角田光代のレビュー一覧

  • 太陽と毒ぐも

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    最初の1ページ目を読んだだけで、ああ、やっぱり面白いと思ってしまう。
    俺は角田光代の文章が本当に好きなんだとあらためて実感する…
    旅行やら出張に出かけて池袋(個人的に思う場所ですが)に着くとものすごく安心して、帰ってきたんだけと感じるのと同じ感覚だと思います。笑

    11の様々な恋人たちのとてもリアルな関係が描かれていて、自分の今までの恋愛と共感する部分も沢山あってとても面白かったです。

    この小説の帯に芦沢央さんが書いている
    「じぶんの欠片たちが口々に騒ぎ始める。
    これは私のための物語だ、と。」
    さすがですね!まさにこの言葉がこの小説という
    感じでございます♪

    「サバイバル」の中で
    俺たちは

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    2021年10月18日
  • 私のなかの彼女

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    本田和歌
    わたしは彼女を、この物語の主人公である彼女を、自分の感情に誠実な女性だと思った。

    この作品の時代背景は、ちょうどわたしが産まれた頃。
    P11「1985年、200人いる和歌の学年で東京の四大に進学したのは、推薦入学をのぞくと28人だった」時代。
    男女雇用機会均等法が成立した頃。
    しかしまだまだ、女性が寿退社をするのが当たり前の時代。
    物語を追うにつれ、『オウム真理教による地下鉄サリン事件』『阪神・淡路大震災』『酒鬼薔薇聖事件』など、実際の出来事も登場し、その時代背景を強化する。

    のめり込むように読んだ。
    解説で津村記久子さんがおっしゃるように、この作品の面白さ、内容を人に伝えようと

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    2021年10月17日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
    ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
    西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。

    厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取ってしまったらいつもは怒るお父さんが、小さくなった小さな妹をだきしめて、おおんおおんと泣くシーンは何度読んでも涙が出ます。
    悲しみややりきれなさ、戦争に対する理不尽さも込められた泣き声なのではないでしょうか。
    読後、表紙の可憐なたんぽぽにまた涙が誘われてしまいます。

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    2021年10月16日
  • Presents

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    家族をしていてやりきれない事やそんな中でも日々の幸せを感じられる時が描かれている。
    まーいっかと曖昧に思うことや後少しだけやってみるかで、上手くいくかは分からないけれども人と暮らすってそういう事かなと思わせられる。
    また、松尾たいこさんの絵がとても素敵な本。

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    2021年10月03日
  • 太陽と毒ぐも

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    もれなくすべて

    「別れたほうがいいんじゃない」

    と思う恋愛小説というのが面白い



    彼女がお風呂ギライで不潔 とか

    記念日に執着する とか

    旅行中にけち臭い男とか

    買い物依存 とか




    そりゃね 愛の前では

    些細なことかもしれませんよ

    愛してるなら受け入れるべき

    いあいあ そうとも限らない

    やっぱり 受け入れられない

    許せないことだってあるんです

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    2021年09月29日
  • 平凡(新潮文庫)

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    自分はこの作中の人物のどれかのような人生を歩むのかもしれない。
    じわじわくるこのリアリティ、流石です。

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    2021年09月21日
  • キッドナップ・ツアー

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    理論社から1989年初版で出た本。水色で白の浮き上がるイラストと文字が好き。カバーを取ると、見返しと同じ水色と白のストライプ。装幀装画デザインが、内容と合っていい感じ。小学5年生女子の感受性ってこんなだったかも〜。お話しと同じ夏に読めて、文章の美しさを楽しめました。

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    2021年08月26日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    角田光代さんの短編集は沢山出ていますが、この本は編纂が良いです。
    収められているのはどれも大事件ではないけれど、言葉にしてしまうのはもったいないような瞬間を写しとった短編ばかりで、読み終わると自分の中に大切な思い出が増えたように錯覚するようでした。

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    2021年08月18日
  • 太陽と毒ぐも

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    この作品のあらすじを見てみると、

    “一見幸せそうに見える二人に、ふとした瞬間に訪れる微かな違和感や不信感”
    “不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー”

    くぁぁぁぁぁーー!
    これだけでビール3杯はいける。

    また、帯にはこうある。

    “大好きなのに、どうしても許せないことがある”

    くぅぅぅぅぅーー!
    レモンサワー追加だ。

    芦沢央さんの解説の言葉をお借りすると、ここに詰まっているのは、「ドレッシングが分離した後、互いに混ざり合わない存在として向き合わざるを得なくなった油と酢たちの物語なのだ」。
    この、「ドレッシング」を使った表現は、本作品の中の「二者択一」に出て

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    2021年08月16日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    戦争時代の向田さん家族の話。普段、家族の前では弱いところを見せないお父さんが妹の無事をとても心配されていて「おうおう」と泣かれた場面に、読んでいる私も涙が出ました。戦争が終わってからその葉書の事は思い出される事はなかったのですね。思い出したくない辛い日々だったのだと思います。戦争は嫌ですね。

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    2021年08月12日
  • 太陽と毒ぐも

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    角田光代の描く11組のラブストーリー。
    きっと一癖も二癖もある男女の恋模様が読めるのだろうなと思って手に取ったが、見事に期待を裏切らない作品でした。
    好きだから何でも許してしまう面もあれば、好きだからこそ許せないこともあったり。
    『太陽と毒ぐも』とはよくつけられたタイトルだなと思いつつ、世の中のカップルを表すぴったりの表現でもあるな。と思わされました。

