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アンナ・カレーニナ
モスクワのオブロンスキー公爵家では、夫のステパンの不倫を知って、妻のドリーがいっしょに暮らせないと言い出す。ステパンはペテルプルグにいる妹のアンナに助けを求める。同じころ、ステパンの親友で田舎暮らしのレーヴィンが、ドリーの妹キティーに求婚しようとモスクワにやってくる。しかし、キティーには意中の人、ウロンスキー伯という美貌の青年士官があった。そのウロンスキーは母を迎えに出た駅で、ペテルブルグからやってきたアンナ夫人と出会う。アンナの到来で、オブロンスキー夫妻の仲はまるくおさまる。ペテルブルグに帰る前日の舞踏会でアンナはふたたびウロンスキーに会い、二人は楽しげに踊る…これがアンナの破滅への序章だった。文豪トルストイが心血を注いで完成させた名作。 -
ホームズの生還
ホームズが宿敵モリアーティ教授もろともライヘンバッハの滝壷の底に消えて3年。失意の日々を送るワトスン医師のもとへ一人の老人が訪れた。その老人の正体は、なんと死んだはずのホームズであった! 喜びの再会と同時に、2人の新たな冒険が始まる。ホームズ物傑作短編第3集「シャーロック・ホームズの生還」から「空家の怪事」「ノーウッドの土建屋」「ひとり自転車を走らせる女」「プライアリ学院」「踊り人形」「ブラック・ピーター殺し」「奸賊ミルヴァートン」「六個のナポレオン」「三人の学生」「金縁(きんぶち)の鼻眼鏡」「スリー・クォーターの失踪」「アビ農場の屋敷」「第二のしみ」13編を収録。 -
変身
「ある朝のこと、落ちつけぬまどろみの夢からさめたとき、グレゴール・ザムザは寝床のなかで一匹のばかでかい毒虫に変わった自分に気がついた。かたい甲羅(こうら)のせなかを下にした寝姿だった。ちょっと頭をもたげてみると、せりあがったアーチ型の腹部が見えた。鳶(とび)色の、固い環節(かんせつ)でいく重にも仕切られている。そのお腹(なか)のてっぺんには、掛けた布団がいまにもずり落ちそうなかっこうで、やっとこふみとどまっているしまつ」……セールスマン、グレゴール・ザムザのへんてこりんな「変身」を通じて家族に引き起こされる悲喜劇。奇才カフカの面目躍如たる短編。 -
カラマーゾフの兄弟
フョードル・カラマーゾフは金と女にしか興味のないような悪魔的な男だったが、彼には3人の息子と1人の私生児があった。長男ドミートリイは27歳の退役士官で、婚約をむすんだ娘がありながら、妖婦グルーシェンカに恋慕して父親の恋敵になる。次男のイワンは合理主義者、無神論者である。三男のアリョーシャは幼いときから僧院に入って修業し、キリストの愛によって肉親を和解させようとする。私生児のスメルジャコーフは癲癇の発作もちで、悪がしこく、自分の出生に恨みを抱いて生きている。入り組んだ愛憎のもつれのなかで、フョードルが何者かによって殺害される。あらゆる証言からみて状況はドミートリイにとって不利なことばかりで、結局彼は起訴され裁判にかけられる……人間の獣性と神性をみごとに描きつくした大作。 -
白痴
霧ふかいある冬の朝、ペテルブルグの終着駅へと、列車が疲れきったかっこうで物語を運んでくる。三等車の座席に三人の男がいる。色あせた包み一つをかかえてスイスから帰国途中のムィシキン公爵と、熱病やみの男で、着のみ着のままでプスコフからわが家へ帰るラゴージン、そして、赤鼻、吹き出物だらけで、何のために列車に乗っているのか見当もつかぬ、抜け目のないレーベジェフだ。列車の到着後、その日のうちに主人公はほとんどすべての登場人物と会う。…純真な子供のような眼をもつムィシキンを、ひとは「白痴」よばわりする。だが公爵は常にその曇りのない大きな空色の眼に微笑をたたえているのである。……「しんじつ美しい人物を描こうとした人は常に失敗しています。なぜなら、それは量り知れぬほど大きな仕事だからです」ドストエフスキーのこの決意が結実した傑作。 -
神州纐纈城
武田信玄のお気に入りの家臣土屋庄三郎は、ふらりと思い立った夜桜見物で、老人から声をかけられ、見事な深紅の布を売りつけられた。これは、古く中国で人血で染められたという纐纈布だった! だがこの紅巾には、今は行方知れずの庄三郎の父の名が浮いて見え、ひらひらと飛ぶ紅巾に操られて、庄三郎はいつしか富士山麓をさまよっていた。そこには、仮面の城主が君臨する纐纈城があり、神秘的な宗教団、不思議な女能面作り師が隠れ棲み、毎日人を斬らずにはすまない陶器師がうろつき、まさに魑魅魍魎の跋扈する魔界だった。怪異と妖美の世界をめくるめく筆致で描いた、不滅の伝奇文学。
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