角田光代のレビュー一覧

  • 森に眠る魚

    Posted by ブクログ

    悪人はいない。しかし、自分中心に考え、行動すると不安や疑心が膨らみ行動がエスカレートしてしまう。昨日まで好意を持っていた友人がなにかをきっかけに急に嫌悪してしまう。誰でも、いつでも起きてしまうことではあるが、子供を持ったママ友ってこわいです…

    0
    2026年07月03日
  • しあわせのねだん

    Posted by ブクログ

    角田光代さんのエッセイを読むたびに思うけど、彼女は「普通の日常」を面白くする天才なんだと思う。

    朝から仕事をしながら、お昼ご飯のことばかり考えていたり。見知らぬおばさんにお金をせびられて、その人の人生を勝手に想像して結局お金を渡してしまったり。ちょっと自虐的で、決して自分を大きく見せようとしない。そんな肩の力の抜けたユーモアは、どこかさくらももこさんを思い出させる。

    ページをめくるたびに「次はどんな話なんだろう」と思えて、読み終わる頃には「ああ、まだ終わらないでほしい」と思った。

    「しあわせ」の値段なんて人それぞれだけれど、こんなふうに日常を面白がれる人は、それだけでとても豊かなんだろうなと思う。

    0
    2026年07月03日
  • 今日もごちそうさまでした

    Posted by ブクログ

    これまで読んだ角田光代さんのエッセイはどれも好きなのだけど、中でもこの本はわたしの大好物「食べ物エッセイ」×「角田光代さん」の組み合わせが最高だった。

    野菜全般(特にキノコ類)、青魚、珍味類が大嫌いな偏食児だった角田さんが、30代での食大改革を経て、さまざまな食材に開眼し、その思い出を語ってくれる食好きにはたまらないエッセイ。

    言葉のひとつひとつが絶妙に面白くて、でも無理に面白いこと言ってやろうという気合いが感じられなくて、ナチュラルにこんな面白い文章が書けるってやっぱり才能だよなーなんて思いながら、ときどきふふっと笑いながら読んだ。

    肉と油が好きという角田さんと、幼児の頃から野菜ばかり食べていて肉はあんまりだったわたしは、もともとの食の好みは全然違うものの、お酒が好きだからかつまみっぽい食べ物が好きという共通点もあって、紹介してくれる「手軽で食材を活かした料理」が美味しそうで、色々作りたくなった。

    角田光代さんがより一層好きになってしまい、読み終わってまた数冊エッセイを購入し、無事積読が100冊を超えた。

    0
    2026年07月03日
  • 空中庭園

    Posted by ブクログ

    大好きな角田光代さん作品。

    読めば読むほどだんだん怖くなってくる。表面上はどこにでもありそうな4人家族のお話なのに、家族のそれぞれが隠しているというか、表に出さない、きっと永遠に明らかにしないことがそれぞれにあって、それがいつか露呈してしまったらどうなるんだろう?と考えると怖くて仕方のない作品。

    私の家族にも思い当たることは多少ある。
    家族というだけで何でも分かり合える、話せばわかる、と考えるのは傲慢なんじゃないかと言われているような気がする。親しき仲にも礼儀ありみたいに、家族というのはそういうちょっとお互い触れられたくないことや、隠しておきたいことをお互いに持ちながらも家族という集団としてやっていく、みたいなもしかしたらありふれたお話なのかもしれない。

    0
    2026年07月03日
  • 平凡(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白かった。

    死ぬときは絶対幸せにならざるを得ないというか、 自らのこれまでを受容せざるを得ないはずで。
    死ぬ瞬間はきっと平穏が訪れるであろう、という確信のようなものをぼんやり抱えながら生きている私は自分の選択に疑いを持ったことが少ない。
    こう書くと自信過剰っぽくて我ながらすごく嫌な感じだけど、この考えは自分の人生経験の浅さや思考の幼さからくるものだと思う。

    本書は短編集であり、その登場人物どれもが成熟した大人である。
    様々な分岐点を経て、当人なりの"平凡"に辿り着いた人間が過去を振り返るとき、それぞれの物語、そして新たな発見が生まれるのが面白かった。

    あのとき、ああしていれば。
    あのとき、という明確な点が思い浮かばなくても、本書が扱うテーマは生きていれば誰しもが考えるものだと思う。
    もしも、について想像を膨らませることは、とても勇気のいる行為だ。
    想像することで現状に満足出来ず不満を抱くこともあるだろう。
    (「月が笑う」で主人公の元から去っていった妻は正にそうだったんじゃないか)
    想像力がマイナスに働くなんて!
    そんな寂しく辛い行為に勤しめるのは人生の酸いも甘いも一通り味わった大人に限る。

    この本は様々な人との出会いや別れを通じてから読んだ本が面白いんだろうな〜と思った。
    またいつか、ゆっくり読み返したい。

    0
    2026年07月01日
  • しあわせのねだん

    Posted by ブクログ

    家計簿の話が面白かった。
    私はよく旅行に行ったり、へんなお買い物をして、無駄づかいしちゃったとしょんぼりすることがあるけど、そのお買い物によって人生エピソードが一個増えるとなるとお得かもと思えてきたかも?

