角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この作品のあらすじを見てみると、
“一見幸せそうに見える二人に、ふとした瞬間に訪れる微かな違和感や不信感”
“不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー”
くぁぁぁぁぁーー!
これだけでビール3杯はいける。
また、帯にはこうある。
“大好きなのに、どうしても許せないことがある”
くぅぅぅぅぅーー!
レモンサワー追加だ。
芦沢央さんの解説の言葉をお借りすると、ここに詰まっているのは、「ドレッシングが分離した後、互いに混ざり合わない存在として向き合わざるを得なくなった油と酢たちの物語なのだ」。
この、「ドレッシング」を使った表現は、本作品の中の「二者択一」に出て -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に素晴らしい小説だった。
一人の女性と、その周辺(おもに家族)の、戦時中の子供時代から平成の老後を描いた長い物語。
主人公の左織は、戦時中には家族と離れて疎開を余儀なくされ、父親も戦争で亡くしているが、それ以外はごく平凡で、親からも兄姉からも愛されて育った普通の女性。特に悪いこともしていないし、特に何かに努力して自分を高めようともしていないけれど、まぁ昭和の時代の「普通の母」たちはみんなそんなものだったんじゃないか…。主婦(妻そして母)として、一生懸命家庭を守り、子育てをしている。なのに、なんだかうまくいかない。まず、第一子である長女百々子と異常に相性が悪い。あまり可愛いと思えず、第二子の -
Posted by ブクログ
小中学生の時に表紙と題名に惹かれて買った本。女性が一生のうちにもらうプレゼント(形あるものだけではない)に纏わる短編集。風景の表現が鮮やかかつ分かりやすい、夕焼けに照らされる木々を『金粉をふりかけられたように〜…』って表現したりしている。どの話も良いけどランドセルの話が一番好き。ランドセル貰った当時はなんでも入る!私の全財産(ぬいぐるみとか本とか)余裕で入る!何かあってもランドセルに大事な物詰めて逃げれば生きれる!って思ってたのに大人になってよく考えたらランドセルって一泊旅行の荷物すら入らないよね、当時の身軽さにビックリしちゃう。そんな「分かる〜」って懐かしい気持ちになったり「これから先こんな
-
Posted by ブクログ
ネタバレかなり前の短編集。
角田さんのイメージは、最近では事件を扱ったような社会的な長編も多く、過去にはこんな感じの恋愛小説系がよくあった。
この短編集、さすが角田さんと思った。
心理描くの、うまい。
途中から坂道を転がるように加速して悪化していく感じ。これは今も変わらない。
恋人同士が、お互い完璧な相手だと思いながら続けていくのは難しい。
妥協が必要だ。
他の人から見たら、そんなヤツとは別れた方がいいって思っても、人によって許せるところ、許せないところは違うのだ。
1番共感できたのは『旅路』
共感できるから、なんだか最後に椅子を譲ってくれた青年の優しさと自分の狭小な気持ちが情けなくて、泣け -
Posted by ブクログ
最後の消えない光の二組の話が本当に好き。
私も結婚指輪いらない、式も、旅行もいらない。そんなのなくていい派なんだけど、耕平のいう「永遠であってほしいと願っている正真正銘今の気持ちを、変形しないうちに、かたちにしたかった。」とか武史の「自分たちの日々の区切りとして、もしそういうとくべつな何かがあったとしたら、きっと今俺達の気持ちはそこに戻っているんだろう」という気持ち。
そういうのを確認するための結婚指輪なのかもしれない。
第二話の『扉を開ける』の紀子のように、「漠然と消えてしまいたいと思ったあのときに、見つめるものがあってよかった」「見つめ返す強い光があってよかったって」と言うように。
ただの -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常によかった。
わたしは妊娠・出産を経験していないのですが、これを読んだら経験してみたくなりました。
と、書くと、妊娠や出産を推奨している本のように思うのですが、そうじゃない。(こともないんだけれど)
「妊娠ってすばらしいよね」「子どもを産むのって幸せだよね」
それって、確かにそうなんだけど、それが全てではない。
だけど、世の中には不妊で悩む人もいるし、「せっかく授かったのに」「悩んでいる人もいるのに贅沢」なんて言われてしまうと、「産みたくない」とか、「子どもができて嬉しくない」とか、言いづらい雰囲気がある。
もちろん命は大切だし、堕胎も気軽に行っていい行為だとは思わない。
だけど、それも -
-
角田さんてホラーまで書けちゃうのか、すごい才能だなと思わずにいられない本でした。おみちゆきが印象深いです。高僧が生きたまま埋葬され木乃伊となり、生き神様となるが、四年後掘り起こしてみると...。頭の中で映像化してしまうほど、臨場感と表現力が強烈でした。
-
育児に苦労した女性には抉られるような話です。誰にも理解してもらえないと思っていた夫の悪意も描かれてあり、自分の過去の生活を覗かれたのかとさえ感じました。そして、なんとなく感じていたけれど、この小説で初めて義母と夫の他者が立ち入れない関係をきちんと言葉で理解出来てスッキリしました。
読んでいて楽しいというのとは違うけれど、自分の中にしっかりと残る小説には違いありません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と恋人に得意げに言われ、ハナは「なんかつまんねえ」と反発する。共同経営する下北沢の古着屋では、ポリシーを曲げて売り上げを増やそうとする親友と対立し、バイト同然の立場に。結婚、金儲けといった「ありきたりの幸せ」は信じにくいが、自分だけの何かも見つからず、もう37歳。ハナは、そんな自分に苛立ち、戸惑うが…。ひたむきに生きる女性の心情を鮮やかに描く傑作長編。』
同棲していたタケダ君に飲み会の席でみんなに「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と宣言され、しらけるハナ。結局破局する。小さい時母親がなんでも手作りの人で、ケーキも手作りだったことを思いだす。 -
Posted by ブクログ
久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめる中で少しは鼻がきく状態に戻っているといいが。
ミーヨンさんの作品は私には少し理解に時間がかかったので、また読み返すと思う。全体的に「次読んだとき、前とは違う感想を抱くだろうな」と思わせられる作品ばかりだった。
ただ最近「百合」の作品も読むようになったせいか、作中の女友達との関係が百合的な関係に思わ