麻見和史のレビュー一覧
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シリーズ6作目。
古い洋館の火災現場から出て来たのは、隠し部屋と頭が男性、体が女性と言う奇妙な白骨死体だった。
古いもので、住人も行方も分からないことから、なかなか身元が判明しない。
そんな事件に挑む塔子達、十一係。
シリーズも重ねて、チームワークも良くなり、事件に派手さがない分、塔子の捜査能力のテストと言う名目で、事件の真実に着々と迫る様子を上手く描いていると感じた。
これまでの作品と違い、一つの事件を丁寧に描いているので失速感は否めないが、シリーズの途中でこういう作品を挟むのもありかも。
個人的には、鷹野を主人公にした別シリーズを買ってしまったので、いつ塔子が独り立ちをするのか、とても気になるところ・・・ -
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シリーズ第4弾。今回はこの事件限りということでIT関連専門の谷崎廉太郎巡査がチームに加わった。前回から参加した夏目静香巡査とコンビを組み、現場で見つかったパソコンの解読という作業にあたる。今回はそのパソコンに画像として保存されていた何やら意味不明の切り貼り文の写真と犯行予告とも思われるメモが現場に落ちていたことから捜査が始まる。そして被疑者として浮上していた人物が死体となって発見されたことで事態は混迷を極めていく。
本作は前作と比べるとストーリー展開が読みやすく、割とわかりやすい内容だった。しかし、事件の裏に隠された企業体質、日本の実情はかなり根深いものだという印象を改めてもった。 -
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シリーズ第2弾。本作から文書解読班に新メンバーの夏目静香巡査が加わり、従来の自称文字フェチの鳴海理沙警部補、矢代朋彦巡査部長の3人で捜査に当たることに。そして、本シリーズは脇役もまた特徴的で面白い。とぼけた感じだが実は切れ者だと言われる財津喜延係長、口は悪いが親しみやすい捜査一課の川奈部孝史警部補、頭を20度傾ける癖のある冷たい印象の捜査一課古賀清成係長、鑑識の権藤巌警部補、鳴海が行き詰まると出向く恩師の遠山健吾などなど。
本作は「永久囚人」という稀覯本を探しその内容を読み解く要素もあるため、前作よりも文書捜査の雰囲気が強い。タイトルの意味は、その本の名前というだけでなく、最後まで読むと自ずとわかってくる。 -
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「警視庁殺人分析班」シリーズは、ノベルスだと「警視庁捜査一課十一係」シリーズである。なぜ変えるんだと思う。殺人分析班の方が後付けだったからどちらも変えるに変えられなかったのだろうか。
さてこのシリーズ、前も書いたが2時間ドラマ的である。実際はWOWOWでいくつか連続ドラマ化されているのだが、構成的にはまんま2時間ドラマ。
殺人分析班こと十一係は内部にほとんど葛藤がなさげなところとか、事件のありようは猟奇的ながら動機の落とし込み方が凡庸なところとか…
そんなにごちゃごちゃ言うなら読むなよという話もあるが、ライトな推理小説としては読みやすさが抜群なので、そこはとても素晴らしいと思う。
本作「奈落の偶像」に関しても、伏線の張り方が割とあからさまなので、フーダニットとしては弱い。動機の設定がとにかく2時間ドラマ的に安直なのに事件の起こし方がやけに大仰なのも難しい。作者としては犯人当てとかではなく、如月塔子という女性刑事の活躍を描きたいのだろうけど、如月塔子というのがまたできすぎたキャラクターすぎて、若干マンネリ化している。同じ舞台でシリーズを長く続けることの難しさなのかもしれない。
ただ、考え込むことなくすっと読み進められる筆力と、舞台映えの設定は巧み。
ここからどう展開させるのだろうか。このまま淡々と続けるのか、どこかで急激に展開させるのか…。 -
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シリーズ4作目。
他の方のレビューにもあるが、どんどん主人公・塔子が成長しているのが分かる。
マンションの非常階段で発見された刺殺体。ナイフを持っていたが、傷口が合わないことから、殺人の捜査本部が立ち、いつもの十一係のメンバーは江東署へ。
教育係でもある鷹野と一緒に捜査に当たる塔子だったが、突然桜田門に呼び戻される。
警視庁は「2億を用意しないと、1日に1人ずつ都民を殺す」との脅迫を受けていた。
脅迫事件のせいで、都民が殺されていることを悟られないよう捜査を進める十一係の面々の様子と、猟奇的な犯人の目線から、物語が交互に描かれる。
警察小説としても、面白いが、ミステリーの要素もあり、ラストまで犯人をミスリードするのはさすが。
タイトルの「虚空の糸」の回収も見事で、2作目当たりが一番面白いとの声もあるが、個人的にはこの先も楽しみなシリーズ。 -
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ネタバレあとがきでも書かれてましたが「あの鷹野が公安に!?」「十一課のシリーズの方はどうなっちゃうの?あれ(「天空の鏡」)で終わり?」とうろたえてしまいましたが、なるほど殺人分析班シリーズから約四年後という設定なんですね。
ただ、鷹野は非情になれなさそうだし「大事の前の小事」とか考えられなさそうなので、公安で上手くやれる気がしない……と思ったら、案の定それが原因でやらかしちゃったりして、あの頼りがいのある鷹野のあまりな体たらくはちょっと残念な印象。
中盤から刑事課で培った筋読みを活かして挽回していきますが「殺人分析班」ほどインパクトのある活躍がないような気もします。また、肝心の「鑑定士」の存在がヴェールに包まれた状態で終わってしまったり、何より肝心な鷹野の元相棒(後輩)の沢木の件も全く進展がなく、上下巻の上巻的な感じで終わってしまったため、消化不良感が結構強かったかも。
裏を返せば次巻以降、心残り案件でどれだけ強烈な展開を見せてくれるかが、このシリーズ(「公安分析班」)の印象に繋がるのかなーとも思います。
もう一つ難点をあげるとすれば「公安分析班」のキャラは今のところ「殺人分析班」に比べて皆真面目で堅い印象なのが少し物足りないかも。少しずつ意外なパーソナリティを見せてくれたりするのでしょうか(公安という組織的にちょっと難しそうですが……)。