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素顔のままで
一代で大病院を築きあげた男。その裏に潜む暗い影をレールを外れた若手外科医と美人ナースが追う…『偽造カルテ』 前市長派との激戦が予想される中、再選を目論む市長。意欲的な公約を実現させるため、知人から紹介されたのは「ブラックテイル」と呼ばれる謎めいた男だった。強引な手段も辞さない、その謎の男の背景とは…第19回小説CLUB新人賞受賞作『ブラックテイル』 有力地銀における出世競争。天(官)から地銀へ人が下ってくる「天地人」の慣例を破り、初の生え抜き頭取となるべく天童取締役が特命を与えたのは、行内きっての問題児・織田。その型破りな行動が、役員会を震撼させる…『天地人』 薬品会社の大番頭・本宮の死。狂言自殺との断定に疑問を持った老刑事・サワは、調査の末、意外な真実を知ることとなる…表題作『素顔のままで』 人間の悲哀を描いた社会派ミステリー短編集。 -
YAWARA、その愛。
出会いは96年のアトランタ・オリンピック。野球の日本代表で出場したヨシ君(仮名)と、女子柔道家のYAWARAちゃん(仮名)。共に銀メダルを獲得し、その後、ヨシ君(仮名)は好守好打の名選手に成長。YAWARAちゃん(仮名)もシドニー・オリンピックにて金メダルを獲得。そんな幸せの絶頂期に、YAWARAちゃん(仮名)の口から交際宣言!順調に愛を育み、結婚に向かう2人。ただ一つをのぞいて全ては順調だった。そう、ただ一つをのぞいて・・・。史上最強のインタビュアー・吉田豪氏によるオリジナル小説が電子書籍で登場!国家レベルの純愛物語! -
結婚ってなんのため?「念のため」
28歳の女子三人組。恋愛から結婚へと向かうのだが¥n¥n同級生の28歳仲良し三人組女子。一人が結婚へと。そこから始まった二人の婚活。なのだが、だんだんと結婚の意味が不明に。¥n¥n【目次】¥n表紙¥n 結婚ってなんのため?「念のため」¥n奥付¥n¥n【著者】¥n村上浩志¥n1962年生。実名は上田浩良。東京都渋谷区広尾在住。¥n1980年代から音楽業界の仕事を始める。¥nその後、音楽以外に広告や舞台制作の事業も。1990年代に、音楽プロダクション「株式会社アーティマージュ」を設立し、会長として本格的に音楽事業へ。「m-flo」など、CDアルバム販売累計100万を越すアーティストを輩出。¥n数年前に音楽業界を引退し、10代の頃からの作品100作ほどの小説をまとめ始める。¥n2022年、長編小説「最終小節のダルセーニョ」を出版発売。¥n -
妖精令嬢のふたつめの恋
かつてこの王国に攻め入り支配しようとし、人間に敗れ去った悪しき妖精。 その特徴である赤い目と髪を持って生まれた伯爵令嬢のリコリスは、《妖精の取り替え子》として、家族にも領民にも忌み嫌われ生きてきた。 だが、第2王子であるシルヴァだけは違った。 彼に侍女として仕える中で、リコリスは彼に恋心を抱きながらも、叶わぬ願いと思い、そっと彼の幸せを願っていた。 しかし建国にまつわる祝祭の夜、シルヴァが何者からか襲撃を受け、彼をかばおうとしたリコリスも重傷を負ってしまう。 彼だけでも助かって欲しいと切に祈り、リコリスは命を落とした――はずが、時は彼と初めて出逢った1年前に巻き戻っていた。 シルヴァの死の運命を変えるため、リコリスは1年後の祝祭の夜までに真実を解き明かそうと決意する。 だが、初対面のはずのシルヴァから、「一目惚れした」となぜかいきなり求婚されてしまい……!? 「十番様の縁結び」シリーズの著者が贈る、死に戻り×西洋風ロマンス! -
「特殊捜査班カルテット 新装版」シリーズ【全3冊合本版】
警察にはできないやり方で犯罪を暴く、異端者四人組の潜入捜査!子供の頃、家族を何者かに惨殺され、怒りに衝き動かされるタケル。中国残留孤児三世に生まれたことで日本人を憎むホウ。出自から目的まで、すべてが謎に包まれたカスミ。そして、3人を特殊捜査チームに仕立てようと目論む、警視庁の異端者クチナワ。それぞれの想いを秘めた4人が犯罪に立ち向かう――。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、スピーディーでバイオレンスなエンタテインメント巨編。※本電子書籍は下記3冊を1冊にまとめた合本版です。『生贄のマチ 特殊捜査班カルテット 新装版』『解放者 特殊捜査班カルテット2 新装版』『十字架の王女 特殊捜査班カルテット3 新装版』 -
