小説 - メディアワークス文庫作品一覧

  • かもめ高校バドミントン部の混乱
    3.8
    初速400キロとも言われるスピードで飛び交う、真っ白なシャトル。目にも止まらぬ小さなそれを打ち合う華麗かつ苛烈なスポーツ――それがバドミントン。 自らの力を信じて、入学した高校でも意気揚々とバドミントン部に入った南太一は、先輩たちとの実力の差に愕然とし、落胆する……。それでもバドミントンを続けていこう。そう決意した太一は、ライバルや先輩たちに、正面からぶつかっていく――。 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『おちゃらけ王』 でデビューした気鋭・朽葉屋周太郎が贈る、青春ストーリー!
  • 探偵・日暮旅人の宝物
    3.8
    保育士の陽子は、相変わらず血のつながらない親子・旅人と灯衣の世話を焼くため、「探し物探偵事務所」 に通う日々を送っている。 ある日、陽子は夏休みを利用して大学時代の友人・牟加田の地元に旅行に出かけることになる。牟加田は陽子にお願いがあるという。それは、彼の恋人役を演じてほしいというものだった。戸惑う陽子だが、その頃旅人は熱で寝込んでいて――。 少年時代の思い出が切なく香る 『夏の日』 ほか、『六月の花嫁』 『犬の散歩道』 『愛しの麗羅』 『花の名前』 の5編を収録。愛を探す探偵の物語、セカンドシーズン開幕!
  • 探偵・日暮旅人の忘れ物
    3.8
    音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人は、名字の違う娘・百代灯衣と暮らしながら、探し物専門の探偵事務所を営んでいる。 そんな旅人を 『アニキ』 と慕う青年ユキジは、旅人の“過去”を探していた。なぜ旅人は視覚以外の感覚を失ってしまったのか。ユキジが感じる胸騒ぎの理由とは――? 旅人とユキジの出会いを描く 『雪の道』、喫茶店のマスターに起こるささやかな奇跡を描いた 『森の調べ』、旅人の秘められた過去に迫る 『夢のぬくもり』ほか全5編を収録した、『愛』 を探す探偵の物語第3弾。
  • 探偵・日暮旅人の探し物
    3.8
    保育士の山川陽子(やまかわようこ)は、ある日保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣(ももしろてい)を自宅まで送り届けることになる。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街の雑居ビルにあり、しかも日暮旅人(ひぐらしたびと)と名乗るどう見ても二十歳前後の父親は、探し物専門という一風変わった探偵事務所を営んでいた。 澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子は、探偵事務所を度々訪れるようになる。そして、旅人が持つある“能力”を知ることになる。匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、これら目に見えないモノを“視る”ことができるというのだが――?
  • 薬師と魔王(上) 永遠の眷恋に咲く
    値引きあり
    3.7
    元リケジョ、異世界で運命の恋に落ちる――。 薬の研究者として働く佐藤星奈は、気がつくと異世界に迷い込んでいた――! なんとか薬師「セーナ」としての生活を始めたある日、行き倒れた男性に遭遇する。絶世の美しさと、強い魔力を持ちながら病弱なその人は、魔王デルマティティディス。 漢方医学の知識と経験を見込まれたセーナは、彼の専属薬師となり、忘れ難い特別な時間を共にする。そうしていつしか二人は惹かれ合い……。  元リケジョの天才薬師と美しき魔王が織りなす、運命を変える溺愛ロマンス、開幕! 「魔法のiらんど大賞2021」小説大賞・異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞作
  • 幽霊と探偵
    3.7
     元刑事の探偵・巻矢健太郎には、幽霊の相棒・月島人香がいる。人香は巻矢の元同僚で、失踪時の記憶を失くして巻矢の前に現れた。以来、悩みを抱える依頼人に取り憑き、事務所に連れてくるようになる。  部屋から忽然と姿を消した歩けないはずの父を捜す男性。神社に現れる少女の幽霊に会いたがる女子大生。人香が持ち込むやっかいな問題を片付けながら、巻矢は人香失踪の真相を探るのだが……!? 『探偵・日暮旅人』シリーズ著者が贈る、心優しき幽霊と苦労性の探偵の、心温まる謎解きミステリ! ―登場人物紹介― ◆巻矢健太郎(まきやけんたろう) 刑事を辞め、探偵として元同僚・人香失踪の謎を追っている。ぶっきらぼうながら面倒見が良く、幽霊になった人香に振り回される苦労人。 ◆月島人香(つきしまひとか) 巻矢の元同僚で心優しき美青年。突然行方不明になり幽霊となって現れた。失踪時の記憶はない。依頼人に取り憑き、探偵事務所に厄介な問題を持ち込む。
  • 月華の恋 乙女は孤高の月に愛される
    値引きあり
    3.7
    士族令嬢の月乃は父の死後、義母と義妹に虐げられながら学園生活を送っていた。 そんな彼女の心の拠り所は、学費を援助してくれる謎の支援者・ミスターKの存在。彼に毎月お礼の手紙を送ることが月乃にとって小さな幸せだった。 ある日の夜。外出した月乃は異形のものに襲われ、窮地を麗容な異国の男性に救われる。 ひとたびの出会いだと思っていたが、なんと彼は月乃の学校に教師として再び現れたのだった。 密かに交流を重ね始める二人。しかし、突然ミスターKから支援停止の一報が届き――。
  • 本日は、離婚日和です。
    3.7
     憧れのウエディングプランナーとして働いていたが、担当したカップルが次々と離婚。新婚クラッシャーと呼ばれ、職を失った別居鳴美(26)。人生に行き詰まるなか、思いがけず決まった再就職先は――離婚式プランニング事務所!?  美形だが掴みどころのない所長・桐山と二人で鳴美は離婚式を取り仕切ることに。旧郎旧婦、裂人、お色崩し。未知の世界に戸惑うものの、様々な夫婦の想いに触れた鳴美は心動かされていき……。  人生の再スタートを応援する、離婚式プランナー物語!
  • 眠れない夜は羊を探して
    3.7
     幸運をくれると人気の占いアプリ〈孤独な羊〉にはある噂が。画面上を行きかうカラフルな羊たちの中に、もしも黒い羊が現れたら、どんな願いも叶うらしい。それが誰かへの殺意だとしても――。  同級生に復讐したい少年。祖母の介護に疲れ果てた女子中学生。浮気した彼氏を殺したい女子大生。周囲に迷惑ばかりかける自分を消したい新入社員。理想の死を追い求める少女。余命宣告を受けたサラリーマン……。真夜中のアプリに集う人々の、いくつもの眠れない夜と殺意を描いた15編の短編集。
  • 片想い中の幼なじみと契約結婚してみます。
    3.7
     三十歳にして突如住所不定無職となった朝香。途方に暮れる彼女が憧れの幼なじみ・佑紀から提案されたのは――、 「婚姻届を出して、ぼくの家に住むのはどうかな」   大地主の跡継ぎとして婚約相手を探していた彼との契約結婚だった!  幼い頃に両親を亡くし、大きな屋敷でぽつんと暮らしている佑紀は、地元でも謎多き存在。孤独な彼に笑ってほしくて“愉快な同居人”を目指す朝香だけど、恋心は膨らむ一方で……。  優しい海辺の町で紡がれる、契約夫婦物語!
  • 妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚
    3.7
    伝説の四天王となりし少女は、平安京の闇を斬る――! 夏公開の映画『妖怪大戦争ガーディアンズ』のスペシャル外伝。 渡辺綱率いる妖怪ハンターのもう一つの大戦争がここに。 いまだ夜の闇に人ならざるものが跋扈する平安の世――。 妖怪を感知する“見鬼”の力をもつ山の民の娘トキは、凶暴な猿神に襲われ、勇敢な若武者に救い出される。 彼の名は渡辺綱。陰陽師、安倍晴明の命を受け、妖を斬る伝説の妖怪ハンターだった。 トキの力を知った綱は、彼女を仲間に引き入れる。架空の武将・坂田金時の名を与えられたトキは、少年武者の碓井貞光、雅な貴族の卜部季武らとともに“頼光四天王”として、平安京を脅かす妖怪と戦うことに!
  • CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 ~IT社長はデータで怪異の謎を解く~
    3.7
     どんなに社会が発展しても、『それ』はこの街のどこかに存在している――。  大学進学を機に上京した女子大生・梓は、親戚であるITベンチャーの社長・生駒永久と出会う。だが生駒には裏の顔があった。「きさらぎ駅」「くねくね」「異界エレベータ」「渋谷七人ミサキ」など、SNS等で噂される『現代の怪異』。彼はそれらに絡む事件を解決するスペシャリストだった。  『検索してはいけない』事象の数々に、生駒とともに梓は挑むことになるが……?  彼は怪異の調伏者――。最新IT技術がネットの闇を暴く。
  • 君と、眠らないまま夢をみる
    3.7
     高校生になった智成の日常は少し変わっている。死者が見えるのだ。吹奏楽をやめ、早朝バイトをする智成は、夜明けには消えてしまう彼らとの、この静かな時間が好きだった。  だが、親友の妹・優子との突然の再会がすべてを変える。 「文化祭で兄の遺作を演奏する手伝いをしてくれませんか」手渡されたそれは、36時間もある壮大な合奏曲で――。  兄を失った優子。家族と別れられない死者。後悔を抱える智成。凍り付いていたそれぞれの時間が、一つの演奏に向かって、今動きはじめる。  「主人公たちの幸福を願わずにはいられない、愛おしい物語」(三上延)、 「これは小説でしか表現出来ない音楽だ。最後の別れはキラキラと輝いていた」(佐野徹夜)――感動と推薦の声!  「さよなら」ができない、すべての人に届けたい感動の青春小説。応募総数4,355作品から選ばれた第27回電撃小説大賞の《メディアワークス文庫賞》受賞作!
  • 蒼空時雨
    3.7
    ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
  • 絶対城先輩の妖怪学講座
    3.7
    妖怪に関する膨大な資料を蒐集する、長身色白、端正な顔立ちだがやせぎすの青年、絶対城阿頼耶。白のワイシャツに黒のネクタイ、黒の羽織をマントのように被る彼の元には、怪奇現象に悩む人々からの相談が後を絶たない。 季節は春、新入生で賑わうキャンパス。絶対城が根城にしている東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室を訪れる新入生の姿があった。彼女の名前は湯ノ山礼音。原因不明の怪奇現象に悩まされており、資料室の扉を叩いたのだ――。 四十四番資料室の妖怪博士・絶対城が紐解く伝奇ミステリ登場!
  • かくしごと承ります。 ~筆耕士・相原文緒と六つの秘密~
    3.7
    筆耕士、相原文緒。彼女の仕事は、卒業証書や招待状の宛名などを、毛筆で書くこと。  内気で真面目な文緒は、憧れの先生・都築尚之から請け負った数々の仕事を丁寧にこなしていく中で、文字にまつわる不思議な謎に、しばしば遭遇するのだった……。  文字。そこには、使う人の“想い”はもちろん、長い歴史に培われた知られざる“秘密”も潜んでいる――。  文豪たちに愛された静岡県三島を舞台に繰り広げられる、インテリジェンスあふれたミステリーを、ご堪能あれ。
  • 文具店シエル ひみつのレターセット
    3.7
     あなたの手元の文具にも 込められた想いがある。  うら寂れた商店街の一角にある文具店・シエル。突然店を任された空良は、無愛想な看板猫と共に毎日店に立つ。  店にやってくるのは様々な悩みを抱えた人たち。文具にはその用途だけではなく、その先の想いを伝える力があると感じた空良は、彼らに最適な文具を紹介する事で解決に導くのだが、彼女自身も大きな悩みを抱えているようで――。  文具によって紡がれる人と人とのつながり。そして込められた想いや願い。  読んだあと、心にぽっと温かい光が灯る物語。
  • ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹
    3.7
    悪魔VS凶悪犯罪者――衝撃の犯罪心理サスペンス! 「俺は邪悪な話術を使う、悪魔なんだよ」  死体マニアの変人ながら、天才的頭脳で若くして犯罪心理学の准教授を務める男、犬飼。彼は“特権法”登録ナンバー〇〇二――難解事件の捜査を特別に国に認められた民間人プロファイラーだ。  【黒妖犬(ヘルハウンド)】の異名を持つ彼は、幼馴染の副検事・諭吉から持ち込まれる凶悪犯罪の真相を【悪の心理学(イーブルテクニック)】で狡猾に暴いていく。しかし、犬飼が死体を愛するきっかけとなった25年前の事件――諭吉の母の自殺だけは真相が不明で……。
  • ノーブルチルドレンの残酷
    3.7
    美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため、『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし、舞原と因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』なる部の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて、二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが……。幸せを放棄した少年と、純真な心で未来を夢見る少女の人生は、いつだってポップなミステリーで彩られていた。これは、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、儚き愛の物語。
  • 吉原百菓ひとくちの夢
    3.7
    『生きるための食事でなく、ひと時の幸福のための菓子を作る』  江戸の吉原一、料理が美味いと評判の中見世・美角屋。そこで働く“菓子専門の料理番”太佑は、日々訪れる客や遊女達のために菓子を作っていた。しかしある日、幼馴染で見世一番の花魁・朝露が全く太佑の菓子を食べていないことを知り……。  切ない想いを秘め、懸命に生きる人々にひとくちの“夢”を届ける――とある料理番の、心温まる人情物語。
  • 天保院京花の葬送 ~フューネラル・マーチ~
    3.7
    天保院京花には、俗に言う『第六感』が備わっている。でも実際は、人よりちょっとだけ、目がおかしくて、耳が変で、鼻が異常で、舌が特殊で、肌が異様なだけ――。廃墟の洋館で起きた殺人事件。現場に集まったのは、霊感女子高生の京花、トラブルメーカーな元女装少年の人理。不良出身の熱血刑事・竜弥、そして、麗しきナルシスト霊能者の行幸。喪服を纏った女子高生・京花が、おかしな奴らと『謎』に挑むとき、事件は意外な結末を迎える――!
  • 本日はコンビニ日和。
    3.7
    大好きなすみればあちゃんが、1年前死んだ――。純平が住む小さな町・虹色町には、何でも揃うコンビニがある。お店を作ったのは、町の人気者だった純平の祖母・すみればあちゃんだ。そんなばあちゃんが残したのは、18歳の純平をコンビニオーナーにするという遺言だった。自信のないままオーナーになった純平だが、個性豊かなスタッフとお客に囲まれ働くうち、すみればあちゃんの想いを知ることになり……。切なくて温かい、こもれびの物語。
  • 装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~
    3.7
    この本にはどんな表紙が似合うだろう? イラスト? 写真? それともロゴだけ? 紙の種類は、帯の有無は、中身の文字組みはどうしよう? こうして試行錯誤を繰り返して、時には編集や作家と熾烈に火花を散らせながらも、その本だけのぴったりなデザイン“本の表情”を生み出すのが『装幀家』の役割だ。それを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、その男の言葉が信じられなかった。巻島宗也。手がけた本がことごとく売れる気鋭の装幀家。「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」
  • 桃の侍、金剛のパトリオット
    3.7
    1900年、清朝末期の中国で、魔神の 「金剛力」 を秘めた子を産む運命を背負う 「桃源公主」 が産声をあげた。「香桃」 と名付けられた彼女は、神秘教団 「義和団」 の村で育つが、彼女を狙う清の将軍袁世凱の軍が村を襲撃する。だが香桃は村に潜んでいた旧長岡藩士鬼頭周蔵の機転で日本に亡命した。時は流れて1914年、浅草で占い小屋を営む書生、宇佐美俊介のもとに侍装束の少女が現れ、彼の占い札に妖力が宿っていることを告げる。彼女の正体は成長した香桃だった――。日本近代、辛亥革命、そして世界大戦――激動の極東に渦巻く謀略の最中に繰り広げられる歴史伝奇浪漫!
