角田光代のレビュー一覧

  • 源氏物語 上

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    国語の授業なんて覚えていないので、知識ゼロベース。

    読み始めた時は、馴染めない世界観と分厚い紙束に後悔してた。気づいたときには、滅茶苦茶面白くなってた。

    光君が破天荒。
    歌で雅にごまかしてるけど、女性と寝ることしか考えてない。老いも若きも、美しいのも醜いのも誰でもあり。時代背景あるんだろうけど、理解が追い付かない。そんな超美男天才も凋落したり復権するから、また面白みが出るんだろうな。ワンチャンだけじゃなくてきちんとフォローしてるし。

    歌が数えきれないくらい詠まれる。
    この物語の一番すごいところって、長大なストーリーの構成力らしい。確かにすごい。そのストーリーをフルカラーで彩ってるのは、登

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    2018年06月07日
  • なくしたものたちの国

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    ネタバレ

    とっても良かった。過去作にpresentsという短編集を出されているが、同じぐらいに好きだ。

    presentsと同じように、人が生まれてから死ぬまでに得るもの・無くすものが描かれている。もちろん、タイトル通り、無くしたものにウェイトが置かれている。

    主人公は雉田成子さんという名前で、生き物の声が聞こえたり、亡くなった飼い猫の生まれ変わりにであったり、生き霊になれたり不思議な出来事に出会ってはその現象に遭うことが無くなる。それをきっかけに、物ではないが得るものがあるということは、無くしたものが得たものに姿・形を変えて成子さんのもとに巡ってきたのだろうと思った。

    そして成子さんが「なくしたも

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    2018年05月26日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    『あとでどんなに後悔しても、どんなに泣きたくなっても、どんなに自己嫌悪にさいなまれても、私は最後まで父を嫌いでいよう。それが私とこの人の、代用のきかない関係というものではないか。』(p.168)

    再々読くらい。
    最初に読んだとき、こういう引き受け方もあるのか、こういうのでもいいのかとびっくりして、許してもらえたような気になった。何度読んでもこの部分に励まされる。

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    2019年11月16日
  • なくしたものたちの国

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    久しぶりに、あっと衝撃を受けた本。
    本を読んで涙が出たのはいつぶりかな。

    わたしも小さい頃から落し物したり、物をよく無くす。
    それに、
    大切にしていたペットや、大好きな人との別れ、
    これからくるであろう永遠の別れを想像しただけで
    本当に怖くて怖くて仕方がない。

    でも、この本にあるように
    なくしたものたちの国があって、そこに向かって毎日
    少しずつ進んでいるのだとしたら。

    自分が死ぬ時、みんなで待っていてくれて
    また会えるのだとしたら。

    死と、新しく生きることは、きっと同じことなんだ。
    そんな風な、普段言葉だけで聞かされても、嘘だーと
    思ってしまうようなことが、すーっと入ってくる。

    生き

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    2018年04月17日
  • 空の拳

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    角田光代、驚きのボクシング作品。意表を突かれまくりです(´⊙ω⊙`)

    主人公はヒョロヒョロのへっぽこ雑誌編集員。ボクシングなんて全く興味がなかったのに、どんどん引き込まれてゆく。
    彼と一緒に、読んでいるこちらもどんどん引き込まれてゆく。私だってボクシングなんて全く興味ない。角田作品だから読んだのだ。

    どんどん強くなっていくプロボクサー・立花。彼の悪タレぶりが某兄弟ボクサーにダブる。うーん 彼らももしかして演じてるのかもしれないね(笑)

    主人公は結局、別の部署に異動になって、ボクシングへの熱も失ってゆく。こちらも同じように、読み終えたらボクシングへの興味はまた薄れる。
    でも、こんな世界があ

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    2018年03月07日
  • なくしたものたちの国

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    「忘れたっていいのよ」

    忘れたもの失くしたものは、無くなったんじゃなくて別のところに移動した。
    だったら忘れる事も失う事も怖くないや、って、おだやかなゆったりとした気持ちになれました。

    5年とちょっと前、精神病棟に入院していたとき読みました。患者仲間に(たしか伊坂幸太郎の)の本をもらってその御礼にプレゼントしたのもこの本でした。
    優しくてそのまま。たおやかに流れる文章、空間、挿絵。

