角田光代のレビュー一覧
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『源氏物語』の2冊目は、秋の「紅葉賀」の帖から始まり、春の「花宴」の帖へと続き、雅やかな宮中での宴の様子が描かれます。
人々の緊張感あふれる心理的なやりとりも読み応えがありました。
「葵」の帖では、賀茂の祭で、光源氏の正妻と側室の牛車が鉢合わせ小競り合いになるというトラブルが起こり、この事件をきっかけに、その後、更なる悲劇が訪れます。
悲しくシリアスな物語のなか、光源氏の人並外れた恋愛エピソードは相変わらずで、笑えるものもありました。光源氏は、内裏に勤めている年配の女君(50代半ばから後半)といい関係になります。(光源氏は二十歳前後)しかも源氏の親友も参戦し、可笑しな三角関係となります。ドタバ -
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キッチンカウンターに飾られたロックスターの写真に、「おとうさんだよ」と言うところから始まるこの物語が、こんなに心が温まるお話だと思っていなかった。
歌によって救われた人たち。その出会いから世界が色づいていくような、そんな人生を豊かにするものに出会えることって幸せだよなぁ。今で言う推し活は、ずっとずっと前からあって、エンタメによって今日を生き延びれたり、明日も生きようと思えたり、そういう活力とか人生の豊かさを与えてくれるものだなと改めて思った。
手を差し伸べてくれる人はいる。それにちゃんと気づいて、その手を強く握り返せるようにしたい。
「でも、続けてたら信じられないくらいうまくいくやつと会え -
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薄らと膜を張った重苦しい泥の中を進むように読みました。辛かった…でも筆者の巧みな文章が止めることを許さない。エネルギーを常に燃やし続けるように生きる人が近くにいると、どうしても周りは重心がぶれたり、他責的になってしまうことがあるのが理解できるだけに、左織と子どもたちとの関係性は苦しく、もどかしく、とにかく読み終え安堵しました。
後から考え直し、星を増やしました。最後の方に初めて自分で選択をしたことで、何も選択してこなかったこと、視野が狭く自分中心で捉えていた世界は当然ながら一番身近な人にとっては別の世界、その人が中心の世界であったことに気づく。そこに至るまでの緻密な積み重ね、筆の力がとんでも -
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二人の異なる女性を主人公に置き、過去と現在を交錯させるこの作品。そこには多種多様な人間模様が複雑に入り組んでいる。
その様子は、あちこちの水底では思い思いに泥が渦巻きつつも、全体としては穏やかに流れる大きな清流のようだ。
遥かな上空の青さを忠実に写し取りながら、利根川に合流し、太平洋に注ぐという渡良瀬川。
直接に見たことはないが、自然に囲まれ紺青に澄んだ大河と、先方には対岸の浮かぶ光景が、この眼に映り込む。
読後に感想文を書くとなって僕が困ったのは、この川に棲む魚たちの、誰に着目すべきかという点だった。
ここではまず、この作品の象徴的な人物であるナナコに焦点を当ててみよう。魚子と書いて、ナ -
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ネタバレ柳原飛馬と望月不三子の人生を昭和、平成、令和までそれぞれ交互に追っていく。
年代も違い、読み始めはこの二人がどう繋がっていくのか全くわからなかったが、後半にやっとつながりお互いに影響する。
どちらも全く違う人生なのに、親の影響を強く受け、方や反面教師のように母のようにはなりたくないと思いながら生きていき、方や父にずっと言われ続けてきたことが頭から離れず、自分はそう生きねばならないと思い込んで生きていた。
この本を読んでいて、親の子どもに与える影響の大きさに改めてにも引き締まる思いがする。
一方で、どんなに自分で考えて選んだ道でも間違うこともあるし、どうにもならないこともある。ギリシャ神話の方舟 -
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ネタバレキツい話が多い読んでて苦しくなった。短編だからなんとか読み切れたが。
三面記事の裏に、みなこのくらいの人の人生が詰まっているのは不思議な気持ちになった。
あとは、主人公が主観で語っていても、事実の部分を繋ぎ合わせればそうではないのでは?と思わせられる文章になっていて、伏線の貼り方が素晴らしかった。
個人的にだが、認知症の話はいつも泣いてしまう。
親をこう見取らなければいけないのでは、という苦しさと、自分もいずれこうなってしまうという恐怖が私を襲うのだ。
そして自分が今祖母を見て見ぬふりをしているというか罪悪感というかに苛まれている -
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ゆっくりスピードになっちゃったけどやっと6巻読み終わったよ。光君が亡くなって、ここからは匂宮と薫が主人公のお話が始まるよ〜。
真面目だった夕霧がカスになったりとか、不義の子再びとか色々あった巻だったなー。
紫の上が亡くなる時めちゃくちゃ泣いてしまったマジで!びっくりした!!
あと途中から逐一感想メモるのやめちゃったんだけど、面白かったです。ここまできたらもちろん亀速度でも最後まで読もうと思うー!!
【以下ネタバレメモ 途中まで】
【夕霧】
・夕霧、亡き親友の妻に言い寄る キモ!
・んで結局強引に迎え入れる!キモ!
・夕霧「鬼のような女ですよ!(相思相愛だった雲居雁のことを)」 -
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ネタバレ自分が「何者にもなれなかった」と受け入れられたのは、多分30代後半くらいだったと思う。ちょうど、主人公みのりと同じくらいだろうか。
何者にもなれなくても、自分なりに頑張っているし、それなりに楽しく生きているから、それで十分というのは、ある種自分の負けを認めるようで、きっとなにかを受け入れるプロセスだったと思う。
身近なところに「何者かになった」人たちが(少なくともそう見える人たちが)いたら、それはもっと苦しいだろう。
地方から東京に出てくる人たちが、東京に行けば何かになれると思っているのを、東京出身者としてはずっとうっすらと苦々しく思っているのだけれど、その根っこには「ずっと東京で暮らして