麻見和史のレビュー一覧
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ネタバレシリーズ三作目となると、各キャラクターの性格や行動原理がおよそ把握できてきたかなーと思っていたので、何かしら意表をつく展開を期待しちゃっていました。
そこからすると、父親の形見が壊れるというのが何か象徴的なことのように思われ、ここから父親の存在を超えていくみたいな展開を期待したのですが、そこはあまり達成できず。
さらに微妙だったのは鷹野の行動。ネタが割れれば納得できなくはないのですが、さすがに100均ショップでコンパクトを手にする場面は突拍子も無さすぎて、ちょっと引いてしまいました。
そしてデザインジャパンを読んでいたからこその結末や、ディスレクシアが故の犯人の奇怪なモノローグなど、本格 -
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鷹野と塔子のコンビもすっかり安定し、新人刑事だった塔子も捜査技能テストが受けられるまでに成長した。
いろいろな事件に関わることで経験を積み、刑事としてのスキルを磨いてきた。
事件関係者からの聞き込みでも、塔子らしいアプローチで事件解決のための重要なヒントを得られるようになった。
この二人のコンビがけっこう良いのだ。
それなりに自信をつけてきた塔子だが、やはり鷹野たちを頼りにしているところも、まだまだシリーズが続いていく余地がありそうだ。
不器用にプレゼントを渡す鷹野も意外に可愛らしい。
彼らを取りまく捜査一課十一係のチームワークも魅力のひとつだ。
物語の途中に挟まれる門脇班の推理会議も、事件を -
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人が殺人を犯すとき、そこにはそれぞれの事情がある。
まったく身勝手な動機もあれば、やむにやまれぬ動機もある。
欲にかられた動機もあれば、緊急避難的な動機もある。
この物語で起きる事件には、そのどれにも属さない動機が隠されている。
このシリーズにしては珍しく、結末ありきのような展開になっていたことが残念だった。
犯人に迫る緊迫感のようなものも少なく、分析班が活躍する場面もほとんどない。
面白くないわけではない。
それでも、塔子と鷹野のコンビ。
分析班のそれぞれのメンバーの活躍。
このシリーズのファンとしては、萌どころが少なく感じてしまった。 -
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大手の新聞社記者からCS放送記者に転職した女性主人公。彼女の猪突猛進な正義感ぶりにちょっと空回り感を感じたところもないわけではなかったが、素直にその頑張りを応援したくなる愛嬌さがあって、同性の私からでも好感の持てるキャラに仕上がっていたと思う。「殺人分析班」シリーズの塔子さんといい、著者の描かれる女性主人公は嫌みのない可愛さがあって好き。また、周りを固める脇キャラも、曲者揃いだけど主人公を上手くサポートしていて、シリーズものとして、彼らの活躍を今後も読みたくなった。ただ、捜査権のないマスコミがいろいろと取材するにあたり、大小の差はあれどある程度の強引な手法を取らざるを得ないのは仕方ないと思いつ