角田光代のレビュー一覧
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購入済み
孤独と向かい合わせーせつない
通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。
生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思いつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。
小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。 -
Posted by ブクログ
高校生の時、教科書で「若紫」を読み、これっておもしろいよなと思って古文読解テキストを購入。でも序盤で飽きて挫折。
大学生の時、実家で母が買っていた瀬戸内寂聴訳を読むも雨夜の品定めあたりで頓挫。
働き始めた頃ふと購入した文庫の円地文子訳も同様。
嫁さんが持っている「あさきゆめみし」でさえ明石から先は読めず。
こんなわけで多分生涯読み通せまいと思っていた「源氏」だが、角田光代の新訳を買おうかどうか逡巡。今回も読めるか分からないし、なにせ本にしては高額で・・・。
しかし梅田の書店で角田さんのサイン本を見て、えいやと購入しました。彼女のコメント、「読みやすい訳を心掛けた」という言葉を信じました。
結果は意外なほどすいすい読み進められました。
尊敬語・謙譲語で身分関係を表すというこの小説の特徴をあえて無視したとのこと。
角田さんの仕事は本当に素晴らしい。
今まで読めなかった人もぜひ手にとって欲しいです。
よく考えれば、上中下巻(既刊はこの上巻のみですが)全部買っても、新幹線の東京・大阪片道に及ばないくらいの額です(本って他のエンターテイメントに比べたらホントに廉価)。
男だから光君の気持ちも分かると以前は思ってましたが、この小説に描かれている男女はそれぞれがそれぞれの地獄を抱えているように思えます。
結局、簡単になびく女性には興味がなく、いろいろな理由から返事がなかったり会えなかったりする女性のことばかり考えて悶々としている源氏の姿がずっと描かれている。
返歌がないと思い悩むのはLINEの既読スルーと変わらず、いつの世も変わらないのだなとも。
ちょっと落ち着いたと思ったら事件が起こって、エンターテイメントとして完成されている作品のように思います。
余談ですが、毎日通勤で通ってる道中に紫式部が住んでこの本を執筆していた場所(廬山寺)があることも最近知りました。 -
Posted by ブクログ
マタニティ生活の悲喜こもごもを綴った、日記形式の小説。
妊娠中に角田光代を読みあさりまくった私はなぜよりにもよってこの小説は読んでいなかったのか……。
我ながら不可思議だけれど、娘二人を産み落としもう今後一生妊婦にはならないと誓えるまさに今、このタイミングで読めたのはほとんど何かの啓示にすら思える。
それほど私にとって意味のある小説でした。
妊娠したのに、うれしくない。そんなだめ妊婦のマキと、明るくてどこかまぬけな夫・さんちゃんの出産までの日々。
経産婦としては、やはりどうしても自分のときを思い出さずにはいられない。
フライドポテトばかり食べていたこと、ハヤシライスとコンソメスープはどうしても気持ち悪くなってしまったこと、マタニティ服は買わなくても済んだこと、体重が増えすぎて怒られたこと、旅に出るような気持ちで荷造りしたこと、予定日はやっぱりそわそわしたこと。
すっかり忘れていたあれやこれやが、読んでいるうちに次々と涙と共にこみ上げてきた。
育児がしんどくて、子供なんてつくんなきゃ良かったと思ってしまうことも正直たまーにある。あるけれど、でも私だって、娘たちが腹にいたときはあれやこれやして、どうかどうか無事に産まれてきてと心から願ったんだ。
きちんと私ももっているそんな愛おしくてしょうがない気持ちを、ぽっと灯してもらえた気がする。
妊娠中の戸惑いや、嬉しさ、誇らしさ、万能感、不安、現実味の無さ、そういうごちゃまぜな感情と日常を大切に大切に書いてくれていて、むやみに嬉しくなりました。
さらっぴんの娘たちの前にこれからひらかれていく世界を、私もさらっぴんになってひとつひとつ手にしていきたい。
私は娘たちが産まれる前からずっと、娘たちの母親なんだ。それって本当にすごい。 -
Posted by ブクログ
人生どうしたらいいのか分からない、このままじゃいけないような気もするし、ずっとこのままでいいような気もする。惰性で流されて続けているという自覚はありながらも、そこを乗り越えていくエネルギーをどこから持ってきたらいいのか分からない。
そういうモヤモヤをギュッと短い物語にして、あなただけじゃないよって、慰めてくれるよう本。
どうすれば救われるとか、起死回生にはこれだとか、そういうことが記されているわけじゃないんだけど、読み終わったあと、誰かに背中さすってもらったあとかみたいな安心感が残った。
表題作「人生ベストテン」の、頭の中で独りプレ会話したり、想定問答解答例(虚偽含む)を複数考えるやつ、私もよくやるので笑ってしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書評集。取り扱い数はなんと150冊!
どうやら2003年から2009年まで連載されてた?書評を
まとめたものが入っている、書評というよりは感想文
作家さんのこれだけの感想文を読むことはなかなかないので面白かった
作家になったときに自分が読んでる本が少なすぎたので
書評の仕事は絶対断らないと決めた、のでこの冊数になった模様
ご本人曰く、仕事の性質上、新刊ばかりなのが残念だ、
ということ、古典もこういうのやってもらえたら嬉しい
個人的に角田さんのエッセイって酢の物っぽい、さっぱりしてる
今回の書評集を読んで再認識したけれど
別れた男性とは別れた後も会う、というのを
この本で知り納得、うんうんそんな感じ