麻見和史のレビュー一覧
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シリーズ第4弾。今回はこの事件限りということでIT関連専門の谷崎廉太郎巡査がチームに加わった。前回から参加した夏目静香巡査とコンビを組み、現場で見つかったパソコンの解読という作業にあたる。今回はそのパソコンに画像として保存されていた何やら意味不明の切り貼り文の写真と犯行予告とも思われるメモが現場に落ちていたことから捜査が始まる。そして被疑者として浮上していた人物が死体となって発見されたことで事態は混迷を極めていく。
本作は前作と比べるとストーリー展開が読みやすく、割とわかりやすい内容だった。しかし、事件の裏に隠された企業体質、日本の実情はかなり根深いものだという印象を改めてもった。 -
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シリーズ第2弾。本作から文書解読班に新メンバーの夏目静香巡査が加わり、従来の自称文字フェチの鳴海理沙警部補、矢代朋彦巡査部長の3人で捜査に当たることに。そして、本シリーズは脇役もまた特徴的で面白い。とぼけた感じだが実は切れ者だと言われる財津喜延係長、口は悪いが親しみやすい捜査一課の川奈部孝史警部補、頭を20度傾ける癖のある冷たい印象の捜査一課古賀清成係長、鑑識の権藤巌警部補、鳴海が行き詰まると出向く恩師の遠山健吾などなど。
本作は「永久囚人」という稀覯本を探しその内容を読み解く要素もあるため、前作よりも文書捜査の雰囲気が強い。タイトルの意味は、その本の名前というだけでなく、最後まで読むと自 -
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「警視庁殺人分析班」シリーズは、ノベルスだと「警視庁捜査一課十一係」シリーズである。なぜ変えるんだと思う。殺人分析班の方が後付けだったからどちらも変えるに変えられなかったのだろうか。
さてこのシリーズ、前も書いたが2時間ドラマ的である。実際はWOWOWでいくつか連続ドラマ化されているのだが、構成的にはまんま2時間ドラマ。
殺人分析班こと十一係は内部にほとんど葛藤がなさげなところとか、事件のありようは猟奇的ながら動機の落とし込み方が凡庸なところとか…
そんなにごちゃごちゃ言うなら読むなよという話もあるが、ライトな推理小説としては読みやすさが抜群なので、そこはとても素晴らしいと思う。
本作「奈落の -
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シリーズ4作目。
他の方のレビューにもあるが、どんどん主人公・塔子が成長しているのが分かる。
マンションの非常階段で発見された刺殺体。ナイフを持っていたが、傷口が合わないことから、殺人の捜査本部が立ち、いつもの十一係のメンバーは江東署へ。
教育係でもある鷹野と一緒に捜査に当たる塔子だったが、突然桜田門に呼び戻される。
警視庁は「2億を用意しないと、1日に1人ずつ都民を殺す」との脅迫を受けていた。
脅迫事件のせいで、都民が殺されていることを悟られないよう捜査を進める十一係の面々の様子と、猟奇的な犯人の目線から、物語が交互に描かれる。
警察小説としても、面白いが、ミステリーの要素もあり、ラストまで -
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ネタバレあとがきでも書かれてましたが「あの鷹野が公安に!?」「十一課のシリーズの方はどうなっちゃうの?あれ(「天空の鏡」)で終わり?」とうろたえてしまいましたが、なるほど殺人分析班シリーズから約四年後という設定なんですね。
ただ、鷹野は非情になれなさそうだし「大事の前の小事」とか考えられなさそうなので、公安で上手くやれる気がしない……と思ったら、案の定それが原因でやらかしちゃったりして、あの頼りがいのある鷹野のあまりな体たらくはちょっと残念な印象。
中盤から刑事課で培った筋読みを活かして挽回していきますが「殺人分析班」ほどインパクトのある活躍がないような気もします。また、肝心の「鑑定士」の存在がヴ -
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殺人分析班シリーズ2作目。
テーブルに置かれた惨殺死体は、頭蓋骨、白い花、止まった時計、スープ皿に囲まれていた。
果たして、この殺害現場の意味することとは・・・
女性刑事・如月塔子を中心に、「分析班」と名乗る第十一係の面々が事件の解決と謎に迫る。
解説にもあったが、警察小説では珍しく、捜査の過程のみを描くのではなく、本格的な推理要素が入っているのが、今シリーズの特徴なのだろう。
なかなか複雑なトリックではあったが、1作目が面白かっただけに、少し失速感を感じた。
しかし、分析班のメンバーのそれぞれの個性も丁寧に描かれており、1作目で描き切れてないところの補填もしっかりされていた気がする。
全体的