検索結果

  • レジェンド歴史時代小説 近藤勇白書(上)
    -
    幕末の動乱期、風雲急を告げる京で幕府側に立って剣を振るった新選組。もとは寄せ集めの浪士集団だった彼らを束ねた近藤勇とは、どのような男であったのか。優れた剣の腕を持ちながら、臆病ととられるほどに温和な人柄だったという近藤の半生を、池波正太郎ならではの人間味あふれる筆致で描いた時代巨編。
  • 青嵐
    4.0
    侠客・清水次郎長一家に2人の「松吉」がいた。一の子分、「森の石松」こと三州の松吉は美男で博打も喧嘩も強い兄貴分、いっぽう並外れた巨体で「豚松」と呼ばれた三保の松吉は女も博打も苦手な愛嬌者。好対照ながら同じように親と別れ、一家に身を寄せた2人は互いに認め合う。幕末の苛酷な運命が、2人と一家を待ち受けていた──。初夏、青葉のころに吹く「青嵐」のように、東海道を駆け抜けた最後の侠客を描く、傑作時代長編!
  • ゆけ、おりょう
    3.5
    「世話のやける弟」がいつしか時代の英雄になってしまった――。 坂本龍馬の妻・おりょうの目を通して描かれる、幕末の名場面! 幕末の京都で出会った「世話のやける弟」のような男・坂本龍馬と結婚したおりょうは、夫を呼び捨てにし、酒を浴びるほど飲み、勝海舟にも食ってかかる「妻らしからぬ」振る舞いで周囲をへきえきさせる。 ついには龍馬の周囲から、「龍馬のために離婚してください」とまで迫られる始末。 しかしおりょうは、寺田屋で間一髪龍馬の命を救い、日本で初のハネムーンを敢行。 薩摩へ、軍艦に乗って長崎へ、馬関へ――。 激動の世の中を楽しげに泳ぐうち、いつしか薩長同盟・版籍奉還の立て役者として時代の英雄になってゆく夫。 そして、龍馬亡きあとの20年を彼女はどう生きたのか。 型にはまらない生き生きとした夫婦の姿、意地っ張りで責任感が強く、龍馬に惚れながらも自立した魂が輝く「門井版おりょう」。 現代の女性に響く物語! 解説・小日向えり(歴女) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。
  • 波止場浪漫 上
    -
    清水次郎長の娘が胸に秘める、運命の恋。 次郎長の末裔である著者が描く渾身の大河ロマン! 稀代の侠客として名を馳せた清水の次郎長。 ご一新の後は旧幕臣と官軍が入り乱れる殺伐とした清水港で地元の名士となり、波止場をつくる時も先頭に立った。 次郎長の養女となった「けん」は、幼い頃に出逢った白皙明眸の西洋医の面影が忘れられず、やがて二人の関係は深まっていくが……。 近代化に突き進む明治から大正の世に清水港で船宿を営み、「波止場のおけんちゃん」と呼ばれて人々から愛された次郎長の養女を主人公に、市井に生きる人たちの愛と別れを描く大河ロマン。
  • 月の光のために 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    -
    徳川吉宗が仕掛けた 黒い陰謀を秘剣が斬る! 大奥を守り抜く同心たちの奮闘! 傑作時代エンターテインメント!! 大奥に渦巻く陰謀を 剣豪同心が秘剣で斬る! 幕府の政治刷新に大ナタをふるう新井白石の家臣・村雨広は、剣の腕を見込まれて、現将軍・徳川家継の実母である月光院の警護を命じられた。月光院はかつて浅草の裏長屋で村雨の隣に住み、思いを寄せた娘・お輝だった。運命を感じ、大奥同心の仲間と共に彼女を守り抜く覚悟を固めるが、紀州藩主・徳川吉宗らの黒い陰謀が容赦なく襲い掛かり…! 【主な登場人物】 村雨広…大奥同心。新井白石の家来。新当流剣術の達人。 桑山喜三太…大奥同心。間部家中。弓矢の名手。 志田小一郎…大奥同心。広敷伊賀者で絵島の配下。忍びの術の遣い手。 徳川吉宗…紀州藩主。 川村幸右衛門…紀州の忍者集団・川村一族の長。 川村白兵衛…夢想剣を遣う忍者。幸右衛門の甥。 村垣の鮫吉…水の中に潜む忍者。 釈迦ケ岳の不動坊…山伏姿の忍者。からくりを遣う。 蝶丸(お蝶)…忍者。美男でもあり美女でもある。 川村左京…幸右衛門の末の子。 新井白石…六代将軍家宣時代から幕政刷新に大ナタをふるう政治家・学者。 西野十郎兵衛…新井家の用人。 綾乃…十郎兵衛の娘。 月光院(お喜世の方)…家宣の側室、七代将軍家継の母。かつて村雨幼なじみのお輝。 徳川家継…七代将軍。 天英院…家宣の正室。 絵島…大奥の女中をつかさどる年寄。 間部詮房…側用人。 井上河内守正岑…老中。
  • 大奥騒乱 伊賀者同心手控え 〈新装版〉
    3.5
    目に余る横暴、このままにはしておけぬ。田沼意次に反旗を翻した松平定信は、大奥を取り込むことで田沼失脚を画策。腹心のお庭番を差し向ける。危難を察した大奥も黙ってはいない。表使い大島が、御広敷伊賀者同心御厨一兵に反撃を命じた。幕府二大権力、そして大奥女中たちの主導権争いが激化。事態が混迷を極めるなか、忍びの誇りをかけた死闘が始まる! 疾走感あふれる痛快時代活劇。〈新装版〉
  • 断裂回廊
    4.5
    北朝鮮不正送金疑惑、スポーツジム襲撃事件──不審な動きが目立つ宗教団体クルパジャ。公安調査庁は団体規制法を視野に調査を始めた。調査官の殿村三春は、教団に対して不正な資金援助が疑われる在日朝鮮人二世の兼松一成を尾行。その最中、兼松は何者かに刺されてしまう。「クズワに渡してくれ」という言葉とともに三春に託されたのは……。情報機関の存在意義に迫る傑作長篇ミステリー。 (解説:日下三蔵)
  • 超高速! 参勤交代
    4.1
    ときは享保20年(1735)初夏、改革の嵐吹き荒ぶ8代将軍吉宗の時代。わずか1万5000石の磐城湯長谷藩に隠し金山の嫌疑がかかり、幕府老中から「5日以内に参勤せねば、藩を取り潰す」と難題をふっかけられた。若殿様以下7名は東国一の忍びの力を借りつつ、陸前浜街道、水戸街道、さらには山野を踏み越え江戸城本丸へ急ぐ。軽量化のため竹光しか持たない一行を阻む公儀御庭番と百人番所の精鋭。湯長谷藩の運命や如何!?
