麻見和史のレビュー一覧
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警視庁文書捜査官シリーズ、5作目。
鳴海率いる文書解読班のチーム力がいい感じに上がっていて、シリーズ当初よりも格段に読みやすくなったように思う。当初の鳴海と夏目に対する苦手感が見事に消え失せ、好感を持てるようにまでなった。IT担当の谷崎も含めて、キャラにそれぞれ愛着を持てるようになると、やはり読んでいて楽しさがある。
肝心の事件のほうは、文書解読班ならではの暗号解読から始まり、このシリーズの醍醐味的なものを味わえたのであるが、何せ警視庁内の無駄なゴタゴタ抗争が背景にあるので、変にまどろっこしいというか不快というか、、、。私の個人的な好みではあるが、あまり好きじゃない事件の流れだったかな。 -
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ネタバレ一匹狼の刑事、一條聡士が主人公。
一匹狼と言えば聞こえはいいが、ちょっと自分勝手な物言い過ぎて、主人公の一條がいまいち好きになれなかったのがとにかく残念。飯テロのようなやたら美味しそうな食事描写は結構楽しめたけど。
事件の展開も、途中まではどういった方向に進んでいくのか興味深く読めていたのに、いざ犯人が出てくると、やっぱり、、、な人で、拍子抜け。相棒刑事の福地さんも、なかなか厄介な一條刑事に対して意外としぶとく対抗していて応援したくなっていたのに、結局はその正体がよく分からないままでモヤモヤだけが残る。今後、シリーズ化させていくつもりなのか分からないが、もう少し彼女の立場をハッキリさせておいても良かったんじゃないかな。 -
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警視庁捜査一課十一係(警視庁殺人分析班)シリーズ、11作目。
事件捜査の展開的にはいつも通りで、決して画期的ではないが、安心して読める。まぁ、被害者が生きているのか死んでいるのか分からないまま、もう少し事件が進行形で続いていれば、いつもと違った様相を見れたのかもだけど。筋道立った推理捜査もいつも通りだけど、いざ解決となるとちょっと唐突で足早になってしまうのもいつも通り。せっかくの派手なカーアクションの描写も、同じ著者の他シリーズで読んだのとあまり変わらなくて、既視感を覚えてしまった。あと、シリーズがすでに11作となるのに、あまり塔子の成長が見られないのもマンネリ化してしまっている要因のような。ずっと鷹野の後ろをついて回っているだけで、刑事としての成長がいまいちなんだよねぇ。最初の頃は新人刑事ならではの拙さも可愛げがあったけど、今となってはいつまで新人気分でいるの?と思っちゃう。後書きの最高傑作の評が逆にちょっと大袈裟に思えてしまったのが残念。 -
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ネタバレ序盤、神谷と塔子が話をするあたりで、今回こそは鷹野の元相棒・沢木、もしくは塔子の父絡みの事件を期待……と思っていたのですが、まさかの肩透かし。あの思わせぶりな場面はなんだったのだろう……
まぁ、そこは私が勝手に期待して落胆してるだけなので仕方ないのですが、今回の事件は「鷹の砦」での緊張感や変化に富んだ展開、派手なバトル場面に比べると、どうしても地味な印象を受けました。捜査の流れもスムーズに進みすぎた印象もあって、自分の感情の上下動(驚きとか)があまりなかったように思います。
ただ、シリーズが進んで登場人物の個性が確立されてきたからか、キャラ同士の掛け合いがちょっと面白い感じになってきたかも。そのうち事件性のないスピンオフ的な話なども読んでみたい気がします。 -
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ネタバレ最初の遺体発見現場のシーンは画を想像するとなかなかのインパクトで、殺人分析班シリーズらしい猟奇的な現場で、つかみはOKな感じ。
ただ、その後の流れはこのシリーズとしては普通という印象。犯人が予想の範疇だったことや、共犯者は意外だったけど驚くような人物では無かったことも、モチベーションが今一つ上り切らなかった要因でしょうか。
個人的には(本作に限ったことではありませんが)主要登場人物と特に関わりのある事件ではなかったことが、満足しきれなかった大きな原因と思ってます。もうシリーズ9作目なので、そろそろ鷹野の過去の掘り下げをしてほしかったです。 -
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ネタバレ星3.4
淡々と進む刑事系捜査ミステリ。時間が進むにつれ死体が増える、途中でバディの片割れが襲撃を受けてリリーフ選手に交代するくだりがあること、なにより台詞がなんとなくト書きの台本めいていること(※これは今回に限っては描写として下手というわけでない、文章が格別に巧み、というわけでもないが)などから、「クトゥル神話TRPGの刑事シナリオのリプレイ小説みたいな読み口だな」と感じながら読んでいた。誰かが一生懸命考えたセリフを登場人物が言ったとすればこうなった、くらいの距離感を感じた。
独りで出来すぎてしまう先輩男性刑事と、新米の自認が抜けきらない後輩女性刑事の、恋愛関係未満の微妙なバディ関係が今作から仕組まれているようだが、大成功しているという感触ではない。シリーズの中で試み始められたのだろうという点では好感が持てる作業ではあった。
いきなり『蝶の力学』から読み始めてしまったが、このノリを食べ直したくなったら同シリーズ作品も読むかもしれない。『石の繭』『蟻の階段』『水晶の鼓動』『虚空の糸』『聖者の凶数』『女神の骨格』が前作、『雨色の仔羊』がこの後の作品とのことだ。 -
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ネタバレ警察モノを読んでいて、上司が理不尽な命令や、隠蔽的な命令をする場合があるが、途端に物語への興味が失せる
本書も設定が理不尽系なので途中の展開は見ていてイラツク部分がある
殺人分析班シリーズはむしろ建前的に良き環境なので作者の中ではバランスがとれているのかもしれない
ついでに言うと、動機からくる事件への流れは両シリーズともムリゲーなケースが多い
問題なのは、ここまで書いて此の作者の作品は結構好きなのだ
人間ってわからんもんだ
本書は暗号を日常で楽しみ自家出版までしてしまう、中小印刷屋(笑)における経済的な苦境からの心理的隘路に陥った男の愚行が、神のイタズラで事件・事故を引き起こしてしまい、時の封印が融けたがために何やら勃発するという事件だ
文書捜査官の心髄は、その文書から真相を引き出す所では無く、判じ物を色々考えているうちに、目の前にある材料を有機的に結び付けて事件の真相にたどり着く力なのだ
文字の判じ物に取り組む事でAI並みのサーフィン思考を身に着けた勝利である(何のことやら)