小説 - 角川文庫作品一覧

  • 眺望絶佳
    3.7
    自分らしさにもがく人々の、ちょっとだけ奇矯な日々。客に共感メールを送る女性社員、倉庫で自分だけの本を作る男、夫になってほしいと依頼してきた老女。中島ワールドの真骨頂!
  • 東京空港殺人事件
    4.5
    乗客乗員138名を乗せた全日航機が羽田沖で残骸となって発見された。事故の原因を巡っては機体欠陥説と操縦ミス説とに大きく分れたが、航空省の吉村は、第四エンジンだけにあまりにも多くの異常が生じている点に不審を覚える。そんな中、全日航の専務・大塚が空港ホテル室内で刺殺されるが、部屋はドアロック、ドアチェーン共にかけられた密室の状態だった……。人間のエゴと愛憎を鋭く抉った長篇本格ミステリー。
  • 悪夢の設計者
    -
    いまわのVサインは何を意味するのか? 財川財閥の御曹司が、新婚旅行先の伊豆で謎めいたダイイング・メッセージを遺して惨殺された。新妻の多津子は、発見者のチンピラ・水木が夫と瓜二つであることに驚嘆。そのとき、多津子の胸に奸計が浮かび上がった。水木の夫の替え玉に仕立て上げ、財閥の巨富を奪取しようというのだ。悪女と悪党の企みは、はたして正夢と出るか、逆夢に終わるのか――!?
  • バンド・クエスト1 メンバーを捜せ!
    4.0
    「こーんなはずじゃなかったのに」16歳の熱血少女サクコは、まるでやる気のないブラスバンド部の空気にすっかり嫌気がさしていた。「イヤだったら、やめりゃーいいのよ」という親友ツーニーの言葉にも、一途なサクコは「中途半端じゃヤダ」と、悩みは深くなるばかり。だがそんなある晩、サクコはたまたま見たTV番組「ナイスなバンド天国」(ナス天)で、三人組の女の子ロックバンドに衝撃を受ける。音楽=クラシックという図式が確立していたサクコにとって、それは運命の出会いだった! そして翌朝、サクコはツーニーを電話で叩き起こす。「バンド作らない!?」ロックのロの字も知らない女の子のバンド大作戦が、こうしてスタートした……。深沢美潮が描く、リアルでキュートなガールズバンドストーリー、待望の電子化!
  • 袖すりあうも他生の縁
    3.0
    ちょっとした出来事も前世から因縁による。噂だけの知り合い、手紙だけでやりとりする文通相手、飲み屋での常連客仲間。生涯にわたってライバル心を燃やす姉と妹。ごく当たり前の日常生活の中にある様々な人間の絆を鋭く描いた連作短編集。
  • 永遠のタージ
    2.0
    2万人という膨大な職工を22年間動員し続け完成したインド史上最高の建造物タージ・マハル。17世紀ムガール帝国の五代皇帝シャー・ジャハーンは、なぜ全精力を注いでまで絢爛極める廟を建立するに至ったか。親族たりとも信用できぬ戦乱の世で、彼が唯一心を許した妻ムムターズの実像を追いその理由に迫る。またムガール帝国初期までその歴史を遡り、タージ・マハル建造に至るまでの愛憎劇を描く。インドをこよなく愛する著者が幻想のような二人の愛を謳い上げた渾身の歴史大河ロマン。角川文庫50周年特別書き下ろし作品。
  • ナースマン 新米看護士物語
    3.0
    看護は女性がするもの――それは思い込みにしかすぎません。ナースマンとは、看護職(ナース)を一生の仕事に選んだ男(マン)=看護士さん。今注目の仕事です。主人公は「看護界の坂本龍馬を目指す」新米ナースマン・相馬。先輩にどやしつけられたり、お婆ちゃん患者の純情にほろりとしたり、難病患者との意思疎通に悩みぬいたり。スランプを乗り越えて、「患者と一緒に走るタイプの看護士」に成長するまでの一年間を生き生きと描く、まったく新しい病院ノベルです。
  • 緋色の研究
    4.1
    ロンドンで起こった殺人事件。それは時と場所を超えた悲劇の幕引きだった。クールでニヒルな若き日のホームズとワトスンの出会い、そしてコンビ誕生の秘話を描く記念碑的作品、決定版新訳!
  • あいるさん、これは経費ですか? 東京芸能会計事務所
    3.6
    モデルを目指し上京した竜ヶ水隼人は、ある勘違いから芸能人専門の“会計”事務所に就職、美人だが暴走する所長・天王洲あいるにこき使われる日々を過ごしている。 毒舌タレントが突然税理士を変えた本当の理由は? ゴーストライターを見破る方法とは? アイドル税理士と雑用係の天然青年コンビが、数字で業界の謎を解き明かす! 超実用的・会計エンタテインメント!