  • 希以子(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 東京・下町生まれの希以子には二人の母親がいた。養母マツには美しい娘・美佐緒がおり、希以子にとってはあこがれの存在だった。しかし、生母よしが男と出奔したころから人生の歯車が狂い出す。大洪水や関東大震災に被災して人の命の儚さを知り、美佐緒の嫁ぎ先の長男・市太郎と互いの愛を確かめ合うも許しを得られずに離別。親のすすめで結婚するが、夫の暴力に耐えかねて離婚。その後、満州で成功した市太郎と再会。彼の誘いのままに、幼子を連れて大陸に渡るが…。苛酷な運命に翻弄されながらも、激動の時代を、明るく逞しく生き抜いた女の物語。
  • 池波正太郎の銀座日記[全]
    4.3
    週に何度となく出かけた街・銀座。少年のころから通いなれたあの店、この店。そこで出会った味と映画と人びとは、著者の旺盛な創作力の源であった。「銀座日記」は、街での出来事を芯にした、ごく簡潔な記述のなかに、作家の日常とそこから導かれる死生観を巧みに浮き彫りにして大好評であった。急逝の2カ月前まで、8年にわたった連載の全てを1冊に収めた文庫オリジナル版。

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  • おとこの秘図(上)
    4.0
    時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。
  • 男の系譜
    3.8
    織田信長が同盟者・徳川家康の長男信康に腹を切らせたのはなぜか。喧嘩相手の頭目・水野十郎左衛門の屋敷の風呂場で殺された幡随院長兵衛はどんな男だったのか。明治維新の立役者・西郷隆盛が新政府と袂を分ったのはなぜなのか。戦国・江戸・幕末維新を代表する16人をとりあげ、つねに「死」だけを確かなこととした生き方を、現代日本人と対比させながら際立たせた語り下ろしの雄編。
  • 夢幻(上)
    -
    本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。英傑とその後継者の相克を描いた、骨太な戦国ドラマ第一部・徳川家康篇。 【目次】 第一部「夢の天下」 徳川家康  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 苦難の舟出  第三章 動くべきとき  第四章 当主として  第五章 危難の日々  第六章 夢の果て  終 章
  • 果てしなき追跡(上)
    -
    1~2巻836~858円 (税込)
    「百舌」シリーズの次はこれだ! 逢坂剛が満を持して送るエンタメ超大作。 元新撰組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れた――はずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか? 海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
  • 幕末まらそん侍
    完結
    -
    黒船来航により維新の風が吹き始めた幕末の世。安政二年(一八五五年)現在の群馬県安中市にあった安中藩の主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城より碓氷峠の熊野神社まで七里余り(約三十キロ)を走らせる遠足を開催。 日本マラソンの発祥といわれる史実「安政の遠足」を舞台に描かれる土橋章宏の痛快時代小説を完全漫画化。
  • しのぶ恋 浮世七景
    -
    浮世絵からうまれた7つの名篇 近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 定価のない本
    3.6
    神田神保町――江戸時代に旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年を経て復興を遂げつつあった。その街の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰され、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが――直木賞作家である著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。/対談=門井慶喜×岡崎武志
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話
    4.0
    近代建築&政治の裏には、深いドラマがある! レトロ建築、近代政治から、オリンピック、万博を見すえた未来への展望まで。 ●建築界には維新の負け組が多い ●医療のための海水浴場として開発された大磯 ●眺めの良い場所は権力者や金持ちが独占 ●明治の元勲はみなEXILE(流浪者)だった ●アメリカの意向で壊された浦上天主堂 ●統一性、秩序的な美に欠ける東京の街 ●都市を変えたオリンピックと変えなかった万博
  • 商い同心 千客万来事件帖 新装版
    3.0
    まがい物? 偽金? 値段が高すぎる! その値段には裏がある―!? 人情と算盤で謎を弾く! 名手の傑作時代小説 正しい値で売らないと悪行になっちまう―― 「私には物たちの声が聞こえてくるのですよ。辛く悲しい声です」物の値段を見張り、 店に指導する役回りの諸色調掛(しょしきしらべがかり)同心を務める澤本神人。 今日も子分の庄太と江戸の町を見まわるが、値段の裏にあるさまざまな人情や思惑がからみあい、 神人を悩ませる謎と悪事が次々と待ちうけていた。同役だった父の代から未解決の贋金騒動の真相にも迫るが――。 (本書は2016年刊行『商い同心 千客万来事件帖』の新装版です) 〈目次〉 「雪花菜」 「犬走り」 「宝の山」 「鶴と亀」 「幾世餅」 「富士見餅」 「煙に巻く」 解説/細谷正充
  • 新装版 孤闘 立花宗茂
    3.8
    知勇にすぐれる戸次道雪の娘誾千代と縁づいたことで、立花宗茂の「戦国九州三国志」が始まった――。大友家臣としての島津家との死闘、豊臣秀吉政権下での朝鮮従軍を経て、関ヶ原へ。誾千代との葛藤の中で奮闘し、天下人に「剛勇鎮西一」と恐れられた稀代の猛将の懊悩を精緻に描いた、第十六回中山義秀文学賞受賞作。 【目次】 第一章 鳳雛の籠 第二章 名門の盾 第三章 生の攻防 第四章 新しき枠 第五章 異国の風 第六章 天下騒擾 終 章 失地回復  新装版あとがき  解説 末國善己
  • 逆襲の地平線
    3.7
    一八七六年、アリゾナのとある町。複雑で壮絶な過去を持つ十七歳の少女、記憶喪失のサムライとチームを組んだ、凄腕の賞金稼ぎトム・B・ストーンの元に「仕事」が舞い込んだ。莫大な報酬と引きかえに、十年前、コマンチ族にさらわれた少女を連れ帰ってほしいというのだが……。広大なアメリカを縦断する決死の追跡が始まった。
  • 遊女のあと
    3.6
    八代将軍・吉宗の時代、質素倹約を強いる幕府に対抗して、尾張名古屋は遊興を奨励し、空前の繁栄を見せていた。異人との出会いから、夫をすて福岡を出たこなぎと、女敵討ちのために江戸を離れた鉄太郎。長い旅路の末に名古屋の地でめぐり逢った二人は、それぞれの秘密を胸に秘めたまま接近する。巨大な政争の具となっていることも知らずに──。著者渾身の傑作歴史時代小説。
  • 王朝まやかし草紙
    3.9
    時は平安。都では、東宮と契った女は物怪にとりつかれるという噂が流れていた。東三条家、温子姫の女房・弥生は、母・近江の死に関する妙な噂を耳にする。真相を探るため、旧知の人々を訪ねる弥生。母の遺した和歌が二つの噂に関係しているらしいと突き止めるが、周囲で次々と怪死事件が発生し……。愛憎と欲望渦巻く宮中を舞台に描く、時代ミステリー。『まやかし草紙』改題。
  • ぼくらの近代建築デラックス!
