【感想・ネタバレ】愛のようだのレビュー

あらすじ

40歳にして初心者マークの戸倉は、友人の須崎と、その彼女琴美とドライブへ。退院したらどこかいこうという約束を果たすのだ。キン肉マン、北斗の拳、奥田民生……車中の合唱、前方を走るタンク車に興奮、振られた男は高速道路で捨て身の行動に打って出る。そして、大切なことに気付く瞬間が訪れて――。愛しさと哀しみを鮮明に描いた恋愛小説。〈解説〉大塚真祐子

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Posted by ブクログ

長嶋有さん、好きだー。
車で移動する主人公たちの、連作ロードノベル。
乗り合うメンバーは少しずつ入れ替わり、目的地も変わり、みんなの人生がなんとなく動いていく(車にいっしょに乗るって、独特の距離感だよね)。
「男の子」の好きな漫画、歌がたくさん出てくる。

この小説でも殺し文句がいくつも登場するが、いちばんぐっときたのが、
「男の歌を口ずさむこと以上に、好きな車がある女は皆、素敵だ」
というくだり。
『猛スピードで母は』もそうだったけど、わたしは長嶋さんの女性への目線が好きだ。過重な評価ではないけれどちょっぴり背筋を伸ばさせられる、こうでありたいというかたちを、浮き彫りにしてくれる感じの。

個人的なできごとにより、長嶋さんの本をある時から読めなくなった。でも、このまま遠ざかるのは寂しすぎる、と頑張って読み通した。克服した。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

 ある場所から目的地に向かう車中の描写がほとんどを占める"車中小説"。

 若くても年をとっても人は誰かを好きになったり、その逆に好きでなくなったりする。上手くいくことばかりではないし後悔することもある。その普遍性と絶妙なニュアンスを描くのが長嶋さんは上手だと思う。

";「本当に好きな人が出来られたら仕方ないよね」できられたら、と水谷さんは誤った実感のある言い方をした。"
とか、上手く言えないけど、でもすごく分かる気がする。

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2020年04月26日

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