  • 秘密屋
    1.0
    親の残した多額の借金を背負い憂鬱な毎日を過ごす川岸優雅は、ふと迷い込んだ秘密屋で、大きく運命を変えていく。 裏切り、友情、家族の絆。どんでん返しに次ぐどんでん返しで、意表をつくエブリスタ受賞作。 ※本書は二〇一二年八月、E★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門受賞作「秘密屋」を改稿したものが底本です。
  • 最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵
    3.7
    ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれた、若手俳優の五十嵐海里。全てを失い、郷里の芦屋に戻った彼は、定食屋の夏神留二に救われる。彼の店で働くことになった海里だが、とんでもない客が現れ……
  • 肝臓先生
    3.9
    町医者というものは、風ニモマケズ、雨ニモマケズ、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ――どんな患者も肝臓病に診たてたことから“肝臓先生”とあだ名された伊東の開業医・赤城風雲。戦争まっただなか、赤城は、蔓延する肝臓炎を撲滅せんと、寝食を忘れて研究に没頭、患者のために今日も走りまわっていた……。滑稽にして実直な、忘れ得ぬ人間像を描き出した感動の表題作のほか、「魔の退屈」「私は海をだきしめていたい」「ジロリの女」「行雲流水」を収録。
  • 消えた男
    3.5
    誰だって、殺したい人間の一人くらいいるだろう。都会の薄闇にいざなわれ、さまざまな男と女が織りなしてゆく数々の嘘、夢、罪。そして心の迷宮に見え隠れする、ひそやかな殺意――。突然姿を消した男の行方を探る表題作ほか、つぎつぎと宿泊客が死んでしまうホテルの一室を描いた「自殺ホテル」など、男と女の間にひっそりと横たわる心の“逢魔が時”を描いた、ミステリー小説集。
  • 悪魔の紋章
    -
    無一文からたたき上げて資産を築いた富豪の家に、一家皆殺しの恐怖の予告。不安に怯えていた次女が突然、失踪、蝋人形のように死化粧をされて発見された。現場に残された犯罪史上初の〈三重渦状〉の怪指紋。四日後の葬儀の日、黒く不気味に長女の頬に捺された怪指紋はつぎの殺人を暗示していた……。復讐にこりかたまった殺人鬼に名探偵明智小五郎の冴えた追及の手が伸びる。江戸川乱歩の復讐怪奇物の大傑作。悪魔の紋章/石榴/鬼/を収録。
  • 葡萄街道の殺人
    -
    ひそやかなノックの音がする。深夜、シーズンオフのライン川ぞいのホテルの部屋。綾有里子は不安に襲われた。この不安が、これから先に起きる恐ろしいでき事の予兆であるとは……。麻布のレストラン『つぐみ亭』の女主人有里子は、毎年ワインロードを旅してワインを買いつける。今年は弟夫婦と店の常連の早川教授がひきいるツアーといっしょであった。心にそれぞれの炎を秘めて人々は葡萄街道を下る。爆発のときが刻々と近づく……。
  • パナマ運河の殺人
    3.0
    鶴賀百貨店はロスアンゼルス支店のオープン三周年を記念してロスからパナマ運河を越えフロリダに到る豪華クルーズを行うことになった。社長夫妻・会長夫人ほか三百人以上の参加者の世話役にはM旅行社の牧野蘭子が指名された。蘭子の部下・上杉信吾、単身参加を申込む長井美希子、さらに社長夫人に同行することになった駒沢佐知子――いずれも断ちがたい因縁を持った男女が、何物かに引寄せられるように、このツアーに集って来る……。旅情溢れるミステリーロマン。
  • 斜光
    3.0
    写真館主夕城香留の縁談相手は、華丘弥宵といい、新橋の老舗呉服商の妹で、初婚、香留より七つ若い三十八歳ということだった。写真の中の弥宵に男の影を感じとった香留だったが、見合いの席で弥宵のはかなげな美しさに魅せられてしまう。そんなある夏の朝、温泉町で腐乱屍体が発見された。捜査の結果、被害者が新進政治家の父親で、漁色家だったことが浮かび上る。香留が弥宵に抱いた影は、結婚後も妖しく膨んで行き、因縁に絡めとられた男と女たちを、崩壊の隘路へと駆り立てる――。 カバーイラスト/三嶋 典東
  • 三角館の恐怖
    -
    深夜、三角館とよばれる西洋館に一発の銃声が響いた。くぐもったような低い銃声であった。老人は心臓を撃たれ、即死していた……。暗く広く、陰気な墓場のような二等辺三角形のいびつな建物。その中では、双生児の老人を含む二組の家族のただれた欲望がうごめいていた。十数億の財産の相続をめぐって起きた第一の殺人! 不安をかきたてる前奏曲か、ふいに訪ずれ消えた来客の正体は? 三角館の恐怖/算盤が恋を語る話/月と手袋/モノグラム/火縄銃/を収録。
  • 待っている男
    4.0
    人は人生において、三回真剣に待つことがあるという。いつ来るか。いつ来るか――。男を待っている女がいる。女を待っている男がいる。大人の男女の微妙な駆け引きと打算。そこに、男と女の妖しい関係が見えてくる。不気味な恐怖とユーモア。阿刀田高が描く、男と女のこわ~いお話。
  • 異形の地図
    3.0
    「死んだら骨を海に撒いてほしい」といって自殺した桂子。結核療養所で人妻との道ならぬ恋に身を焦がすN青年。白い渦が蠢く鳴門海峡で6年ぶりに再会したかつての恋人たち。驟雨に煙る苫小牧で、南国の陽が降り注ぐ石垣島で、そして雅と田舎くささが同居する北の城下町、金沢で演じられるうたかたの恋……。甘美で切なく、ミステリアスな男女の恋を流麗なタッチで描く連作長編。
  • せんせいけらいになれ
    4.6
    「詩」に「まちがい」はありません。何でも感じたことを言葉にしてみよう! 先生に、お父さんやお母さんに、飼っている犬に、大きな声で話しかけてみよう。そこから「詩」がはじまるのです―ー。著者・灰谷健次郎の17年間の教師生活の結晶! 子どもたちのみずみずしい言葉が、大人の常識を確実に引っくり返してくれます。灰谷文学の原点となった伝説の名著、遂に電子化。
  • ポニー・テールは、風まかせ
    -
    ハワイ。青空。誰も知らない丘。光の中で、風の中で、ミッキーはパパの眠る十字架の前で、ひとり16歳の誕生日を迎えた。旅の始まりだった。ジャズシンガーとして名を馳せる生き別れたママを訪ねて、ミッキーは太平洋を廻る。ハワイからフィリピンへ、横須賀からグアムへ、いくつもの愛が、別れが、歌が、風のように彼女の中で弾け、謳い、笑い、通りすぎてゆく、陽射しを濡らす涙は、まるで1コーラスの通り雨……。天才少女ドラマー・ミッキーの〈ポニー・テール〉シリーズ第2弾。
  • 英雄伝説
    3.0
    広告代理店の社員佐伯は大手製薬会社に烈な売り込みをはかり、会長に面会する機会を得た。ところが、同席した老人が突然暴漢に射殺された。この事件をひた隠しに隠そうとする製薬会社、そして沈黙を条件に広告契約をまとめようとする佐伯の周辺に相次ぐ殺人。すべてはこの製薬会社が新しく開発を始めた薬品に関係しているらしい。しかもその背後には、古代の神社群が影絵のように浮かびあがるのだが……。 カバーイラスト/杉本一文
