角田光代のレビュー一覧
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「紅葉賀」から「明石」までを収録。
正妻である葵の上よりも紫の上の元にばかり通う光源氏。藤壺との間に不義の子を成し、六条御息所を等閑にし、朧月夜と逢瀬を重ねる。現代人の感覚からするとあまりに多情で不誠実、一方で“家”に囚われず己が心のままに恋愛できる自由な男にも映る光源氏の姿が、なんとも滑稽で哀れ。光源氏に通われる嬉しさと、通わぬ彼への恨めしさ・彼に通われぬ己(中には明石の君のような、彼に見初められた身分違いの己)への惨めさに翻弄される女君たちの描写も巧み。マザコンでヤリ◯ンの美男子と振り回される女たちの話、とだけでは言い尽くせぬほどの奥行きある物語として読めるは、作者と訳者のおかげだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現実みがあって丁寧な本だと思います。
日常の出来事1つ1つ丁寧に心情が伝わります。その感情がにハッとさせられ楽しかったです。
大学生から、同棲前、同棲後とバブルを経ながら長い期間の生活がかかれています。
祖母に対する親近感は変わらず、いつもその影が見えます。
読みかけですが、祖母がどのような時代で何を思ったのか、そして和歌がどのように生きるのか、不安まじりで楽しみながら読みたいです。
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少し読んだので追記です。
傷つく出来事があっても辛いと思わないようにしているのが痛々しいく思いました。
男性から傷つくこと、妊娠のこと、賞のこと。
大切に思った何かがうまくいかなくなってしまう。周りの所為にしなさすぎるのは少し違うと感じるのだけど、何かを避けようとしてそう思うことも正しいのだと思います。
過去からの経験や感情がその人を作っていてとても面白い本だと思います。
追
私は年を重ねると嫌な部分もわかるし、理解が深まるのが嫌でした。
故意に傷つける側も傷つけられる側の気持ちもわかってしまう気がします。
おそらくタエも傷つけられたのだと想像して憎く思ったりしましたが、
多分そんなことから抜け出してどう生きるかがスタートラインなのだと、読み終わってみるとどちらかと言うと清々しい気持ちになりました。すこし希望が見えた気がして嬉いです。
普段の何気ないことが組み合わさって歪になるのがとても面白かったです。フィクションのような出来事が出てこなくても感情豊かに創作できるのはすごいと思います。
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Posted by ブクログ
中学生の時に初めて読んだ。
正直内容はあまり覚えてなくて、懐かしさで
もう一度読みたくなったんだけど、面白かった。
このくらいの歳の時って、自分がそうだったから
父親ってどこか家族なのにちょっと遠い存在で、
あまり会話もしないし何ならあまり話したくないし
家での表面的な姿しか知らなくて、一緒にいても
どこか緊張したなあって思い出していた。
色んな非日常の中で変化していく様や
心地いい自然がすぐに頭に浮かぶ描写は
読んでいてやっぱり心地いいものだなあと思った。
最後の誰かや何かのせいにしないって台詞は
わたしはちゃんと大人になるまで覚えておかないと
いけないものだったなって少し反省した。 -
Posted by ブクログ
大河ドラマ『光る君へ』にすっかりハマって購入。「桐壺」・「帚木」・「空蟬」・「夕顔」・「若紫」・「末摘花」を収録。
読む前に抱いていた「光源氏=プレイボーイ」という単純過ぎる印象は、早々に拭われた。現代と比較して社会的にも政治的にも制約がある世における恋愛と結婚の、慕い慕われる男女の歓喜・悲哀・焦燥・羞恥・後悔といった感情の機微を巧みに描き出している。たしかに光源氏の立ち居振る舞いには見苦しい箇所があり、女君たちの言動にも歯痒いものもあるが、単なる徒らな恋愛譚を超えた本作の文学性とエンターテイメント性の虜となった。続きが早く読みたい!
『光る君へ』視聴者の中には「この場面は『源氏物語』の◯◯の場面だ」と指摘する方が多い。私も幾つか該当しそうな場面を見出せた。『源氏〜』初心者の私でも大いに楽しめる当世のなんと幸運なことか。