角田光代のレビュー一覧
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旅の中で、気づいたこと。
それは道中のことだけでなく、
人生について、ものの捉え方について
ひろく深く繋がっている。
それが角田さんの旅エッセイの好きなところ。
ともに旅するように楽しみ、
感心したり、気づかされたりしながら
読み進めた。
ただ、最後の第四章は、ずっしりと
重みがあった。
読み進むのも、かみごたえがしっかり
し過ぎて、時に辛くなるほどに。
知らないことを知り、
その地の人に思いを寄せ、
新しい世界の地図を得る。
今いる世界の自由さに
思いを馳せて、その豊かさは
どこからきているのか。
その豊かさが世界に行き渡るために
思うこと、できること。
とても大きな旅をしたような読 -
Posted by ブクログ
猫好きでペットを飼っていない私にとってはすごく新鮮で、読んでいて楽しいエッセイだった。
狭いところが好きじゃない猫もいるのかと驚いたり、壁に突進するトトを想像して笑ったり。
仲間意識が強くて留守の家の人の代わりを務めたり、家族会議に参加してくるトトが可愛すぎた。
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生後三カ月で角田家にやってきたアメショーのトトは、粘り強く慎重派で、運動音痴。ああやっぱり私に似てしまったんだねえと同情し、愛猫の寝息に至福を覚え、どうか怖い夢を見ませんようにと本気で祈る。この小さな生きものに心を砕き世話しながら、救われているのは自分の方かもしれない―猫を飼うことで初めてひらけ -
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角田光代は20代後半かけて30代までよく読んでいた作家でした。様々の作品が映画化やドラマ化にされていて、女性の感情を丁寧に描く作者だと思いました。堀江敏幸は別の作品でかなり挫折してしまって、角田さんとならきっと挫折せずに読めるんだろうと思い購入。往復書簡だと思いきや、雑誌「dancyu」での散文集でした。それぞれ読書記録の中、「食」に関する内容を紹介するエッセイ。これもまたたくさん触れ合ったことないの作者や作品の中、食べ物や食卓な話が書かれて、短い文章だけどどんどん作品を読みたくなるような描写ばかりでした。
「本来私たちは、病むことではなく健やかであるために食べるのだ、と。」(池澤夏樹 君の -
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エッセイが好きで、角田光代のものもこれで3冊目なんだけど、他の作家のものと読み比べてみると彼女には澱みがないのが印象的だった。
女性作家のエッセイはともすれば内面を書き出すうちに過去のドロドロや「〜すべきだと思う」みたいなものが多くなってくるが、角田光代にはそういうものを感じない。
人間らしいし、いわゆるさばさば女とは違うし湿度がないわけでもないのに、自分の中の嫌な感情や思い出も「そういうこともあるよね」と割り切っている。
そういうところが読みやすいしとっつきやすい。
深い悩みを相談しても、深刻になり過ぎずに「そうなんだー」と軽く聞き流してくれそうな、でも突き放すわけでもない感じがすごく友達 -
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最初の1ページ目を読んだだけで、ああ、やっぱり面白いと思ってしまう。
俺は角田光代の文章が本当に好きなんだとあらためて実感する…
旅行やら出張に出かけて池袋(個人的に思う場所ですが)に着くとものすごく安心して、帰ってきたんだけと感じるのと同じ感覚だと思います。笑
11の様々な恋人たちのとてもリアルな関係が描かれていて、自分の今までの恋愛と共感する部分も沢山あってとても面白かったです。
この小説の帯に芦沢央さんが書いている
「じぶんの欠片たちが口々に騒ぎ始める。
これは私のための物語だ、と。」
さすがですね!まさにこの言葉がこの小説という
感じでございます♪
「サバイバル」の中で
俺たちは -
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本田和歌
わたしは彼女を、この物語の主人公である彼女を、自分の感情に誠実な女性だと思った。
この作品の時代背景は、ちょうどわたしが産まれた頃。
P11「1985年、200人いる和歌の学年で東京の四大に進学したのは、推薦入学をのぞくと28人だった」時代。
男女雇用機会均等法が成立した頃。
しかしまだまだ、女性が寿退社をするのが当たり前の時代。
物語を追うにつれ、『オウム真理教による地下鉄サリン事件』『阪神・淡路大震災』『酒鬼薔薇聖事件』など、実際の出来事も登場し、その時代背景を強化する。
のめり込むように読んだ。
解説で津村記久子さんがおっしゃるように、この作品の面白さ、内容を人に伝えようと -
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ネタバレ原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。
厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取ってしまったらいつもは怒るお父さんが、小さくなった小さな妹をだきしめて、おおんおおんと泣くシーンは何度読んでも涙が出ます。
悲しみややりきれなさ、戦争に対する理不尽さも込められた泣き声なのではないでしょうか。
読後、表紙の可憐なたんぽぽにまた涙が誘われてしまいます。