長嶋有のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これはなかなか良いエッセイ本でしたね…! 長嶋さんの小説はいくつか読んでいて「好みだな~」と思っていましたから、エッセイも肌が合うんじゃないかと…読んでみた次第ですけれども、いやぁ…良かったですね!
ヽ(・ω・)/ズコー
色々と趣味の範囲が広いお方のような気がしますねぇ…音楽だったり映画だったりゲームだったり漫画だったり…「ブルボン小林」という名義でレビュー本?みたいなのも出しているみたいですから、そちらも読んでみましょうか…。
氏の書くレビューをもっと読んでみたいなぁ…と思わしてくれる本でしたね。おしまい…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
Posted by ブクログ
高校の「図書部」を舞台にした物語。何か事件が起こるわけでもなく、個性豊かな部員たちの日常が淡々と描かれる。こんなふうに書くと、よくある(本当によくある)ラノベ的学園世界を想起してしまうけど、この小説が書こうとしている世界は、たぶんそれとは違う。
図書部の面々は、ゆるゆるとした毎日を過ごしている。部室でお茶を飲みつつダベり、漫画の貸し借りをして、「本来の」活動である図書室の貸出業務もおこなう。かつて文科系高校生だったすべての男女が「いいなぁ」と嘆息する日常がいきいきと描かれ、心地良いノスタルジーへと誘う。そして同時に、彼らがそのノスタルジーの奥底に沈めたものを呼び覚まし、ときおりヒヤッとさせたりもする。
教室の皆に自分が仲間はずれにされているのではない、自分が皆を置き去りにして仲間はずれにしているんだー(中略)そういう逆転の見立てを、部員のうちの気弱そうな何人かは抱いているように見える。(p.97)
「休憩休憩!」部室ではない、図書室内のテーブルで作業をしていた部員全員がほっとした表情。影の薄い浦田は黙って部室に向かった。(p.121)
教室に居場所のなかった自分。
そして、安息の地であるはずの文科系コミュニティーの中でさえ、上手く馴染めていなかった自分。
「ラノベ的な」日常ではスルーされがちな、文科系高校生の「苦さ」を、この小説は見逃してはくれない。もちろんそれは、作者が冷淡だからではない。自分たちの「苦さ」を痛いほどに噛み締めて、その上で笑ったり泣いたり悩んだり怒ったりする彼らに向き合おうとしているからだ。そのためには、彼らの「苦さ」にも向き合わざるを得ない。
現実では劣等感に苛まれ、フィクションでもまっとうに描かれない文科系高校生を文字通り「直視」しようとする誠実なまなざし。この小説の真価はそこにある。
と、かつて文科系高校生だった自分は思う。 -
Posted by ブクログ
こういう何でもないひとの平凡な日々を丹念に書く作品は読み手のメンタリティと嗜好にかなりの部分左右されると思う。
今回はそれが合致していてすごく好きな雰囲気だった。
裏表紙のあらすじほど恋人の別れ感は薄く、特に終盤まではお仕事小説の色合いが強い。
埼玉にあるメーカー子会社の物流会社に転職した主人公。
働いていない恋人とふたり暮らし。
同僚の女性社員は実家通いで給料はおこずかいに遣ってしまうような子ばかりで、なんとなく空気が違う。
些細な出来事を積み上げて、だんだん親しくなっていくという描写が優しい。
物語自体も、事件やで変化により動きがあるので冗長さもなかった。
主人公がどういう性格なのかあえて掘り下げられないのが、ラストシーンの切なさに効いていると思う。 -
Posted by ブクログ
そんなに可愛いとか思ったこともない女性に、いきなり告白めいた事を言われて、急にゾワッとしたって感じ。
泣かない、淡々とした女が見せた最後。
本当に淡々としていて、田舎の町にあまり考えもなく来てとりあえず仕事して…
一緒に住んでいる人はいるものの、特筆するほど出てこない登場人物の一人で。
そんな生活にもちゃんとドラマがある。大手の下請け工場でも、静かにも激しい感情の揺さぶりは起こる。それはとても当たり前の事なんだけど、作者の切り口がほんの少しのほころび程度の感情の描き方なので、最後の鮮明な描写にハッとさせられ、呼吸を乱される。
元社長の入院の後、奥さん綺麗でしたねの一言で和む場面。ちゃんと君はムードを作れているじゃないか。
自分がへこたれている時、愛すべき人がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだ。
の一言に、この主人公の人の良さを感じる。そして思いを伝えてもいない人の事を、同棲相手に話しちゃうとことか。
結局伝えられない、シーンで野球のボールを大事に持ってるとか、少女漫画みたいなんだけど、美しくも気だるい切なさが伝わってくる。
評判が良くて読んだ、初めて読んだ作家だが、とても文体が心地よかった。どんどん読んでみよう。
エレカシの生活が聴きたくなった。
あとね、彼女は買い物の帰り道 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
隣家の女の子を押しつけられたり、実家の金庫を盗みに行くはめになったり。
人生には、そんな日がめぐってくるのだ。
話題の芥川賞作家、待望の最新短篇集。
[ 目次 ]
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長嶋有さんと川上弘美さんは似ている(もちろん作風がですよ。外見は似ていない)。
と、思う。
ご賛同いただけるでしょうか。
以前川上さんの小説が「俳味がある」と表現されているのを目にした覚えがあるのだが、言い得て妙だわと膝を打った覚えがある(長嶋さんも川上さんも俳句を詠まれるとのことだし)。
解説に「長嶋本のなかでもっともいい」と書かれた本書だが、私もすごく主人公たちに共感した。
彼らの“いろんなことが割とどうでもいい”性格というのが、他人事と思えなかったからだ。
今でこそ、結婚して3人の子の母となり、普段そんな気持ちは無意識に押さえ込まれているわけだが、もしも自分ひとりだったら楽な方へ楽な方へ流れていってしまいたいという誘惑に勝てないような気がする(それが結局はのっぴきならない状況へ追い込まれる結果になったとしても)。
実際にはそうはしません。
しませんが、小説で読むのはオッケーですよね。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]