    文庫が出たとき迷わず買いました。
    今回で3回目か4回目。
    どの話も愛おしい。

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    2018年02月05日
  • 坂の途中の家

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    ネタバレ

     日々流れる虐待のニュースを見て、「我が子になぜそんなことができるんだろう…」という浅はかな感想しか持てなかった自分を恥じた。自分が産んだ小さな命を前にして、はなから粗末に扱ってやろうと思う親などほとんどいないのだ。自分だって、我が子に手をあげることがあるかもしれない。それがたまたま死に至らしめるような行為となるかもしれない。そんな風に現実味を帯びて感じさせてくるところに、この小説の恐ろしさがあった。

     視点人物である里沙子は、裁判員に選ばれる。しかも、自分と同じ女児を持つ母親の、幼児虐待事件。母親と折り合いが悪く親に頼らず育児をしている、仕事をやめて専業主婦をしているなど、容疑者と自分の間

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    2022年01月05日
  • 今日もごちそうさまでした

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    角田さんのエッセイは 前に何冊か読んで ちょっと苦手と思っていて もうこの人のエッセイは読まないと思って ずっと読んでなかったけど 食べ物エッセイなので ついつい買ってしまった。結果は アタリ。面白かった。

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    2018年01月03日
  • 対岸の彼女

    購入済み

    孤独と向かい合わせーせつない

    通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
    今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
    この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。

    生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思いつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
    でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。

    小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。

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    2021年05月31日
  • 源氏物語 上

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    高校生の時、教科書で「若紫」を読み、これっておもしろいよなと思って古文読解テキストを購入。でも序盤で飽きて挫折。
    大学生の時、実家で母が買っていた瀬戸内寂聴訳を読むも雨夜の品定めあたりで頓挫。
    働き始めた頃ふと購入した文庫の円地文子訳も同様。
    嫁さんが持っている「あさきゆめみし」でさえ明石から先は読めず。

    こんなわけで多分生涯読み通せまいと思っていた「源氏」だが、角田光代の新訳を買おうかどうか逡巡。今回も読めるか分からないし、なにせ本にしては高額で・・・。

    しかし梅田の書店で角田さんのサイン本を見て、えいやと購入しました。彼女のコメント、「読みやすい訳を心掛けた」という言葉を信じました。

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    2018年01月18日
  • なくしたものたちの国

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    なんて素敵な本なんだろう。読むのがもったいないくらい。 やぎのゆきちゃん、お母さんのかんむり、だれかを好きだった思い、片方だけのピアス、木々の葉。みんな、なくなってなんかいなかった。わたしを待っていてくれたんだ。記憶はなくなるんじゃない、静かに、別の場所に移動していくだけ。温かい思いに包まれて、今のままで大丈夫だよって言ってもらえた気分。また読み返したい。

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    2017年10月20日
  • 源氏物語 上

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    光君に心奪われ、惑わされ、近づいたり、離れたり、そんな女性心理を角田光代風に鮮やかに読ませてくれるだろうと、首を長くして出版を待っていた本。

    とにかく読み易さを求めたと訳者は言っている。
    確かに他の訳本よりもストーリーテーリングな感じかして、ぐいぐいと引き込まれていく。
    しかしそれ以上に期待通り、女性達の微妙な心の動きがきちんと書かれているし、驚いたのは光君の心情までも丁寧に訳されていることだった。

    早く次作を読みたい!

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    2017年10月18日
  • なくしたものたちの国

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    ヤギのゆきちゃんとおしゃべり,飼っていた猫のミケの記憶のある銃一郎との出会い,不倫相手の純丘さんと一緒におうむの大臣くんに言葉を教えることなどが,とても大切な時間としてあり,そしてまたそれが忘れられるとしてもまた出会うのだ.そっと日常に寄り添う不思議をさらりと書き進めて,とても愛おしい時間を過ごし,最後になくしたものたちの国にたどり着くとても美しい物語..