    0
    2026年06月27日
  • 森に眠る魚

    Posted by ブクログ



    ママ友同士の人間関係のお話。

    子供達の受験や各家庭の生活レベルの違いなど、他人と自分を比較する事によって起こる悲劇が最大のテーマとなっている。

    とはいえ、人は自分と他人を比較しないことなど出来るのだろうか。
    千花、瞳、容子、繭子、ユリは私自身なのかもしれない。

    例え他人と自分を比較することをやめられなかったとしても、
    自分の生活の中のささやかな幸せをしっかりと受け止めることが出来てさえいれば、このような悲劇は起こらなかったのではないだろうか。



    0
    2026年06月27日
  • 紙の月

    Posted by ブクログ

    共感できそうでできないお話。
    規模は違えど、 のめり込んで自分が違う自分になってしまう感じが理解できて、見てて苦しかった。最初の方あんまり手が進まんかったけど最後の方どんどん読めた。
    角田光代さんっぽかった。対岸の彼女の方が好きだったな。

    0
    2026年06月27日
  • いつも旅のなか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キューバのヘミングウェイの体験と重なる日常風景を綴った内容が個人的な興味と重なり覚えておきたいと思った。

    角田さんがそのまま現れているような、エッセイだった。

    0
    2026年06月26日
  • 方舟を燃やす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1967年生まれの飛馬、1950年(代くらい?)生まれの不三子、物語が始まった時は何の関係もない2人の人生を、順番に描いていく。

    昭和中期以降、平成、そして令和。こっくりさん、口裂け女、ノストラダムス、Y2K…様々なデマが飛び、その度に大騒ぎするがデマは現実にならない。
    一方で予想もしなかった現実の事件事故が発生する、大きな台風に洪水、大地震、オウムのサリン事件、原発メルトダウン。

    根拠のない噂に振り回され、予想もしない現実に翻弄される2人は、子ども食堂のボランティア活動を通じて交差するのだが、それはもう物語の後半、そしてコロナ。
    デマに翻弄される側だったはずが、デマを振りまく側に立っていた2人の姿を誰が笑えようか?

    一国の総理大臣が自分の地位のために、SNSを通じて世論を操作する、これが都市伝説ではなくてどうやら現実であり、世界一の経済大国の大統領がSNSを駆使して気違いじみた戯言を発信する時代。

    東北地震被災地が復興途上なのに人が来れないオリンピックに建築業者を割く国、能登地震の復興が全く進んでないのに万博に建築業者を割く国

    愚かな姿な主人公たちは俺たちである。この小説はほろ苦い上に結末はハッピーでもバッドでもなく、ただただ愚かを続けていくしかない俺たちの薄暮の未来をまざまざとみせつける。

    0
    2026年06月22日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かったし読みやすかった!!
    最近、友だちと結婚について色々話すけど、本当に正解はないし、どの人生も素敵だなって思った、自分のこれまでの人生も大切にしたいし、周りの人も大切にしようって思った!わたしは指輪も欲しいし式もしたいし旅行も行きたい!!ただしたいって思ってただけだけど、その思い出が未来の自分たちを支えるのかもしれないのかーーー!まだ少し先ではあるけどこれからする予定だから、その時間を大切に過ごしたいし楽しみ!!まだまだ側から見たら若いよなーーー自分、大変なことも沢山あるだろうけど形を変えながらでもずーっと一緒にいれますように!!ってなった!

    0
    2026年06月22日
  • さがしもの

    Posted by ブクログ

    本にまつわる短編集

    本を開くだけであふれだす記憶たち。心が確かにそこにあったことを思い出させてくれる本。個人的に20代に出会えてよかった女性作家第一位。角田さんのおかげでタイで一人バックパッカーしたりライブに明け暮れたり。感謝しかありません

    0
    2026年06月20日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    言葉を扱うプロたちのトークはおもしろく、
    意外な一面や交友関係が知れたのも読んでいて楽しかった。
    作家さんたちがお勧めしている本がどれも本屋さんで入手するのが難しそうなものばかりで思わずにやにや。いつか出会いたいと思いながら読みたいリストに書き連ねた

