金子玲介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋愛は美しいもの、尊いもの、と思われているけど、一方通行の感情をぶつけられる相手にとっては恋愛感情なんて気持ち悪いものでしかない。
恋愛の気持ち悪さ、暴力性をとことんまで突きつけてくる連作短編集だった。
相変わらず、金子さんは会話劇がめちゃくちゃ面白くてセンスあるなぁ。
『死んだ木村を上演』でもそうでしたが、興奮した登場人物のセリフが段落なしにページ全面を埋め尽くすように書かれているところが、まさに途切れなく喋ってる人ってこういう感じだよなぁ、と。
好意の告白をする女子とそれをなんとか受け流そうとする男子側の応酬がこんなにしつこく書かれているのを初めて見ました。笑
好きな人の前ではキョドって -
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Posted by ブクログ
ネタバレ半分ほど脚本風に進んでいくので
スラスラ読みやすい作品。
途中まではただただ振り返るだけで
少し物足りなさを感じていたけれど、
終盤につれてそれぞれの秘密が暴露されていって
「なぜ木村は死んだのか」が真に追求されていく…
木村くんのキャラクターが魅力的すぎて、
彼が世界で活躍しているところも
見てみたかったなぁと思いつつ、
最後はやっぱり木村くんいないのかーーーー
生きてて欲しかったけれどしょうがないか…
それにしても皆、あんなぶっちゃけちゃった後で
一緒に演劇を続けるところが凄いなぁと
ある意味でハッピーエンドで嬉しかった!
作者さんの作品を3冊読んでみて、
幽霊というか…一度いなくな -
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Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショ -
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ -