麻見和史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ中屈指とか、一番本格度合いが強いとか書評の惹句をみて期待が大きすぎた。
確かに凡百の警察ドラマよりは謎が大きい。特に見立て殺人、それもヴァニタス画を彷彿とさせる見立てが行われた連続殺害現場、そして引退した刑事に犯人からの連絡があることから劇場型犯行?など、色々な要素はあってラストまで飽きずに読める。
しかし犯人は途中からはっきりわかっているし、さほどの意外性がある展開もなかった。本格を期待すると外れるかも。
地道な組織捜査が描きこまれる一方で、如月&鷹野コンビも少しずつ息があってきて、如月の成長物語にもなっており、ここらがちょっと名探偵と助手を彷彿とさせる部分ではある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ6作目。読んでからだいぶ間が開いてしまったので記憶がやや薄れ気味ですが、今回は事件よりも塔子の刑事としての方向性が垣間見えた点が「良いな」と思ったことが印象に残っています。
その場面は、緑川の妻に捜査協力を依頼する場面だったと思うのですが、その内容に他の女性刑事物にない独創性を感じました。
女性が主人公の刑事物というと、女刑事が男顔負けの活躍をする意外性とギャップから爽快感のようなカタルシスを感じさせるものが多いと思ってますが、本作はそうした点で差別化が図れているように思った次第です。
今後、この点を拡充してもらえるのであれば興味をもって続編を手に取っていきたいと思うのですが、そ -
Posted by ブクログ
捜査一課十一係シリーズ4作目。
このシリーズの面白さは伏線の見事さにある。
何気ない会話、つい聞き逃してしまいがちな証言、そして捜査の最中に見聞きした記憶。
犯人へとつながる見えない糸が、それらの中に隠されている。
すべてがひとつに結びついたとき、真犯人の姿が浮かび上がってくる過程は読んでいてドキドキする。
塔子と鷹野のコンビも相変わらずだ。
犯人の思惑に翻弄され、事件解決への道筋がまったく見えないときも、このコンビはけっして諦めない。
「鷹野くんも」の「も」に妙にこだわる鷹野も楽しい。
警察小説だけでなく、ミステリーを書くためには様々な知識が必要なのだとあらためて思う。
事件解決へのきっかけ