  • ビリーがいた夏
    -
    湘南・葉山の海岸に現れた、小さな年寄りのクジラ・ビリー。彼に出会った日、17歳の不良娘・湘の特別な夏は始まった――。友達との別れ、体を張ったケンカ、愛する命の死、そして初体験……。その夏、彼女の経験したすべてを見守り、夢を信じる力をくれたビリー。プロのサックス吹きになる事が、ずっと探していた〈夢〉だと教えてくれた、大切な恋人。人生の一歩を踏み出す、輝く瞬間を描いた青春ファンタジック・ストーリー。
  • 軽井沢の霧の中で
    -
    父親の死をきっかけに、絵里は軽井沢でペンションを始めた。地元の経理士と恋仲になり、逢瀬を終えた夜、彼が殺害された。(アリスの騎士)四人の女性が避暑地で体験する危険なロマネスク・ミステリ。
  • 致死眷属
    -
    峯岡は37歳になる名門私立高校の教師で、美しい妻と可愛い子供にかこまれ、なに不自由なく平穏無事な生活を送っていた。あまりに恵まれている為に感じるものたりなさと不満。その時ふと目にした「ホーム・フレンドリー」という夫婦交換(スワッピング)の機関紙が峯岡夫妻を犯罪の世界へと導いた!! 脅迫。失踪。殺人――。マンネリ化した夫婦の性を刺激する夫婦交換、SMなどの現代風俗をとりいれ、混沌とした都会に潜む「魔性」を鋭く抉る長編問題推理。
  • 山の屍
    3.5
    カルチャースクールで小説の勉強を始めた純子は、受講生仲間から“取材をかねた売春”を勧められた。好奇心に負け、指定された新宿のホテルに行くと、高見友一が待っていた。情事の後、金銭を拒否する純子に高見は自分が書いた「山の屍」という小説を託す。純子はこの小説を自分の作品として懸賞小説に応募し、新人賞を受賞してしまう。ある日、純子を仰天させる電話がかかってきた。それは高見が登山中に転落死し、純子を「一億円の保険金」の受取人に指定しているという内容だった。
  • 杜の都殺人事件
    3.0
    青葉繁る杜の都、仙台。妻と一緒に写っていた謎の男の死に、妻の過去に疑問を持つ夫。父の事故死に不審を抱く美人カメラマン池野真理子。二つの事件が一つに重なった時……トラベルミステリの傑作。
  • 盲目のピアニスト
    4.0
    ある日突然失明した、天才ピアニストとして期待される輝美の周りで次々と人が殺される。気配と音だけが彼女の疑惑を深め、やがて恐ろしい真相が……人の虚実を鮮やかに描き出す出色の短編集。
  • 本因坊殺人事件
    3.3
    宮城県鳴子温泉で高村本因坊と若手浦上八段との間で争われた天棋戦。高村はタイトルを失い、翌日、荒雄湖で水死体で発見された。観戦記者・近江と天才棋士・浦上が謎の殺人に挑む。
  • 佐用姫伝説殺人事件
    3.7
    浅見光彦が陶芸家佐橋登陽の個展会場で出会った評論家景山秀太郎が殺された! 死体上には黄色い砂がまかれ、「佐用姫の……」と書かれたメモが残されていた。浅見が挑む佐用姫の真実とは?
  • 讃岐路殺人事件
    -
    浅見の母が四国霊場巡り中に、交通事故に遭い記憶喪失に。加害者の久保彩奈は瀬戸大橋で自殺。彩奈の不可解な死に疑問を抱いた浅見は、香川県高松へ向かう。讃岐路に浅見の推理が冴える旅情ミステリ。
  • 追分殺人事件
    -
    信濃追分と、かつて本郷追分といわれた東京本郷での男の変死体。この二つの〈追分〉の事件に、信濃のコロンボこと竹村警部と警視庁の切れ者・岡部警部の二人が挑む! 謎の解明のため二人は北海道へ……。
  • 亜愛一郎の転倒
    4.0
    集中豪雨がもたらした土砂崩れで、列車は駅と駅のド真中で完全にストップ。乗客たちは復旧を待つことにしたが、先を急ぐ三人の男たちは徒歩での山越えを決意した。またたく間に道に迷い途方にくれる一行。その時、幸いにも遠くに人家の灯がポツンと見えた。一夜の宿を借りたのはよかったが、これが災難の始まり。前の晩、たしかにあった家が、翌朝には跡形もなく消え失せていた。この地方の伝説通りの怪事件が勃発した! 名探偵亜愛一郎が活躍する傑作事件簿第二弾!
  • 遠野物語remix
    3.5
    山で高笑いする女、赤い顔の河童、天井にぴたりと張り付く人……岩手県遠野の郷にいにしえより伝えられし怪異の数々。柳田國男の『遠野物語』を京極夏彦が深く読み解き、新たに結ぶ。新釈“遠野物語”。
  • ぼくらの秘島探険隊
    3.0
    1巻528円 (税込)
    中二の夏休み。英治、安永をはじめぼくら九人は沖縄に遠征した。沖縄の美しい自然が、アコギなリゾート開発業者によってメチャメチャにされてしまうことを銀鈴荘のまさばあさんから聞いたのがきっかけだ。21世紀には紺碧の海がなくなってしまうなんて許せない!と怒りに燃えたぼくらは、手ごわい土建業者を相手にイタズラ大作戦をくりひろげるが……。サンゴと白浜とマングローブ林に囲まれた小さな秘島を舞台に、元気いっぱい戦った真夏の思い出――。
  • 血と砂
    3.0
    9月初めの仮面舞踏会の夜、下弦の月が照らす広い庭を里子は眺めていた。その時、枯山水の白砂を踏んで、痩男の能面をつけた若い男が近づいた。夢幻能のようなその場面が、北ノ庄浩作との奇妙な出会いであった……。鎌倉の剣道場を破門された浩作は、繁栄と享楽の時代に身を置きながら、そうした自分を冷めた意識で見ていた。陽光溢れる湘南の海辺と街を背景に、70年代初頭の放恣で無軌道な青春の光と影を、虚無とペシミズムの色濃い視線で捉え、鮮かに定着した長編小説。
  • ダブル・スチール
    -
    本多陽一郎、四十六歳。かつてプロ野球の名投手と謳われながら、賭博事件に巻き込まれ、八百長投手の汚名をきせられ球界を追われた男。妻の借金絡みの不祥事も公となって、逃れる様に日本を去って十八年。今ではパリのオペラ通りに日本料理店を構え、地味な生活を営む。そんなとある日、本多は一人の少年と出逢う。ミッシェル寺井。アマ野球チームの剛腕投手。本多は寺井をプロ投手として育てあげ、やがて日本へと導いてゆく。汚辱と栄光の過去は時を越えて、東京の空に弾けた――。
  • 新釈雨月物語
    4.0
    1巻528円 (税込)
    巨匠石川淳が、奔放な想像力と流麗な文体を駆使し、この上田秋成の『雨月物語』を現代に蘇らせる
  • 女ざかり
    -
    1巻528円 (税込)
    私の女としての人生は、何なのか、何だったのか? それぞれに自問をはじめた女ざかりを生きる3人の女性たち――家庭の平和、自分の愛がおびやかされると、わき眼もふらずに立ち向かっていく加世、髪ふり乱したり泣き叫んだりするよりは沈黙を選ぶ乃里子、初めて自分の将来に不安を覚える独身のキャリア・ウーマン、麻子。輝やくような若さが刻々と朽ちつつある実感、今でなければ何もかも取り返しようもなく遅いという切迫感のはざまで、女たちのひたむきな自立がはじまった――。