    3.9
    人気作家が目一杯楽しむ、建築ゆるゆる散歩。 人気作家ならではの壮大な想像力と楽しい薀蓄が満載。読むうちに、大阪、東京、台湾へ、近代建築を今すぐ見に出掛けたくなる!
  • 闇の峠(新潮文庫)
    4.0
    享保19年夏、旗本・根来長時(ねごろながとき)の妻せつは、屋敷を突然訪れた町奉行、大岡越前守を出迎える。大岡は夫に『兼山(けんざん)秘策』を読んだかと問う。そこには二十余年前に勘定奉行・荻原重秀が幽閉されて死んだとあった。死の直前、せつは生家の庭で彼を見かけたのだった。殺めたのは、佐渡奉行に昇りつめた父なのか。真相を追い、せつは佐渡へ。重厚な構成で描く堂々の歴史ミステリー!『風聞き草墓標』改題。(解説・柚月裕子)
  • 忍者丹波大介
    3.3
    豊臣秀吉歿後、諸国大名の勢力は二つに分れ、関ヶ原の合戦で徳川方が勝利をおさめる。激変する時代の波のなかで、信義をモットーにしていた甲賀忍者のありかたも変質していく。丹波大介は甲賀の立場をすて一匹狼となり、自分が信ずるものにだけ従い、黒い刃風をくぐって活躍する。さまざまの武将の去就と歴史の裏側で暗躍する忍びの者の裸形を痛快に描く長編時代小説。
  • 雲霧仁左衛門(前)
    4.1
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。

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  • さむらい劇場
    4.0
    酒と女に溺れ家中の鼻つまみものである榎平八郎は二十一歳。七百石の旗本の三男に生れながら妾腹の子ゆえに家来にまで蔑まれている。ある夜女を抱いた帰途、何者かに襲われる。やがて、それは彼を疎む父親の命であることが判明する。徳川吉宗が将軍位について二十余年、いきいきとした時代を背景に、青年ざむらいが意地と度胸で、己れの道を切りひらいていく姿を描く長編時代小説。

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  • ロミオとジュリエットと三人の魔女
    3.0
    ロミオとジュリエットとフォルスタッフとイアーゴーとヴァイオラとシャイロック……さらにはシェイクスピアまでが一堂に会して、どたばたを繰り広げる。あの世界的名作群の誕生秘話が、今明かされる!?
  • 平蔵の母
    -
    1巻880円 (税込)
    おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ―― 売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。 池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。 ※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 縁結び代官 寺西封元
    4.3
    幕府御徒組頭の寺西封元は、突然、老中首座の松平定信に呼び出された。ただごとではないと、不安を胸に定信の元へ向かうと、封元は驚くべきことを命じられる。陸奥国白川郡塙の代官になれというのだ。そこは、飢饉で困窮し、民が逃げ出しているという。定信からの信頼に応えるため、封元は代官を引き受けるが、塙の地は赤子が捨てられる絶望の地だった──。苦しむ民のために自らの半生を捧げた、名代官の知られざる感動の物語。
  • お順 上
    4.0
    凛としたお順と、彼女を取り巻く幕末の勇士たち 勝家の末っ子、お順は愛らしい容姿とは裏腹に気性が激しく、兄の麟太郎(のちの勝海舟)から可愛がられて育つ。嫁ぐなら「一番の男」と決めているお順は、麟太郎と交流の深い剣客・島田虎之介に心を奪われるが……。好いた男を想い続けながら、幕末の動乱期を逞しく生きるお順と、彼女を取り巻く志士たちの魅力を鮮やかに描いた時代小説。 ※この電子書籍は2014年10月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室
    3.0
    人気作家が創作の秘密を明かす 小説家を目指す人に向けた連続講義が書籍化。文章の書き方から資料の使い方、テーマの見つけ方まで、読めば小説を書きたくなる!
  • 東京の謎(ミステリー) この街をつくった先駆者たち
    4.3
    『家康、江戸を建てる』『東京、はじまる』など、江戸・東京に深い造詣をみせる筆者が、東京の21の地域について過去と現在とを結び、東京の「謎」を解き明かす。 はじめに なぜ東京を「とうきょう」と読んではいけないのか 第一章 東京以前 第一回 なぜ源頼朝は橋のない隅田川を渡ったのか 第二回 なぜ大久保長安は青梅の山を掘ったのか 第三回 なぜ麹町は地図の聖地になったのか 第四回 なぜ浅草は東京の奈良なのか (新書のための書き下ろし) 第五回 なぜ勝海舟はあっさり江戸城を明け渡したのか 第二章 東京誕生(明治以後) 第六回 なぜ銀座は一時ベッドタウンになったか 第七回 なぜ三菱・岩崎弥太郎は巣鴨を買ったのか 第八回 なぜ早矢仕有的は丸善を日本橋にひらいたのか 第九回 なぜヱビスビールは目黒だったのか 第十回 なぜ「東京駅」は大正時代まで反対されたか 第十一回 なぜ野間清治は講談社を音羽に移したのか 第三章  関東大震災 第十二回 なぜ後藤新平は震災復興に失敗したのか(新書のための書き下ろし) 第十三回 なぜ日比谷は一等地の便利屋なのか 第十四回 なぜ新宿に紀伊國屋書店があるのか 第十五回 なぜ五島慶太は別荘地・渋谷に目をつけたのか 第十六回 なぜ堤康次郎は西武池袋線を買ったのか 第十七回 なぜ羽田には空港があるのか 第四章  戦後 第十八回 なぜトットちゃんには自由が丘がぴったりだったか 第十九回 なぜ寅さんは葛飾柴又に帰って来たのか  第二十回 なぜピカチュウは町田で生まれたのか 第二十一回 なぜ代々木の新国立競技場は案外おとなしいのか むすび なぜ江戸は首都になったのか
  • 赤い風
    -
    前代未聞の開拓事業「三富新田」を描く長編歴史小説 荒涼とした原野を二年で畑地にせよ――。川越藩主柳沢吉保は無謀な開拓を命じる。軋轢を抱える武士と農民の共同事業は成功するのか。 武蔵野原野は赤土で水源に乏しく、田畑は拓けない。 秣場(まぐさば)に利用する村々の争いを止めるため、川越藩主柳沢吉保は荒野の開墾を命じる。 だが、家老の嫡男・啓太郎は、侍を憎む百姓の正蔵と衝突、互いに反目して計画は進まない。 二年の期限が迫るなか、下役人が不審な死を遂げて……。 大地に生きる人々の歴史長編。 解説・福留真紀 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • その男(一)
    4.0
    1981年に文庫化されて以来、46刷まで重ねている池波正太郎のロングセラーが新装版に。 池波正太郎の“もっとも愛着のふかい”長篇小説! 過酷な運命の少年、杉虎之助が、動乱の世を斬り開く――。 杉虎之助は微禄ながら旗本の嫡男。生来の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛に助けられた。この日が波瀾の人生の第一歩だった。 幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士の生涯を描きつつ維新史の断面を見事に剔る異色の長編小説。 ※この電子書籍は1981年に文藝春秋より刊行された文庫版を、新装版として刊行したものを底本としています。
  • 徳川家康の江戸プロジェクト
    4.0
    家康は、なぜ寒村の江戸に幕府を開き、江戸をどのように開発・改造していったのか。現代の東京に続く都市の物語を、『家康、江戸を建てる』の著者自らが新書オリジナルでリリース。この1冊で原作小説とドラマを、より深く堪能できる!
