長嶋有のレビュー一覧
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ネタバレ懐かしの昭和後期。芥川賞候補作と受賞作。どちらも読みやすい。昨今の芥川賞、設定が凝りすぎているものも多くて読むのがしんどいなってときはこの年代の作品を読み返すのもありかな。
サイドカーに犬
芥川賞候補作。母が家を出て知らない女が家に来た。
猛スピードで母は
芥川賞受賞作。ハードボイルドな母は強し。
サイドカーの主人公は小四女子、猛スピードの主人公は小六男子、この二作品は一冊の本として纏められてしかるべき作品だ。バラバラだと魅力は半減するかもしれない。母と子の関係を通した昭和の空気感がとても懐かしい。タイパ、コスパというものがまだ存在しない時間の流れに身を浸すことができた。
長嶋さん19 -
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長嶋有さん、好きだー。
車で移動する主人公たちの、連作ロードノベル。
乗り合うメンバーは少しずつ入れ替わり、目的地も変わり、みんなの人生がなんとなく動いていく(車にいっしょに乗るって、独特の距離感だよね)。
「男の子」の好きな漫画、歌がたくさん出てくる。
この小説でも殺し文句がいくつも登場するが、いちばんぐっときたのが、
「男の歌を口ずさむこと以上に、好きな車がある女は皆、素敵だ」
というくだり。
『猛スピードで母は』もそうだったけど、わたしは長嶋さんの女性への目線が好きだ。過重な評価ではないけれどちょっぴり背筋を伸ばさせられる、こうでありたいというかたちを、浮き彫りにしてくれる感じの。
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爽やかな読後感だった、の様に表す事が少し憚られるが…、私がその様に(爽やかだったと)感じるのは、自分が概ね主人公と同世代で、就いた職種こそ違えど時代ごとの同じ様なモノ、コト、に興味を持ち、同好の士と集い、語らい、…という経験を経て来ているからであろう…
私が「憚られる」と書いたのは、主人公とその周りの人物がいずれも「オタク」的な視点、生きがい、興味の対象、を持っている事が生き生きと描かれているからかもしれない。その生き生きとしたさまに多いに頷かされるのだが、果たしてこの楽しさを自分の身の回りの人(非オタクが多い)にすべからく上手く伝えられるか?、と言うと疑問ですらあったからである。
ただ、 -
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中編「トゥデイズ」と短編「舟」。どちらも良かった。3.5。
前作「ルーティーンズ」に続き「ズ」がつくのも、何か意図があるのか。
「トゥデイズ」はマンションで起きた飛び降り事件をきっかけに、何かが起きる、、、ことはなくそれぞれの日常が淡々とユーモラスに進んでいって、でも、小さな一つ一つの出来事は少しづつ生活に影響を与えてるような、いないような、という作者の真骨頂。それにしても今回は何も起きな過ぎな気もするけど。
「Battery Low」とか「ゴアテックス」とか日常に聞く言葉もちゃんと立ち止まると楽しいということを毎回ながら再認識させられる。
「ゴアテックスというドスの利いた呼び名のその -
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ネタバレ⚫︎感想
離婚しそうな、またはシングルの親を持つ設定の2篇。どちらもタイトルにインパクトがあり、同じく大人との距離と自立がテーマだと思った。
「サイドカーに犬」母の家出後、洋子さんという父の愛人と暮らすことになる。母とは全く違うタイプで自由な女性。「猛スピードで母は」は彼氏はできるが長続きせず、そんな母を見ながら育つ少年。
どちらも、スカッとしたカッコいい女性像でありながら、100%そういうわけでもない一面を見て、少年少女は彼らの生活を通しながら、少しずつ少しずつ精神的に大人になる。母に大きな出来事が起こっても、冷静な自分を発見し、驚くという場面が二作ともあった。そこがまた、現実味がある気がし -
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アンティークというよりも古道具屋然としたフラココ屋。その2階の倉庫に居候する主人公の"僕"は、ほとんど売れない店番をしながら、どのような客が訪れたかをメモしている。のほほんとして商売気のない店長、毎日訪れてはお気に入りの長椅子に座っていく瑞枝さん、裏に住む大家の孫で、いつもノコギリで木を切っている美大生の朝子さん、時々フラココ屋の掃除などを手伝ってくれる、定時制高校生で朝子さんの妹の夕子さんとのちょっとした日常を綴るアンソロジー作品。
作中の登場人物にも直接指摘される「透明な」主人公は、何の欲もなくとにかく流されていく。元金持ちだという瑞枝さんには風呂の道具を押し付けられ -
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好きな小説だった!
文章に余計な装飾がなく、美しくて読みやすい
表題作の『泣かない女はいない』と『センスなし』の中編2作が入っていて、私は泣かない〜の方が圧倒的に好きでした
睦美の目からみたときの樋川さんの些細な仕草や行動、言葉が本当に魅力的で私も樋川さんがかなり好きになってしまった
『泣かない女はいない』という訳し方もまたいいんだ
何だか分からないけど、目で追ってしまうような、存在を意識してしまうような、恋と自覚する前の睦美の心の動きがとても良い
最後のシーンでぐっとくる
女泣くな 女泣くな
それにしても99年ってこういう年だったのか、生きていたけど記憶にないことが多かった
『センスなし』の