  • 悪魔の圏内(テリトリー)
    -
    会社へ出勤する代りに、好きな時間に街に出て、若者の嗜好を探る自由勤務。給料は保証され、遊ぶ金まで支給されるこの恵まれた条件に、諸橋は二つ返事で飛びついた。だが半年もすると、会社だけでなく社会からも取り残されたような疎外感に、彼の心は蝕まれていく。一方、一人暮らしの老女が複数の犯人に惨殺される事件が発生。やがて犯人の一人とおぼしき若者の死体が山中から発見された。この二つの事件に共通する遺留品は、一匹の猫の毛だった! 歪んだ現代を描く本格長編推理。
  • 亜愛一郎の逃亡
    5.0
    フツ国国王、トレミー大博士の病状が回復。世界中の人々が愁眉を開いたというニュースの後、テレビは北海道・東北地方を襲った地震をマグニチュード7と告げた。突然の地震と大雪で、北国のホテルニューグランド宮後は一人の客もいなかった。追い打ちをかけるように殺人事件が発生、直後に犯人とおぼしき男が二人飛び込んできたが、追いつめた時、人魂が二つ飛んで二人はかき消えてしまった。亜愛一郎最後の事件簿、そして逃亡。
  • 亜愛一郎の狼狽
    4.0
    人けのない宮前空港で、折からの驟雨にずぶ濡れになって、約二時間も佇んでいる中年男がいた。宮前署の羽田刑事だ。彼はまもなく到着予定の旅客機を待っていた。この機の離陸直前、何者かが爆破を予告したのだ。ふと目を転じた羽田は、写真機のそばを動き回る三人の男に気がついた。中でも、長身の美青年の奇妙な動きが……。隙のない服装と端麗な顔立ち、だが、その挙動は常におどおどして落ち着きがない。ユニークな名探偵亜愛一郎が次々と難事件に挑戦する傑作事件簿!
  • 前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理
    5.0
    裏道にひっそりと立つ「カフェ・フロリアン」。夜はゲイバーとなる店のママは前世がみえると評判で、毎夜、相談者が訪れるが…。前世の因縁と現世の謎を解き明かす、とびきりゴージャスな女装探偵の名推理。
  • SでもMでもなくこれは恋とか愛
    4.3
    心にいる女性は二人だけ。二人とも美樹の元を去っていった。そして、いま、美樹は三人目の女性に出会う。これは運命なのか、呪いなのか――。女神、SM、そして愛。著者渾身の「青春SM小説」! サタミシュウ作品をより深く楽しむための「サタミシュウ読本」を収録した特別版!
  • 死者のための音楽
    3.9
    死にそうになるたびに、それが聞えてくるの――。母をとりこにする、美しい音楽とは。表題作「死者のための音楽」ほか、人との絆を描いた怪しくも切ない七篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。
  • 闇を引き継ぐ者
    3.3
    人気アナウンサーの誘拐事件が発生した。十津川警部率いる捜査一課が事件を担当するが、送りつけられてきた脅迫状には、十津川が数年前に逮捕し死刑になった連続誘拐殺人犯“ジャッカル”の名前が記されていた!「殺人を楽しむために殺す男」と言われ、日本中の女性をパニックに陥れたジャッカル。死刑執行直前まで、服役中の彼の元に通いつめていた男の存在を知った十津川は、二人の関連性を探り始める。現代社会の病理に蝕まれた猟奇殺人犯の異常心理を克明に描いた長編サスペンス!
  • 北緯四三度からの死の予告
    2.8
    「青柳みゆきが殺される」―――。警視庁総監宛てにKと名乗る男から奇妙な五通の手紙が届いた。四通までは殺人予告の内容だったが、五通目にはそのKと思われる人物が札幌で轢き逃げされた、という新聞の切り抜きが同封されていた。さっそく捜査に乗り出した十津川警部は青柳みゆきの居場所をつきとめるが、殺人予告日の直後、彼女は殺害されてしまう。札幌―東京、二つの事件を結ぶのは何なのか。捜査が難航するさなかに発生した第三の殺人。事態は思わぬ方向へ向かうが!
  • ドールハウス
    3.8
    常軌を逸した強権の父と、身を飾ることを狂気じみて嫌悪する母。一人娘の理加子は29歳になっても「不良になるから」と、髪をのばすことも、気ままに電話することも禁止されている。そんな理加子の前に、仲のよい家族のもとで育った江木という男が現れ、強引に接近してくる。理加子は初めて「男性とつきあう」ということに向かい合うが、毒親の呪縛が立ちはだかる……。初版1992年、「毒親」という言葉がまだなかった時代に、毒親育ちの葛藤を描いた先駆けの小説。
  • 特急「富士」に乗っていた女
    2.7
    十津川の部下・北条早苗は、誰にでも好かれる性格の美人刑事であった。ある日、早苗の婚約者と称する山野辺宏という男が、特急「富士」の車中で殺された。ところが同じ列車に休暇中の早苗が乗り合わせていたのだった……。容疑は早苗に向けられ、窮地に陥った十津川は真犯人をおびき出すために危険な罠を仕掛ける。部下の無実を信じ、マスコミや世間が見つめる疑惑の中で犯人を追う名コンビ十津川と亀井。大好評トラベル・ミステリー!
  • 特急「白山」六時間〇二分
    2.7
    長田は35歳。中央商事でエリートコースを歩いていたが、突然、金沢支店への転勤を命令された。明らかに左遷だ。理由はあった。木元加代子という30歳近い銀座のホステスだ。最初は蜜月時代が続いたが、最近仲がこじれ、いやがらせをするようになった。長田は、飛行機、列車、タクシーを使った大がかりな犯罪計画を考えたが――。連続して起こる殺人事件。だが、容疑者にはいつも鉄壁のアリバイが。小心な犯人達を操る黒い影の大いなる狂気とは何か!? トラベル・ミステリー。
  • 喪失記
    3.6
    五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。
  • 雀鬼くずれ
    4.0
    「博打うち」とは本当に因果な商売だ。プロである以上勝たねばならないが、勝てば勝つほど、客の足は遠のき、揚句のはては飯の食い上げだ。この難問が解決できない以上、「博打うち」とは、ギャンブルにのめり込んだ多くの男達の永遠の幻想といえるかもしれない。麻雀必殺技、“二の二の天和”に骨身を削るイカサマ師を描く「天和くずれ」。ギャングバー経営の女衒の達、ドサ健と寺の息子との息づまる秘技の応酬を描く「天国と地獄」など11篇を収録。
  • 祝日に殺人の列車が走る
    4.0
    ラジオの深夜放送のリクエスト葉書で「祝日に殺人の列車が走る」という十津川宛の挑戦状が届けられた。そして5月の連休最後の日、特急「有明」の車内で殺人事件がおこった。被害者は千億円近い資産を持ち、2人の息子と5人の女がいた。そして第二の殺人が……。容疑は2人の息子へ。莫大な遺産をめぐり、愛人と息子達の骨肉の争い。土壇場に追いつめられた十津川警部に策はあるのか!? 興奮のトラベルミステリー!!