  • 熱き血の誇り(上)
    5.0
    1~2巻880円 (税込)
    製薬会社の秘書・麻矢は、「人殺しの会社」と受付に押しかけてきた男から、ある写真を預かる。それは病院で死亡した男の父親の解剖写真で、白濁した内臓が写っていた。麻矢の会社が開発した白い人工血液、フロロゾルが使われたことで父親は死んだというのだ。フロロゾルの存在を全く知らなかった麻矢は、写真を男に渡した元婦長鳥飼キヨ子を訪ねて静岡に向かう――。戦国時代の母子哀話、遠くスペインはカディスから逃れてきたフラメンコ歌手とギタリスト、輸血を禁じる謎の新興宗教、海岸の失踪事件。壮大な仕掛けが徐々に一つの線で繋がっていく、超エンタテインメント!
  • ヨイ豊
    4.0
    元治2年(1865)、清太郎の師匠・三代豊国の法要が営まれる。広重、国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた花形絵師だった。歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には八十八という弟弟子がいる。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。己が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがないのに。──時代のうねりに、絵師たちはどう抗ったのか!
  • 梟の系譜 宇喜多四代
    3.9
    備前・砥石城の宇喜多能家は浦上宗景の重臣であったが、一方の重臣島村宗政に攻められ、中風を患い籠城もかなわず、息子興家と孫の八郎を逃す。食うにも事欠く放浪の旅を経て、祖父能家の仇討ちと家名再興の期待をかけられた八郎あらため直家は、浦上宗景の配下としてその名を上げていく。毛利、尼子、織田と周囲を囲まれる中、織田の配下の秀吉と誼を通じるなど、謀略を駆使して戦乱を生き抜こうとする直家とその一族の命運は!?
  • 青空の街
    3.7
    (自分には社長業なんか向いてない)大学を出ても親の後をつがず、守衛をしたり、タクシー運転手をしたり……。そもそも人生とは何だろうか。建設会社の社長を父に持つ成瀬弘は考える。若者らしく現代を生き抜こうとする弘と恋人キミ子。多彩で複雑な人間模様のなかに愛の哀しみと喜びと、明日への夢を爽やかな筆致で描く明朗青春編。
  • 四十八人目の忠臣
    4.0
    赤穂浅野家に仕えるきよは浅草小町と謳われる美女。当主内匠頭(たくみのかみ)の寵臣礒貝十郎左衛門と、夫婦の約束をしている。だが、内匠頭が吉良上野介を殿中で斬り付け、お家は断絶。礒貝は、家老大石らとあだ討ちを画策する。きよは恋と忠義のはざまで、討ち入りの日を迎える。本懐後も忠義を貫き、遺族の赦免と浅野家再興を目指し将軍家へ近づいていく……。歴史に名を残した実在の女性を描く全く新しい忠臣蔵誕生!
  • 注文の多い美術館 美術探偵・神永美有
    3.2
    人気の美術ミステリー、シリーズ第3弾! 舌に感じる味覚で美術品の真贋を見分ける美術コンサルタントの神永美有と美大の准教授・佐々木昭友、佐々木の元教え子で芸術家の卵・イヴォンヌのトリオが大活躍。 函館戦争で戦死した先祖を悼んで榎本武揚から贈られた、隕石を鍛えなおして作られたというサーベル。刀身の成分を調べてみると、隕石に含まれていたはずのニッケルが検出されず、偽の流星刀と断定された。だが、サーベルを前にした神永の舌はこの刀の意外な部分に甘みを感知していた(「流星刀、五稜郭にあり」)。 佐々木が密かに思いを寄せていた教え子・琴乃が結婚。いやいやながら結婚式に出席した佐々木の前で、琴乃は嫁ぎ先の家宝、支倉常長が持ち帰ったというローマ法王の肖像画を偽物と断じた。真贋の判定を託された佐々木は?(「B級偉人」)。 そのほか、志賀島の金印と同時代の「銀印」が京都から出土した。果たして本物か?(「銀印も出土した」)。北海道の農家から見つかったモザイク画は、本当にカエサルの時代のものなのか?(「モザイクで、やーらしい」)。ペリーが日本に持ち込み、将軍に披露したという蒸気機関車の模型は本物か。鍵を握るのはスケッチブックに残された「sen.T」の署名(「汽車とアスパラガス」)。神永が味覚で美術本の真贋を見極めるきっかけが明かされる青春記(「春のもみじ秋のさくら」)。
  • 奸婦にあらず
    3.3
    井伊直弼の密偵、村山たかの数奇な一生を描いた第26回新田次郎賞受賞作 【あらすじ】 彦根・多賀大社で忍びの者として育ったたかは、内情を探るため接近した井伊直弼と激しい恋に落ちる。 しかしその後2人を過酷な運命が待ち受ける……。
  • 幻の祭典
    3.5
    ヒトラーなぞ糞くらえ! 1936年、ナチス賛美のベルリン・オリンピックに対抗し、水面下で進められていたバルセロナの人民オリンピック。内戦で中止された「幻の祭典」を現代の東京で掘り起こすうち、二人の男はスペイン現代史の秘部に迷い込んでいく。驚嘆のラストまで息もつかせぬサスペンス巨篇。
  • 竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 上 万里波濤編
    5.0
    仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は、学問を究めるため江戸に出奔した。昌平坂学問所の林復斎に認められ、仙台藩江戸藩邸の儒学者・大槻磐渓に邂逅する。世は、黒船騒動から安政の大獄の時代。蘭学を学ぼうとした左太夫は、日米修好通商条約のために渡米する外国奉行・新見豊前守の従者となる機会をつかむ。安政七年、咸臨丸の勝海舟を追うように、左太夫の乗った船は品川沖を旅立った。左太夫にアメリカはどう映ったのか?
