長嶋有のレビュー一覧

  • 問いのない答え

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    長嶋有はよく見てんなといつも思う。廊下に置いてある新品のティッシュはすこし湿気っているとか、へんな口癖の女子高生とか、言われるまで気づかないけど確かにそうなことが楽しい。視点が変わるのに行をあけないから戸惑うけど、ツイッターとかインターネットなんてそんな感じだもんね。慣れたら平気です。単行本で読んだ後にまた読みたいと思って読んだの。文庫、手元に置いといてまた読みたい。

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    2017年01月14日
  • タンノイのエジンバラ

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    ちょっとダメでうまく世の中に居場所を見つけられない人たちがゆらゆらたゆたう日常物語。なんでもない、何も起こらない日々だというのになんでこうも惹きつけられてしまうのか。
    言葉運びと感情の切り取り方に不思議と引き込まれます。ちぐはぐでいびつでだからこそおかしみがこみ上げるような日々。

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    2017年01月04日
  • いろんな気持ちが本当の気持ち

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    これはなかなか良いエッセイ本でしたね…! 長嶋さんの小説はいくつか読んでいて「好みだな~」と思っていましたから、エッセイも肌が合うんじゃないかと…読んでみた次第ですけれども、いやぁ…良かったですね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    色々と趣味の範囲が広いお方のような気がしますねぇ…音楽だったり映画だったりゲームだったり漫画だったり…「ブルボン小林」という名義でレビュー本?みたいなのも出しているみたいですから、そちらも読んでみましょうか…。

    氏の書くレビューをもっと読んでみたいなぁ…と思わしてくれる本でしたね。おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2016年12月28日
  • 祝福

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    どのシーンもよかったな。短編集だけど、シーンって感じ。銀行強盗されてる間に余所事を考えちゃう女の人は津村記久子で想像してた。ちょっとつまらないなと思って同時読みしてた頃だったから。ぴったりだった。

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    2016年07月29日
  • 電化文学列伝

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    これは長嶋さんをまだ女性だと思ってた頃に読んだ本で、おもしろいと思ったのに文庫を買ってなかったとは!

    改めて読んでもおもしろい。物語の中でも「家電」に目をつけて、それを語る。だけど書評。非凡な人だなあと思う。

    家電にも新たな目を向けられそう。
    確かに、うるさい家電(掃除機など)と静かな家電(ホットカーペット)って、あるなあとか。

    これを読んで、読みたくなった作家さんが数人現れました。

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    2016年06月05日
  • 結婚失格

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    本当に率直で赤裸々。枡野さんは純粋だが、相手の気持ちを想像するのは下手なんだろう。
    解説は納得できる部分もあった(速水の送ったメールはありえない。あれは離婚もしたくなるだろう。)が、それでも香もかなりひどいように思った。あとフィクションみたいだけど、女性弁護士が腹立つ。
    収録された短歌は心の透明さが伝わるようで、とてもよかった。

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    2015年12月16日
  • ぼくは落ち着きがない

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    高校の「図書部」を舞台にした物語。何か事件が起こるわけでもなく、個性豊かな部員たちの日常が淡々と描かれる。こんなふうに書くと、よくある(本当によくある)ラノベ的学園世界を想起してしまうけど、この小説が書こうとしている世界は、たぶんそれとは違う。
    図書部の面々は、ゆるゆるとした毎日を過ごしている。部室でお茶を飲みつつダベり、漫画の貸し借りをして、「本来の」活動である図書室の貸出業務もおこなう。かつて文科系高校生だったすべての男女が「いいなぁ」と嘆息する日常がいきいきと描かれ、心地良いノスタルジーへと誘う。そして同時に、彼らがそのノスタルジーの奥底に沈めたものを呼び覚まし、ときおりヒヤッとさせたりもする。

    教室の皆に自分が仲間はずれにされているのではない、自分が皆を置き去りにして仲間はずれにしているんだー(中略)そういう逆転の見立てを、部員のうちの気弱そうな何人かは抱いているように見える。(p.97)

    「休憩休憩!」部室ではない、図書室内のテーブルで作業をしていた部員全員がほっとした表情。影の薄い浦田は黙って部室に向かった。(p.121)