  • 幸せの青い贈りもの
    3.7
    ──この箱からは、人生を変える何かが出てきます。海沿いの街で将来の進路を悩む真由。海は広がっていてどこにでも繋がっているのに、自分は一生この街から出られないのか……。そんな想いを抱える中、見つけたのは不思議な文字が書かれていた箱。そこから出てきたのは、ガラス作家が作った、海が閉じ込められたペンダントだった。手作りの一点ものには作り手の想いが込められる。学生運動時代に手にした青い薔薇のハンカチーフ、太平洋戦争開戦直前、恋い焦がれた女性への最後の贈りもの……。これは、時代を越えて綴られる、繋がる想いを辿っていく物語。
  • 日本酒BAR「四季」春夏冬中 さくら薫る折々の酒
    3.7
    今日も一日頑張ったあなたを、旨い酒と美味い料理でお出迎え。恵比寿の繁華街の片隅に、たたずむ「四季-Shiki-」。日本酒専門のこの店で供されるのは、客の好みに合わせたお酒と自慢の料理。仕事でへとへとの体には爽やかな爽酒でほっと一息、くたくたの心には薫り高い薫酒で心ゆくまでゆったりと。あなたの疲れた心と体に、ぴったりのお酒がここにあります。酒と肴と思い出と、人生に寄り添うこの店に、どうぞ癒やしにいらっしゃい。実在する日本酒が多数登場。読んだら飲みたくなる、日本酒レビューも収録!!
  • 神様もう一度だけ愛してると言わせて
    3.7
    幸せな交際を経て結婚した宗一と瞳。だが入籍当日、宗一は事故により急逝し、瞳を見守るだけの幽霊のような存在となってしまう。瞳が再び幸せ掴むことをひたすら願う宗一だが、瞳は亡き宗一を変わらずに想い続ける。「生前にプレゼントしたものにだけ触れることができる」という事実に気づいた宗一は、それを使って自分の願いを伝えるべく苦心する。交錯する二人の想いの行方は果たして――?
  • お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂
    3.7
    浅草の一角で、町並みに溶け込むかのように佇む栗丸堂。若い主人は最近店を継いだばかりらしく、栗田仁という。精悍にすぎる容貌で、どこか危なっかしいが腕は確か。 店を応援しようと顔馴染みが紹介したのが、和菓子のお嬢様こと葵だった。可憐な容姿だが、怪しすぎる通り名に警戒する栗田。出会いはいまいちだったが、彼女との出会いが栗田の和菓子を大きく変えることになる。 思いもよらぬ珍客も訪れるこの店では、いつも何かが起こる。和菓子がもたらす、今日の騒動は? ここでは変わらぬ温かい下町の風景が残っている。
  • おきつねさまのティータイム
    3.7
    心休まる洒落た雰囲気の紅茶専門店マチノワでは、女の姿に化けた狐が紅茶を出してくれるという――。 実は、トウカという名で呼ばれる彼女、紅茶を淹れるのが苦手。客に紅茶をつくるのは、もっぱら尼子拓巳という青年の役割だった。 そんな店を訪れるのは、悩みやトラブルを抱えた客ばかり。お節介焼きのトウカと、そんな彼女に呆れつつもフォローする拓巳。いいコンビに見える二人だが、実は――。 これは、人を騙すことがきわめて下手な狐と、人を騙して生きてきた詐欺師との、嘘と紅茶にまつわる物語である。
  • 星空のコンシェルジュ
    3.7
    星空が綺麗なペンション・ファーストライト。一見(いちげん)さんでも「おかえりなさい」と迎える、温かい「第二の家」がコンセプトのこの宿には、心が疲れた人たちが集まる――傷心旅行の女性客、熟年離婚危機の夫婦……そして、このペンションの元オーナー。  天文家の夢を諦め、旅行雑誌社で働く編集者・宇田川昴太(うたがわこうた)もそんな一人。彼は妄想企画「夢が叶う星降るペンション」の取材のため、期間限定「星空案内人」として働くことに。自身の星座の知識を活かして問題を抱えた客と接することになるのだが……!? 思わず星空を見上げたくなる天文ペンションストーリー。
  • FAKE OF THE DEAD
    3.7
    「世界はゾンビに汚染された」 ゾンビの襲撃から逃れるため、真鍋和也と恋人の深雪たちは街外れのホームセンターに立て籠もっていた。ゾンビ感染の恐怖に怯えながらのサバイバル生活。 ──だが、それら“全て”は、恋人の深雪を救うために創りあげられた“偽りの終末世界”だった! 思わぬ闖入者の登場など、シナリオ通りに進まない虚像劇。さらには深雪の両親が残した隠し財産の存在まで発覚し……。ほころび始めた虚像劇の迎える結末とは──? 『ジレンマ』シリーズの土橋真二郎が贈る、フェイクでリアルなゾンビサスペンス!
  • 猫とわたしと三丁目の怪屋敷
    3.7
    上月沙由実は中学生の女の子。家族は普通の両親と、ちょっと変な兄。そして十年以上生きている三毛猫の伊緒奈。 ある雨の降りそうな夕方、沙由実は姿の見えない伊緒奈を探すうちに、不思議な場所へと迷いこんでしまう。 そこにいたのは、見たこともない巨大な猫と、言葉を喋る猫の群れだった。 その集まりの名は“猫集会”。 年経た猫は化ける――そして「猫の手」に任命した人間に、町の噂話を調べさせるのだという。 沙由実もまた、伊緒奈と一緒に「猫の手」として仕事をすることになり……不思議な猫たちの世界に迷い込んだ少女の、ご近所冒険譚。
  • 好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く
    3.7
    七年前、年下の男の子に、好きだといわれた。それから、手も握らせないまま恋人のような関係をずっと続けている。そして、私はまた、彼とは別の人を好きになる――〈表題作より〉。 好きな人と好きになりたい人が、どうして違うんだろう(長女)。かっこいいって、卑怯だぁ(次女)。恋は魔物の巣窟です(三女)。神戸の街を舞台に、一緒に暮らす三姉妹の恋の、始まりと、真ん中と、終わり。同じ時間を過ごす三人の恋を、三篇の短編で描く、切なく優しいラブストーリー。恋は、いつだって、私たちの心をつんとさらっていく。
  • オツベルと笑う水曜日
    3.7
    『私は、何一つ悪事を働いておりません。故に私は、己の身が清廉潔白である事を証明しようかと思います』 先日少年刑務所から出てきた容疑者の部屋で発見された声明文。そして殺人現場の壁に残る『私は無実です』のメッセージ──。 芸能ゴシップや都市伝説等を扱う、とある雑誌の編集部。そこは編集長の乙野辺ルイ、通称オツベルが若き女帝として君臨していた。そんな部に急遽配属された、強面で顔面に傷痕が走る巨漢、喜佐雪弘。自分を悪人だと自負するルイと真面目ながらも謎の多い新人記者・喜佐が、いつしか連続殺人事件に巻き込まれ──。
  • 沢木道楽堂怪奇録 最後の魔女
    3.7
    ひとりは霊を見る男。名を沢木隼人、なんでも屋 『沢木道楽堂』 を営むダメ人間。もうひとりは霊に好かれる少女。名を矢都雪穂、明るさが取り柄のお節介な女子高生。ふたりの前には、今日も今日とて奇妙でおかしな出来事が……。 失踪した母。残された娘は闇を恐れていた母の運命を知る 「ほらこの夜、またあいつらが」。黒猫を預かった雪穂。想いはかつての愛猫、寅さんの元へ…… 「きみに照らされて」。13人が死に、ひとりが生き残った。生き残ったのは幼い少女、葉山有紗。だが彼女の周囲では次々と人が死んでいき…… 「最後の魔女」。以上三編収録。
  • 沢木道楽堂怪奇録 はじまりのひとり
    3.7
    ひとりは霊を見る男。名は沢木隼人、なんでも屋 『沢木道楽堂』 を営むダメ人間。もうひとりは霊に好かれる少女。名を矢都雪穂、明るさが取り柄のお節介な女子高生。ふたりの前には、今日も今日とて奇妙でおかしな出来事が……。 公衆電話からの囁き。声を聞いた少女は怪奇と出会う〈囁き〉。腹を引き裂き自殺した妊婦。彼女の身になにが起きたのか? 〈はじまりのひとり〉。脳を持たない霊はいかにして思考するのか。そもそも霊とはなんなのか? 〈霊に魂の不在を説く〉。ベルクの名曲を巡る、ふたりの奏者の物語〈ある天使たちの思い出に〉。以上四編収録。
  • オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを
    3.7
    就職活動に疲れ切った女子大学生・小野寺美久が、ふと迷い込んだ不思議な場所。 そこは、親切だけど少し変わったマスターと、王子様と見紛うほど美形な青年がいる喫茶店『エメラルド』だった。 美形の青年――意地悪で高飛車な上倉悠貴との最悪の出会いを経て、『エメラルド』でウェイトレス兼探偵を務めることになった美久。 ドSな年下王子様と、すこしドジな助手の許に、今日も謎解きの匂いがほのかに薫る事件が舞い降りる。
  • 侵略教師星人ユーマ
    3.7
    小さな漁港、濃紺の海。どこにでもありそうなのどかな港町。唯一よそと違うのは、この町の海が宇宙人によって占拠されていることだった。 ある朝、宇宙船に向かって怒鳴り散らす青年を舞依は見かける。自らが真の侵略者であると意味不明なことを説く青年を見て、登校前の高揚した気分が萎える舞依だった。 だが、舞依の災難は終わらない。なんと新しい担任として現われたのが、あの青年、ユーマだったのだ。言動は変だが、どこか筋が通っているユーマはいつの間にか生徒達の人気者になっていく。だが、彼にはとんでもない秘密があり!?
