角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
思ってたよりしっかり直訳で角田光代っぽさは感じなかった。「角田光代 "訳"」だから、まあそうなんだけど、もっと角田光代風に描かれてるのかもと思ってた。描写は簡潔だがものすごく分かりやすい。誰が誰のことをどう思った、と名前が明言されてるので訳としては良いけどどことなく雰囲気が削がれてる気はしてしまう。解釈は人それぞれというところは「そっちの説をとったか」と考えさせられて楽しい。
やっぱり話は面白い。
いらいらするんだけれど人間らしくて愛おしい。ごちゃごちゃ考えすぎなようで、もうちょっと考えて行動しろよと思わせてくる。わたしは桐壺帝の人柄が好きで、色々モヤモヤはするのだけれど真実を知ってか知らずか赤子を抱いて「お前に似てるけど赤ちゃんってみんなこんな感じだよね」と振る舞うところは個人的にくる。気付いている上で光君への愛を語ってるようにも感じる。世間知らずといえばそうなのかもだけど光源氏も受け継いでるとこある。しかも死んだあとも光君を心配してて…といちいち書いてたらきりがないが、みな光源氏を愛しているということが描かれてるのかもなあ。
ゆかりの地にも行ってみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本読むのに疲れていたけど、これはとても楽に読める。ゆる〜く続けていいんだ、そうそう、そんな気持ちなるなる、と一話ごとに共感した。
後半はところどころ感動して泣いてしまった。多分冷静に考えるとそんな大げさな話じゃない、と思う。それでもなんだか著者の心の中の戦いを応援したくなってくる。
運動に対しては基本的にしんどい、やりたくない、とネガティブだけど、著者の、自然に対する表現がとても気持ちがいい。本当に情景が浮かぶような、気分が晴れやかになるところも読んでいて良かった。
たまに悪態をついたり、サボれてラッキーと思ったり、゛初骨折も誇らしいほどだ。いい時間を過ごすと、失恋という痛みもやがていい思い出になる、これまた、男女の妙のようですな。゛と登山の締めくくりの一文も、尻の骨折ってて何言ってんだ、と面白かった。
どうしてこんなことやってるんだろう、と思った時に続けるにしても止めるにしても「ま、いっか」と気楽にさせてくれる本でした。 -
Posted by ブクログ
凄く良かった。
肩の力を抜いて読めて角田さんと実際に飲み屋でお話してるみたいなエッセイだけれど、
その中にも角田さんの考え方が私にはすごくかっこいいなと思った。かっこつけてないところがかっこいい!
投げかけられる問い掛けの数々に対して、よくある「宝くじが当たったら?」って言われて一生懸命悩む子供のように、頭を捻らせ考える自分がいました。
特に恋愛模様の渦中にいた?議論では、激しく角田さんに同感。私も恋愛話に疎い方で、後々からそういう話を知る事が多々あります。
最後の章の「最近、心がふるえたことは?」がとても心に響きました。
248〜249にかけての文章がとても良かったので、抜粋はしません。「自分の足で歩いてそうしたものに出合えると、本当にうれしい。」 -
購入済み
しみじみと残る後味の悪さ
幼稚園で知り合った、出身も学歴も経済状況も違うママ友3人と東京に憧れて分布相応なマンションを購入したヤンキーっぽい子のグループが、お受験をきっかけに信念の揺らぎ、疎外感、依存心、妬み、猜疑心と本性をむき出しにして、仲だけでなく自身の精神状態を蝕んでいく、ノンフィクションか?と思わせるリアルな物語。
母親各々の孤独感と必死な感じが伝わって来て、読んでる間中、背筋が心がゾクゾクした。
ある意味ホラー。
○○ちゃんのママという友達枠は、その期間の中でだけなお付き合いでしかないのを痛感させられる。
この物語にあるような心情は、女社会では誰しも多少はあるあるな話で、これを男性読者に共感、読み応えを感じさせるのは難しいように思う。
が、女同士って内情はけっこうドロドロ、面倒臭いを通り越して怖いんだな…を体感してみたい男性は是非!一冊にまとまってます(笑)
これから新しい環境での幼稚園、小学校入学があるお子様をお持ちの女性読者には、対人関係の距離感といった戒めを含めて読んでおかれると良い指南書にもなりそう。 -
Posted by ブクログ
やはり俺が尊敬して敬愛する偉大なる作家先生である
角田光代様の作品!