    教室に居場所のなかった自分。
    そして、安息の地であるはずの文科系コミュニティーの中でさえ、上手く馴染めていなかった自分。
    「ラノベ的な」日常ではスルーされがちな、文科系高校生の「苦さ」を、この小説は見逃してはくれない。もちろんそれは、作者が冷淡だからではない。自分たちの「苦さ」を痛いほどに噛み締めて、その上で笑ったり泣いたり悩んだり怒ったりする彼らに向き合おうとしているからだ。そのためには、彼らの「苦さ」にも向き合わざるを得ない。
    現実では劣等感に苛まれ、フィクションでもまっとうに描かれない文科系高校生を文字通り「直視」しようとする誠実なまなざし。この小説の真価はそこにある。
    と、かつて文科系高校生だった自分は思う。

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    2015年07月20日
  • 泣かない女はいない

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    表題作と『センスなし』の二篇。表題作は中途採用された会社で働く女性、もうひとつは夫が若い女と浮気をしてほぼ家に帰ってこない女性が主人公。しっかりと、でもやわらかい雰囲気。初夏に近い春の筆で秋の日常を描いている感じ。2000年前後が舞台なので、時おりカセットテープなどの時代を感じるものが登場するが、古臭い感じはあまりしない。

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    2015年02月01日
  • タンノイのエジンバラ

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    出来事が地味なわけではないのに、静かな印象を与えてくる。
    夜のあぐらと三十歳が特に好き。主人公たちが一見淡々としているような語りに読めたせいもあり、ラストの秋子が叫び、泣くシーンはとても胸を突いた。夜のあぐらだと弟が格好良かったのと、姉が金庫を盗めず泣くところにグッときた。
    鈍感な主人公、ミネラルウォーターくらいしか入っていない冷蔵庫、など共通している部分がままあったがわざとだろうか。

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    2014年11月18日
  • 泣かない女はいない

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    こういう何でもないひとの平凡な日々を丹念に書く作品は読み手のメンタリティと嗜好にかなりの部分左右されると思う。
    今回はそれが合致していてすごく好きな雰囲気だった。

    裏表紙のあらすじほど恋人の別れ感は薄く、特に終盤まではお仕事小説の色合いが強い。
    埼玉にあるメーカー子会社の物流会社に転職した主人公。
    働いていない恋人とふたり暮らし。
    同僚の女性社員は実家通いで給料はおこずかいに遣ってしまうような子ばかりで、なんとなく空気が違う。
    些細な出来事を積み上げて、だんだん親しくなっていくという描写が優しい。
    物語自体も、事件やで変化により動きがあるので冗長さもなかった。
    主人公がどういう性格なのかあえて掘り下げられないのが、ラストシーンの切なさに効いていると思う。

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    2014年09月17日
  • 泣かない女はいない

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    そんなに可愛いとか思ったこともない女性に、いきなり告白めいた事を言われて、急にゾワッとしたって感じ。
    泣かない、淡々とした女が見せた最後。
    本当に淡々としていて、田舎の町にあまり考えもなく来てとりあえず仕事して…
    一緒に住んでいる人はいるものの、特筆するほど出てこない登場人物の一人で。
    そんな生活にもちゃんとドラマがある。大手の下請け工場でも、静かにも激しい感情の揺さぶりは起こる。それはとても当たり前の事なんだけど、作者の切り口がほんの少しのほころび程度の感情の描き方なので、最後の鮮明な描写にハッとさせられ、呼吸を乱される。
    元社長の入院の後、奥さん綺麗でしたねの一言で和む場面。ちゃんと君はムードを作れているじゃないか。
    自分がへこたれている時、愛すべき人がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだ。
    の一言に、この主人公の人の良さを感じる。そして思いを伝えてもいない人の事を、同棲相手に話しちゃうとことか。
    結局伝えられない、シーンで野球のボールを大事に持ってるとか、少女漫画みたいなんだけど、美しくも気だるい切なさが伝わってくる。


    評判が良くて読んだ、初めて読んだ作家だが、とても文体が心地よかった。どんどん読んでみよう。

    エレカシの生活が聴きたくなった。
    あとね、彼女は買い物の帰り道

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    2014年09月09日
  • タンノイのエジンバラ

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    【本の内容】
    隣家の女の子を押しつけられたり、実家の金庫を盗みに行くはめになったり。

    人生には、そんな日がめぐってくるのだ。

    話題の芥川賞作家、待望の最新短篇集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    長嶋有さんと川上弘美さんは似ている(もちろん作風がですよ。外見は似ていない)。

    と、思う。

    ご賛同いただけるでしょうか。

    以前川上さんの小説が「俳味がある」と表現されているのを目にした覚えがあるのだが、言い得て妙だわと膝を打った覚えがある(長嶋さんも川上さんも俳句を詠まれるとのことだし)。