  • 終わる世界のアルバム
    3.7
    なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
  • 空をサカナが泳ぐ頃
    3.7
    出版社で超多忙な毎日を送る中津藍。そんな彼が、ある日、煙草を吸いながらふと空を見上げると、一匹の魚が泳いでいた。慌てて目をこすってみるが、魚は消えることなく優雅にヒレを揺らして通り過ぎていく。しかもサメやらクラゲやらも、次々と現れては悠々と空を泳ぎはじめ……。 いったいこの鬱陶しい現象はなに? 藍は同じように魚が見える人たちと共に、彼らを消す方法を探し始める。しかし、魚は増える一方で、しかも魚が視界を埋め尽くすとき――。 さまざまな想いを交差させ、ちょっと変わった仲間たちが繰り広げる、未来を賭けた大騒動。 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作。
  • リリーベリー イチゴショートのない洋菓子店
    3.7
    「みなさんには、ケーキのように愛おしい宝物はありますか?」 ―― 大切な想いが込められたものには、必ず他人を魅了する力があります。それはケーキにも、お店にも、そして、人にも……。 女子大生・中屋明海が訪れた噂の洋菓子店「リリーベリー」は不思議な店でした。一年間限定開店、店に置かれるケーキは一日一種類のみ、そして、スイーツの主役であるイチゴショートがないこと。 そんな店に疑問を抱く明海でしたが、ある事件をきっかけに、パティシエ兼店長でどこか冷めた性格の青年・竹下望と一緒に働くことになってしまい ―― !? あなたも、一軒の洋菓子店 「リリベリー」 にまつわる甘くて苦くて愛おしい物語をご賞味あれ。
  • カエルの子は
    3.7
    遊園地でカエルの着ぐるみをかぶって仕事をこなし、優雅な独身貧乏生活を満喫中の俺、三十歳。ある日、見知らぬガキんちょがやってきて、俺に向かって思いっきり叫んだ。 「父ちゃん!」 身に覚えは……ない、わけでもない……。ああ、なんてこった。突然の息子の登場で、俺の平穏な生活が一変。そもそも子供は苦手なのに、この先、どうなっちまうのか ――。 真冬の遊園地でじんわりと展開する、奇妙な縁で結ばれた親子の心温まる物語。ぎこちない父親の愛情と、まっすぐな子供の信頼が、関わる人々に笑顔を運んでいく。
  • おちゃらけ王
    3.7
    かつては無類の馬鹿者だったが、いまは怠惰な大学生に成り果てていた名雪小次郎。そんな彼の前に、幼少からの腐れ縁 「魔王」 が現れ、言い放つ。「君に用心棒を頼みたいのだ」。 多くの人間に金を借りている魔王は、借金を取り立てる債鬼から逃げつづけなければならないのだという。 やっかいな頼みを断る小次郎だったが、魔王の策略にはめられ、恐ろしい追っ手たちから無我夢中で逃げ回ることになる。その逃亡劇の果てに二人を待っていたものは――? 馬鹿で奇妙奇天烈で爽快なネオ青春グラフィティ! 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作。
  • 探偵・花咲太郎は覆さない
    3.7
    ぼくの名前は花咲太郎。「推理は省いてショートカット」が信条の、犬猫探し専門探偵だ(しかもロリコン)。にもかかわらず、最愛の美少女・トウキは殺人事件を勝手に運んでくる。オネガイヤメテー。これは、そんな僕らの探偵物語だ。
  • 探偵・日暮旅人の贈り物
    3.7
    目に見えないモノを“視る”能力の酷使で体調に異常を来し倒れた旅人。陽子と灯衣は夜通し彼を看病する。だが2人が目覚めたとき、旅人の姿はベッドから消えていた。 消えた旅人は、自分が感覚を失うきっかけとなった刑事・白石に接近していた。しかしその最中、白石の息子が誘拐されるという事件が起こる。それを旅人の仕業だと踏んだ白石は、陽子を誘拐するという暴挙に出て ―― !? 旅人の両親とユキジの父親の過去を紐解く物語 『白日の下』、灯衣と母親の物語 『愛の旅』 を含む全4編を収録した 『愛』 を探す探偵・日暮旅人の物語、感動の最終巻!
  • 探偵・日暮旅人の失くし物
    3.7
    日暮旅人(ひぐらしたびと)には不思議な力がある。音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み――。これら目に見えないモノを“視る”ことができるのだ。その力を使い、旅人は 『探し物探偵事務所』 を営んでいる。 保育士の山川陽子は、そんな特異体質を持つ旅人のことが気になっていた。もちろん、旅人と共に暮らす、人形のように美しい彼の娘・百代灯衣(ももしろてい)のことも。陽子は二人の生活をサポートしようと、探偵事務所に通う日々を過ごしていた。そんなある日、旅人のもとにある料理の“隠し味”を探してほしいという依頼が舞い込み―― ? 『愛』 を探す探偵・日暮旅人の物語、シリーズ第2巻登場。
  • 暗闇の非行少年たち
    3.6
     少年院から退院した18歳の水井ハノは、更生を誓いながらも上手く現実に馴染めず、再び犯罪に手を染めようとしていた。そんな時、SNSで「ティンカーベル」と名乗る人物から、ある仮想共有空間(メタバース)への招待状が届き――。  空間に集う顔も本名も知らない子供たちとの交流を通し、暗闇にいたハノは居場所を見つけていく。だが、事情を抱える子供たちのある“共通点”に気づいた時――、謎の管理人ティンカーベルが姿を消した。予想もつかない事態へ、ハノたちも巻き込まれていく。 子供たちを集める謎の管理人ティンカーベルの目的とは。更生を願い、もがく少女が見つけた光は、希望かそれとも――? 鳴りやまない反響に20万部突破 『15歳のテロリスト』の著者が放つ、新たな衝撃ミステリー!!
  • 異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき
    3.6
    都内で女性の連続殺人事件が発生。異様なことに死体の腹部は切り裂かれ、臓器が丸ごと欠損していた。 捜査は難航。指揮を執る皆川管理官は、所轄の新人刑事・氷膳莉花に密命を下す。それはある青年の助言を得ること。阿良谷静──異名は怪物。犯罪心理学の若き准教授として教鞭を執る傍ら、数々の凶悪犯罪を計画。死刑判決を受けたいわくつきの人物だ。 阿良谷の鋭い分析と莉花の大胆な行動力で、二人は不気味な犯人へと迫る。最後にたどり着く驚愕の真相とは?
