角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ流石サスガの角田光代。素晴らしい。素晴らしく良い。いやもう、何度でも言いますが言えますが、これは、凄く良いです。「読んでよかった!」って、何の留保も衒いもなく言う事が出来る本というのは、素敵ですよ。そんな本に出会うことができるのは、素敵なことですよ。何度でも言います。コレは、とても素晴らしい本です。
赤ちゃんができた夫婦の、妻寄りの内容の日記体裁の小説、という感じなのですが、うーむ。ばりリアル。最初は、まあ、王道の誤解だと思うのですが、角田さんの実体験だと思って読んでました。つまり、小説というより、エッセイ寄りの小説、私小説、みたいなもんだと思って読んでましたね。ええ。
全部創作かい、っていうね。こんなにとんでもなくリアル(に俺にとっては感じられた作品)なのに。それは即ち、角田光代さんの創造する世界は、俺にとっては、とても「他人事とは思えない」から、なのだろうか。
「ああ、、、そうだよなあ、、、あんたの気持ち、、、マジ分かるよ、俺。それは『わかった!という錯覚』なだけなのかもしれないけれど、でもマジであんたの気持ちわかるよ、って思う俺の気持ちは俺にとっては真実なんだよ」
って感じ。ちょー回りくどいですね。でも、そういう感じなんだよ。
ちなみに、俺は勝手に、
角田光代の感覚 ≒ チバユウスケの感覚
説を提唱している次第です。「≒」は「ニアリーイコール」ってヤツですね。「いっしょ」ではなく「ほぼいっしょ」って記号です。
初期作品に漂う、圧倒的な寄る辺なさ、ひねくれさ加減、斜に構えた感じ、いたたまれない感じ、てやんでえべらぼうめえな感じ。
そこからの、
中期~現在?に至る作品に感じる。圧倒的な強さ、明るさ、一周回ったヘンなてやんでえべらぼうめえ感、正しく成長している感をヒシヒシ感じさせてくれる感じ。
そこらへんが、あくまでも個人的には、角田さんとチバさんの創造物に通じる共通点、だと、勝手に感じている次第です。
まずもって全然この作品の解説になっていないのですが、もうね。言いたいんですよこの事が。
角田光代 ≒ チバユウスケ
説。誰かこの説を共感してもらえる人と、一晩でも語り明かしたい感じ。
ま、んで、この作品のどこが素晴らしいか、というと、、、うーむ。とりあえず、読んでください。という、超投げやりな結論です。だってもう。凄く良いんだもの。読んだら分かるよ。って感じなんだもの。本当にイインダヨ。この作品は。
ちなみに、あとがき、も、めちゃくちゃ良いです。あとがきで判明する、「まずこの小説は最終章が短編?としてあって、そっから逆算で最初から話を作っていって長編小説になった」ってネタばらしとか、もう最高です。あと、角田さんの「作家の書く実体験風の話はわたしは基本てんで実体験だと信用しない」みたいな論とかマジ最高。
当然ながら本編は最高。いやもうホンマに素晴らしい本です。
あ、そうそう、角田さんご本人の描き下ろしの絵(イラスト?)も、ちょこちょこ収録されています。角田さんと、イラストレーターの唐仁原教久(とうじんばらのりひさ)さんの共作?というところでしょうか?