  • 新装版 娼婦の眼
    4.0
    江戸情緒の残る戦前の下町に生を享けた池波正太郎にとって、娼婦たちは身近な存在であった。昭和三十年代が舞台の本書は、著者には珍しい現代小説であり、その艶笑譚には彼の温かな人間観が見事に表われている。後に著す「仕掛人・藤枝梅安」などの時代小説群にも大きな関わりのある傑作を、ここに復刊。
  • 忍びの旗
    3.8
    戦乱の渦がいやおうなく忍びの世界をも巻きこんだ豊臣秀吉の治世――甲賀忍者・上田源五郎は、亡父の敵とは知らず、その娘を愛した。彼の運命を変えたのは、実にこの時であった。“忍びの生死は闇から闇へ消えるもの。だが俺は……”組織の非情の掟にそむき、執拗な追跡をうけつつも、人間の熱い血と忍者の苛酷な使命とを、見事に溶け合わせて生きぬいた男の流転の生涯。
  • 連鶴
    4.0
    一枚の紙から折る繋がったままの千羽鶴“連鶴”。桑名藩に伝わるそれは家族の深い絆を意味していた。大政奉還に始まる動乱期を、親藩桑名藩士として生き抜く速見丈太郎は、商家の婿養子になり「藩を捨ててくれ」と言い残して失踪した弟栄之助を思い、連鶴を折る。信じる道は違えども、我らは兄と弟だと―幕末の激動が二人に見せた明日とは!? 感涙の歴史時代小説。
  • 梅もどき
    4.0
    関ヶ原の戦いで徳川勢力に敗北した父を持ち、のちに家康の側室となり、寵臣に下賜されたお梅の方。数奇な運命に翻弄されながらも、戦国時代をしなやかに生きぬいた実在の女性の知られざる人生を描く感動作。
  • 新装版 忍びの女(上)
    3.6
    豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。探索をはじめた小たまは、武辺一方の正則を次第に愛しく想うようになる。豊臣秀吉亡き後、諸大名は自らの野望を抱き覇権をめぐる戦いは必至。ついには関ヶ原での天下を分ける決戦へと向かうのだった。
  • 広重ぶるう(新潮文庫)
    4.0
    描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶のあるこの「藍色」で――。武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞。広重の美人画や役者絵は酷評され、鳴かず飛ばず。切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の顔料「ベロ藍」だった。遅咲きの絵師が日本を代表する「名所の広重」になるまでの、意地と涙の人生を鮮やかに描く傑作。新田次郎文学賞受賞。(解説・日野原健司)
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)
    4.2
    地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)
  • 食卓のつぶやき
    3.3
    ほんとうにうまい大根は、 「ほんとうに、うまいねえ」  むかし、三井老人が、よくいっていたものだ。(本文より) 四季折々の味を慈しみ、土地土地の食を堪能する、たべものエッセイの神髄。 幼き日の海苔弁当の思い出から時代劇の食べもの、卵のスケッチ、そして大根の滋味に目覚めるまで。あるいは東京下町から奥多摩、仙台、湯布院、さらにフランス、スペイン、インドネシアまで――。古今東西の味と人をめぐるおいしい話の数々を、時代小説の大家にして食エッセイの達人が味わい深く描く。 〈巻末対談〉荻昌弘×池波正太郎「すきやき」
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国
    4.5
    榎本釜次郎武揚。日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男。旗本出身ではあるが、海軍伝習所に学び、三年半ものオランダ留学を経験した男。科学者であり、技術者であり、万国公法に通じた法学者―幕末から維新を駆け抜けた、「武士の鑑」か「武士の風上にも置けぬ」裏切り者か。真にあるべき「新しい日本」を唯一捕りに行った、不屈の挑戦の物語!