  • 殺人列車への招待
    3.3
    捜査一課の十津川警部に「殺人ゲームがしたい」と謎の電話が――。その後〈11月7日、16時40分東京発、寝台特急「さくら」の車内で「ア」で始まる女を殺す〉という挑戦状が届けられた。いたずらか、本気か。もし本気なら人が一人殺される。続いて第二の挑戦状が……。犯人は警察に怨みを持つ者か、あるいは殺人狂か?十津川と亀井は窮地に追いこまれた。ベストセラー快進撃の西村京太郎が贈る、長編トラベル・ミステリー。
  • 急行もがみ殺人事件
    2.8
    十津川の部下の清水刑事が見合い結婚した。新婦の征子との新婚旅行は、東北の鳴子温泉から最上川下り、さらに日本海の温泉を回るルートを選んだ。その旅行の途中、同じルートをたどる、もう一組の新婚カップルを見かけた。だが、観光名所、お湯の噴き出る〈かんけつ泉〉では、相手の夫が別の女と一緒にいた。その後、征子は何者かに襲われ、問題の女性も急行「もがみ一号」の車内で殺された!? 清水から報告を受けた十津川警部も捜査に乗り出したが……。トラベルミステリー。
  • 彼女が愛した男
    5.0
    平凡な毎日を送っていた美穂は、社長令嬢の令子に誘われて軽井沢の山荘へと遊びに出かけた。同日、二人の青年が、その山荘近くの別荘に泥棒に入る。留守宅を狙ったはずが運悪く人が残っていたため、彼らは殺人を犯して山荘へ逃げ込んでくる。人質となった美穂と令子、管理人の老夫婦は、恐怖におののいたまま、夜を明かす。突然の異常事態の中で、六人が迎えた思いがけない結末は……!? 息をもつかせぬ迫真のタッチで男女の愛憎を描いた、傑作サスペンス長編!!
  • 風祭
    4.0
    叔母の莫大な財産を相続した新倉三重子は、欧州旅行の途中で体調を崩し身動きできなくなった。だがスイスで十年ぶりに再会したばかりの佐和木良行が駆けつけ、危機を救われた。過去にプロポーズを断わった相手だったが、この親切が彼女の心を佐和木に傾斜させ、やがて三重子は結婚を決意する。佐和木には二度の離婚歴があり、前妻は二人とも外国旅行中に事故死していた。三重子はこれを偶然と考えていたが、やがて周辺に恐ろしい事件が……。国際色豊かに描く大型ミステリー・ロマン。
  • 雲仙・長崎殺意の旅
    1.5
    雲仙温泉の林の中で、行方不明になっていた泊り客と芸者の死体が発見された。その直後、長崎で豪雨による土砂崩れが発生し、押し流された土砂の中から、生き埋め死体とは別に、男の絞殺体が……。二つの事件の関連を鋭く指摘した十津川警部の推理から、二ヶ月前に東京の国立市で起きた現金強奪事件の犯人達の輪郭が浮かび上がってきた。仲間割れの果ての殺人か、口封じか? 周到に計画を巡らし、冷酷無惨に凶行を繰り返す犯人の真の狙いは何か――。長編トラベルミステリー。
  • EF63形機関車の証言
    2.7
    浅草雷門近くにあるM銀行浅草支店に強盗が入り、一千万円を奪い逃走した。銀行の監視カメラにより、犯人は前科三犯の深見次郎と断定された。だが彼には、事件発生時、『あさま9号』に乗っていたことを示す鉄壁のアリバイ写真があった。十津川警部と亀井刑事は、容疑者の虚構を見抜こうと、『あさま9号』に乗車するが……。大好評の、トレイン・ミステリー傑作集。
  • 愛を乞うひと
    3.7
    複雑な家庭事情により、孤児院に預けられていた照恵は、十歳の時、再び母に引き取られた。だが、いたいけな少女にとってそれはあまりにも苛酷な日々の始まりだった。情容赦のない母の仕打ち。何度も殺されかけた八年間。それでもひたすら母に愛を欲した。だが、祈りは届かなかった……。母への限りない憎しみと愛への渇望。その狭間で何年も彷徨い続けた照恵はいま、親子の絆をさがす旅へと向かう。各界から絶賛を浴びた生命を余すところなく描ききる感動の長編小説。
  • 東京ピーターパン
    3.7
    平凡な営業マン・石井は、仕事の途中で事故を起こしてしまう。パニックになり、伝説のギタリストでホームレスのシンゴ、バンドマンのコジーも巻き込んで逃げた先は、引きこもりの高校生・聖矢の土蔵で……。
  • 毛並みのいい花嫁
    -
    女子大生・亜由美が従兄の結婚式へいくと、花嫁はなんと犬! 周囲の目の気にせず、二人は新婚旅行へ。しかし、その先で花嫁は何者かに誘拐されてしまう。亜由美とドン・ファンの名コンビが事件に挑む。
  • アルバイト・アイ 毒を解け
    4.0
    「最強」の親子探偵、冴木隆と涼介親父が活躍する大人気シリーズ第二弾! 毒を盛られた涼介親父を救うべく、東京を駆ける隆。残された時間は48時間。調毒師はどこだ? 隆は涼介を救えるのか?