とても面白かったです。
読んでいて、どの人物にも自己投影できないんだけど
そこは、さすがの文章力でどんどん読み進められました。
なんとも感想を書くのが難しいのですが、
文庫本の最後の解説で津村記久子が書いているのが
本当にその通りと言った感じでございました。
本編を読む前にこの解説を読んでからだと
めちゃくちゃ読みたくなるかもしれません…
この解説の最後がまさにこの小説を表しているので抜粋します。
「精一杯生きること」よりも価値のあることなんてあるんだろうか。
「自分の人生を生きる」気概とは何か。
この小説は、「生き方を教えてあげる」という本より精細に、どんな先人の知恵よりもフェアに、そのことを教えてくれる。
読む人の心に、小さいが簡単に消えない生きる勇気を灯す。 -
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なーんか良い短編集。
リアルなんだけど、どこか非現実的でなーんか良い。
ここで出会った人たちはまた会うかもしれないし、もう会わないかもしれない。
きっと会わないんだろうな。
いやでもなんらかのタイミングで会うのかも。
なんて思わされた。
それぞれ人生が、日常が続いてく感じがして良いなぁと思った。
なんか角田光代さんの書く小説の登場人物って妙に都会的でリアルなんだよね。
いるいるでクスッと笑わされてしまう。
こんな事する?みたいな行動する人がいても、それに至るまでの心理描写も行動描写もしっかりしてるから不思議と納得いってリアル。
本当にすごい作家さんだなと思う。
評価はそんなに高くないけど私は好きな作品でした。 -
Posted by ブクログ
すごい本を読んでしまった。角田さんは大好きなのに、このタイミングまでこの本を読んでこなかったが、今がそのときだったのだと思った。解説がこれまた大好きな津村記久子さんで、まさに私得。
主人公の和歌が母親に「あんたはおかしい」と言われるところは、自分の昔の記憶と重なって一度ページから目を離す必要があった。
終盤、和歌が歴史的建造物や文化遺産を見ても物足らず、そのはずれの道を行き交う人々や雑多な様子を見て、その土地で暮らす人が見たかった、と気づくシーン。人が怖いくせに人に興味があるもいうのも、最近の私と重なった。
誰かに「あなたは普通だ。大丈夫だ」と言ってほしい、肯定してほしいという願い。おかしくないと言われないと自分が間違っているかもしれないという底知れない恐怖。そんな化け物を内側に飼いながら、それでも人との関わりを辞めずに生きていく。
和歌はこれから誰かと深く関わることができるのだろうか。私もこれから物を書いていきたいが、仙太郎の言葉が呪縛として思い出されることがあるかもしれない。そんなときに、私の支えになるものはなんだろう。
なんとなくで始めたことでも、それが思わぬ方向に導いてくれるることはある。「人は運命を避けようとした道で運命に出会う」というような言葉もある通り、今やっていることに不安を覚えても、目の前にやってきたことには真摯に向き合いたい。 -
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ネタバレはじめての角田光代さん。圧巻。
親に“女”らしく生きることを押しつけられ、仙太郎のリアクションに脅え、しかし自分のやりたいことに人生を賭けている和歌。自分と重ねて読んでいたので、憤り、心をえぐられる部分が多々あった。今でこそ女性の社会進出もだいぶ普通かなと思うけど、仕事を選ぶって、こういうことなのか?と自分の行く末も怖くなった。でも“タエ物語”の辿り着いた先が“愛”だったのには、とても救われた。想像は自分の知っている範疇を超えないだろうから、和歌が“愛”を知ったのだろうと。“タエ物語”が和歌の心境によってだんだん形を変えていくのはおもしろかった。その描写もすごいし、人間の弱さや葛藤も細かく描かれていて、一見矛盾したようなごちゃまぜな感情が、リアルだ、と思った。
“妄想と現実は相反しない”とすると、仙太郎が和歌に言った酷い言葉の数々は、和歌の妄想だったのだろうか?仙太郎はこう思うだろうという仮定が妄想になり、和歌の現実に影響を及ぼした、という解釈をしたが、、。“妄想と現実は相反しない”。何かに当てはめると解るような、でもふわっとしか自分の中に落とし込めない難しい言葉。 -
Posted by ブクログ
様々な食材に対して角田さんの思い出や考えが
書かれている本です。
自分は好き嫌いなく食べ物を食べてきたのだが,
好き嫌いが多かった角田さんがどのように
好き嫌いをなくしていったのかが,
読んでいてとても楽しかったです。
旬の食材の食べ方を読んでいると,何だか今すぐにでも
食べたい気持ちにさせられるような内容でした。
スーパーなどで陳列された食材を見てどんな風に調理すれば
美味しくなるかを考える時があります。
やはり,『食』は生きていく上でとても重要なものであり,忙しくてもしっかりと食べていくことが人生を楽しむためにも必要なことだと改めて考えさせられました!