角田光代のレビュー一覧

  • 平凡(新潮文庫)

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    自分はこの作中の人物のどれかのような人生を歩むのかもしれない。
    じわじわくるこのリアリティ、流石です。

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    2021年09月21日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    角田光代さんの短編集は沢山出ていますが、この本は編纂が良いです。
    収められているのはどれも大事件ではないけれど、言葉にしてしまうのはもったいないような瞬間を写しとった短編ばかりで、読み終わると自分の中に大切な思い出が増えたように錯覚するようでした。

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    2021年08月18日
  • 太陽と毒ぐも

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    この作品のあらすじを見てみると、

    “一見幸せそうに見える二人に、ふとした瞬間に訪れる微かな違和感や不信感”
    “不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー”

    くぁぁぁぁぁーー!
    これだけでビール3杯はいける。

    また、帯にはこうある。

    “大好きなのに、どうしても許せないことがある”

    くぅぅぅぅぅーー!
    レモンサワー追加だ。

    芦沢央さんの解説の言葉をお借りすると、ここに詰まっているのは、「ドレッシングが分離した後、互いに混ざり合わない存在として向き合わざるを得なくなった油と酢たちの物語なのだ」。
    この、「ドレッシング」を使った表現は、本作品の中の「二者択一」に出て

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    2021年08月16日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    戦争時代の向田さん家族の話。普段、家族の前では弱いところを見せないお父さんが妹の無事をとても心配されていて「おうおう」と泣かれた場面に、読んでいる私も涙が出ました。戦争が終わってからその葉書の事は思い出される事はなかったのですね。思い出したくない辛い日々だったのだと思います。戦争は嫌ですね。

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    2021年08月12日
  • 太陽と毒ぐも

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    角田光代の描く11組のラブストーリー。
    きっと一癖も二癖もある男女の恋模様が読めるのだろうなと思って手に取ったが、見事に期待を裏切らない作品でした。
    好きだから何でも許してしまう面もあれば、好きだからこそ許せないこともあったり。
    『太陽と毒ぐも』とはよくつけられたタイトルだなと思いつつ、世の中のカップルを表すぴったりの表現でもあるな。と思わされました。

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    2021年08月05日
  • 笹の舟で海をわたる

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    ネタバレ

    本当に素晴らしい小説だった。
    一人の女性と、その周辺(おもに家族)の、戦時中の子供時代から平成の老後を描いた長い物語。
    主人公の左織は、戦時中には家族と離れて疎開を余儀なくされ、父親も戦争で亡くしているが、それ以外はごく平凡で、親からも兄姉からも愛されて育った普通の女性。特に悪いこともしていないし、特に何かに努力して自分を高めようともしていないけれど、まぁ昭和の時代の「普通の母」たちはみんなそんなものだったんじゃないか…。主婦(妻そして母)として、一生懸命家庭を守り、子育てをしている。なのに、なんだかうまくいかない。まず、第一子である長女百々子と異常に相性が悪い。あまり可愛いと思えず、第二子の

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    2021年07月31日
  • Presents

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    小中学生の時に表紙と題名に惹かれて買った本。女性が一生のうちにもらうプレゼント(形あるものだけではない)に纏わる短編集。風景の表現が鮮やかかつ分かりやすい、夕焼けに照らされる木々を『金粉をふりかけられたように〜…』って表現したりしている。どの話も良いけどランドセルの話が一番好き。ランドセル貰った当時はなんでも入る!私の全財産(ぬいぐるみとか本とか)余裕で入る!何かあってもランドセルに大事な物詰めて逃げれば生きれる!って思ってたのに大人になってよく考えたらランドセルって一泊旅行の荷物すら入らないよね、当時の身軽さにビックリしちゃう。そんな「分かる〜」って懐かしい気持ちになったり「これから先こんな

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    2021年07月27日
  • 太陽と毒ぐも

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    ネタバレ

    かなり前の短編集。

    角田さんのイメージは、最近では事件を扱ったような社会的な長編も多く、過去にはこんな感じの恋愛小説系がよくあった。

    この短編集、さすが角田さんと思った。
    心理描くの、うまい。

    途中から坂道を転がるように加速して悪化していく感じ。これは今も変わらない。

    恋人同士が、お互い完璧な相手だと思いながら続けていくのは難しい。
    妥協が必要だ。
    他の人から見たら、そんなヤツとは別れた方がいいって思っても、人によって許せるところ、許せないところは違うのだ。

    1番共感できたのは『旅路』
    共感できるから、なんだか最後に椅子を譲ってくれた青年の優しさと自分の狭小な気持ちが情けなくて、泣け

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    2021年07月19日
  • だれかのいとしいひと

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    決して派手でもインパクトがあるわけでもないけど、読み終えた後にじんわり頭に残る感じ。
    季節、特に夏の表現が好みで夢中になって一気に読んでしまいました。
    どことなくノスタルジック。

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    2021年07月13日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    わたしたちはだれといても皆ひとりきりであるということ
    ただ、過去にだれかと一緒に過ごしたその一瞬は永遠であるということ
    その記憶はわたしをひとりきりにはさせないということ