このイラストが、バリ良い。不思議な哀しさと孤独と優しさがある。ように感じられる。角田さんのこの感性が、やっぱ好きですね。小説内で、主人公のマキが、ネット上で妊婦同志の「きのうちつやこ」さんのホームページを見つけて、そこにアップされていた「きのうちつやこ」さんの撮影した写真に「なんということはない写真なのだけれど、不思議なさみしさがある」という評が、まさに俺が角田さんのイラストに対して感じた思いと ≒ なのよね。うーむ。素敵。
あと、夫の「さんちゃん」と、妻の「マキ」の関係性も、マジ最高。こんな夫婦、最高です。「さんちゃん」の頼りなさそうで頼れそうな所が最高です。こんな男になりたい。 -
購入済み
『空中庭園』は、家族というユニットの虚構を糾弾しているにも関わらず、静謐な雰囲気に満ちた作品で、角田さんの小説の中ではベストの作品だと思います。
その作品の『その後』として書かれた本作品も、空中庭園を読んだことのある人にとっては興味深く読めると思います。 -
Posted by ブクログ
Number Doの連載コラム。フルマラソン、トレイルラン、ボルダリングなどやってる最中は後悔しながら、なぜかまた参加してしまう体験を語る爆笑エッセイ。
スポーツの本は運動が大好きで得意な人が書く。本書は異例、題に「なんでわざわざ」とあるとおり、さほど好きでもないがフルマラソンなどに参加、後悔しつつも魅力にとりつかれまた申し込むスバイラルを描いている。
フルマラソンのほか、登山、ボルダリング、トレイルランニングなど。大きな志を持たないからこそ続いていく。
筆者が決して強い意志を持っているわけでなくどちらかというとずぼらな所が好感。
中年体育心得8ヵ条が秀逸。
1 中年だと自覚する
2 高い志を持たない
3 ごうつくばらない
4 やめたくなったら、やめる前に高価な道具をそろえる
5 イベント性をもたせる
6 褒美を与える
7 他人と競わない
8 活動的な(年少の)友人を作る
旅先でのランニングの魅力を伝える章もよい。「走るとその町と親しくなる。」
特に目的はなくとも心地よく時に苦しい中年体育。学生時代にはなかったビールというご褒美もある。
体を動かす魅力を余すところなく伝えてくれる楽しい作品でした。 -
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ネタバレ前の光源氏が主人公の話とは打って変わって俗っぽい人間ドラマになる。序盤の恋する蔵人少将の見苦しさから絶好調だ。
薫と匂宮、名前が嗅覚関係で似ているな、と思っていたが、薫が香りを放ち、匂宮がそれを女性から嗅ぎ取るのか!と中盤に気付き、伏線回収された気分だった。宇治の三姉妹を挟んで何度も三角関係になるのが面白い。
浮舟は名前の通り、二人の間をフラフラするし。
(名前の由来になった匂宮に抱かれて舟でデートするシーンはロマンチックだった)
角田さんのあとがきの浮舟の解釈も唸った。
「袖ふれし人こそ見えね花の香のそれかとにほふ春のあけぼの」
この歌、薫と匂宮どちらの名前も入っている。
1000年前にこんな近代的なドラマを描いた紫式部はすごいなあ。言葉遊びのセンスも抜群。
現代のとても美しい日本語で書かれていて読みやすかった。表紙もシンプルながら素敵。
めちゃくちゃ面白かった。読破できて良かった。 -
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ビールビールビールビール、風呂風呂風呂風呂と唱えなんとか走り切る。得意の「なめ癖」や誰かたすけてくれないかな、と浅はかな期待をもったり、W氏の誘いにすぐ乗り、後で悪態ついたり。笑
本当に面白い‼︎ 那覇マラソンとトレランにとても興味を持った。
最後の『中年体育心得8ヶ条』サイコー笑
中年だと自覚する
高い志を持たない
ごうつくばらない
やめたくなったらやめる前に高価な道具をそろえる
イベント性をもたせる
褒美を与える
他人と競わない
活動的な(年少の)友人を作る
いつも重いテーマが多い作者のエッセイがこんなに面白いとは!他も読みたい‼︎ -
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光君は少し年をとり、最愛の紫の上もそばに居るので行動が落ち着いてくる。
