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Posted by ブクログ
『空の拳』の続編となる本作。出版社編集員の目を通したボクシングの物語。ボクシングの描写がすばらしいのですが、全編を通して描かれるのは、恐いものに立ち向かおうとしてもどうにもならないとき、「逃げる」のはつまり「見つけに行く」ことだということ。主人公やボクサーたち、ジムに通う人々の成長が丁寧に綴られ、彼らを思わず応援しています。ただちょっと長かったです。。
Posted by ブクログ
読みやすいが、文庫本637頁もあり、読み応えがあった。
ひたすらボクシングに没入する前作に対し、その2年後を描いた本作では、登場人物それぞれがその立場で、悩み思い惑っている。
前作で活躍した立花は、得体のしれない恐怖を感じている。「拳の先に何がいるんだか、おれにはもうわかんないスよ」と。
また、坂本は試合に負け、引退すら危ぶまれている。
一方、立花のファンであるノンちゃんは、いじめの被害に遭っている。そんなノンちゃんに空也は言う。
「そんなものと向かい合う必要はない。逃げればいいんだ。逃げ方を考えるんだ」と。
主人公の空也は、狂言回し的?に、彼らに関わり合っている。
『空の拳』の続編は、巨大な恐怖に逃げながら闘っている彼らを描いて、読者に問いかけるエンターテイメントとなっている。