麻見和史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
警視庁捜査一課十一係"殺人分析班"シリーズ第7作。タイトルの「蝶の力学」は所謂バタフライエフェクトのこと。
一見、劇場型犯罪かと思いきや特定の人間を狙った事件という構成はまあよくあるパターン。このシリーズは猟奇的な殺人が行われるケースが多いが、今回も遺体の喉を切り開いて青い花を挿すという異常な状況が展開されるが、思ったほどその点は重要ではなく前作「女神の骨格」ほどの不気味さもない。
本作の見どころはエースの鷹野が負傷により一時退場し、それを機に十一係のメンバーが鷹野に頼り過ぎていたことを反省し更に結束が深まった点だ。特に塔子は尾留川と急造コンビを組むことになり、尾留川の長所に改めて気付くことになる。
また、このシリーズは如月塔子の成長物語であり、鷹野との関係がどう進むのかという話でもある。お前ら小学生か!とツッコミたくなるほど塔子と鷹野の二人の距離感はもどかしいが、本作では鷹野が仕事に関する本音を伝えたり、塔子が鷹野のことをもっと知りたくなるなど、牛の歩みではあるものの二人の距離も少しづつ縮まっているようだ。
次回作を楽しみにしよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ刑事として第一線で活躍していた50代の藤木、妻を病気で亡くし、立ち直れず、凍結事案捜査班という未解決事件を取り扱う部署に配属される。
そこにいる仲間たちも、それぞれ事情を抱えているようだ。
どちらかというと、後方支援のような部署だが、あることがきっかけで、30年前の未解決事件の真相を現場に出て追うことになる。
この捜査をきっかけに、時が止まっていた藤木の心に少しずつ、変化が現れてくる。第一線で活躍していた時の刑事の感を取り戻していきながら、妻を亡くしたことで、今まで見えていなかったそれぞれの立場の人たちの心情を自分なりに汲んでみたり。
また、配属されてから、深く関わってこなかった部署の仲間たちも、彼らが妻を亡くして抜け殻のようになっている藤木に、それぞれの形でサポートされていたことにも気がつく。
30年前の未解決の事件が、ここにきて新たな事件へとつながっていくが、その結末になんともやりきれない気持ちになった。