  • 寝台特急八分停車
    3.8
    ブルートレインの八分停車を利用して、人が殺される!? 亀井刑事は、腎臓結石で病院にいる時、レントゲン室で男が人を殺してやると言っているのを聞いた。該当するブルートレインは六本。十津川警部と亀井は推理に推理を重ね、問題のブルートレインは「出雲3号」と推測したが……。殺人、そして殺人。スピーディな展開と意外な結末。十津川と亀井の名コンビで贈る、長編トラベル・ミステリー。
  • まざあ・ぐうす
    4.3
    ナンセンス、なぞなぞ、レジスタンス、諷刺などさまざまな要素を軽やかなリズムのうちに包み、英語圏で大切にはぐくまれてきた伝承童謡、まざあ・ぐうす。残忍で陽気で、奔放でとりとめがなく、そのおもしろさは不思議な魅力を秘め、暮らしの中に、文学の世界に深く息づいている。言葉の魔術師白秋が、愛をこめて子供たちのために訳出した幻の名著。
  • 本日もセンチメンタル
    5.0
    成屋詩織は17歳。とってもセンチで感激屋。「死ぬ前に、思いきり甘いものが食べたい」という犯人の引き起こした強盗事件に巻き込まれ、なぜかその妻・啓子と赤ん坊を引きとることに…。ところがその親子が次々に蒸発。なんと啓子は暴力団の娘だった! 成屋一家は親子をかくまっていると誤解され命を狙われるが、そこに花八木というとぼけた刑事があらわれて、もう大混乱! 感激して泣いてばかりはいられない。さあ詩織、この決着どうつける?
  • プロメテウスの乙女
    3.8
    19XX年、日本は急速に右傾化の方向を辿り始めた。武器輸出解禁、秘密警察によるスパイ狩、徴兵制の準備等、声なき声は圧殺され、軍国主義一色となった。さらに時の総理滝の肝入りで、国を愛するうら若き乙女の軍団が組織され、庶民に対する弾圧粛清は厳しいものとなった。戒厳令下、反対勢力は、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストを滝首相の許へ派遣するが……。来るべき時代の恐怖を描く、近未来サスペンス小説の傑作。
  • 悪妻に捧げるレクイエム
    4.5
    女房の殺し方教えます! 互いに甘い言葉を囁きあい、あんなに愛しあったこともあるのに、今では……。ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。4人が選んだ新作のテーマが、よりによって「妻を殺す方法」。常日頃、女房に泣かされ、悩まされている4人の男たちは、アイデアを練るうちに夢と現実がごっちゃになり、事態は思わぬ方向へ進み始めた。赤川次郎が放つ、新感覚ミステリーの傑作。
  • 三毛猫ホームズの〈卒業〉
    3.7
    「やめろ! そいつと結婚しちゃいかん!」かの名画『卒業』のラストシーンそのままに、恋人がヴァージンロードから花嫁を奪い去る。しかし翌日には、純白のドレスを真っ赤に染め上げた死体が発見されて……。ドラマチックな仕掛けに、一筋縄ではいかない男女の情を鮮やかに描きあげて意表をつく表題作ほか、上司と部下・同僚・夫婦など、さまざまな人間関係のもたらす愛憎劇を見事に浮き彫りにする読みきり傑作短編、全五話を収録!
  • ロマンティック
    4.5
    女は傷ついているんだから。ずっと、奥の、目に見えないところが……。そんなの男の人にはわからないんだ。志村奈美。17歳。――お嬢様学校として知られている私立女学院高三年生。親友の爽子と彼女のかつての恋人史雄のよりを戻させようと、男三人、女三人で湖のほとりの避暑地へと出かけるが……。17歳の少女の夏の一週間の休暇。退屈と、混乱と、恥ずかしさと、感激と……。そして大人へ。人気最高潮の赤川次郎が放つ、オリジナル青春ラブ・サスペンス。
  • 三毛猫ホームズの感傷旅行
    3.9
    顔見知りの刑事に頼まれ、片山刑事が、赤いスーツの女を尾行して列車に乗り込むと、そこにはなんと、同窓会で旅行に出た妹の晴美、石津刑事、そして名探偵三毛猫ホームズがいた。尾行中の女が酔っぱらいにからまれたところを助けだし、そのまま一行は、温泉で大宴会。その直後、浴場で殺人事件が発生! おかげでゆっくり湯につかる間もないけれど、お馴染み三人と一匹なら大丈夫!? はじける楽しさ、超人気シリーズ第12弾。
  • 三毛猫ホームズのクリスマス
    3.4
    クリスマスイヴだというのに、全寮制の女子校に用心棒としてやってきた三毛猫ホームズ一行。ここで警備員をやっている、片山刑事の親友久保が一週間ほど旅に出るというので、仕方なく留守を引き受けたのだ。美人女子高生に囲まれて女性恐怖症の片山は緊張ぎみだが、石津刑事はシチューに旺盛な食欲を発揮してご満悦。ところがまたまた事件発生、久保が死体で発見されたのだ。さあ、三人と一匹がクリスマスプレゼントを片手に大活躍、全五編収録、ほんとうに忙しい一行です。
  • クリスマス・イヴ
    5.0
    クリスマス・イヴの夜、恋人たちで賑わうSホテルが企画したイベント〈ミステリー・ナイト〉。ホテルを舞台に推理劇が演じられ、宿泊客がその謎を解いていくというゲームだ。推理劇に出演する俳優、人目を避けてイヴの夜を過ごす大女優、ホテルの従業員、婚約中の恋人たち……。ホテルに集う人々の運命が複雑に絡み合い、ゲームは思わぬ方向へ転がりはじめた! 聖なる夜に繰り広げられる、ロマンチック・サスペンス。
  • こちら、団地探偵局
    5.0
    1~2巻528~550円 (税込)
    毎日が退屈な団地の主婦政子が、高校以来の友人並子に再会したのは団地の公園だった。並子は学生時代、美貌・才知・人柄の三拍子揃った才媛であったが、二歳の男児を持つ現在もちっとも変わらず若々しい。その秘密は、何と内職がわりに私立探偵をやることだった!! 早速、政子は日頃気がかりな事態を相談した。いつのまにやらワトソン役を引き受けさせられた政子と、団地の名探偵並子の活躍ぶりは? 長編ユーモア・ミステリー。
  • さびしがり屋の死体
    3.7
    「あのね、彼……死んだの、車にはねられて」遺書ともいえる言葉を残し、マリは恋人武夫のあとを追い自殺した。可哀相なマリ……。そういえばマリは、彼のいない人生なんて生きる価値がないって、いつも言ってたっけ……。だが、死んだ筈の武夫は生きていた。そして、天国へ行ったマリが一人では寂しいと招きよせるように、武夫のまわりで次々と起こる謎の殺人事件! 表題作「さびしがり屋の死体」ほか、実力派赤川次郎が、趣向をこらしたミステリー四編を収録。
  • 半人前の花嫁
    4.5
    16歳の女子高生・君江が、36歳のサラリーマン・三沢と結婚することになった。式の日取りも決まったが、君江の叔父・戸部がこの結婚に大反対。ところが、仲人をつとめる殿永が刑事だと知った途端、戸部は手のひらをかえしたようにふたりの結婚を祝福する。戸部には何か、よほど警察に知られたくない「秘密」があるらしい……? 年齢差20歳のカップルの行く手をさえぎる数々の障害。それを乗り越え、ふたりは無事ゴールインできるのか? 「花嫁」シリーズ第9弾登場!
