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複雑な家庭事情により、孤児院に預けられていた照恵は、十歳の時、再び母に引き取られた。だが、いたいけな少女にとってそれはあまりにも苛酷な日々の始まりだった。情容赦のない母の仕打ち。何度も殺されかけた八年間。それでもひたすら母に愛を欲した。だが、祈りは届かなかった……。母への限りない憎しみと愛への渇望。その狭間で何年も彷徨い続けた照恵はいま、親子の絆をさがす旅へと向かう。各界から絶賛を浴びた生命を余すところなく描ききる感動の長編小説。
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより) 血のつながりの、いったいどんな意味があるのだろうか?母親に何度も殺されかけた娘の復讐と親子の絆を探す物語。 20年程前にこの本を読んだ時の衝撃は今でも忘れられない。愛を乞う乞食だったという描写が未だに忘れられずに頭にこびり付いていました。妻に勧めた事を切欠に再...続きを読む読。 虐待のシーンは読んでいて未だに辛くて、読んでいて胸がぎゅーっと苦しくなります。人が苦しんでいるのは創作でも苦手な私。 でもこの本で主人公は娘と亡き父に支えられてひたすらに光に向かって歩き続けます。次第に明かされていく出生と父の生い立ち。次第に霧が晴れて来るのに、何で母がここまで自分を虐待したのか謎が深まるばかりなり。 ちなみに映画だけを見ると最後の描写が全然違うものになるので是非本で読んでいただきたい。はっきり言ってこれ一作しか面白いのが無い作家さんですが、これはまさに渾身の一撃です。プライベートでも大変な事が有る作家さんでした。既に鬼籍に入っております。合掌。
大学時代に 「あ、これ、映画になってた」 と思い、何気なく手に取りました。 衝撃です。 母親の娘に対する虐待を描いてるんですが…。 怖いはず。怖いはずなのに 目が放せない。先を読みたい。 自分的にはビリーミリガンを読んだときに近いくらいはまって一気に読んでしまいました。 なんか...続きを読む、こういうのを読んでしまう自分の残酷さみたいなものを感じた作品でもあります(笑)
虐待には様々な種類がある。だが、どんな仕打ちを受けその相手を呪おうとも、心の底に転がっているものはその現実とは相容れないものであったりする。母が娘をいたぶる。娘はそれでも「母」ではなく「母親」というものを求める。なんて哀しいことか。「そうだ、このやわらかさなのだ、おかあさんというのは。子どもが抱きつ...続きを読むいたとき、自分の体の肉をほんのひとけずりして、そのくぼみにちいさなからだを埋め込むことがでくるひとなのだ」
実母からの理不尽な虐待が、読むのも辛くなるけれど、昭和のこの時代ならあり得るかもなあと思わされた。虐待を繰り返さずに済んだことが救いで、決して母との和解とはならないラストシーンもある意味リアリティがあった。 複雑な戸籍制度からくる誤解を軸にしたストーリー展開も現実味がある。
虐待の描写が激しくて、その部分が強く印象に残ってしまうけど、父の遺骨の行方を追っていくストーリーも引き込まれて一気読みできる。 初めて読んでからすでに15年ほど経っているが、この冬にドラマ化するとのことで再読。2016.09.15
最悪の相手であれば、相手の気持ちを理解する必要はない、かー。言われてみれば当たり前のようで意外と難しい。ラストが強烈でまた良し。
虐待、そして血のつながりについて考えさせられました。 主人公の父のふるさと台湾にも行ってみたくなった。
この本を読むのは二度目。小学生の頃親用と子供用の学級文庫があって、私は親用にまわってきたこの本をついでに読んだのだった。当時は虐待の場面が鮮烈に記憶に残ったけれど全体の量からするとたいしてたくさん描写があるわけじゃない。怖かったなあ。 主人公は高校生の娘を持つ母親。市役所にて父親の戸籍謄本を取り寄...続きを読むせたいと訪ねる冒頭から始まる。 主人公は幼少期より高校生になるまで放蕩な母親に虐待を受け続けており、悲愴に満ちた青春期を送っていた。その時代を生き抜けたのは結核で死んだ台湾人の父の加護があったからだと思うのだった。そして主人公は娘の助力も得て父親のお骨探しを始める。台湾にすら飛び、どうにかまた気が弱く優しかった父親に会いたいと願う。 娘はそれが母親の愛を探す旅にも見えたと語る。 ラスト、歳老いた母親の介護をする白昼夢を見る主人公。おむつを変えながら母親の尻を叩く主人公…。END ラストが…。どういうことだ。
最初は何気ない家族の話しかなと読みはじめたけど、次第に話がどんどん大きくなる。どんどん知られざる事実がでてきて次々読み進めたくなる。 母娘の深い結びつきと、強さに家族の意味を考えさせられる。 何があっても子供は母の愛を求めるものなんだと思う。
ラストが…。胸をぐわっと掴まれた感じ。 親子って因果なものだとつくづく思った。血からは逃げられないんだなぁって、本当に嫌になる。虐待は本当に本当にどうにかしたい、なくしたい。
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下田治美
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