長嶋有のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◆心に刺さったワード◆
⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
⚫強い心は強い肉体に宿る
◆読んでみたい本◆
⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
⚫世界の実相 -
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Posted by ブクログ
定点観測な連作集。
こういうのって「ひとり1話」みたいな
構成になっているものが多いと思うのですが
これは少し変わっている。
第一藤岡荘というアパートの一室に住んだ
歴代の住人たちの人生を書き留めるのに
「場所」や「もの」で章わけされているのです。
たとえば『雨と風邪』の章なら
部屋に響く雨音を風邪ひきの布団で聴く十畑保
乗り物の中にいるようだと感じる二瓶環太
天ぷらを揚げる音のように思う七瀬奈々。
『ザ・テレビジョン!』の章なら
白黒テレビだった藤岡一平から
父・野球、母・ワイドショー、子はアニメと
昭和そのものな視聴風景の二瓶一家。
1966年から2016年までの物語。
その時代、時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初長嶋有。
表題作と「センスなし」からなる中編集。
1999年って、カセットテープと携帯電話が共存する不思議な時代だったんだよなー。ってことを思いながら読んでました。
泣かない女はいない。
タイトルがめっちゃ素敵。
変化がまるで感じられないような日常の中、昨日とは何かが違うと感じ取れる睦美の心の変化がリアルに伝わってきて、何だか切なかったな。
だって惹かれる気持ちって誰にも止められないんだもん。
泣いたことがない。という彼女が泣いたとき、それは幸せな涙であってほしいけど、人は案外幸せな場面では泣いたりしないのかも。ということを思いながら読んだ一冊でした。
でも、最後の場面では追い -
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Posted by ブクログ
「猛スピードで母は」にハマり、超速で買った長嶋有さん二作品目。
相変わらずのこのゆるり感。
良いですねぇ…( ´ ▽ ` )
修飾し過ぎない、伸びやかで透明感のある文体。
自然体を地で行く、さわやか純文学という感じでしょうか。
村上春樹さんとかとは真逆を行くイメージです。
そして、まあ何というかエモいですよねぇ…
お風呂のかき混ぜ棒とか、なんかそんなもん昔あったなぁ…とか(笑)
登場人物の名前とかも…朝子とか夕子とか…何か具合が絶妙ですよね。
あと、個人的にはもう瑞枝さんにひたすらにメロメロにされました…( ̄▽ ̄)
天真爛漫さとミステリアスさ、そしてときおり見せる弱さという、このバ