  • 禿鷹の夜
    -
    1~5巻950~1,400円 (税込)
    傑作の誉れ高い〈禿鷹シリーズ〉が新装版で再登場! 信じるものは拳とカネ。史上最悪の刑事・禿富鷹秋―通称ハゲタカは神宮署の放し飼い。 ヤクザにたかる。弱きはくじく。しかし、恋人を奪った南米マフィアだけは許せない。 痛快無比!血も涙もひとかけらの正義もない非情の刑事を描いて読書界を震撼させた、本邦初の警察暗黒小説。 ※この電子書籍は2003年6月に刊行された文春文庫の新装版です。
  • 一年の風景 新装版
    5.0
    心に残る昔の味、忘れていた大切な風景を紡ぎだすベストエッセイ集。両親の離婚後、ともに暮らした祖父母の思い出、忘れられない芝居や映画や本、旅の記憶など。東京下町の懐しい日々と、時代小説の名手として過ごす充実した日常を綴る。解説・平松洋子。
  • 道連れ彦輔 居直り道中(上)【毎日文庫】
    3.0
    1~2巻957~990円 (税込)
    「道連れ稼業は、冗談抜きの命懸けの仕事でござんすよ」 江戸の旅情あふれる傑作時代小説! この娘はもめごとの種になる―― 素性も分からぬ美少女の道連れ(付き添い)で 中山道を旅する彦輔を数々の難関が待ち受ける。 「この仕事は、ただ剣の腕が立つだけでは、務まらんのよ」。鹿角(かづの)彦輔は、手間賃さえ出れば細かい事は穿鑿しない「道連れ(付き添い)」稼業。江戸小人目付け・神宮より請け負ったのは、口のきけない美少女菊野の道連れだった。目的も娘の正体も知らされぬまま、中山道を進む一行に怪しい影がつきまとう。予測不能の長い旅が始まる! 口絵・挿絵 深井国

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  • 自由は死せず : 上
    4.0
    1~2巻968円 (税込)
    土佐の上級武士の家に生まれながら、子供の頃は「土佐一の悪童」。志士たちが躍動をはじめた青年期も「時勢に興味なし」と嘯いていた板垣退助。しかし、「あること」がきっかけで佐幕派である主君・山内容堂の意に反し、「幕府などいらん」と豪語、民のための政治を志していく。「板垣死すとも自由は死せず」の一言で有名な政治家・板垣退助の生涯を通して幕末維新の激動を描いた大河小説。直木賞作家にして歴史小説界のトップランナーが描いた「日本の民主主義の始祖」の物語、ついに文庫化。
  • チキンライスと旅の空
    3.6
    ところで私は、東京にいるとき、あまりチキンライスを食べない。 旅の空の下で、チキンライスは、私と切っても切れないものになるのである。  (本文より) 初対面の人びととの接触こそ旅の醍醐味と唱え、自分が生まれた日の父のことばを思い、四季のない町は日本の町ではないと説いて薄れゆく季節感を憂える……。時代小説の大家にして食エッセイの達人が綴る、食、旅、暮らし。 〈巻末付録〉有馬頼義・おおば比呂司・池波正太郎座談会「わたくしの味自慢」
  • 翻弄 盛親と秀忠
    3.7
    四国統一を成し遂げた偉大な父・元親に愛され、四男ながらも家督を継いだ長宗我部盛親。一方、豊臣の五大老として実質、天下の実権を握る家康を父に持つ徳川秀忠。二人の命運は関ヶ原における勝敗で分かれるも、互いに戦功を上げられぬ屈辱を味わう。それから十余年、運命が再び二人を戦場に連れ戻す――。 戦国の知られざる真実を描く歴史巨篇。 【目次】 第一章 蚊帳の外 第二章 焦燥の急 第三章 後始末 第四章 命運の差 第五章 流動の先 第六章 栄枯盛衰
  • マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代
    4.0
    気鋭の歴史作家が『時の娘』『薔薇の名前』『わたしの名は赤』などの名作をとおして、小説・宗教・美術が交差する「近代の謎」を読み解く!
  • 吾妻おもかげ
    値引きあり
    3.5
    絵師を目指し、安房から江戸に出て十年。菱川吉兵衛は、吉原と芝居小屋という「二大悪所」に入り浸る自堕落な日々を過ごしていた。 狩野探幽への弟子入りを門前払いされたものの、その面目なさから郷里の縫箔屋の跡を継ぐ決心もできずにいたのだ。 そんな中、ひょんなことから吉原の女たちの小袖に刺繍を施すことに。福良雀と笹の葉、波千鳥、吉祥文様の宝珠、玩具の手毬や扇子に草花。 さまざまな美しい意匠を縫い付けながら、吉兵衛は、未来の見えない辛い日々の中でも懸命に明るく生きようとする彼女たちの心の温もりに励まされ、再び筆を執ることを決意する。 だが、ある日突然巻き起こった大火に吉原と江戸の街が飲み込まれ……。江戸の人々の暮らしを見つめ続けた菱川師宣こと吉兵衛が本当に描きたかったものとは? 浮世絵の祖の生涯を描く、人情と愛に満ちた波瀾万丈の浮世絵師小説。
  • 四十八人目の忠臣
    3.6
    四十八番目は歴史に名を残した思いがけないあの女性! 愛する磯貝十郎左衛門と浪士達のため、討ち入りを影から助け、その後 浪士の遺族の赦免、赤穂浅野家再興を目指し、将軍家に近づいた実在の女性。 まったく新しい「忠臣蔵」の誕生。 <目次> 牛天神 鉄砲洲上屋敷 あぶれ者 尼ふたり 凶兆 驚天動地 恋の行方 新妻 十女十色 怒濤の日々 討ち入り 生か死か 女だからできること 月光 忠義と恋のはざまでゆれる江戸の一女性の目と五感にこだわることが、 すなわち、「私の忠臣蔵」
  • 東京、はじまる
    3.5
    1巻1,001円 (税込)
    日本銀行本店や東京駅など、近代日本を象徴する建物を矢継ぎ早に設計した、 明治を代表する建築家・辰野金吾。 下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、 帰国後はなんと恩師ジョサイア・コンドルを蹴落として 日銀の建築を横取りする……! 周囲を振り回しながらも、この維新期ならではの超人・金吾は熱い志で 近代日本の顔を次々を作り上げていく。 日銀の地下にある意外な仕掛け、東京駅の周辺にかつて広がっていた海の 蘊蓄など、誰もが見慣れた建築物の向こうに秘められたドラマを知ることもできる。 ベストセラー『家康、江戸を建てる』の著者が 「江戸を壊して東京を建てた」辰野金吾を描く、大きく楽しい一代記! ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 銀河鉄道の父
    4.3
    第158回直木賞受賞作、待望の文庫化! 『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。 清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。 家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。 普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。 しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。 その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。 天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。
  • 斜影はるかな国
    4.5
    1936年、フランコ将軍らが蜂起して勃発したスペイン内戦。その最中に、ギジェルモ・サトウと名乗る日本人義勇兵がいた。通信社特報部の記者・龍門二郎は、男の足跡を取材するためスペインに飛ぶが、その裏には大いなる秘密が隠されていた――。スペインの過去と現代を舞台に描かれた、壮大な冒険ミステリー。
  • 銀閣の人
    -
    応仁の乱は、京の街を焼け跡にしようとしていた。 室町幕府八代将軍・足利義政は、京の秩序を守る責務から目をそらし、自らの美意識の顕現に挑んだ。 孤独な将軍は、何に苦悩し、何を実現しようとしたのか。 日本建築の源流となった“銀閣寺”建立の秘密に迫った歴史巨編。
  • 喧嘩旗本 勝小吉事件帖【合冊版/全3巻】
    値引きあり
    -
    ガキの頃から金に目敏いろくでなし。そのくせどこか抜けていて、懐はいつもぴいぴいの本所界隈一のバカ侍― 幕末の雄、勝海舟の父小吉は積年の悪行のせいで実家の座縛牢へ幽閉された。ところが無頼の顔役は、反省どころか悪友の早川又四郎に市中を騒がす怪事件の数々を集めさせた! 江戸の座敷牢探偵が私欲のために謎を解く、痛快時代小説の傑作、全3巻の合冊版!