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    2017年09月20日
  • 三面記事小説

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    ネタバレ

    うむうむ、抜群に面白いですね。素晴らしいです。やっぱスゲエぜ角田光代。信じてよかった角田光代。そんな事を痛感する短編集、と言えたのです。自分にとっては。

    日々、新聞の三面記事で目にする、ありとあらゆる事件。人間が引き起こす事件。それは、新聞の三面記事として、本当にビックリするくらいに、毎日あっさりと登場して、あっさりと忘れ去られていきます。日本国内でさえ、これほどに沢山の三面記事事件が起きている。そうすると、世界規模で考えたら、どれほどの、信じられないほどの三面記事事件が起きているんだ?と、途方に暮れてしまいますが、、、

    こうした様々な三面記事の事件は、事件の直接の関係者以外にとっては、基

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    2017年09月08日
  • なくしたものたちの国

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    ネタバレ

    「なくす」にまつわる、とても不思議な短編連作。

    ナリちゃんは大人になるに従い、その時々で色々なモノをなくし、その度に不思議な経験をし考えていく。
    小さな頃、黙って持ち出したお母さんの大切なかんむりをなくしたり、男の人を好きになりすぎて自分自身をなくしたり……。

    でもそれはなくしたのではない。
    ただ別の場所に移動しただけ。
    なくして初めてそれが「あった」ことを思い知る。
    なくしたモノはどこかにあって、またいつか出会えるはず。
    いつかは出会えるのだから、安心して歩いて行こう!と静かに背中を押してくれるステキな物語だった。

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    2017年08月19日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    読んだことのある作品もそうでない作品もあったけれど全体を通して楽しかった。
    やっぱり太宰治が好きだなぁと。

    女生徒、恥は読んだことのあった作品。好きな作品は何度読んでも楽しめるし、何度だって読みたくなる。
    そのうちまた読みたい。

    古典風、秋風記。今回初めて読んだ作品の中ではこの2篇が私の中でベスト。2度、3度と読み込んでいきたい。

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    2017年07月13日
  • 私たちには物語がある

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    なんて希望に満ちたタイトル。とてつもなく大きな味方を得たような気持ちになる。
    面白くなかったらやだな、という理由からあまり新しい作家に手を出す勇気がなかったけれど、著者の読書感想文集にはあらゆる作家の多様な作品の魅力がぎっしり詰まっているので、読みたくなった本をメモしながら読んだ。熱意がこもった読み応えのある読書感想文だった。
    読みたい本が大量になってしまって大変。とてもうれしい。

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    2017年05月12日
  • 福袋

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     どこにでもいるような人たちの 特別な話
     人はだれでも 福袋を持たされている。
    「福袋」は泣きそうになった。

     角田さんらしい本でした。
    やっぱり すきだなぁ~角田さん

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    2017年05月12日
  • これからはあるくのだ

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    単行本(2000.9)、文庫(2003.9)、共に読みましたw。角田光代さんの「これからはあるくのだ」、31篇のエッセイが収録されています。面白いです。文庫の解説は、酒が大好き(「泥酔懺悔」参照w)、風呂大嫌いで共通の三浦しをんさんです(^-^) 私が選んだベスト4は、「十数年後のケンビシ」(勘違いに爆笑)、透けていた(雨の日の傘無し白いワンピース、勘違いした人の良さに拍手)、女性のバッグのなかの(バッグの中身、微笑みました)、人を喜ばせるプロフェッショナル(叔母様の粋な計らいに膝を叩きました)。

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    2017年04月06日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    マタニティ生活の悲喜こもごもを綴った、日記形式の小説。
    妊娠中に角田光代を読みあさりまくった私はなぜよりにもよってこの小説は読んでいなかったのか……。
    我ながら不可思議だけれど、娘二人を産み落としもう今後一生妊婦にはならないと誓えるまさに今、このタイミングで読めたのはほとんど何かの啓示にすら思える。
    それほど私にとって意味のある小説でした。

    妊娠したのに、うれしくない。そんなだめ妊婦のマキと、明るくてどこかまぬけな夫・さんちゃんの出産までの日々。
    経産婦としては、やはりどうしても自分のときを思い出さずにはいられない。
    フライドポテトばかり食べていたこと、ハヤシライスとコンソメスープはどうして

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    2016年10月03日