麻見和史のレビュー一覧
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「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、2作目。
この作者さんの作品は、他のシリーズも含めて、プロットがきっちり作られており、事件の構造そのものに無理がなく、文章が読みやすい。なので、どのシリーズも好みで読み続けているのだけれど、このシリーズだけはちょっと苦手かも。前作でも思ったが、主人公の立場がまず報道側の人間であることが大きい。報道側の大義名分も分かるし、本作でも随分と気を遣って描かれているのは分かるのだけれど、それでもマスコミの利己的な部分が見え隠れして不快感を覚えてしまう。その上、クソ真面目な綾香のキャラが一層イライラ感を増幅させる。新しく加わった久我の方が、傲慢ではあるがまだ好感が持 -
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公安外事モノ。新シリーズかな?
終盤まで予想のつかない展開で、なかなか凝った公安ミステリとなっていた。ただ、主人公の篠原早紀も含め、外事五課チームのメンバー全員、誰一人として好感が持てなかったのが辛い。事件構造は上手く公安事項と絡めてあって、殺人事件を扱う如月塔子シリーズとはまた違うミステリを愉しむことができると思うのだが、登場人物にこうも魅力がないと、これから読み続けるのが辛いなぁと思ってしまう。塔子は素直に可愛いと思えるけど、早紀は同じ女性の目から見て面倒くさい女としか映らないんだよねぇ。とりあえず、今作を読み終えた段階で漸くチームメンバーの全容が知れたので、次作以降、彼らにもうちょっと -
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ネタバレシリーズ4作目。展開が結構パターン化してきたので若干惰性で読んでいる部分はありますが、猟奇的な殺人現場に秘められた犯人の意図などを読み解くのが楽しめるシリーズなので、今回もそこに期待して手に取りました。
その点において本作は分かりやすくて、中盤くらいにはおよその予測が立ちました。ただ、あまり分かりやすすぎてコレで終わっちゃうの? ……と思わされてからの真犯人による殺害トリックが荒唐無稽ギリギリすぎるのと、鷹野がそれに気づいちゃうのはスペック高すぎっしょw という2点で楽しませてもらった気がします。
塔子が鷹野を変に意識し始めるところなどの変化を交えて、今後も先に記載したような要素を楽しませ -
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ネタバレシリーズ三作目となると、各キャラクターの性格や行動原理がおよそ把握できてきたかなーと思っていたので、何かしら意表をつく展開を期待しちゃっていました。
そこからすると、父親の形見が壊れるというのが何か象徴的なことのように思われ、ここから父親の存在を超えていくみたいな展開を期待したのですが、そこはあまり達成できず。
さらに微妙だったのは鷹野の行動。ネタが割れれば納得できなくはないのですが、さすがに100均ショップでコンパクトを手にする場面は突拍子も無さすぎて、ちょっと引いてしまいました。
そしてデザインジャパンを読んでいたからこその結末や、ディスレクシアが故の犯人の奇怪なモノローグなど、本格 -
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鷹野と塔子のコンビもすっかり安定し、新人刑事だった塔子も捜査技能テストが受けられるまでに成長した。
いろいろな事件に関わることで経験を積み、刑事としてのスキルを磨いてきた。
事件関係者からの聞き込みでも、塔子らしいアプローチで事件解決のための重要なヒントを得られるようになった。
この二人のコンビがけっこう良いのだ。
それなりに自信をつけてきた塔子だが、やはり鷹野たちを頼りにしているところも、まだまだシリーズが続いていく余地がありそうだ。
不器用にプレゼントを渡す鷹野も意外に可愛らしい。
彼らを取りまく捜査一課十一係のチームワークも魅力のひとつだ。
物語の途中に挟まれる門脇班の推理会議も、事件を -
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人が殺人を犯すとき、そこにはそれぞれの事情がある。
まったく身勝手な動機もあれば、やむにやまれぬ動機もある。
欲にかられた動機もあれば、緊急避難的な動機もある。
この物語で起きる事件には、そのどれにも属さない動機が隠されている。
このシリーズにしては珍しく、結末ありきのような展開になっていたことが残念だった。
犯人に迫る緊迫感のようなものも少なく、分析班が活躍する場面もほとんどない。
面白くないわけではない。
それでも、塔子と鷹野のコンビ。
分析班のそれぞれのメンバーの活躍。
このシリーズのファンとしては、萌どころが少なく感じてしまった。