    0
    2026年06月20日
  • 紙の月

    Posted by ブクログ

    横領する人の心理が丁寧に描かれていて読み進めるのが苦しくなったが、続きを読まずにはいられなかった。スリリングでヒヤヒヤ。私には横領は無理だと思った(笑
    莉花の感覚が麻痺していく様は、なるほど!こういう心理状態にならなきゃ一億円も横領できないわなぁ〜と納得。

    0
    2026年06月19日
  • ちょっと角の酒屋まで

    Posted by ブクログ

    どの話も面白くて共感できて楽しく読んだ。特に『雄弁な犬たち』の話が興味深い。私もワンコ達のそういう思いを感じてたよ!角田先生よくぞ文字化してくれました!『雄弁な犬たち』が掲載された『それぞれに合った方法』の章は共感の嵐だった。

    0
    2026年06月18日
  • ツリーハウス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦前から現代に至る長い長い根っこ。その根っこは満州で出会い、逃げて逃げて、日本にたどり着く。ほー、長かったけれど、おもしろかった。登場人物が多すぎて、誰が誰やら分からなくなったことは多々あった。ミステリーのように枝が繋がって、お婆ちゃんが夫婦に会えなかったことは残念だけど、縁が繋がっていくんだと思った。満州事変という裏側にこんな日本人がいたかもしれないことを、本当はもっと興味を持って知らないといけない。世界情勢を絡めた描き方なのに、分かりやすい。角田光代という作家の底はまだまだ見えていない。

    登場人物一人一人にコメントをつけられるのに、文字数がそれを許してくれない。そもそも名前を覚えてないわけだけど。家族ってこんなふうに作られるのかもしれない。

    バラバラな短編なのに繋がってる。それが作品になる。接ぎ木されていく木のように。

    0
    2026年06月18日
  • なんでわざわざ中年体育

    Posted by ブクログ

    運動嫌いを公言している角田光代が書いた本ということで、どうせゆるい運動の体験記だろうと先入観を持って読み始める。

    角田光代は大の酒好きで、ラン後の飲み会目当てで、友人がやっている会に入っているのだが、数年間毎週末、必ず10〜20キロを走っていたところへ、『Number Do』という雑誌から声がかかり、フルマラソンにチャレンジするのである。

    最初の東京マラソンで4時間43分で完走して以後、10回以上フルマラソンを完走し、トレイルラン、登山なども行う。
    いずれも、いやでたまらないのを我慢して参加しているらしいが、すごいと思う。
    マラソン前日にお酒を飲んでから参加というのも信じられない。 
    なにごとも始めてしまうとずるずるやめないという習性をもっていると自分で言っているが、継続は力なりだよね。
    (ずいぶん前の本なので、現在はどうされているのだろうか。)

    コミックエッセイのたかぎなおこさんも、一時マラソンものを何冊か書いていたが、いつも完走していたし、それを思い出す。

    たぶん、私は1キロも走れないだろうな。

    0
    2026年06月17日
  • 愛がなんだ

    Posted by ブクログ

    安定の角田光代さん! 主人公の恋愛感にイライラしながら?笑
    先の展開がどうなるのか楽しみながら読めました♪
    角田光代さんの「八日目の蝉」もお勧めです!

    0
    2026年06月17日
  • 紙の月

    Posted by ブクログ

    簡単に言えば買い物依存症の女性たちの話。
    これ、誰にでも身に覚えのあることなんじゃないかなと思います。
    この小説は満たされない何かを埋めるものが物欲に依存することだったんですが、ギャンブルや恋愛なんかもそうですよね。
    私はここまでのタガが外れた飢餓感はないですが、ほんの些細なきっかけで、誰にでも起こりうると思うと怖いですね。
    梨花、ずっと気づかないふりができていたらよかったのにね…やり過ごせてたらよかったのにね…と思ってしまいました。
    何も残らない過ぎる…

    0
    2026年06月16日
  • 方舟を燃やす

    Posted by ブクログ

    世の中の流れが早くて、情報も多くて、気持ちも頭も充填されっぱなしになるときがある。
    未知なもの、未確定なものがこわくて、
    不安や恐怖でいっぱいになる。
    不安を払拭したくて、情報に飛び込むと、また不安を煽られる。
    そうゆうときはだいたい「べき」とか「常識」「正解」とか「普通」を安心したくなる。

    わからないことがあるということを、もっと受け入れないといけないのかもしれない。

    飛馬が祖父や父母からつながれてきたもの。
    不三子が子供たちにつなぎたかったもの。
    飛馬も不三子もそれらから解放されたときに、少し生きやすくなったように見えた。
    方舟=次世代へつなぐものだとしたら、この本のタイトルが表すことはなんなんだろう。

    また時間を置いて、改めて読んでみよう。

    0
    2026年06月14日