  • 危険な相続人 (上)
    5.0
    1~2巻528~550円 (税込)
    21歳の女社長・堂之池桐子登場! どんな男もまいってしまう美貌の持主で、しかも大金持ち。大邸宅に召使いと住んでいる。でも彼女には恋する男を殺したくなるという妙なクセが……。腹黒い中年男、藤田が仕掛けてくるワナに、有能でハンサムな秘書、伊吹君と〈迷〉コンビで対抗したり、自分の会社の社員と夜を過ごす仲になったり。伊吹君は、桐子の家で働く栄子に恋するようになって――桐子と伊吹君のてんてこ舞いは当分続きそう。仕事に恋に、おしゃれなラブ・サスペンス!
  • 決闘
    5.0
    たった一度きりだったのに……。S大学3年の征哉は、後輩の久美から妊娠した、と告げられた。幼ななじみの典子からお金を借りて始末をつけようとしたのだが、ことはそれだけではすまなかった。ちょっと不良っぽい久美の兄から決闘を申し込まれたのだ。おかげでまわりは大あわて。おっとり育った征哉に決闘なんて似合わない。その上不思議な因縁という他ないのだが、久美と征哉の父親どうしも若い頃、ひとりの少女をめぐって決闘した仲だった。この結末は明朝5時の決闘で…?
  • 幻の四重奏
    4.3
    〈ユミ四重奏団〉のメンバーの一人、ヴィオラをひく有沢美沙子が両親宛ての遺書を残して死んだ。だが彼女には、駈け落ちを約束した恋人がいてとても自殺する理由が見当たらなかった。その上、美沙子から自分の告別式の模様を書いた手紙が届くに及んで、弓子ら仲よし三人組は恐慌状態に陥った。《美沙子が天国から私達を呼んでいるのかしら!?》美沙子の死には何かある。三人でそれを探るのだ!! 青春ユーモア・ミステリー。
  • 招かれた女
    4.0
    売春をしていたらしい女子中学生の死体が発見された。ベテラン刑事宮本と若手刑事谷内は、容疑者の三島を逮捕しようとするが、谷内は三島に射殺され、三島も車に轢かれて死亡した。その責任を問われ宮本は退職し、事件は解決したかにみえた。だが、第二、第三の殺人が……。有力画商・中路とその愛人で美貌の画家・昭子、谷内の婚約者爽子と友人の淳子。宮本をとりまく華やかな女性達。果たして真犯人は誰か? 昭子が描いた一枚の肖像画が事件解明の鍵に!
  • 世界は破滅を待っている
    5.0
    月代和也は41歳。平凡な家庭を持つある出版社の雑誌編集者である。編集長の代理で、首相主催のジャーナリストの懇親パーティに出席したことが事件の始まりだ。月代を見た時の首相の驚いた顔。その後、編集長が何者かに殺された。まてよ、あの首相、どっかで前に会ったことが……。あの男に出会ったばっかりに、こんなことになるなんて!? 世界を破滅に導く計画が、いま着々と進行中――。ユーモア&サスペンス。
  • 晴れ、ときどき殺人
    4.5
    若い頃、私は嘘の証言をして、無実の人を死に追いやった。だが最近、ごく身近な人の中に真犯人がいるとわかった……。北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。通夜当日、北里財閥の社長達、婚約者の正彦、かかりつけの医師菊井親子らごく身近な人達が北里邸につめかけた。仮面の下に隠された真犯人の素顔。加奈子を巡る莫大な遺産争い。宏壮な屋敷を舞台に、恐怖の殺人劇の幕が開く!
  • 静かなる良人
    3.0
    夫が自宅で殺された。血まみれで居間に倒れていた夫は、最後にひとこと「ゆきこ」と言い残して息絶えた。平凡で、無口で、退屈だけれども「いい人」。それだけが取り柄だった夫が、何故殺されたのか? 「ゆきこ」とはいったい誰なのか? 夫の生前を探り始めた千草の前に、思いもかけない事実が次々とあらわれて……。夫婦の絆を切なく描く、長編ミステリー。
  • 冬の旅人
    4.0
    汐見は独身の29歳、Nスイミング・クラブの指導員だ。女子大生紀美子の水泳練習のため、人には内緒で、個人的にプールを開放し始めてからもう半月がたつ。だがそこで、奇怪な事件が……。捜査一課の迷刑事片山と名探偵ホームズ、それに『幽霊列車』で鮮烈デビューしたおかしな大学生永井夕子が、豪華競演する『三毛猫ホームズの水泳教室』ほか、3編を収録した傑作短編集。
  • 眠りを殺した少女
    4.0
    大丈夫、誰も追いかけてなんかこない。誰も私がやったことに気づかない。昨日までと変わらずにおなかいっぱい食事もとれるし、夜はぐっすり眠ることができる。大丈夫、私には何も起こらない。ただ、人を殺しただけなのだから……。正当防衛で人を殺してしまった女子高生・智子。誰にも言えずに苦しむ智子のまわりに奇怪な出来事が続発、事件は思わぬ方向へ展開しはじめて……。少女の心理を描く長編サスペンス・ミステリー。
  • 名探偵はひとりぼっち
    3.0
    僕の名は酒井健一。N高校の一年生だ。不治の病の美少女との空想の恋物語を友達に喋ったら、クラス中の評判になり、学校にも行けず、とうとう家出する破目に……。それから僕の大冒険が始まった。現実の美少女と出会い、ニセ札づくりの事件に巻き込まれ、殺人が起こり……。これからぼくはどうなるんだ。美少女と自称美少年のコンビで綴る、青春ラブ・ミステリー。
  • 恋愛届を忘れずに
    4.0
    憧れの課長から昼食に誘われ、「我が社のために重要書類を届けてくれ」と指示された新米女子社員の恭子。ところが細心の注意を払ったはずなのに、その書類を届ける途中で、盗まれてしまったのだから大変だ。偶然知りあった、おかしなアベックと3人でシロウト探偵になって、事件の調査に乗り出すのだが、いきなり死体に出くわして、てんてこ舞い! 若さと大人の陰謀が対決する表題作〈恋愛届けを忘れずに〉など4編を収録。元気いっぱい、大事件続発の青春ミステリー。
  • 三毛猫ホームズの四季
    4.0
    「それで──誰が夏子姉さんを殺すの?」──中華料理店の一室で張り込み中の片山刑事の耳に飛び込んできた、聞き捨てならない言葉。隣の個室では笠倉家の姉妹三人とその夫たちが食事中だった。ただの冗談だろうと気にとめなかった片山だが、数日後、海に落ちた車の中から笠倉夏子の死体が発見された! 裕福で恵まれているはずの笠倉家で、一体何があったのか? ホームズ、片山、晴美、石津、お馴染みの登場人物が勢揃い。超人気シリーズ第18弾!