  • 声が出なくなったので、会社を辞めて二人暮らし始めました。
    3.6
     仕事は辛くて友だちも少なく、元カレはクズ。ストレスが原因で声が出なくなり会社を辞めた絵麻。無職になり祖母の遺した家でずぼらな引きこもり生活をしていたが、突如親友の弟・空が現れる。 「俺がここに住むの、どうですか?」  空の強引な提案で一緒に暮らし始める二人。空の手料理やお世話により、絵麻の生活は改善されていくが、空には秘密があって……。 『おいしい』『ありがとう』『好き』――声が出なくても想いは文字《カタチ》にして伝えたい。  優しく言葉を綴る恋の物語。
  • 破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S
    3.6
    普通じゃない事件と捜査――あなたはこのトリックを、見抜けるか? ある怪事件と同時に国家機密ファイルも消えた。唯一の手掛かりは、事件当夜、現場で目撃された一人の大学生・戻橋トウヤだけ――。 内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S(サイロス)。「普通ではありえない事件」を扱うここに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子は、目撃者トウヤの協力により、二人で事件とファイルの捜査にあたることに。 珠子の心配をよそに、命知らずなトウヤは、誰も予想しえないやり方で、次々と事件の核心に迫っていくが……。 「才能が光る。浮世離れしたキャラクター造形。意表を突く場面展開。僕たちの会社が制作した『SPEC』のように映像化もありえるか?」神康幸(映像プロデューサー/電撃小説大賞最終選考委員)、「僕たちは何かを賭けて生きている。読み終えた後、この物語にもっと賭けたくなりました」佐野徹夜(作家)――大推薦の声、続々! 応募総数4843作品から激賞、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》に輝いた、注目のサスペンス・ミステリ誕生。
  • ニセモノ夫婦の紅茶店 ~あなたを迎える幸せの一杯~
    3.6
    穏やかな海辺の町、千葉の館山にひっそりと建つ紅茶専門の喫茶店『Tea Room 渚』。店を営む“夫婦”には、4つのルールがある。 1.互いの部屋には入らない。 2.共同生活に関わることは一人で判断しない。 3.本当の夫婦でないことは他言しない。 4.どちらか一方の申し出で、いつでも関係を解消できる。  神経質で毒舌な秀二と、社交的で明るいあやめ。訳あって偽装夫婦となった二人のもとを訪れるのは、困った事情を持つお客さんばかりで……。
  • なるほどフォカッチャ ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん
    3.6
    「人の秘密はそっとしておかなければならないんです。膝の上に乗ったハリネズミみたいに」  いつも無表情な麦さんは“ささいな謎”を愛する、ちょっと不思議なパン屋の店員さん。  彼女の貴重な笑顔に一目惚れして以来、毎日せっせと謎を探しお店を訪ねる僕。パンとコーヒーと“ハリネズミ”とともに、今日も僕らのおいしい謎解きが始まる――。  “なるほどフォカッチャ”。それは「僕と彼女」を結び、「日常の謎」を紐解く魔法の合言葉。
  • チョコレート・コンフュージョン
    3.6
    バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りのヒールが折れ、まさに泣きっ面に蜂。そんな千紗を救ったのは、理想の王子様――ではなく、凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生だった。 千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。「断ったら殺される!?」命の危険を感じた千紗は、偽の恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!? 凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ!
  • 明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業
    3.6
    日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!?
  • ひとり旅の神様
    3.6
    神崎結子・OL。ひとり暮らし、彼氏なし。とにかくとことんついてない。上司からは小言の連続、後輩はいまいち頼りない。そんな日常からの逃避行でたどり着いたのは、都心からは遠くて近い、鎌倉駅。そこで結子は、言葉を話す不思議な猫・ニャン太と出会う。自分を“旅を司る神”と名乗るその猫から頼まれたのは、日本の各地に住まう猫神様に文を届けること。どこか懐かしい土地へのひとり旅は、新たな発見の連続で――。日本の景色と食を巡る、心に優しいひとり旅の物語。
  • 奈良町ひとり陰陽師
    3.6
    古都・奈良にあって、歴史的な趣きを残した町家が立ち並ぶ「奈良町」。奈良町の一角にある「くすば菓子店」の息子・楠葉シノブは、奈良ではもう最後となる、由緒正しい陰陽師だった。シノブが取り仕切るのは、奈良で起こる不思議の一切。祭りの夜を待つ青衣の女人、ご機嫌ななめな女神様、走る大黒様まであらわれる奈良町で、猫又の墨香や幼馴染のゆかりに見守られながら、シノブは今日も不思議を解きほぐす――歴史薫る古都から贈る、優しいあやかしファンタジー。
  • 猫と透さん、拾いました ―彼らはソファで謎を解く―
    3.6
    美哉は恋人と別れ、仕事も失い、失意のどん底にいた。痛みを紛らそうと飲みに行き、酔った帰りに猫と青年をうっかり拾ってしまう。紆余曲折あって、謎めいた青年、透と賢い白猫アガサとの奇妙な同居生活が始まる。透とアガサは美哉の日々の悩みやトラブルをただ聞くだけで、まるで安楽椅子探偵のように解決していく。そして謎だけでなく、心も解きほぐしていく。次第に透たちとの関係が心地良くなる美哉だったが――心に染みる日常ミステリ。
  • ひきこもりの弟だった
    3.6
    『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後にあなたは――』突然見知らぬ女にそう問いかけられた雪の日。僕はその女、大野千草と夫婦になった。互いについて何も知らない僕らを結ぶのは【三つ目の質問】だけ。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に捨て去ったはずの過去を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。これは、誰も愛せなくなった僕が君と出会い、愛を知る物語だ。
  • 京都骨董ふしぎ夜話
    3.6
    京都祇園の路地裏にたたずむ「桃枝骨董店」。三代目店主未之助と弟子兼使用人の天草がいるこの店には、骨董品はもちろん、時には不用品や盗品といったものまで――、毎日不思議な“ご縁”が品物とともに舞い込んでくる。 京都に春が訪れたある日。大学進学のため、全寮制の高校を卒業した孫娘・光が7年ぶりに帰ってくる。と同時に、馴染みの刑事からある品物の問い合わせが入る。聞けば、事件がらみのいわく品で……。 百鬼夜行の気配ただよう町並に、人と物と人情が紡ぎだす、ちょっぴり不思議であったかいライトミステリ。
  • 招き猫神社のテンテコ舞いな日々
    3.6
    起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん!
