角田光代のレビュー一覧
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ネタバレきれいごとじゃない、真っ直ぐな想いたちが
胸にスゥーっと染みてきた。
決して幸せな話ではない。でも必死に幸せを探そうとする人たちの物語。歌が紡ぐ家族の物語。
主人公あらたには父親がいない。母くすかによると、父親はあの有名で今は亡きバンドマンらしい…
そんな父の面影を追うように仲間ととともに、ギターを始めるあらた。章が変わると、くすかと亡き夫時生の出会いや別れが描写されており、その話があらたの今とリンクしてきて…。
特に好きなシーンはラストシーン。
くすかの長文にわたる真っ直ぐな時生への想いを聞いたのあらた。彼は弱い自分と決別しラストシーンではギターを弾く。そんな自分への決別と、くすかと時生 -
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角田光代さんのエッセイを読むたびに思うけど、彼女は「普通の日常」を面白くする天才なんだと思う。
朝から仕事をしながら、お昼ご飯のことばかり考えていたり。見知らぬおばさんにお金をせびられて、その人の人生を勝手に想像して結局お金を渡してしまったり。ちょっと自虐的で、決して自分を大きく見せようとしない。そんな肩の力の抜けたユーモアは、どこかさくらももこさんを思い出させる。
ページをめくるたびに「次はどんな話なんだろう」と思えて、読み終わる頃には「ああ、まだ終わらないでほしい」と思った。
「しあわせ」の値段なんて人それぞれだけれど、こんなふうに日常を面白がれる人は、それだけでとても豊かなんだろう -
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これまで読んだ角田光代さんのエッセイはどれも好きなのだけど、中でもこの本はわたしの大好物「食べ物エッセイ」×「角田光代さん」の組み合わせが最高だった。
野菜全般(特にキノコ類)、青魚、珍味類が大嫌いな偏食児だった角田さんが、30代での食大改革を経て、さまざまな食材に開眼し、その思い出を語ってくれる食好きにはたまらないエッセイ。
言葉のひとつひとつが絶妙に面白くて、でも無理に面白いこと言ってやろうという気合いが感じられなくて、ナチュラルにこんな面白い文章が書けるってやっぱり才能だよなーなんて思いながら、ときどきふふっと笑いながら読んだ。
肉と油が好きという角田さんと、幼児の頃から野菜ばかり -
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大好きな角田光代さん作品。
読めば読むほどだんだん怖くなってくる。表面上はどこにでもありそうな4人家族のお話なのに、家族のそれぞれが隠しているというか、表に出さない、きっと永遠に明らかにしないことがそれぞれにあって、それがいつか露呈してしまったらどうなるんだろう?と考えると怖くて仕方のない作品。
私の家族にも思い当たることは多少ある。
家族というだけで何でも分かり合える、話せばわかる、と考えるのは傲慢なんじゃないかと言われているような気がする。親しき仲にも礼儀ありみたいに、家族というのはそういうちょっとお互い触れられたくないことや、隠しておきたいことをお互いに持ちながらも家族という集団とし -
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面白かった。
死ぬときは絶対幸せにならざるを得ないというか、 自らのこれまでを受容せざるを得ないはずで。
死ぬ瞬間はきっと平穏が訪れるであろう、という確信のようなものをぼんやり抱えながら生きている私は自分の選択に疑いを持ったことが少ない。
こう書くと自信過剰っぽくて我ながらすごく嫌な感じだけど、この考えは自分の人生経験の浅さや思考の幼さからくるものだと思う。
本書は短編集であり、その登場人物どれもが成熟した大人である。
様々な分岐点を経て、当人なりの"平凡"に辿り着いた人間が過去を振り返るとき、それぞれの物語、そして新たな発見が生まれるのが面白かった。
あのとき、ああ -
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家族の秘密を描いているという点では、大好きな『空中庭園』に似ているのかなと思ったりもした。
けれど、この作品は秘密そのものではなく、その先にある人生や、人と人とのつながりにフォーカスしている。
こわれたり、つながったり、立ち止まったり、また歩き出したり。人生は思い通りにはならないし、理不尽なこともいっばいあるし、ひどいこともいっぱい起こる。
それでも人は前を向いて歩き出す。誰かとつながることを諦めない。誰かを思い遣って生きることをやめない。
人生って悪くない、って思わせてくれるあったかい小説。読めてよかった。
RCサクセション好きなので、そこもよかったです笑 -
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忌野清志郎のオマージュ。
ひとりのアーティストが人生の伴走者になる。たとえもうこの世にいなくても歌がある時は叱咤し、ある時は慰めになり、またある時は一歩を踏み出す勇気を与えてくれる。
豆田時生と晴本くすかとその息子新(あらた)の生きづらさを抱えた葛藤と再生の物語。
と書けば簡単だけど、理不尽な死に方で(ホームに落ちそうになった痴漢を助け時生をホームに落ち轢死、しかも痴漢という汚名を着せられたまま)新がお腹に宿ってその報告をしようとしたその日によ。
神様はいないのか、でもそっからのくすかの冤罪だと信じてとった行動力。高校時代の親友庭田の協力も得て、孤軍奮闘
頑張る姿は胸を打つ。
少年新とくすかが -
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ネタバレ1967年生まれの飛馬、1950年(代くらい?)生まれの不三子、物語が始まった時は何の関係もない2人の人生を、順番に描いていく。
昭和中期以降、平成、そして令和。こっくりさん、口裂け女、ノストラダムス、Y2K…様々なデマが飛び、その度に大騒ぎするがデマは現実にならない。
一方で予想もしなかった現実の事件事故が発生する、大きな台風に洪水、大地震、オウムのサリン事件、原発メルトダウン。
根拠のない噂に振り回され、予想もしない現実に翻弄される2人は、子ども食堂のボランティア活動を通じて交差するのだが、それはもう物語の後半、そしてコロナ。
デマに翻弄される側だったはずが、デマを振りまく側に立ってい