視えないけど当たります
オカルト系配信を生業とする榊カナは、霊能者として伝説的な存在の祖母を持ち、自身も占いや除霊、霊視配信などを行う美人霊能者として人気が出始めている。 だが本当は霊感ゼロで、持ち前の勘と演技力で視聴者を騙しているインチキ霊能者。 それを元詐欺師の山本ヤマト(通称ヤマ)という男に見抜かれてしまい、なし崩し的に組んでインチキ心霊相談を行っている。 悩みがあったり気が弱ったりしている人、心霊現象と思い込んでいる人をターゲットに、インチキ霊視や除霊、祈祷を行い、解決料として金を稼いでいるのだ。 骨董品店の呪物のいわく付きの蓄音機、有名霊能者との心霊生配信対決、地域の祭りに現われる狐火騒動など、カナとヤマは霊能力“以外”で事件に隠された真実を次々と解き明かしていく。 だがそれぞれの心霊事件の裏には、陰で糸を引くある存在、そして2人の過去とも関わりが……? 「意味が分かると怖い話」シリーズで人気の著者が放つ、異色のオカルト×お仕事(!?)物語! -
帝都おりえに屋のささやかな奇跡
時は明治。日本のはるか北西にあるオリエニア小国の奇術である“虹術”が、異国の女奇術師・喜祭折栄(きさいおりえ)の人気とともに日本で一世を風靡するも、彼女の謎の失踪とともにその人気も下火になったころ。 山棚恵(やまだなめぐみ)はある特異な体質のせいで、故郷で肩身の狭い思いをしていた。そんな彼女のもとにある日一通の手紙が届く。内容は、なんとオリエニア人の知人・エーミルからの求婚の手紙であった。恵はエーミルに会うため彼の住む帝都の邸宅に向かうが、しかしそこにエーミルの姿はなく、代わりに「おりえに屋」というなんでも屋を営む青年・冬鳥礼央(ふゆどりれお)と出会う。美しい容姿を持つ礼央は、“虹術”を使いながら「おりえに屋」に持ち込まれる人々の悩みを解決していた。恵も「おりえに屋」を手伝ううちに、いつしか二人の間には絆が生まれていき……。 派手ではないけれどささやかな虹術が、街の人々の、そして恵や礼央自身の心も癒やしていく。不思議な明治ファンタジー! -
月見荘にただいま
四〇歳になり、周囲の気遣いが重荷になった独身のキャリアウーマン・香澄。完璧な母であろうとするシングルマザーの美海。年を重ね、伴侶を亡くし、人生を終えたように感じていた七〇前の佐智子。 異なる停滞感を抱える彼女たちは、ひょんなことから月見荘の住人として出会い、互いの悩みを知る。さらに、ミステリアスな男性の住人・綱島が彼女たちの凝り固まった価値観を揺さぶり始め――? それぞれが、自分らしく生きて新しい世界へと一歩を踏み出していく物語。 -
明日、僕は死ぬ。君は生き返る。
『寿命の半分で、死んでしまった人を生き返らせる』 鬱屈した日々を送る高校生の達也が交わした不思議な契約。それは、達也の身体を病で亡くなった少女・春花の魂が一日置きに乗っ取る〈二心同体〉現象の始まりだった。 直接会えない二人を繋ぐのは交換日記だけ。奔放な春花が達也の身体で自由に過ごし、“昨日の自分”に振り回される新たな日常のなかで、達也の孤独な世界は鮮やかに変わり始め……。世界で一番近くて遠い、背中合わせの恋を描く奇跡のラブストーリー。 第19回電撃小説大賞で〈金賞〉を受賞し、話題沸騰となったデビュー作『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』を全編完全リメイク。 登場人物の変更やストーリーの再構成を行い、新たなる感動を巻き起こす――! 【登場人物】 ・榊 達也 とある事情で家にも学校にも居場所がない孤独な男子高校生。 ・姫路春花 病気で亡くなった女子高校生。破天荒で明るい性格。 -
死に戻り令嬢と宿命の鬼