  • 初恋ロスタイム
    3.6
    僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
  • ぼくたちのなつやすみ 過去と未来と、約束の秘密基地
    3.6
    久しぶりに帰ってきた故郷。思い出すのは、とある事件をきっかけに離ればなれになってしまった子供時代の仲間たち。タケオ、モミジ、ウミ、カイ、そして猫のニャン太。ふと気づくと、僕はなぜか小学三年生のあの時代にやってきていて――。そして再び大事な仲間たちに出会った僕は、あの事件、神社の近くにあった“秘密基地”が焼失してしまった悲しい想い出を阻止するべく動き出す。でも、僕の記憶していたなつやすみの出来事とは少しずつズレたことが起こり始め、ついに事件が起こった日を迎えることになったんだ――。これは、僕が仲間たちと失われた絆を取り戻す物語。
  • ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事
    3.6
    昔ながらの工房が軒を連ねる、東京は浅草の職人街。 魔法使いがいるという噂の革工房『ハイカラ工房』を覗いてみれば、今日も無骨な青年が、熱心に仕事に打ち込んでいる。 工房を切り盛りする店主は、若き革職人・神崎時宗。手ぬぐいを頭に締めた、目つきの悪さが際立つ風貌とは裏腹に、腕は確かで仕事は丁寧。 その巧みな腕前で、工房に持ち込まれる、曰く付きの革製品と、そこに籠められた人々の想いまで、たちどころに修理してしまうらしい。 どうやら彼が持つ魔法のような技術には、秘密があるようだ――。
  • ネバー×エンド×ロール ~巡る未来の記憶~
    3.6
    この街は壁に囲まれている。 札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は高い壁の中にすっぽり収まっていた。 風変わりなその街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抑えきれずにいた。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀すぎる脱出作戦を立てるのだが……。 そんな夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて―― !? 悩める彼らの運命が動き始める! 一人の少女が巡る三つの暦。 高い壁に秘められた小さな星のナゾを紐解く、青春ロスタイムストーリー。
  • シャロン 死者は神を語らない
    3.6
    ガス灯が光り輝く19世紀末のパリ。華やかなその街で、若い女性が次々と姿を消す連続失踪事件が起こっていた。 警察の捜査が難航するなか、パリ随一の腕を持つ遺体修復師シャロンのもとに美しい少女の死体が運び込まれてきた。他殺と思しき無残な亡骸に語りかけ、処置を始めようとしたその時、シャロンはある異常に気がつく。 少女と失踪事件の謎。それに意図せぬ形で挑むことになったシャロンの行く手に、パリを蝕む漆黒の闇が立ち塞がる。 過酷な運命と共に神の奇跡を宿した青年が、辿り着いた真実とは……。
  • 桜かんざしの舞妓さんと怪盗大旦那
    3.6
    取り柄は気立てのよさ、まっすぐなところ。やる気だけが空回りしてしまう少女、一花。最近やっと、仕込みから新米舞妓になれたばかり。 そんなどんくさい一花を、ひいきにする青年がいる。石川総司は祇園の大旦那と呼ばれる花街の顔役。芸舞妓の憧れの総司が、なぜ一花に目をかけるのか。まったくの謎だが、ふたりの珍妙な掛け合いは花街の名物となっている。 最近、京のちまたが騒がしい。怪盗夜行――権力者の不正をただす義賊だという。実は夜行と面識がある一花。そのせいか、一花の行くところ面倒事ばかり。今日も大旦那と新米舞妓が事件に挑む!?
  • クラス会へようこそ あの頃の想い、取りに帰ろう。
    3.6
    高校を卒業して5年ぶりの同窓会は様々な想いを抱えて参加する者ばかり。泉谷美貴もその一人で、性格が真逆な双子の姉・夕貴に扮装し、ある人に想いを告げるためやってきたのだが──。 サプライズの殺人事件や毒入りカクテルを使った復讐、ストーカーによる入れ替わりなど、次から次へと珍騒動が巻き起こり、事態は思いも寄らぬ方向へ。そして、ついに隠していた同窓会の存在が夕貴にバレ、会場で鉢合わせ!?ピンチを迎えた美貴の恋の結末は──? 第18回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作者が贈る、ハートフル喜劇!
  • ショコラの王子様
    3.6
    仙台駅から列車に揺られて十数分ほどの北岡駅。この無人駅の駅舎内には、ひっそりとショコラ専門店が開いている。店名は「カカオ・クリオロ」。味も見た目も絶品のショコラが売られているのに、なぜか、お客がまったく寄りついていない。 ある日、バレンタインに贈るチョコのことを考えていて自宅駅を乗り過ごし、北岡駅で降りることになった女子高生・翠は偶然、カカオ・クリオロに足を踏み入れる。そこで彼女は、店に客が入らない理由を知ることになる。 この店のショコラティエはイケメンなのに、とんでもない秘密をもっていたのだ……。
  • 舞妓さんと怪盗大旦那
    3.6
    福井の田舎から祇園へ出てきた一花。どこかどんくさい少女で、やっと仕込みから舞妓になれたばかり。 お座敷は失敗の連続。落ち込む一花が夜道で出くわしたのが、なんと怪盗だった。怪盗夜行──最近、京を騒がす義賊である。人の好い一花は、追われている夜行を逃がす手助けをするのだった。 その日から、一花の運勢は上向いていく。なぜか、一花をひいきにする青年が現れたのだ。石川総司は若くして祇園の大旦那と呼ばれる青年実業家。だが、禍福はあざなえる縄のごとし。時を同じくして、一花は驚くような事件にまきこまれていくのだった。
  • 超能力者のいた夏
    3.6
    都内の高校で問題を起こし長野の私立学園に転入した高校生、高那聡。成り行きで入った山奥の寮『清流寮』で彼を待っていたのは、番長と恐れられる小柄な美少女津浦翼と、不思議な能力を持つ8人の寮生たちだった。 だがその能力とは、リモコン人間やら中途半端な幽体離脱やら、どれも役に立たないものばかり。彼ら彼女らの能力に翻弄されながらも高那は寮での新生活をはじめるが、不吉な予言は彼が重傷を負うと告げ……。 <寄る辺なき弱者が集う、イカれたこの世の果て>清流寮で繰り広げられる、笑いと涙の青春ストーリー。
  • 三ツ星商事グルメ課のうまい話
    3.6
    ある総合商社のお荷物部署、グループリソースメンテナンス課。毎夜、経費で飲み食いをくり返すというウワサから、人は彼らを「グルメ課」と揶揄するのだった。 しかしその実態は、悩める社員を言葉巧みに食事に招き、個性的なメニューでおもてなし。おいしい料理で心を癒やしながら、仕事に閃きを提供するという特殊な課だった! いつもにぎやかなグルメ課メンバーが丁寧な仕事でトラブルを【料理】する、新感覚グルメ小説に続編登場。 鯛茶漬け、水牛モッツァレラのラザニア、肉寿司……etc。実在の飲食店と本物の料理が、秋の夜長をやさしく彩る。
  • 三ツ星商事グルメ課のおいしい仕事
    3.6
    とある総合商社のお荷物部署・グループリソースメンテナンス課。毎夜、会社の経費でムダな食事を繰り返しているというウワサから、人はそこを「グルメ課」と呼ぶのだった。 入社1年目の新米経理部員・山崎ひなの。彼女はグルメ課の浪費実態を調査すべく、1ヶ月限定で異動を命じられるが、案の定そこは社会人らしからぬ人々の巣窟だった……。 一刻も早く課をつぶそうと、彼らの食事会に潜入するひなのだったが、そこには意外なミッションが隠されていて――。 個性豊かな実在の飲食店&メニューが悩める社員を救う。読めば読むほどに味の出る、熱くて美味しいお仕事ストーリー!
  • めたもる。
    3.6
    たとえば、すれ違いばかりの彼と彼女がいたとする。本当にちょっとしたボタンのかけ違い。でも、きっかけがなくて──。 そんな時、彼/彼女はふと善行をする。弱っている猫にエサをあげたりといった些細なことだ。だが、枕元に神様が立って、何にでもなれるお札をくれるという。え? そんなおとぎ話を信じられない? いやいや、嘘じゃない。実際彼らはお札を手に入れ、それがきっかけとなり二人の関係は変わっていくんだから。 大人のメルヘンをどうぞ。
  • 舞面真面とお面の女
    3.6
    工学部の大学院生・舞面真面(まいつらまとも)は、ある年の暮れに叔父の影面(かげとも)からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男・被面(かのも)が残した遺言の解明だった。 ―― 箱を解き 石を解き 面を解け ―― よきものが待っている 従姉妹の水面(みなも)とともに謎に挑んでいく真面だったが、謎の面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に――? <メディアワークス文庫賞>受賞者、野崎まどが放つ怪作登場!
  • ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様
    3.6
    三年ぶりに帰国し、日本の高校に入学した綾音。彼女には幼馴染みの巧也と野球をするという目的があった。そう、甲子園を目指すのだ! だが、久しぶりに再会した彼は冷淡で 「野球はやめた」 という。実は巧也には秘密があって!?
