角田光代のレビュー一覧
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きれいな瞬間の賞味期限はとても短い。
でも、過去になっていつか忘れてしまっても、まだ思い出すかもしれない。そしたらその瞬間は永遠だと信じたい
・もう幾度も数えきれないくらいあちこちに自分の殻を脱ぎ捨てて、それで今ここにいるんだとそんなことを思う。
・好きなんて気持ちなんてなければ、恋だの愛だの友情だの、そんなものを何一つ知らない子供みたいに、いつまでもひっついてじゃれあって暮らしていけるのに。
・1個でも「もし」が現実になっていたら、でもその一見なんのつながりもない「もし」は全部起きた
・こんなにもいやなことだらけだというのに、こんなにもまいっているというのに、あたしはまだ、何かを見て、きれ -
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文庫本の帯には、
「料理を楽しむヒントがちりばめられた心温まる11編」
と書いてある。
実際には1編が同じ登場人物の話3つで出来ていて、全部で33の小さな話が綴られていました。
とても短い話でしたが、さすが角田光代さんですね。内容はしっかりしていて読み応えがありました。
雑誌『オレンジページ』に連載されていたそうで、特集に合わせて作品中のお料理掲載を考えられたそうです。
それでも今作は料理がメインではなく『人』がメインの食卓の話で、短い話の中にギュッと色んな事が詰め込まれていました。
「食べること」「料理をすること」での人との交わりは思い出に残る素敵なことだなと思いました。 -
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『源氏物語』の2冊目は、秋の「紅葉賀」の帖から始まり、春の「花宴」の帖へと続き、雅やかな宮中での宴の様子が描かれます。
人々の緊張感あふれる心理的なやりとりも読み応えがありました。
「葵」の帖では、賀茂の祭で、光源氏の正妻と側室の牛車が鉢合わせ小競り合いになるというトラブルが起こり、この事件をきっかけに、その後、更なる悲劇が訪れます。
悲しくシリアスな物語のなか、光源氏の人並外れた恋愛エピソードは相変わらずで、笑えるものもありました。光源氏は、内裏に勤めている年配の女君(50代半ばから後半)といい関係になります。(光源氏は二十歳前後)しかも源氏の親友も参戦し、可笑しな三角関係となります。ドタバ -
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薄らと膜を張った重苦しい泥の中を進むように読みました。辛かった…でも筆者の巧みな文章が止めることを許さない。エネルギーを常に燃やし続けるように生きる人が近くにいると、どうしても周りは重心がぶれたり、他責的になってしまうことがあるのが理解できるだけに、左織と子どもたちとの関係性は苦しく、もどかしく、とにかく読み終え安堵しました。
後から考え直し、星を増やしました。最後の方に初めて自分で選択をしたことで、何も選択してこなかったこと、視野が狭く自分中心で捉えていた世界は当然ながら一番身近な人にとっては別の世界、その人が中心の世界であったことに気づく。そこに至るまでの緻密な積み重ね、筆の力がとんでも -
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ネタバレ柳原飛馬と望月不三子の人生を昭和、平成、令和までそれぞれ交互に追っていく。
年代も違い、読み始めはこの二人がどう繋がっていくのか全くわからなかったが、後半にやっとつながりお互いに影響する。
どちらも全く違う人生なのに、親の影響を強く受け、方や反面教師のように母のようにはなりたくないと思いながら生きていき、方や父にずっと言われ続けてきたことが頭から離れず、自分はそう生きねばならないと思い込んで生きていた。
この本を読んでいて、親の子どもに与える影響の大きさに改めてにも引き締まる思いがする。
一方で、どんなに自分で考えて選んだ道でも間違うこともあるし、どうにもならないこともある。ギリシャ神話の方舟 -
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ネタバレキツい話が多い読んでて苦しくなった。短編だからなんとか読み切れたが。
三面記事の裏に、みなこのくらいの人の人生が詰まっているのは不思議な気持ちになった。
あとは、主人公が主観で語っていても、事実の部分を繋ぎ合わせればそうではないのでは?と思わせられる文章になっていて、伏線の貼り方が素晴らしかった。
個人的にだが、認知症の話はいつも泣いてしまう。
親をこう見取らなければいけないのでは、という苦しさと、自分もいずれこうなってしまうという恐怖が私を襲うのだ。
そして自分が今祖母を見て見ぬふりをしているというか罪悪感というかに苛まれている