角田光代のレビュー一覧
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国語の授業なんて覚えていないので、知識ゼロベース。
読み始めた時は、馴染めない世界観と分厚い紙束に後悔してた。気づいたときには、滅茶苦茶面白くなってた。
光君が破天荒。
歌で雅にごまかしてるけど、女性と寝ることしか考えてない。老いも若きも、美しいのも醜いのも誰でもあり。時代背景あるんだろうけど、理解が追い付かない。そんな超美男天才も凋落したり復権するから、また面白みが出るんだろうな。ワンチャンだけじゃなくてきちんとフォローしてるし。
歌が数えきれないくらい詠まれる。
この物語の一番すごいところって、長大なストーリーの構成力らしい。確かにすごい。そのストーリーをフルカラーで彩ってるのは、登 -
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ネタバレとっても良かった。過去作にpresentsという短編集を出されているが、同じぐらいに好きだ。
presentsと同じように、人が生まれてから死ぬまでに得るもの・無くすものが描かれている。もちろん、タイトル通り、無くしたものにウェイトが置かれている。
主人公は雉田成子さんという名前で、生き物の声が聞こえたり、亡くなった飼い猫の生まれ変わりにであったり、生き霊になれたり不思議な出来事に出会ってはその現象に遭うことが無くなる。それをきっかけに、物ではないが得るものがあるということは、無くしたものが得たものに姿・形を変えて成子さんのもとに巡ってきたのだろうと思った。
そして成子さんが「なくしたも -
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久しぶりに、あっと衝撃を受けた本。
本を読んで涙が出たのはいつぶりかな。
わたしも小さい頃から落し物したり、物をよく無くす。
それに、
大切にしていたペットや、大好きな人との別れ、
これからくるであろう永遠の別れを想像しただけで
本当に怖くて怖くて仕方がない。
でも、この本にあるように
なくしたものたちの国があって、そこに向かって毎日
少しずつ進んでいるのだとしたら。
自分が死ぬ時、みんなで待っていてくれて
また会えるのだとしたら。
死と、新しく生きることは、きっと同じことなんだ。
そんな風な、普段言葉だけで聞かされても、嘘だーと
思ってしまうようなことが、すーっと入ってくる。
生き -
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角田光代、驚きのボクシング作品。意表を突かれまくりです(´⊙ω⊙`)
主人公はヒョロヒョロのへっぽこ雑誌編集員。ボクシングなんて全く興味がなかったのに、どんどん引き込まれてゆく。
彼と一緒に、読んでいるこちらもどんどん引き込まれてゆく。私だってボクシングなんて全く興味ない。角田作品だから読んだのだ。
どんどん強くなっていくプロボクサー・立花。彼の悪タレぶりが某兄弟ボクサーにダブる。うーん 彼らももしかして演じてるのかもしれないね(笑)
主人公は結局、別の部署に異動になって、ボクシングへの熱も失ってゆく。こちらも同じように、読み終えたらボクシングへの興味はまた薄れる。
でも、こんな世界があ -
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ネタバレ日々流れる虐待のニュースを見て、「我が子になぜそんなことができるんだろう…」という浅はかな感想しか持てなかった自分を恥じた。自分が産んだ小さな命を前にして、はなから粗末に扱ってやろうと思う親などほとんどいないのだ。自分だって、我が子に手をあげることがあるかもしれない。それがたまたま死に至らしめるような行為となるかもしれない。そんな風に現実味を帯びて感じさせてくるところに、この小説の恐ろしさがあった。
視点人物である里沙子は、裁判員に選ばれる。しかも、自分と同じ女児を持つ母親の、幼児虐待事件。母親と折り合いが悪く親に頼らず育児をしている、仕事をやめて専業主婦をしているなど、容疑者と自分の間 -
購入済み
孤独と向かい合わせーせつない
通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。
生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思いつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。
小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。 -
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高校生の時、教科書で「若紫」を読み、これっておもしろいよなと思って古文読解テキストを購入。でも序盤で飽きて挫折。
大学生の時、実家で母が買っていた瀬戸内寂聴訳を読むも雨夜の品定めあたりで頓挫。
働き始めた頃ふと購入した文庫の円地文子訳も同様。
嫁さんが持っている「あさきゆめみし」でさえ明石から先は読めず。
こんなわけで多分生涯読み通せまいと思っていた「源氏」だが、角田光代の新訳を買おうかどうか逡巡。今回も読めるか分からないし、なにせ本にしては高額で・・・。
しかし梅田の書店で角田さんのサイン本を見て、えいやと購入しました。彼女のコメント、「読みやすい訳を心掛けた」という言葉を信じました。
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ネタバレうむうむ、抜群に面白いですね。素晴らしいです。やっぱスゲエぜ角田光代。信じてよかった角田光代。そんな事を痛感する短編集、と言えたのです。自分にとっては。
日々、新聞の三面記事で目にする、ありとあらゆる事件。人間が引き起こす事件。それは、新聞の三面記事として、本当にビックリするくらいに、毎日あっさりと登場して、あっさりと忘れ去られていきます。日本国内でさえ、これほどに沢山の三面記事事件が起きている。そうすると、世界規模で考えたら、どれほどの、信じられないほどの三面記事事件が起きているんだ?と、途方に暮れてしまいますが、、、
こうした様々な三面記事の事件は、事件の直接の関係者以外にとっては、基 -
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マタニティ生活の悲喜こもごもを綴った、日記形式の小説。
妊娠中に角田光代を読みあさりまくった私はなぜよりにもよってこの小説は読んでいなかったのか……。
我ながら不可思議だけれど、娘二人を産み落としもう今後一生妊婦にはならないと誓えるまさに今、このタイミングで読めたのはほとんど何かの啓示にすら思える。
それほど私にとって意味のある小説でした。
妊娠したのに、うれしくない。そんなだめ妊婦のマキと、明るくてどこかまぬけな夫・さんちゃんの出産までの日々。
経産婦としては、やはりどうしても自分のときを思い出さずにはいられない。
フライドポテトばかり食べていたこと、ハヤシライスとコンソメスープはどうして