角田光代のレビュー一覧

  • 源氏物語 2

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     「紅葉賀」から「明石」までを収録。
     正妻である葵の上よりも紫の上の元にばかり通う光源氏。藤壺との間に不義の子を成し、六条御息所を等閑にし、朧月夜と逢瀬を重ねる。現代人の感覚からするとあまりに多情で不誠実、一方で“家”に囚われず己が心のままに恋愛できる自由な男にも映る光源氏の姿が、なんとも滑稽で哀れ。光源氏に通われる嬉しさと、通わぬ彼への恨めしさ・彼に通われぬ己(中には明石の君のような、彼に見初められた身分違いの己)への惨めさに翻弄される女君たちの描写も巧み。マザコンでヤリ◯ンの美男子と振り回される女たちの話、とだけでは言い尽くせぬほどの奥行きある物語として読めるは、作者と訳者のおかげだろう。

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    2024年06月16日
  • 三月の招待状

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    年下と同棲しながらコラムニストをしている充留、離婚式を盛大に開く裕美子、早くに結婚し専業主婦をしている麻美。
    大学時代の仲間たちが30代の心の葛藤やもやもやを抱えながらわちゃわちゃするんだけど、なんだか自分の友達を見ているみたいなリアルさがさすが角田光代さんだと思った。
    読み終わったあとの気怠い切なさが良い。

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    2024年06月13日
  • 源氏物語 1

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    紫式部が主人公の大河ドラマを毎週楽しく見つつ、並行して新訳版源氏物語も読み進めている。現代語訳は直木賞作家角田光代で、はんなりとした語り口がとても
    読みやすい。
     主人公光君の、病的なまでの女癖の悪さと変に義理堅く生真面目なところのアンバランスさ、加齢と共にうっとおしいおじさんになり女人から振られたりする人間
    臭さが面白い。登場人物それぞれにどこかリアリティがあり、当時の宮中生活の描写も美しく、千年以上読み継がれて来た作品ならではの強度が感じられる。古典が苦手だった人も是非。

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    2024年06月06日
  • 源氏物語 2

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    ネタバレ

    今回は第6帖「花宴」のみ。桜の花の宴が開催され光君は美しい舞を披露する。酒に酔った光君は藤壺に会えないかウロウロするが扉はぴったり閉まる。しかし弘徽殿の扉は開いている。光君が動く!朧月夜(あとで判る)も光君だと思い、夜を共にする。互いに名前を明かさずに扇を取り換えた2人。どうやら弘徽殿女御の妹らしい。今回は光君の行動力が素晴らしい。果敢にチャレンジする(でもストーカー?)。弘徽殿女御の妹ということは、、、(帝の寵愛を受ける)藤壺を憎む弘徽殿女御VS.光君という構図になりかねないのでかなりえぐい状況かな?⑤

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    2024年06月09日
  • だれかのいとしいひと

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    10年近く前に買った気がするけど、何度も読み返したくなってしまう。
    恋愛小説。というのもなんか違う気がする。
    だいすき。

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    2024年05月30日
  • 私のなかの彼女

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    ネタバレ

    現実みがあって丁寧な本だと思います。
    日常の出来事1つ1つ丁寧に心情が伝わります。その感情がにハッとさせられ楽しかったです。

    大学生から、同棲前、同棲後とバブルを経ながら長い期間の生活がかかれています。
    祖母に対する親近感は変わらず、いつもその影が見えます。

    読みかけですが、祖母がどのような時代で何を思ったのか、そして和歌がどのように生きるのか、不安まじりで楽しみながら読みたいです。


    ー
    少し読んだので追記です。

    傷つく出来事があっても辛いと思わないようにしているのが痛々しいく思いました。
    男性から傷つくこと、妊娠のこと、賞のこと。
    大切に思った何かがうまくいかなくなってしまう。周りの所為にしなさすぎるのは少し違うと感じるのだけど、何かを避けようとしてそう思うことも正しいのだと思います。

    過去からの経験や感情がその人を作っていてとても面白い本だと思います。

    追
    私は年を重ねると嫌な部分もわかるし、理解が深まるのが嫌でした。
    故意に傷つける側も傷つけられる側の気持ちもわかってしまう気がします。
    おそらくタエも傷つけられたのだと想像して憎く思ったりしましたが、
    多分そんなことから抜け出してどう生きるかがスタートラインなのだと、読み終わってみるとどちらかと言うと清々しい気持ちになりました。すこし希望が見えた気がして嬉いです。

    普段の何気ないことが組み合わさって歪になるのがとても面白かったです。フィクションのような出来事が出てこなくても感情豊かに創作できるのはすごいと思います。

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    2024年05月29日
  • 庭の桜、隣の犬

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    最高。
    ずっと漂うシュールな空気感と妙に人間臭い登場人物が、滑稽な雰囲気を醸し出していて良かった。
    みんななんだか変な人だけど、宗ニ母と和田レミがおもしろすぎた。
    夫婦の形はそれぞれだけど、このくらい自由であってもいいかもと思った。

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    2024年05月25日
  • 源氏物語 5

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    あらすじは知っているので、角田さんの描き方を楽しみながら読み進めた。

    あとがきにある、紫式部が光源氏の恋愛以外に書きたかった「別のこと」が何なのか、次巻から読み解くのが楽しみだ。

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    2024年05月14日
  • 月夜の散歩(新潮文庫)

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    角田さんの作品初めて読んだけど、角田さんの考えや表現とても好きでした。
    他のエッセイや物語も読んでみたいです!