  • 逃亡小説集
    値引きあり
    3.7
    映画原作『犯罪小説集』とあわせてシリーズ累計20万部突破! 著者のライフワーク第2弾 「もう、逮捕でもなんでもしてくれんね」 高校卒業後、地元の北九州を出て職を転々としてきた福地秀明。特に悪いことをした覚えもないのに不幸続きで、年老いた母親と出口のない日々を送る秀明は、一方通行違反で警察に捕まった時、ついに何かがあふれてしまった。そのまま逃走を始めた秀明は……(「逃げろ九州男児」)。 職を失った男、教師と元教え子、転落した芸能人、失踪した郵便配達員――日常からの逸脱を描く4つの物語。 「小説の最前線に位置する短編集」(解説より)   酒井信(文芸批評家)
  • 雪が降る
    値引きあり
    3.3
    〈母を殺したのは、志村さん、あなたですね〉一通のメールが、男の記憶をよみがえらせる。メールの送り主は、かつて愛した女性の息子だった……(「雪が降る」)。不世出の偉才・藤原伊織による至高の6篇。
  • 変身
    3.8
    平凡なサラリーマンがある朝、巨大な虫けらに変身した状態で目覚める──。不条理文学の旗手か、不器用なサラリーマン作家か。新たなカフカ像にもとづく新訳と訳者解説によって、不朽の名作がよみがえる。
  • 千里眼 The Start
    3.6
    1~16巻550~880円 (税込)
    日本最強のヒロインが活躍する「千里眼」シリーズが、装いも新たに登場! 元航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットにして、現在臨床心理士の岬美由紀。胸に大きな悲しみを抱えつつ、事件に立ち向かう等身大の女性の活躍をよりリアルに、より繊細に、そしてよりダイナミックに描く。緻密な伏線と鮮やかなどんでん返しで累計400万部を超える人気シリーズ、伝説の新たな扉を開く!
  • 特等添乗員αの難事件 I
    4.0
    1~6巻550~704円 (税込)
    掟破りの推理法で真相を解明する水平思考──ラテラル・シンキングに天性の才を発揮する浅倉絢奈、22歳。新人ツアーコンダクターとして国内外を飛びまわる彼女は、旅先で発生するトラブルから難事件まで、予想もつかない手段で瞬時に解決する。中卒だった彼女は如何にして閃きの小悪魔と化したのか? 鑑定家の凜田莉子、『週刊角川』の小笠原らとともに挑む知の冒険、ここに開幕。人の死なないミステリ最高峰、αシリーズ第1弾!
  • 藪の中・将軍 アニメカバー版
    3.4
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」アニメ描き下ろしコラボカバー版≫ ある一人の侍が「藪の中」で殺された。犯人と目される盗人、被害者の妻、そして巫女の口を借りて語る被害者。当事者三人の言い分は、それぞれに心理的必然性とリアリティを持ちつつも、決定的に食い違っていく。今昔物語に題を採った最も芥川らしい短篇と言われる「藪の中」を始め、「秋山図」「山鴫」「アグニの神」「俊寛」「将軍」など、様々なテーマやスタイルに挑戦した大正10年頃の円熟期の作品17篇を収録。解説/三好行雄 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • クリスマス・キャロル
    3.8
    文豪としてのチャールズ・ディケンズの名を世界的なものにならしめた不朽の名作。クリスマスの物語として毎年一篇ずつ書かれたクリスマス・ブックの第一作で、発表後まもなく驚異的な大ベストセラーとなった。 クリスマスの前夜、老守銭奴スクルージのもとに、「過去」、「現在」、「未来」の三幽霊と、昔の相棒マーリーの幽霊が現れ、これまでスクルージが行ってきた冷血非道な行いの数々を見せる。それでも最初は気丈にふるまうスクルージだったが、やがて自分の人生の空虚さに気づき、改心して真人間の生活に立ちかえることを決意する。
  • シャドウゲーム
    3.3
    シンガーソングライター堀河優美の恋人だった国夫は、深夜の高速道路で大型トレーラーに衝突されて亡くなった。事故現場には「シャドウゲーム」と題する楽譜が残されていた。 なぜ、楽器なんてひとつも弾けないはずの国夫が楽譜を? 手がかりを探るため、優美は国夫が事故の2日前に来ていた名古屋を訪れた。 偶然知り合った小説家の胡山の助けを借り、国夫の足取りを辿り始めるが、優美を背後からつけ狙う謎の男が迫る――!
  • 小説ヘッジファンド
    4.0
    世界の市場で巨額の資金を動かし暗躍するヘッジファンドが、次に狙いをつけたのは日本市場だった――。手口は巧妙をきわめ、ボスの動きも闇に包まれている。米国系銀行、証券会社出身の著者が鮮やかに描き出すリアル経済小説。 ※本書は一九九五年九月に講談社より刊行された『回避』を改題したものが底本です。
  • 虚栄の市
    -
    有賀俊介は異常な作品を発表し、無名の学生から一躍流行作家に変身した。週刊誌のコラムニスト天野健は第二の有賀たらんとして意気ごんでいる。ゴシップ狂の学者や殺し屋スタイルの評論家、同性愛の編集者などが虚名を求めてうごめく。マスコミ界の異様な生態を高らかな笑いのうちに描き、現代社会への痛烈な諷刺を放つ快心作。
  • 最後のドン
    -
    鬼頭組はドンと呼ばれる鬼頭竜夫が組長として君臨し、大阪を本拠とする日本最大最強の暴力団である。ある日、鬼頭組若頭である大江常安が交通事故で突然の死を遂げる。衝撃は組全体に走り、裏切り、駆け引き、殺しが横行、抗争にまで発展していくことになる。はたして傘下397団体、構成員1万2000人を呼号する鬼頭組はこのまま分裂してしまうのか、それともドンは義を再興できるのか?塗り変えられる暴力団地図を描き人間心理をえぐる迫真の力作!

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