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    2021年07月11日
  • 三月の招待状

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    学生からの付き合いを、こんなに緻密に続けていくのは難しいように思う。そこがお話な訳か。

    こんな長くて緻密な関係でも心の中で思っている事は全て話す訳ではなく、そこに多少のズレや誤解があって…じゃ自分はどうするか?という事で
    女性軍はそれぞれの道を歩き出したように感じる。
    対して男性軍。なんだかヤバい人たちばかりだと思ってしまった。

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    2021年06月13日
  • かなたの子

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    伝承された土俗的な話はホラーに近いゾワゾワ感があって面白い。

    昔の地区ごとの閉塞的な生活を彼等なりに、時には訳の分からない理屈を付けて平穏な生活を守ってきたのかもしれない。
    1人の命より集落の存続。怖っ。

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    2021年06月04日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

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    最後の消えない光の二組の話が本当に好き。
    私も結婚指輪いらない、式も、旅行もいらない。そんなのなくていい派なんだけど、耕平のいう「永遠であってほしいと願っている正真正銘今の気持ちを、変形しないうちに、かたちにしたかった。」とか武史の「自分たちの日々の区切りとして、もしそういうとくべつな何かがあったとしたら、きっと今俺達の気持ちはそこに戻っているんだろう」という気持ち。
    そういうのを確認するための結婚指輪なのかもしれない。
    第二話の『扉を開ける』の紀子のように、「漠然と消えてしまいたいと思ったあのときに、見つめるものがあってよかった」「見つめ返す強い光があってよかったって」と言うように。
    ただの

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    2021年05月17日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    ネタバレ

    非常によかった。
    わたしは妊娠・出産を経験していないのですが、これを読んだら経験してみたくなりました。
    と、書くと、妊娠や出産を推奨している本のように思うのですが、そうじゃない。(こともないんだけれど)

    「妊娠ってすばらしいよね」「子どもを産むのって幸せだよね」
    それって、確かにそうなんだけど、それが全てではない。
    だけど、世の中には不妊で悩む人もいるし、「せっかく授かったのに」「悩んでいる人もいるのに贅沢」なんて言われてしまうと、「産みたくない」とか、「子どもができて嬉しくない」とか、言いづらい雰囲気がある。
    もちろん命は大切だし、堕胎も気軽に行っていい行為だとは思わない。
    だけど、それも

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    2021年05月16日
  • Because I am a Girl ― わたしは女の子だから

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    女だからって理由で、いろいろなことに縛られてる人が世界中にあちこちいることを知った。

    なんとなく知っていた部分もあったが、知らないことが多すぎた。

    エジプトのホームレスの女の子たちは夜になると施設から追い出されるとか衝撃的。

    少女と言える年齢の子が母親であり女でありとか
    いろんなことがこの世界では起きている。

    そして、その子達はこのコロナ禍の中
    もっと酷い境遇にあってるのかな?と思うと何も言えない

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    2021年05月11日
  • かなたの子

    角田さんてホラーまで書けちゃうのか、すごい才能だなと思わずにいられない本でした。おみちゆきが印象深いです。高僧が生きたまま埋葬され木乃伊となり、生き神様となるが、四年後掘り起こしてみると...。頭の中で映像化してしまうほど、臨場感と表現力が強烈でした。

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    2021年04月11日
  • ツリーハウス

    たった三代だけど、家族には歴史があり、培ってきた文化がある。なあなあに全てを受け入れる家族にはそういう風になった背景がある。人間って切なくて辛くて面白い。

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    2021年04月11日
  • 坂の途中の家

    育児に苦労した女性には抉られるような話です。誰にも理解してもらえないと思っていた夫の悪意も描かれてあり、自分の過去の生活を覗かれたのかとさえ感じました。そして、なんとなく感じていたけれど、この小説で初めて義母と夫の他者が立ち入れない関係をきちんと言葉で理解出来てスッキリしました。
    読んでいて楽しいというのとは違うけれど、自分の中にしっかりと残る小説には違いありません。

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    2021年04月11日
  • 薄闇シルエット

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    ネタバレ

    『「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と恋人に得意げに言われ、ハナは「なんかつまんねえ」と反発する。共同経営する下北沢の古着屋では、ポリシーを曲げて売り上げを増やそうとする親友と対立し、バイト同然の立場に。結婚、金儲けといった「ありきたりの幸せ」は信じにくいが、自分だけの何かも見つからず、もう37歳。ハナは、そんな自分に苛立ち、戸惑うが…。ひたむきに生きる女性の心情を鮮やかに描く傑作長編。』

    同棲していたタケダ君に飲み会の席でみんなに「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と宣言され、しらけるハナ。結局破局する。小さい時母親がなんでも手作りの人で、ケーキも手作りだったことを思いだす。

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    2021年04月04日
  • ナナイロノコイ

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    久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめる中で少しは鼻がきく状態に戻っているといいが。
    ミーヨンさんの作品は私には少し理解に時間がかかったので、また読み返すと思う。全体的に「次読んだとき、前とは違う感想を抱くだろうな」と思わせられる作品ばかりだった。
    ただ最近「百合」の作品も読むようになったせいか、作中の女友達との関係が百合的な関係に思わ

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    2021年03月22日