  • 最果ての決闘者
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ究極のエンターテインメント! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。 頭部に被弾し記憶を失った土方は、彼を慕う時枝ゆらとともに、アメリカ西部へと渡った。執拗にゆらを狙う悪徳保安官・ティルマンを討った土方の元に、さらなる刺客が迫る。その正体は、美しき女ガンファイターと元・新選組隊士。全てを喪った男は、大切な者を守り抜き、記憶を取り戻すことができるのか!
  • 鏡影劇場(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻1,100円 (税込)
    ある日、逢坂剛氏のもとに奇妙な宅配便が届いた。中身は旧式のフロッピディスク。添付の手紙にはフロッピ内の原稿を読んでほしいとあった。差出人は〈本間鋭太〉なる人物で、タイトルは「鏡影劇場」。物語は、マドリードの古書店から始まっていた……。謎だらけの古文書、十九世紀の異端作家ホフマンにまつわる秘密。東京で進む解読は、予想外の事態を出来させ、謎はいっそう深まっていく。
  • 尼子姫十勇士
    3.0
    織田信長ら群雄が割拠する戦乱の世、出雲国の戦国大名・尼子氏は毛利によって滅ぼされ、ただ一人の末裔スセリ姫は京へ落ち延びた。それから二年後、家臣山中鹿介が毛利の九州出撃の報をもたらす。「尼子は負けぬ。出雲はわれらのものじゃ」八咫烏が守神の姫は、敵の留守に出雲奪還を決意。結集した鹿介ら十勇士ととともに強大な毛利軍に戦いを挑む! 立川文庫で知名度を不動のものにした物語を、新たな構想、壮大なスケールで描く歴史小説。
  • にっぽんの履歴書
    3.4
    第158回直木賞(平成29年下半期) 受賞後第一作! 著者が長年創作のテーマとして考えてきた「歴史と日本人」をこの一冊に。 ――戦前の日本は、お人よしだな。 そう思うことがある。植民地のために人をやり、金をついやし、わざわざ政治的、軍事的困難に足をつっこむ。 そうして台湾のみならず東北アジア地域そのもののなかで出る杭になった末に、あの領土の奪い合いでもない、人民革命ののろしでもない、何だか理由はよくわからないがとにかく日本の膨張が一因らしい対米戦争へずるずる入って行ってしまった。 (「お人よしの台湾統治」より) 新直木賞作家が平成の終わりに考えた「この国のかたち」。 ・元号は平ったく言えば天変地異の占いの道具だった ・植民地経営に乗り出した戦前の日本はお人よしだった? ・宮沢賢治と夏目漱石の文体の「秘密」 ・「艦これ」の隆盛を司馬遼太郎が予言していた!? ・新聞はほろびたという議論は明治時代からあった ・刀は物体、剣は精神である ・女工哀史は本当に「哀」なのか ・人口減少で「邪悪な正義」も減る ほか、 全50篇。 フェイクでもヘイトでもない。この国の豊かな歴史にふれる渾身の歴史エッセイ集。
  • 新陰の大河 上泉信綱伝
    値引きあり
    -
    戦国武将にして剣聖が辿った艱難辛苦の道。 上泉信綱は剣槍を縦横無尽に振るっていた。 相模国小田原城主・北条氏康の機略により、武蔵河越城を落とし損ねた関東管領・山内上杉家憲政と扇ガ谷上杉家朝定、関東公方・足利晴氏の連合軍を救うため、一騎当千の働きをせねばならぬのだ。 しかし、獅子奮迅の活躍虚しく、主君である上野国箕輪城主長野業政の嫡男・吉業は護りきれなかった。 肩を落とす信綱に、業政は無能な関東管領を見限るという。 甲斐国躑躅ヶ崎館・武田晴信の誘いにもなびかず、我が道を行く主君に仕える信綱だったが、ついに業政の命運が尽きてしまう。 信綱は「兵法を極めよ」という業政の遺言を成し遂げるべく、弟子の疋田文五郎、神後宗治とともに諸国修業の旅に出る決意を固めることに。 出立後、信濃国諏訪大社で奉納演武してからというもの、長坂釣閑斎をはじめ、諏訪四郎左衛門、武田晴信、小山田信茂らが、兵法家として名高い信綱を引き留めては策を弄してくる。 なんとか魔手を振り切り、常陸国へ向かう一行。 ようやく辿り着いた、武の神を祀る鹿島神宮を詣でていると、なんと剣聖・塚原卜伝が現れた。 教えを乞う信綱に卜伝は……。 戦国武将剣豪ロマン。
  • ご機嫌剛爺 人生は、面白く楽しく!
    3.0
    小説家、逢坂剛、77歳。直木賞をはじめ数々の受賞歴を持ち、小説家として第一線で活躍し続ける一方、フラメンコギター、スペイン語、古書収集、野球、将棋、西部劇などの映画に精通し、多芸・多趣味でも知られる。ユーモラスで温厚な人柄から、敬意と親しみを込めて「剛爺(ごうじい)」と呼ばれる小説家の<上機嫌生活>指南書。人生100年時代。仕事も趣味も楽しみ尽くして、日々を機嫌よく過ごすためのヒント満載。 下記、目次一部。 第一章 画家の父、母の早世、二人の兄 ~探求心は職人気質の父から、勉強は秀才の長兄から、遊びは多趣味の次兄から学ぶ 「小説家」の原点は画家の父/母の思い出/六畳一間の男四人暮らし/兄二人から教わったこと/お金にこだわらないセンス/ふるさとは神保町 第二章 ハメットと出会った十代、開成での六年間、ギターまみれの大学時代 ~自主性を学生生活から、創作姿勢をハメットから、修練の達成感をギターから得る 自主性を学んだ開成時代/「文才あるね」背中を押した教師のひとこと/ハメットという衝撃/英語が上達した理由/第三志望の男/法曹界を目指しかけるも……/ギター三昧の大学生活/探求の楽しみを知る 第三章 PRマン時代、スペイン ~第三志望の就職先、知恵と工夫で仕事を面白がる 再び、第三志望の男/楽しみを見出す、創る/娯楽こそが本業なのだ/初めてのスペイン、一生の出会い/どんな仕事も面白がる 第四章 二足のわらじ、直木賞受賞、サラリーマンと執筆と ~会社員と小説家の兼業をこなす中、生涯書き続ける決心をする 会社員生活の傍ら、小説執筆を再開/プロの感想を聞きたくて/〈兼業作家〉としてデビュー/無理なく続いた「二足のわらじ」/自分にとって最適なリズムで/オリジナルをとことん楽しむ 第五章 多彩、多芸、鍛錬と開花、幅広い交友 ~好きな街に身を置き、リズムとリフレッシュを交え、仕事と長年の趣味に没頭する 日常に、文化の薫りを/永遠のマイブーム/リズムとリフレッシュ/趣味はいつでも見つけられる/愛しの古本コレクション/オーダーメイドの楽しみ/逢坂流・語学上達のコツ/五十を過ぎて、野球チームを結成/いつでも動ける体を維持する/趣味仲間とディープに交流する 第六章 「終活」より「修活」だ! ~断捨離するより愛着品を楽しみ尽くし、争いごとは遠ざけて、上機嫌で過ごす 好き嫌いに忠実に/一番の刺激は、頑張る同世代/終活? まっぴらごめん!/話術はメモから/不便から学ぼう/DIYの楽しみ/デニムを着こなすには/夫婦共通の趣味は食べ歩き/まだまだ捨てたもんじゃないぞ、街中の人情/若き編集者に出した“宿題”/調べずにはいられない!/機嫌よくいる。それが一番/争いごとを引き寄せない/歳をとったら兄弟仲良く/一生勉強!(いや、娯楽気分)/一度きりの人生、好きなことを