    解説に「長嶋本のなかでもっともいい」と書かれた本書だが、私もすごく主人公たちに共感した。

    彼らの“いろんなことが割とどうでもいい”性格というのが、他人事と思えなかったからだ。

    今でこそ、結婚して3人の子の母となり、普段そんな気持ちは無意識に押さえ込まれているわけだが、もしも自分ひとりだったら楽な方へ楽な方へ流れていってしまいたいという誘惑に勝てないような気がする(それが結局はのっぴきならない状況へ追い込まれる結果になったとしても)。

    実際にはそうはしません。

    しませんが、小説で読むのはオッケーですよね。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2014年08月29日
  • 結婚失格

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    「あるきかたがただしくない」と違って、離婚後のことが著者の心情も含め、小説という形を取ってはいるが詳細に書いてある。書評がとってつけた感があって白々しいが案外読んでみたくなった。裁判所によって身に覚えのないDV夫と見なされ、月一回という裁定が決められるところは詳細でよい。

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    2014年08月12日
  • パラレル

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    やっぱり長嶋有さん好きだな!そして、男同士ってさっぱりしているけどお互い思ってていいな。男同士っていうか、長嶋有さんだからかな?

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    2014年04月04日
  • 夕子ちゃんの近道

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    インパクトのある事件が起こるわけでもなく、どんな話?って聞かれたら困る…けどなぜか、たまに読みたくなるお話。この世界の住人になりたくて。登場人物たちが周りにいてくれたら、少し優しく生きられる気がする。

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    2014年03月01日
  • 結婚失格

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    書評と言いながら書評をあまりしていない。

    離婚という場面に遭遇した男の苦痛の姿がリアルに描かれている。
    不条理さにもがく姿は、解説で、幼稚だと痛烈に批判されるてるけど、そういう風に考えてもがいてしまう時期はすごくあると思う。

    法律家たちの冷たい姿もおもしろい。
    たしかに法律家の対応って理不尽なところあるよなー
    そうなっちゃうのは、仕方ないとこもあるんだけど。


    「とにかくだれかに好かれるのは幸せなことだ、それだけはたしかだ」

    「そのことを忘れるために今はただ小さいことにくよくよしたい」

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    2014年02月03日
  • 夕子ちゃんの近道

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    遠回りが、案外一番の近道なんじゃないかと思える。立ち止まって考える時間。ちょっと空っぽになってみる自分。でも、やっぱり「今まで」は残っている私。
    人生、織り込まれて生きているね、私たち。色合いはどんな仕上がりになるだろう。

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    2013年12月07日
  • いろんな気持ちが本当の気持ち

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    背表紙に惹かれて購入。
    以前にタイトル買いして読んだ小説も長嶋有の『猛スピードで母は』。
    この人のタイトルのセンスは自分に合うのかもしれない。
    映画の話題で茶の味とか、カウリスマキやら、自分の趣味と合う部分もあり面白かった。

    エッセイを読んではじめて、自分と波長が合う部分が見えてきた。
    こういうものの見方をしているから、こういう文章が書けて、
    こういうところに自分が惹かれていたのだと。
    小説のアイデアの源泉もちりばめられていて、
    末尾の補遺では筆者自ら解説してくれていて、
    もっと長嶋作品を読んでいけば、より味わえるエッセイだと思う。

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    2013年09月26日
  • 夕子ちゃんの近道

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    なんだかぼやぼやした主人公と、個性的な周りの人びと。古道具屋を中心に淡々と話が進みます。
    長嶋さんの、主人公を通したぼやきともつぶやきとも言える描写が大好きで、普段生活で感じるくだらない発見やモヤモヤが物語のあちこちで出て来る度ニヤニヤしてしまいます。
    巻末に大江健三郎賞受賞時の大江氏の選評が載ってます。凄く的を得て魅力が分析されていて、あぁやっぱり良いなと再確認できました。

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    2013年06月30日
  • 結婚失格

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    一冊を通して、様々な視点から著者の人柄を見つけることの出来る本。
    そのことが本人は意図してなさそうに見えるのも面白い。

    辛辣な解説も見もの。個人的には全面的に感情移入して読んでいたので、なんだか覆されてしまったような読後感。著者を見る目が、ひいては自分自身を見る目が変わることにもなるような印象を受けた。
    それを踏まえてどちら側に立つか、これがこの本を味わうのに必要なことかも知れない。

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    2013年06月21日