  • 演じられたタイムトラベル
    3.6
    大学生の朝倉僚は、目を覚ますと知らない場所に閉じ込められていた。ずきずきと痛む頭、はっきりとしない直前の記憶、首に巻かれた無骨なワイヤー。そして、その場所には“ある共通点”を持つ人間たちが集められていた。 かつて制作の頓挫したゲームアプリ【SOD】 ―― その開発者たちが一同に集められ、ゲームのプレイヤーを“演じる”ことを命じられる。 矛盾を起こせば死 ―― 記憶だけを頼りに“抜け落ちた時間のイベントを補完する”、決死の舞台が幕を開ける! 土橋真二郎のMW文庫デビュー作 『殺戮ゲームの館』 に連なる≪密室≫シリーズ!
  • 絵画の住人
    3.6
    国分寺駅から徒歩数分のところに、まるで人の目から隠れるかのように建つ画廊がある。名画の複製ばかりが飾られている、その小さな画廊には、ある特別な秘密が隠されているらしく――。 高校を中退し、その場しのぎのバイトで食いつなぐ青年、諫早佑真。ある日、この世のものとは思えぬ美しい少女に導かれるように、AOKI画廊へと足を踏み入れる。絵画には興味のない彼だったが、画廊のオーナーから頼まれ、雇われ画廊主を務めることに。しかし、働きはじめた佑真は、すぐあることに気づく。 ――この画廊の絵、生きているんじゃないか……!?
  • 探偵・日暮旅人の壊れ物
    3.6
    目に見えないモノを視ることで事件を解決する青年・日暮旅人。彼が経営する『探し物探偵事務所』に、ある日見生美月と名乗る美しい依頼者が現れた。 旅人のことを「旅ちゃん」と親しげに呼ぶ美月は、どうやら旅人の学生時代の先輩だという。今日も今日とて探偵事務所を訪れていた保育士の陽子は、旅人の過去を知る美しい女性の出現に、動揺を隠すことができず――? 旅人の学生時代が語られる『昔日の嘘』のほか、『箱の中』『傷の奮え』『憧憬の館』『竹馬の友』の全5編を収録。愛を探す探偵の物語、セカンドシーズン第2弾登場。
  • 月だけが、私のしていることを見おろしていた。
    3.6
    高学歴、高年齢、高層マンション住まいの3K女・二宮咲子は、元彼の御厨に未練たらたらの日々を送っていた。週末の友人の結婚式で御厨と奥さんに再会することを悩む咲子は、占い師に一週間で出会いがないと一生独身と宣言される。驚いた咲子は合コンやお見合いなどの予定を入れていくのだが、相手を御厨と比べてしまい、逆に自分の未練を自覚していく。そんな咲子には、誰にも言えない楽しみがあった。それは、年下青年の住むぼろアパートを中古の天体望遠鏡で覗くこと。今の彼女の心を暖めてくれるのは、月夜に望遠鏡を通して知り合った青年・瑞樹との交流しかなくて──。
  • 絶望センチメンタル
    3.6
    今日こそはアイツに復讐しよう。公園のベンチに座ってそう決意する僕の目の前に、女子高生のお姉さんが落ちてきた。 ……アスレチックの上から。彼女は微笑んで言う。 「しようぜ、復讐」 見知らぬお姉さんに引きずられ、僕(=小学五年生)の奇妙な旅が始まった。旅なのか……な? 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞後、第一作。可愛げのない小学生と、破天荒な女子高生。おかしな二人の奇妙な旅を綴るメランコリック・ロードノベル。
  • 俺のコンビニ
    3.6
    東京暮らしに挫折して、故郷へと舞い戻った青年、牧水良平。実家の小さな商店を手伝うわけでもなく、悶々とした日々を送っていた。そんな彼が一念発起! 人口の少ない田舎町で、コンビニを起ち上げようと決意する。当然のごとく次から次へと難題が降りかかってきて、若き店長は行き詰まるのだが――。 あなたがいつも立ち寄るコンビニの裏でも、こんな熱いドラマが繰り広げられているのかもしれない!? 何事にもへこたれず、前へ進んで行こうとする一人の青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
  • バカが全裸でやってくる
    3.6
    バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である 『小説家』 が描く物語よりも、奇妙だった。
  • 殺戮ゲームの館<上>
    3.6
    ── 誰かが言った。この二つには共通点があるのではないか。 一つは時折マスメディアをにぎわす集団自殺のニュース。そしてもう一つは人間が殺し合う娯楽ビデオが存在するという都市伝説。 出会いや遊びが目的のオカルトサークルに所属する福永祐樹は、ネットで偶然見つけた自殺サイトに興味を持ち、集団自殺の現場となったというある廃墟にたどり着く。だが祐樹が目覚めた時、彼を含むサークルメンバー11名は密室に閉じ込められていた……。 戦慄の密室サスペンス、上巻。
  • 迷子宮女は龍の御子のお気に入り ~龍華国後宮事件帳~
    値引きあり
    3.5
    第7回カクヨムWeb小説コンテスト、〈恋愛部門〉特別賞受賞の新・後宮恋愛ファンタジー!  失踪した姉を捜すため、龍華国後宮の宮女となった鈴花。ある日彼女は、銀の光を纏う美貌の青年・コウレン(※)と出会う。官正として働く彼の正体は、皇位継承権――《龍》を喚ぶ力を持つ唯一の皇族だった!  そんな事実はつゆ知らず、とある能力を認められた鈴花はコウレンの側仕えに抜擢。後宮を騒がす宮女殺し事件の犯人探しを手伝うことに。後宮一の人気者なのになぜか自分のことばかり可愛がる彼に振り回されつつ、無事に鈴花は後宮の闇を暴けるのか!? ラブロマンス×後宮ファンタジー、開幕! 【登場人物】 ・鈴花(りんか) 人の纏う「色」が視える不思議な目の持ち主。 健気で努力家だが方向音痴が悩みの種。 ・コウレン 皇位継承権を持つ絶世の美青年。しかし現皇帝との関係は微妙なようで……。 心優しい鈴花に次第に惹かれていく。 ※コウレン:「王へんに光」「王へんに連」
  • 皇帝陛下の御料理番
    3.5
     険しい山間で猫又妖怪とひっそりと暮らす少女・紫乃は、ある日川から流れてきた美しい男――皇帝・凱嵐を助ける。 「御膳所で働くか、この場で斬って捨てられるか……どちらでも好きな方を選ぶが良い」  紫乃の料理に惚れ込んだ凱嵐に強引に連れ去られた先は、皇帝が住まう豪奢な天栄宮。紫乃は、皇帝の口に合わない食事を作れば首を刎ねられると噂の御膳所の「料理番」に任命されてしまう! 礼儀作法も知らない紫乃に周囲は反発するが、次第に彼女の料理で宮廷は変わっていき――!? 「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」カクヨムプロ作家部門《特別賞》を受賞した、成り上がり宮廷グルメ物語!
  • 氷の侯爵令嬢は、魔狼騎士に甘やかに溶かされる
    3.5
     こんな温もりは知らなかった。 あなたに出会うまでは――。  生まれながらに「大聖女」の証を持つ侯爵令嬢エリーゼ。しかし、自身を疎む義妹と婚約者である王太子の策略によって全てを奪われてしまう。  辺境に追放される道中、魔獣に襲われ命の危機に瀕した彼女を救ったのは、その美貌と強さから「魔狼」と恐れられる騎士・ギルベルトだった。彼は初めて出会ったエリーゼの願いを真摯に受け止め、その身を匿ってくれると言う。  彼の元で新しい人生を送るエリーゼ。優しく温かな日々に、彼女の凍えた心は甘く溶かされていくのだが……。
  • 後宮の夜叉姫
    完結
    3.5
    後宮の奥、漆黒の殿舎には人喰いの鬼が棲むという――  泰山の裾野を切り開いて作られた綜国。十五になる沙夜は亡き母との約束を胸に、夢を叶えるため後宮に入った。  しかし、そこは陰謀渦巻く世界。ある日沙夜は後宮内で起こった怪死事件の疑いをかけられてしまう。  そんな彼女を救ったのは、「人喰いの鬼」と人々から恐れられる人ならざる者で――。 『座敷童子の代理人』著者が贈る、中華あやかし後宮譚、開幕!
