光文社文庫作品一覧

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  • わたしの台所
    4.5
    「番茶も出花。お茶に大切なのは、のみごろである。……つまり、美味しいものを食べるためには、すべて、ころあいこそが大事」下町育ちの著者は、日々の暮らしを心豊かにしたいと願い、質素で昔ながらの生活の知恵を大切にし、一日一日を丁寧(ていねい)に生きた。高齢化が進むなかで、古き良き時代の暮らしぶりを描き、失われつつある風習を現代(いま)の人たちに伝える好エッセイ集。
  • わたしを深く埋めて~花妖殺人事件~
    -
    千々岩乱(ちぢいわみだれ)、62歳。警察庁嘱託、捜査指導官。職人肌の腕を惜しんだ警察庁刑事局長がつくらせた特例ポストだ。息子の死によって未亡人となった嫁の雪子と連れだって、吉野山に温泉と桜を楽しみに来た千々岩は、桜の樹の下での殺人事件に遭遇する。数日後、京都の円山(まるやま)公園でも、桜の樹の下に死体が……。桜の花に狂わされた情念に、推理の職人が挑む!
  • 白い霧~渡り用人 片桐弦一郎控~
    4.3
    次期藩主の座をめぐる政争が幕府に発覚し、安芸津(あきつ)藩はお取り潰しとなった。江戸藩邸詰めの片桐弦一郎は、浪人となり、神田の裏長屋で暮らしている。突然の改易(かいえき)でこの世の無常、悲哀を知った弦一郎は、傭われ用人として、苦しい内情ながらも体面だけは重んじる武家屋敷の建て直しを図る。―市井(しせい)の人々の縺(もつ)れた事件を人情味豊かに始末する、傑作新シリーズ。
  • 稚内殺人旅情
    -
    長野県豊科(とよしな)署管内で発見された男の轢殺(れきさつ)死体。そこには、たんなる轢(ひ)き逃げ事件ではない、明確な殺意の存在が窺われた。目撃者を名乗る女からの不可思議な電話と、郵送されてきた犯人の似顔絵。男は、なぜ殺されなければならなかったのか? 事件の真相を追って、小樽から稚内へ。サハリンが見える極北の地で、刑事・道原伝吉(みちはらでんきち)の地を這うような捜査が始まる!
  • 和時計の館の殺人
    3.4
    田舎町の旧家・天知家で遺言が公開された夜、事件は起こった! 一人、また一人と凶行に倒れる相続人たち――。遺言の内容は決して殺人を引き起こすような内容とは思えなかったのだが……。弁護士・森江春策が、連続殺人事件の深層に切り込んでゆく! 屋敷を埋め尽くした和時計に隠された秘密とは? 魅惑的な謎と鮮やかな論理に彩られた本格推理の金字塔!
  • 笑う心臓
    -
    L.A.で移植を受けた順子(よりこ)は、おぞましい夢を見はじめ、性欲過剰になり、性格も変貌(へんぼう)していく自分自身に怯(おび)えていた。街中で忽然と現われた〃男〃は、「いとしい息子の心臓はたしかにおまえに預けたぞ」と告げた。不安のうちに帰国した彼女を、〃邪悪な意志〃が待ち受けていた! 臓器売買の実態、邪教(カルト)集団の報復、心臓を抉(えぐ)りとる連続猟奇殺人事件。新たな恐怖の扉が開く。
  • 笑う忠臣蔵~女子大生桜川東子の推理~
    3.3
    夜ごとバーに集う私立探偵の工藤とライターの山内に、マスターの島。3人揃ってヤクドシトリオは往年の銀幕スター話に興ずる。そこに美貌の大学院生桜川東子が揃えば未解決事件の話題に様変わり。アルバイトの阪東いるかも加わり、いっそうにぎやかに盛り上がる! 今回はあっと驚く歌舞伎の新解釈で、東子が見事に真相を究明! 大好評のバー・ミステリシリーズ!(『笑う娘道成寺~女子大生桜川東子の推理~』改題)
  • 笑う肉仮面〈少年篇〉
    5.0
    ある夜、大富豪織部家の長男・弓太郎少年は、財産を狙う3人の悪党によって顔に奇怪な手術をされてしまった。そして遠くの島に流された。そこで出会った少女とともに、老手品師に育てられ成長する。7年後、15歳になった少年は、生まれ故郷にやってきたが……(表題作)。幅広いジャンルの作品を持つ著者が、少年・少女のために描いた異色の名作15編を収録!
  • わるい風~鬼貫警部事件簿~
    3.5
    歯科診療所の昼の休み時間、その男は現れた。突然歯痛に襲われた急患だった。男の名前を聞いて歯科医は愕然とする。大切なひとり娘を自殺に追い込んだ新劇の演出家だったのだ。千載一遇の復讐のチャンスに、医師は男を殺害、完全犯罪を目論むが……。(「わるい風」) 控え目だが着実に事件解決に迫る名探偵・鬼貫警部の推理力と人間的魅力。傑作短編集!
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険
    4.2
    北海道トムラウシの山村留学から福井に帰ってきた宮下家。子供たちの妄想犬だった白い柴犬ワンさぶ子が実際に家族の一員となった。三人の子供たちは大学生、高校生、中学生となり、それぞれ自分の道を歩き始めていく。広がる世界、音楽とともに自由を楽しむ宮下家五人と一匹の、笑いと涙溢れる感動の三年間の記録を描いた作品が待望の文庫化。「一年後」を描いた小説宝石掲載エッセイ、「その後」を描いた宮下奈都氏のあとがきも!
  • ヴァケーション~異形コレクションLV~
    3.8
    〈ヴァケーション〉という言葉。そこには、非日常の響きがします。季節は初夏。緑は輝き、水面は燦めき、澄んだ大気も芳しい。色彩豊かな物語世界へと出かけてみましょう。物語の織りなす非日常。短い物語による長い休暇の物語。自由時間のように蠱惑的な異形の世界を、どうかごゆっくりお愉しみください。(編集序文より)
  • ヴィラ・マグノリアの殺人
    3.7
    海を臨(のぞ)むヴィラ・マグノリア。その空き家になった一棟で、死体が発見された。ヴィラの住人は一癖(ひとくせ)ある人ばかりで、担当刑事達は聞き込み一つにてんてこ舞い。捜査に手間取るうちに、ヴィラの住人が殺される第二の事件が発生! 二つの事件のつながりはどこに? 住人達の素顔も次第に明らかになって――。粒よりユーモアをちりばめたコージー・ミステリーの快作!

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