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    2021年08月05日
  • 笹の舟で海をわたる

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    ネタバレ

    本当に素晴らしい小説だった。
    一人の女性と、その周辺(おもに家族)の、戦時中の子供時代から平成の老後を描いた長い物語。
    主人公の左織は、戦時中には家族と離れて疎開を余儀なくされ、父親も戦争で亡くしているが、それ以外はごく平凡で、親からも兄姉からも愛されて育った普通の女性。特に悪いこともしていないし、特に何かに努力して自分を高めようともしていないけれど、まぁ昭和の時代の「普通の母」たちはみんなそんなものだったんじゃないか…。主婦(妻そして母)として、一生懸命家庭を守り、子育てをしている。なのに、なんだかうまくいかない。まず、第一子である長女百々子と異常に相性が悪い。あまり可愛いと思えず、第二子の

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    2021年07月31日
  • Presents

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    小中学生の時に表紙と題名に惹かれて買った本。女性が一生のうちにもらうプレゼント(形あるものだけではない)に纏わる短編集。風景の表現が鮮やかかつ分かりやすい、夕焼けに照らされる木々を『金粉をふりかけられたように〜…』って表現したりしている。どの話も良いけどランドセルの話が一番好き。ランドセル貰った当時はなんでも入る!私の全財産(ぬいぐるみとか本とか)余裕で入る!何かあってもランドセルに大事な物詰めて逃げれば生きれる!って思ってたのに大人になってよく考えたらランドセルって一泊旅行の荷物すら入らないよね、当時の身軽さにビックリしちゃう。そんな「分かる〜」って懐かしい気持ちになったり「これから先こんな

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    2021年07月27日
  • 太陽と毒ぐも

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    ネタバレ

    かなり前の短編集。

    角田さんのイメージは、最近では事件を扱ったような社会的な長編も多く、過去にはこんな感じの恋愛小説系がよくあった。

    この短編集、さすが角田さんと思った。
    心理描くの、うまい。

    途中から坂道を転がるように加速して悪化していく感じ。これは今も変わらない。

    恋人同士が、お互い完璧な相手だと思いながら続けていくのは難しい。
    妥協が必要だ。
    他の人から見たら、そんなヤツとは別れた方がいいって思っても、人によって許せるところ、許せないところは違うのだ。

    1番共感できたのは『旅路』
    共感できるから、なんだか最後に椅子を譲ってくれた青年の優しさと自分の狭小な気持ちが情けなくて、泣け

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    2021年07月19日
  • だれかのいとしいひと

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    決して派手でもインパクトがあるわけでもないけど、読み終えた後にじんわり頭に残る感じ。
    季節、特に夏の表現が好みで夢中になって一気に読んでしまいました。
    どことなくノスタルジック。

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    2021年07月13日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    わたしたちはだれといても皆ひとりきりであるということ
    ただ、過去にだれかと一緒に過ごしたその一瞬は永遠であるということ
    その記憶はわたしをひとりきりにはさせないということ

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    2021年07月11日
  • 三月の招待状

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    学生からの付き合いを、こんなに緻密に続けていくのは難しいように思う。そこがお話な訳か。

    こんな長くて緻密な関係でも心の中で思っている事は全て話す訳ではなく、そこに多少のズレや誤解があって…じゃ自分はどうするか?という事で
    女性軍はそれぞれの道を歩き出したように感じる。
    対して男性軍。なんだかヤバい人たちばかりだと思ってしまった。

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    2021年06月13日
  • かなたの子

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    伝承された土俗的な話はホラーに近いゾワゾワ感があって面白い。

    昔の地区ごとの閉塞的な生活を彼等なりに、時には訳の分からない理屈を付けて平穏な生活を守ってきたのかもしれない。
    1人の命より集落の存続。怖っ。

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    2021年06月04日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

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    最後の消えない光の二組の話が本当に好き。
    私も結婚指輪いらない、式も、旅行もいらない。そんなのなくていい派なんだけど、耕平のいう「永遠であってほしいと願っている正真正銘今の気持ちを、変形しないうちに、かたちにしたかった。」とか武史の「自分たちの日々の区切りとして、もしそういうとくべつな何かがあったとしたら、きっと今俺達の気持ちはそこに戻っているんだろう」という気持ち。
    そういうのを確認するための結婚指輪なのかもしれない。
    第二話の『扉を開ける』の紀子のように、「漠然と消えてしまいたいと思ったあのときに、見つめるものがあってよかった」「見つめ返す強い光があってよかったって」と言うように。
    ただの

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    2021年05月17日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    ネタバレ

    非常によかった。
    わたしは妊娠・出産を経験していないのですが、これを読んだら経験してみたくなりました。
    と、書くと、妊娠や出産を推奨している本のように思うのですが、そうじゃない。(こともないんだけれど)

    「妊娠ってすばらしいよね」「子どもを産むのって幸せだよね」
    それって、確かにそうなんだけど、それが全てではない。
    だけど、世の中には不妊で悩む人もいるし、「せっかく授かったのに」「悩んでいる人もいるのに贅沢」なんて言われてしまうと、「産みたくない」とか、「子どもができて嬉しくない」とか、言いづらい雰囲気がある。
    もちろん命は大切だし、堕胎も気軽に行っていい行為だとは思わない。
    だけど、それも

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    2021年05月16日