それよりも光源氏の子供世代も結婚を考える年頃になり、親として娘や息子の結婚相手を見る目を持つようになる。朱雀院の愛娘の女三の宮の婿を考えている段階で、藤大納言が普通すぎてふさわしくない、と書かれているのが印象的だった。帝や太政大臣などと血縁がなく、権勢がない家柄だと対象外か。現在の天皇家が多少その考えを受け継いでいるのか、と宮様の立場を考えてみたりした。
養女のような玉鬘とは色っぽい描写を積み重ねて匂わせてくるシーンは、ドキドキした。
光君が悪戯に薄暗い部屋に蛍を放ち、幻燈のように玉鬘の姿が見えてしまうシーンはロマンチックだなぁとしみじみした。
ついこの間可愛いかわいいと愛でていた明石の姫君、12歳で妊娠かよ!若すぎる。
光源氏の最期の章はタイトルだけだなんて。そんなあ。
とても美しい日本語が読める良い本だと思う。
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【源氏物語 下】
読み終えたときのため息は達成感なのか開放感なのか疲労感なのか。それなりにいろんな感情があったのかなと。
上巻を読み終えたのが2018年6月、中巻は2019年3月、それから2020年8月。出版に合わせて読んでると、2年も経ってた。上巻読んでた時にあったこと、中巻読んでたときのこととか思い出せる。時間をかけて大作を読むことってなくて、ちょっと新鮮な感じ。
内容。
源氏は消えてる。残されたのは関係者の子供たち。光り輝く神はいない。現れるのは普通の貴族。
普通の人間だから悩む。悩んで行動するけどベストな行動は取れない。思いは同じなのに、距離は縮められない。
何だか悲しいんだけど、小さな幸せはそれなりにあって。でもそれだけだと時間は淡々と流れるわけで。
感想。
何を書いても安っぽくなってしまうので、放棄。何のためのメモなのかって感じだけど、今は何とも。いつか読み返せたらなとは思う。 -
Posted by ブクログ
文章が現代の小説のようで読みやすい。
状況がよくわかるから、始めは家系図にするとわかる血の濃さに驚いたし、一夫多妻制に慣れるまで光君の浮気性に苛々した。若紫では子供を相手にほぼ誘拐で気味悪いし、葵の上が陣痛で苦しんでいる時には「あなたはひどいよ。私をつらい目にあわせるんだね」と泣き出すし。産後の体調不良で横になっている時には「子どものように甘えているから、こんなにいつまでもよくならないのだよ」と言ったり。現代の感覚なら有り得ない!クソ野郎!!という印象だった。特に帚木で男友達と、最高なのはどんな女か、と女性批評しているのは眉を顰める。
しかし慣れてくると、マザコン(藤壺)、ツン(葵の上)、人妻(空蝉)、ロリ(若紫)、不細工(末摘花)、不倫(明石の君)とバリエーション豊かで、まるで恋愛シミュレーションゲームのようだと思えた。
自然の描写や和歌は凝っていてとても美しいし、絵合や六条のお庭造りも面白い。また光君も容姿や服のセンス、血筋や知能や財力もステータスカンストで申し分ない上に、大変な筆まめで相手の心をくすぐるようなものを作るから確かにすごい。よく泣くけど、乱暴なところがないのも好印象。ただ、さらっと昇進するけど仕事はしてる?とは思ってる。
一冊が長いけれど楽しく読めた。
最後の池澤夏樹さんの解説も興味深かった。 -
Posted by ブクログ
『人気作家・角田光代さんが雑誌オレンジページにて14年に渡り連載を続けているエッセイ「散歩」シリーズ第4弾。多忙ななか、京都出張の折りに震えるほどおいしい卵サンドに出会ったり、魚卵好きで朝から明太子のために行列に並んだり。迷路のような渋谷で途方にくれたり、まったく進まない本棚整理を楽しんでいたり。
あっという間に過ぎてしまう日々のできごとを鮮やかに描いた1冊。』
これだけ読みながらニンマリしてしまうエッセイも少ない。筆力、観察力もあるのだが、角田さんのキャラが認知されるところになっていて、やや天然ボケ気味に動くだけでおかしい。
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昭和ハラスメント -
購入済み
飾らないところが良い
理想の女性の話や、普段着とお出かけ着の使い分けの話など、読んでいるだけなのだけど一緒に話しているかのような近さがあって良かった。少しズボラで、でも逞しい角田光代さんのエッセイはどれも面白かった。