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町医者というものは、風ニモマケズ、雨ニモマケズ、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ――どんな患者も肝臓病に診たてたことから“肝臓先生”とあだ名された伊東の開業医・赤城風雲。戦争まっただなか、赤城は、蔓延する肝臓炎を撲滅せんと、寝食を忘れて研究に没頭、患者のために今日も走りまわっていた……。滑稽にして実直な、忘れ得ぬ人間像を描き出した感動の表題作のほか、「魔の退屈」「私は海をだきしめていたい」「ジロリの女」「行雲流水」を収録。
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Posted by ブクログ
『だれかが迷ってくれて、足で歩いて道を作ってくれたから、僕ら迷わず歩いて行けるよ』 安吾、凄まじい。 よかった。 僕が迷うて苦悶してなにかを見つけらたり、なにも見つけられない道だと証明して、後の誰かの道になれば良いと思った。 大先輩に敬愛を捧ぐ。
結構えげつない部分もあるはずなのに、そんなものは些末なことだと思わせるのが坂口安吾、という印象がある。 どこかしらに散りばめられた「戦争」にはいつも深く感じ入るのだが、『肝臓先生』はこれまでに読んできたものとは何か違った、一種の感動さえあった。 しかし、短いせいなのか、何度読んでも『私は海をだきしめ...続きを読むていたい』が記憶に残らないのはなぜだろう。 「毎回新しい気持ちで読める」と言えば聞こえは良いけれど…
「私はあなたから、人の子の罪の切なさを知りました。罪の持つ清純なものを教わりました。」――『ジロリの女』 私が安吾の文章を読んで、たまらなく悲しく、どうしようもなく切なく、そして苦しいほど何かに向かって声の限りに叫びたくなるのは、たぶん、安吾が優しくて潔癖で、強靭で狂人だからだろう。 「私はいつ...続きを読むも神様の国へ行こうとしながら地獄の門を潜ってしまう人間だ。ともかく私は始めから地獄の門を目指して出かける時でも、神様の国へ行こうということを忘れたことのない甘ったるい人間だった。」――『私は海をだきしめていたい』 安吾は自分の弱さを認めている。自分の無知さも認めている。そして彼は、自分の恥も認めている。 それがどれほど絶望的なことかを、安吾は知っているのだと思う。それでいて、いやそれなのに、彼は人間を信じている。人間である自分を信じている。それはもう、驚くくらい一途に信じているのだ。 私は安吾が好きかというと、よくわからない。 しかし、安吾を愛している。 こんなに潔癖で狂人で、強靭で優しい人がいたらと思うと怖い。でも、そんな彼を、とても愛しく思うのだ。
同出版社の『白痴・二流の人』がかなり面白かったので購入。見事期待に応えてくれた一冊だった。 今回思ったのは、安吾特有の肉体が前景化される作品よりも、「魔の退屈」のようなエッセイや「肝臓先生」のような作品の方が僕は好きだ。もちろん、肉体・精神を描いた作品も好きだし、安吾の思想を知るためにはそっちを読ま...続きを読むなければいけないのはわかっているけれども。 とにかく、安吾は面白い。好きな作家が増えて嬉しい。
やっぱ坂口のあんちゃん最高やわ 笑 肝臓先生の感動ストーリー?もさることながら、あんちゃんの女論はオレを強くする。見習うしかないかな。
幾つか短編が入ってる中「私は海を抱きしめていたい」が特に好き。満足ができない人間の侘びしさと、女性の美しさの表現が素敵すぎて参りました。「魂の姿態」が美しいという惚け方は、なんかイイですよね。「ジロリの女」のラストも愚かで綺麗で好き。
坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。
流行性肝臓炎との闘いは、ある意味戦争との闘い。それでも患者と向き合い、そして戦争の犠牲となってこの世を去る。短編の中に偉大な人物像が凝縮されている。
短編集。出始めは読み方が良く分からなく、読みのペースがつかめなかった。無頼派とのことだが、何が無頼なのか小説からは、分からないが、思い出せない漢字はひらがなのままでいいという、この当時の小説家ではあまり言いそうもないことが無頼派か。もっとも無頼派とは私生活のことであろう。表題は、ずいぶん前に映画で見...続きを読むたが、小説の方も正体不明の迫力が映画同様であり、読み返してしまった。
とある田舎の猟師町。どんな患者も「肝臓病」と診たてたことから「肝臓先生」と呼ばれるようになった町医者は、肝臓病撲滅のために寝食をいとわず患者のために走りまわる。 タイトル、設定の面白さに加えて坂口安吾ときては読まずにいられない。さっそく読んでみたらやっぱり面白かった。 肝臓先生は熱い。お金のな...続きを読むい人からはお金を取らず、どんな時でもどこにいても病気の人がいると聞けば駆けつける。風にも負けず雨にも負けず、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ。 こんなに熱く、正しく、力強く生きている男の悲劇を描いているというのに、そこかしこから漂う滑稽さは何なんだろう。褒められすぎると馬鹿にされていると思う感情に近いのかしら。 まだ誰もやった事のない正義の行動は、はたから見れば滑稽にみえるのかもしれないし、だからこそそういう行動をとるのは恥ずかしい。それをぶち破るのは実は宮沢賢治の詩ような、勝つ事よりも負けない事みたいな、持続性のある根性なのかも。 そういえば、宮沢賢治は雨降る夜に森の中で素っ裸になって叫んだりしたらしい。雨にも風にも負けない静かな根性は、はち切れるパッションと対極のように見えて実はくるっとまわって近い所にあるのかも。
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