖い」なんだ」
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長嶋有の短編集。淡々と何が起こってどうしたということが流れるように書かれており、伏線や表現など何も考えなくていい作品。
公園で突然1万円を渡され、隣家の娘を世話するように依頼される。ステーキを焼き、家で一緒に食べ、娘の持ってきたCDを聴いてみる。聴くのは、祖父の遺品のオーディオシステムだ。
短編が4篇。全編にに特徴的なのは表題作のとおり、固有名詞やそれぞれの特徴がこれでもかと描かれていること。小川洋子「原稿零枚日記」のときに感じた、今の小説に不足している点が、固有名詞が少なすぎる問題だが、この作品群に感じることはない。
それぞれの作品で、情景はサラッとではあるがかなり細かく描かれる。逆に -
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これは割とつまらんぞな。次元大介の言葉を借りるなら、つまらんものを読んでしまった、ってやつだ。五衛門先生か。
まぁ何がつまらんって、盛り上がりにかけるというか、なんかこう、もっとあるあろう、と。なんもないところにも煙を立たせる、みたいなみのもんた的な煽りが欲しかったわけですよ。
とは言えこの話の中のいろんな人の生き方は共感できるというか、こんな風に生きたい、というか死に様というか、だいたい墓に骨を埋める話ばっかりなんで、ゆるゆると死後の雑事をこなしていくのが、イイネ!つける感じだけど、それを語られてもつまらんのよ。
まぁそれとこれとは別って話なわけね。