  • 永遠のあなたと、死ぬ私の10の掟
    3.5
    500年を超える悠久の時を生きてきた不死身の床無くん。 平成の終わり頃、髪結いを生業とする彼と出会い、一瞬で恋に落ちた真昼は、奇妙な「十の掟」を交わす。それは二人がうまく付き合っていくための大事な約束だという。第一の掟「掟ヲ守ル事」、第二の掟「姓デ呼バヌ事」……。 煌めくような日々の経過と共に明かされる掟に秘められた真意と、床無くんが古から見送ってきた幾つもの人生。しかし、第九の掟がもたらしたのは残酷な運命だった――。 これは、永遠に残る愛の形。
  • 香屋 夢見堂 ~夢の香りは縁を結ぶ~
    3.5
     東京の下町・人形町に店を構えるお香屋「夢見堂」。その店には夢を売り買いし、悪夢を食べ吉夢を授ける「獏」がいるという――  夢で見たことを人に話すと現実になる。そんな能力を持つ女子大生の結は、ある日突然、「夢見堂」店主の獏と名乗る人物と夢の世界で出会う。楽しい夢逢瀬の日々もつかの間、彼女の稀有な能力ゆえ、人に悪夢を植え付ける「夢魔」に目をつけられて、彼女は両目の視力を失ってしまう。絶望する結は、夢に関する専門家である獏を頼るのだが、実は彼も夢魔によって、自分一人で夢を見ることができない体質にさせられていたのだった。  二人は欠けた部分を補うように共に暮らし、夢魔を探しながら、夢にまつわる依頼を解決していく。  ――どんな悪夢にうなされても、俺が助けに行きますから。  縁と夢と香りがつなぐ、少し不思議な夢物語。    応募総数1,210作品の頂点! 魔法のiらんど大賞2020 小説大賞《大賞》受賞作!
  • おとなりの晴明さん ~陰陽師は左京区にいる~
    3.5
    一家で京都に引っ越してきた女子高生・桃花。隣に住んでいたのは、琥珀の髪と瞳をもつ青年・晴明さんだった。不思議な術で桃花の猫を助けてくれた晴明さんの正体は歴史に名を残す陰陽師・安倍晴明その人。晴明さんと桃花の前に現れるのは、優しい鬼や京都の街を守る平安京サル会議、美の御利益をもたらす女神様。晴明さんは、いつも憂鬱そうな顔で、けれど軽やかに不思議な世界の住人たちの願いを叶えていく。そして現世での案内係に任命された桃花も、晴明さんの術で思わぬ姿に変身して――。悠久の古都・京都で紡ぐ、あやかしファンタジー。
  • 明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に
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    将来を誓い合った恋人を事故で失った燈は、心の傷が癒えないまま高校生となった。  彼女の唯一の居場所は誰もいない図書室。日々読み終えた本の感想を共用の「読書ノート」に書き込んでいた燈はある時、同じノートを使う、顔も知らない生徒と文章を介した交流を始める。不思議と気の合う相手との文通に安らぎを感じる燈。ところがその相手が死んだはずの恋人「翼」だったことが判明し――?  最愛の恋人との文章だけの再会によって、止まっていた時間が今、再び動き出す――。
  • 目的地はお決まりですか? ~森沢観光どこでも課~
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    憧れの旅行会社に入社して四年目。社内で悪名高き3課――通称・どこでも課に突如異動となった亜夜(26)。人たらしな優男の課長と、塩対応(でも甘党)な後輩男子と亜夜、たった三人のどこでも課。その仕事は『個人向けオーダーメイドプラン作成』という名の、“面倒”な依頼処理係だった! 『恋人に別れを切り出したい』 『昔、友人と訪れた思い出の地に行きたい』  ――訳アリなお客様の裏には様々な物語があって……。疲れた心を温める、非日常な『旅』をどうぞ。
  • 姫陰陽師、安倍晴明 ~平安あやかし草子~
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    数々の逸話を残す史上屈指の陰陽師、安倍晴明。その晴明が、もし女性だったら――。  法師陰陽師として、自由気ままに暮らしていた若き晴明。久しぶりに都に戻ってくると、師匠の賀茂忠行が急に体調を崩してしまう。大内裏で何か起きていると気づいた晴明は、自らを男と偽り、宮中に入り込むのだが……。  陰陽道の師・忠行。兄のような賀茂保憲。晴明に寄り添う妖狐・雨暗。生意気な天才・蘆屋道満。そんな平安の優男たちとともに、女・晴明は怪異に挑んでいく。
  • 神楽坂・悉皆屋ものがたり 着物のお直し、引き受けます。
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    鎌倉にある呉服屋の長女・紬は、どうしても着物に興味をもてず、店の経営に腐心する日々を送っていた。そんな様子を見かねた両親の強引な指示によって、彼女は神楽坂の路地裏に建つ悉皆屋で修業することになる。  仕立て直しや洗い張りなど、着物のメンテナンスを一手に引き受ける悉皆屋。飄々とした店主や軟派な大学生らと共にこの店で働くうち、紬はこれまで気づかなかった着物の魅力にはまっていく――。  瀟洒な街・神楽坂には、日本伝統の美が、よく似合う。
  • 妖怪解析官・神代宇路子の追跡 人魚は嘘を云うものだ
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    鷹橋川で発見されたミイラ化した遺体の上半身と、それに合致する巨大な魚の下半身。  怪事件に悩まされていた新米刑事の御堂陸は、手がかりを求め、美貌の科学者・神代宇路子の元へ押しかけることに。私生活はちょっぴりだらしないが、妖怪、特に人魚について語り出すと止まらない彼女は、陸が追う事件についても何か知っている様子で──。  生真面目な刑事と妖艶な解析官が人魚の秘密を解き明かす! ……ただし、人魚は嘘をつくことがあるのでご注意を。
  • 綺羅星王宮曲
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    神棲まう不知森に足を踏み入れた高校生の光流が気づくと、そこは「照国洛豊」という華やかな都だった。  元の世界に戻る方法を知るという“賢大婆”を探しに、後宮へ入るが……現代っ子の光流は身分もしきたりもお構いなし、目立つ存在に。お付きの女官の祥華の手助けもあり、気のいい内宮女の梨香、麗雅という友達を得、高官・徐煌貴の目にも留まり――。  同じ頃、血族が途絶えかけ皇帝の力が弱体化する照国に不穏な影が。王宮に渦巻く黒い陰謀は、光流にも忍び寄る。
  • 幸せは口座に預けることはできません はみだし銀行員の業務日誌
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    失敗続きの日々にクビを恐れながら働く、新人銀行員カズマ。しかし、常識にとらわれないユニークな彼は、金銭トラブルを抱えて銀行を訪れる人の悩みを意外な方法で解決し、多くのお客たちを幸せにしていく――。
  • 笑う書店員の多忙な日々
    3.5
    その筋では知られる書店『四谷書廓堂』の文庫文芸担当として働く女性店員、楠奈津。なによりも本を愛する彼女が、日々店にやってくる困ったお客様や出版社の営業担当を相手に奮闘する姿をコミカルに描いていく――。
  • もうひとつの命
    3.5
    あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕らが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。あれから数年、自殺した稲村が生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰っていたらしい。一度だけ復活できる。なら命一つ犠牲にして、僕らに何が成し遂げられるだろう。
  • おかえりシェア
    3.5
    新鮮みのない毎日。人生の不感症。アラサ―OLの道子は、退屈な日々を過ごしていた。ときめきを求めていたある日、家に帰ると、部屋の壁に「穴」が!? そこから覗いていたのは隣人のイケメン男子手近くん。穴を空けたお詫びとして、彼が引っ越すまでの1週間、毎日顔を合わせて会話することを提案される。『あいさつ、おしゃべり、一緒にごはん』 三つのルールでつながる不思議なシェア生活がはじまってーー? 期間限定ときめきラブコメ!

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