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    2024年05月11日
  • ドラママチ

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    絶妙に噛み合わない会話とか、感情の動きとか、嫉妬の仕方とか、自分の日常と重ね合わせてなんか悶えてしまった

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    2024年05月06日
  • キッドナップ・ツアー

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    中学生の時に初めて読んだ。
    正直内容はあまり覚えてなくて、懐かしさで
    もう一度読みたくなったんだけど、面白かった。
    このくらいの歳の時って、自分がそうだったから
    父親ってどこか家族なのにちょっと遠い存在で、
    あまり会話もしないし何ならあまり話したくないし
    家での表面的な姿しか知らなくて、一緒にいても
    どこか緊張したなあって思い出していた。
    色んな非日常の中で変化していく様や
    心地いい自然がすぐに頭に浮かぶ描写は
    読んでいてやっぱり心地いいものだなあと思った。

    最後の誰かや何かのせいにしないって台詞は
    わたしはちゃんと大人になるまで覚えておかないと
    いけないものだったなって少し反省した。

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    2024年05月05日
  • Presents

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    40周年限定カバーになっていて目に留まり、購入しました。
    1番好きだったのは『名前』。私も小学2.3年生の時に名前の由来を発表する授業があり、全く同じことを親に言われました。「春に生まれたから」と。弟2人の名前は少し珍しい漢字が使われていて、意味もしっかりあって…。羨ましさもあり、なかなか自分の名前を好きになれませんでした。
    でもこの本と出会い、なんだか少し救われました。
    出会えてよかった。

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    2024年05月04日
  • 源氏物語 1

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     大河ドラマ『光る君へ』にすっかりハマって購入。「桐壺」・「帚木」・「空蟬」・「夕顔」・「若紫」・「末摘花」を収録。
     読む前に抱いていた「光源氏=プレイボーイ」という単純過ぎる印象は、早々に拭われた。現代と比較して社会的にも政治的にも制約がある世における恋愛と結婚の、慕い慕われる男女の歓喜・悲哀・焦燥・羞恥・後悔といった感情の機微を巧みに描き出している。たしかに光源氏の立ち居振る舞いには見苦しい箇所があり、女君たちの言動にも歯痒いものもあるが、単なる徒らな恋愛譚を超えた本作の文学性とエンターテイメント性の虜となった。続きが早く読みたい!
     『光る君へ』視聴者の中には「この場面は『源氏物語』の◯◯の場面だ」と指摘する方が多い。私も幾つか該当しそうな場面を見出せた。『源氏〜』初心者の私でも大いに楽しめる当世のなんと幸運なことか。

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    2024年04月27日
  • なくしたものたちの国

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    ネタバレ

    泣いた。なくしてしまったもの、もう会えない人。それらはきっとどこかに存在し続ける。わたしとは交わらないどこかの国で。
    喪失のかなしみをのりこえたいときに、オススメしたい小説。

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    2024年04月24日
  • 源氏物語 2

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    葵の上の死、須磨への退居など物語が大きく動く。田辺聖子の『光源氏ものがたり』を併読すると簡単におさらいできてとても助かる。こうなると田辺聖子の『新源氏物語』も読みたくなってくる。

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    2024年04月23日
  • いつも旅のなか

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    とても楽しく読めました。
    各国のお話は短いですが、どの国も個性があり出会いがあり、旅の良さが伝わってきました。

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    2024年04月14日
  • 源氏物語 5

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    「若菜 上」から「鈴虫」まで。源氏は39歳から50歳。ああ、柏木・・・。この巻では、源氏をはじめ様々な苦悩が描かれる。訳者の角田さんも仰っていますが、本当に運命はほんの少しのボタンの掛け違えで動いてしまう。次巻(6月発行予定)が待ち遠しい。

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    2024年04月24日
  • 源氏物語 4

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    髭黒の大将とその妻の応酬が、強烈で印象深かった。玉鬘の元に出かける間際の夫に、灰を浴びせかける場面は、妻の心情が痛いほど伝わってきた。

    紫式部は、本当にすごいと思う。和歌のやりとりにおいて、筆遣いから人柄を類推している箇所では、再び原文にあたって読み味わいたい。

    筆者の後書きに、「なぜ昔から人々は、物語をよむのか」という問いについて記されており、深く共感した。

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    2024年03月20日
  • もしも、東京

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    東京ってすごーい。(私一応都民ですがね。w)
    実感できます!本当にっ!東京をより魅力的にするために、現実と離れた東京を載せているのかな。

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    2024年02月25日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。

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    2024年02月18日