没落華族の令嬢・月宮桔梗は、家のために名門藤山家の次男で心優しい誠二と結婚し穏やかな日々を送っていた。 しかし、その7年後に誠二の兄である鷹彦に一家を惨殺されてしまう。 鷹彦の正体は「鬼」だった。 1人生き残った桔梗は絶望のあまり崖から身を投げるが、気が付くとなぜか7年前に時が巻き戻っていた。 この日から桔梗は同じ人生を繰り返し、平穏だった日常を取り戻そうと足掻くが、最後には必ず鷹彦にすべてを奪われてしまう。 そんな3度目の人生の最後、桔梗は美しいが慇懃無礼な鬼・清影と出会う。 自身が類稀なる“支配の奇術”の持ち主であることを知った桔梗は、清影とともに、この悪夢のような人生の繰り返しに終止符を打つため奔走するが……。 第11回 角川文庫キャラクター小説大賞 〈読者賞〉&〈カクヨムテーマ賞〉W受賞作! -
私労働小説シリーズ【2冊合本版】
『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』「あたしのシットはあたしが決める」ベビーシッター、工場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分を愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンなのだ。『私労働小説 負債の重力にあらがって』Don‘t Blame Yourself!セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。 ※本電子書籍は、2023年10月刊『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』と25年10月刊『私労働小説 負債の重力にあらがって』の2冊を収録した合本形式での配信となります。 -
小説家のための編集教室
どこを直せばよいかわかる。書き直すたび、うまくなる。 ベテラン小説編集者と学ぶ、自分の手で作品を完成させる〈編集〉のレッスン。 そう、本当に求めていたのは書き方でも稼ぎ方でもない。「磨き方」なのだ。 ——青崎有吾(小説家・『地雷グリコ』) 小説の書き方を教える本はたくさんあります。 でも、書き上げた原稿を「どう直すか」を教える本は、ほとんどありません。 本書は、多くの新人作家をデビューへ導いてきたベテラン小説編集者が、作家が自分の作品を改善し、物語の魅力を引き出すための「セルフ・エディティング」の技法を惜しみなく明かした一冊です。刊行以来30年以上にわたって愛読されてきた、小説家の必携書です。 人物造形、場面描写、会話、モノローグ、動詞の選び方、改行の位置──。 小説編集者が原稿のどこに目をとめ、どう直すのか。誰もが知る名作から新人作家の習作まで、幅広い小説作品を題材に、修正のポイントと添削前後の文章を豊富に紹介します。 また、各章末には「編集のためのチェックリスト」「練習問題」を収録。自分の書いた原稿のどこを見直せばよいか、実践を通じて推敲の技術を身につけることができます。 本書を読み進めるうちに、あなたは自分の原稿を編集者の目で読めるようになるでしょう。 削り、直し、みがき上げる。本当に書きたかった物語の芯をつかみ、自分だけの文体=ボイスを見つけるために。 小説を書く人はもちろん、ライター、編集者、文章を仕事にするすべての人に役立つ一冊です。 -
イレナ・レイの消滅
ブッカー国際賞受賞の翻訳家が仕掛ける罠 国際ブッカー賞受賞、 ノーベル文学賞受賞作家を手がける 世界的な文芸翻訳家による言語と翻訳と陰謀の物語。 クロフトの書きぶりには傑出した力強さがある。 ──オルガ・トカルチュク(ノーベル文学賞受賞作家) いくつもの言語を手なずける言語の匠にしか書けない。 ──ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー『フライデー・ブラック』 ノーベル文学賞の有力候補であるポーランドの作家イレナ・レイが新作長編を書き上げたという報に、彼女の作品を担当してきた各言語の翻訳者たちがポーランドの森に集まった。この森の村に、作家の住処があり、そこで合宿をしながら新作を翻訳するためである。 英語、スペイン語、スロヴェニア語、セルビア語、ドイツ語、ウクライナ語、フランス語、そして初参加のスウェーデン語。各言語の翻訳者たちはお互いの名前も知らず、ただイレナ・レイの作品の崇拝者として、これから一つ屋根の下で暮らすことになる。いつものように。 しかし今回はどこかおかしかった。イレナの夫の姿はなく、イレナ本人の言動もどこか奇妙で、やがて「開封禁止」という謎のメールをよこした直後、イレナは忽然と姿を消した── 恐慌に陥る八人の翻訳者たち。手がかりは新作の原稿の中にあるのか。あるいはイレナの家の中にあるのか。イレナ・レイが隠してきた秘密とは何なのか? 翻訳者としてオルガ・トカルチュクらの世界文学を手がけ、国際ブッカー賞を受賞したジェニファー・クロフトが、ヴィトルド・ゴンブローヴィッチにインスパイアされて紡ぎ出した、言葉と創作と翻訳、謎と森と菌類をめぐる長編小説。 -
別冊GUNZOU
1946年に創刊した講談社がほこる文芸誌――「群像」。 2026年10月号をもって創刊80周年を迎えることを記念し、「別冊GUNZOU」をお届けします! 日本の文学が世界でも脚光を浴びるようになった今、これから先必ずや「世界」でも注目されること必至の実力作家6名が、同一テーマのもとに書き下ろした作品で豪華共演&英訳も同時収録!! 6名の作家と6名の翻訳家が一堂に会したことで生み出された最前線の言葉たち。 創刊80周年を彩る「世界」文学をぜひ、お楽しみください! ~~~豪華収録作!~~~ 彩瀬まる 「私たちは星」 井戸川射子 「もっと大きな鳥がいたはずなんだけど」 今村夏子 「今日で最後」 柴崎友香 「なにもしていない」 豊永浩平 「ETCカードが挿入されていません。」 宮内悠介 「七つの性をもつ男」 Maru Ayase 「We Are Stars」 Translated by Haydn Trowell Iko Idogawa 「Wasn’t There a Bigger Bird?」 Translated by Jesse Kirkwood Natsuko Imamura 「After Today, That’s It」 Translated by Lucy North Tomoka Shibasaki 「Nothing to Do With It」 Translated by Eriko Ikeda Kay Kohei Toyonaga 「ETC Card Is Not Inserted.」 Translated by Kalau Almony Yusuke Miyauchi 「The Man with Seven Genders」 Translated by Matt Treyvaud -
だれか、わたしを助けて
【2026年 ジョイス・キャロル・オーツ賞 受賞】 ◎間室道子さん(代官山 蔦屋書店) とにかく「極寒の町」を読んでほしい! ラストに押し寄せる胸の痛みは、マイナス六十度の町で呼吸し、 生きてる人々の愛と命を体感させる。 ◎河出真美さん(梅田 蔦屋書店) たった数十ページで、登場人物の数十年分の人生が あなたの前に立ち現れてくる。 わたしの人生と似ても似つかないかれらの人生を覗いて、 それでもわたしは思っていた。 あなたの気持ちがわかる、あなたのことを知っている、と。 ◎梅﨑実奈さん(紀伊國屋書店新宿本店) エリカ・クラウスの物語が最高潮に輝く瞬間は、 常にラストシーンだ。 どんな悲劇が展開されようとも、単純な涙では終わらない。 この途方もない余韻は、圧倒的に詩である。 ◎古屋美登里さん わたしはこれまでさまざまな作家の作品を読んだり、 訳したりしてきたが、 これほど胸が震える小説に出会ったことはない。 ***** 逃れようのない現実を前に、わたしも、あなたも、「だれか、助けて」と心の中で叫んでいる。 極寒の町を捨て、運命の男と共に出ていくのか。 愛する人が死を望む時、この手で殺せるのか。 赤の他人の子どもたちを、本当に救うのか──。 岐路に立つ12人の、それぞれの決断。 『いつかわたしに会いにきて』で熱烈な支持を集めたエリカ・クラウス、待望の最新短篇集。 ***** 【目次】 日本の読者のみなさまへ 極寒の町 ピアノ ダッジ通りの北側 ヘラジカを食べてくれ だれか、わたしを助けて バンコクにいると 立っている男 ユダヤ人 神を畏れるごとく我を畏れよ あなたとなら一晩中こうしていられるけど、それって人生で最悪の夜になりそう ブルー・ホール 心臓と大血管損傷 訳者あとがき ***** -
売女の人殺し
恐怖と悪夢、その背後にある笑いと底知れぬ悲哀。ボラーニョの分身とされるおなじみ〈B〉やアルトゥーロ・ベラーノらがふたたび登場する13篇。貴重な自伝的エピソードも含む、生前最後の短篇集。 「女ってのは売女の人殺しよ、マックス、立ち枯れた木の上から地平線を見つめている凍えた猿、闇のなかで泣きながら、決して口にすることのできない言葉を求めながらあなたを探しているお姫さまなの。わたしたちは誤解のなかに生き、人生のサイクルをつくり上げているのよ」(「売女の人殺し」より) インドから帰還した同性愛者のカメラマンの秘められた記憶、Bと父がアカプルコで過ごした奇妙な夏休み、元サッカー選手が語る、謎のチームメートとの思い出……恐怖と悪夢、その背後にある笑いと底知れぬ悲哀。ボラーニョの分身とされるおなじみ〈B〉やアルトゥーロ・ベラーノらが再び登場する13篇。貴重な自伝的エピソードも含む、生前最後の短篇集。 [解説]若島正 -
ヒトならざる、ケモノ
エブリスタ×竹書房 Web小説コンテスト大賞受賞のクライムサスペンス! 「さて、始めましょうか。処刑の時間です」 切り落とされた人体の一部とともに届いた、生配信への招待状。 そして開宴する戦慄の「処刑部屋」。 熱血刑事が追うSNS参加型Web殺人事件、その奥に隠された驚愕の真相とは!? ある日、錦糸公園の噴水で発見された人間の両腕。 そこには動画サイトへ誘導する黒い招待状が添えられていた。 指定の21時、画面に現れたのは仮面を被った不気味な人物と、椅子に縛り付けられた両腕のない「被告人」。 仮面の男は「被告人」の性犯罪を暴くと、視聴者へ「有罪」か「無罪」かの判断を委ねる過激な生配信=「処刑部屋」を開始する。 その後も警察を嘲笑うかのように、事件は第二、第三の被害者を生み出し、凄惨な処刑とともに、犠牲者たちの醜悪な素顔が暴かれる。 捜査を進める刑事・有瀬光多は、一連の事件の陰に「葉田里乃」というすでに亡くなった一人の少女の存在と、彼女をめぐる男たちの異常な愛憎劇に辿り着く。 法で裁けぬ悪を討つ正義か、ただの凄惨な復讐か。 理性を捨てて《ケモノ》と化した犯人と、葛藤する刑事の執念が交錯する、ノンストップ・クライムサスペンス! 「私が裁く。人間を捨てた、本当の獣たちを――」 -
P+D BOOKS 女箸
男女の愛と欲を様々な角度でとらえた作品集。 ――克子はもう、何といつていいかわからない。まさか、こんなにまで決定的な勝利感を、二十年もたつてから早苗に対して味わおうとは空想もしてみなかつたことだ。早苗は、まさか、若い美青年に襲われるというようなスリルと快楽には無縁だろう。克子は、急に速夫がいとしくなり、この男が帰つたら、二階の速夫の部屋を訪ねてみようかと思つた。(「男客」)―― 子どものころから劣等感を味わってきた克子。とくに早苗には、小学校から女学校まで容姿でも才能でもまったく歯が立たなかった。時が流れ、流行作家の妻となっていた克子は、夫の甥に迫られ、自分の魅力が残っていたことに幸せな気分になった。続いて早苗の夫と名乗る人が現れたが、そのしょぼくれた風采を見て、克子は優越感を覚える。だが、その男の正体は信じがたいものだった……。 男女の愛と欲を描いた「男客」「ある晴れた日に」「女たらし」など7つの短篇に、表題作「女箸」を含む掌篇15作から成る「星くず」を加えた名作品集。 -
P+D BOOKS ある美人の一生
男性上位時代を気丈に生き抜いた女性の生涯。 ――わき子は、打ちのめされた。 良人(おっと)は、妾宅をかまえていたのである。……男というものは、狡猾で、不潔で、いやらしいケダモノだった。彼女は、良人が、一時に、遠い他人になって、身辺にいなくなったのを感じた。―― 美人で名高い疋田家の長女・わき子は、数々の縁談のなかから帝国大学出の医師と結婚する。夫の富太郎は美男の上に寛容、夫の家族もやさしくて、非の打ちどころのない結婚生活が始まった。やがて男の子が生まれるが、病気で亡くなってしまう。富太郎は妻を慰めるために、病院と家を新築。わき子は夫の気遣いのおかげで子を失った喪失感からようやく抜け出せると思った矢先、まじめ一本槍だと思っていた夫に愛人がいたことが明らかになる。はたして完璧だと思われた家庭は、このまま崩壊してしまうのか……。 明治から大正、昭和と、女性は黙って耐えるのが当たり前だった時代を、気丈に生き抜いた女性の生涯を描いた大河小説。
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