  • 本懐
    3.3
    討ち入りの真の目的は――(「親心腹」大石内蔵助良雄)/わが人生は裏切りの連続だった――(「応報腹」織田信長)/幕府御用絵師、衝撃の切腹(「持替腹」)/大政奉還直後若年寄とになった外様大名の策とは(「漸く腹」堀長門守直虎)/おいがもっと早くに死んでおれば――(「漸く腹」西郷隆盛)/死の間際まで、夢枕にたった亡霊の正体は――(「不切腹」今川義元) “切腹の間際”を時代小説の雄が描き出す傑作短編集。
  • 妻は、くノ一 蛇之巻【全3冊合本版】
    -
    主人公の雙星彦馬は平戸藩の御船手方書物天文係の武士で28才独身。航海学や天文学に詳しいが、羽織を裏返したまま登城したりする藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の薦めで、若く美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は新妻にぞっこんになり、生涯大切にすることを誓う。だが、織江は、ひと月後のある日、突然、失踪する。じつは織江は、手裏剣と心術を操る凄腕のくノ一。平戸で密貿易が行われ、藩主松浦静山が黙認しているのではないかという疑念を抱いた幕府お庭番が、織江に平戸を探索させていたのであった。そうとは知らずに、彦馬は、隠居願いを出して、江戸に向かうが……。 ※本作品は『妻は、くノ一』シリーズ全3巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 猫鳴小路のおそろし屋 全3冊合本版
    4.5
    江戸は新両替町にひっそりと佇む骨董商<おそろし屋>。光圀公の杖は四両二分……店主・お縁が売る古い品には、歴史の裏の驚愕の事件譚や、ぞっとする話がついてくる。そしてこの店自体にもある秘密があって……? *本書は『猫鳴小路のおそろし屋』、『猫鳴小路のおそろし屋 2 酒呑童子の盃』、『猫鳴小路のおそろし屋 3 江戸城奇譚』の3冊を合わせた合本版です。
  • 占い同心 鬼堂民斎【合冊版/全5巻】
    値引きあり
    -
    易者にして隠密同心、双つの顔を持つ江戸の新ヒーロー! 市中を騒がす悪事も色恋も、筮竹(ぜいちく)と名推理で一刀両断!  「悩み解決します」の看板を掲げ、芝金杉橋を中心に座る易者・鬼堂民斎(きどう・みんさい)。 二枚目なのに女房には逃げられ、同じ長屋に住む艶(あで)な元深川芸者・亀吉姐さんにも相手にされない34歳。 だが、その正体は南町奉行所の隠密同心であった・・・! 情味豊かなユーモアと推理が冴える、人気シリーズ全5巻の合冊版!
  • 恋の川、春の町
    3.3
    女に愛され、ふざけながら、幕府に挑んだ男。 武士ながら戯作者として人気を博した後、謎の死を遂げた恋川春町。 六人の女を通して描く、その情けなくも愛おしい、不器用な生き様が胸に迫る――。 「妻は、くノ一」著者、全力の自信作! 駿河小島藩の年寄本役・倉橋寿平のもう一つの顔は、江戸で人気の戯作者・恋川春町であった。 戯作者としての矜持は、黄表紙を通じお上を批判しながら、人々を楽しませること。そして探し求めるのは、共に世の中を遊べる“菩薩のような女”――。 しかし、定信による娯楽の規制は厳しさを増してゆく。 女たちと関わりながら、定信からの呼び出しを無視し続ける春町だが、盟友の朋誠堂喜三二は筆を折り、さらに江戸一の人気戯作者の座は若き山東京伝に奪われつつあった。 悩みぬいた春町が辿り着く先は? 笑えて泣ける戯作者魂と恋模様を、洒脱な筆致で描ききった勝負作。
  • 四十郎化け物始末 3冊合本版
    3.0
    元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋の巨大な人魂、そば屋の閻魔、医院の骸骨。次々に依頼が舞い込むが、その正体は……。化け物騒動の裏に見え隠れするのは、あやうい人の心の闇。「心に闇、人が化け物――」今日も四十郎は、そう呟くのだった。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ3冊合本版!
  • 合本版 夢幻(上・下)
    -
    本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。二人の英傑とその後継者の相克を描いた、二部構成の骨太な戦国ドラマ。 【目次】 第一部「夢の天下」 徳川家康  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 苦難の舟出  第三章 動くべきとき  第四章 当主として  第五章 危難の日々  第六章 夢の果て  終 章 第二部「幻の天下」 織田信長  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 混迷する西  第三章 ひとときの休息  第四章 継承の始まり  第五章 坂の途中  第六章 見えた頂  終 章   解 説  細谷正充
  • 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂
    3.3
    元火盗改方与力の祖父と麻布狸穴町で暮らす結寿が、八丁堀同心の妻木道三郎とともに、界隈で巻き起こる事件の謎を解き明かす大人気シリーズ。妻木への初恋を胸の奥にしまい、御先手組の小山田家へ嫁いだ結寿。やがて夫の万之助と心を通わせあい、娘の香苗が誕生。ところが、予期せぬ出来事が婚家を襲う。辛い別れを経て狸穴町へ帰った結寿。懐かしい人々との穏やかな毎日が始まるかと思いきや、かつてのように、妻木とともに様々な事件の解決に走り出すことに。押し込み騒動、花魁殺し、子攫い……。罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れて――。
  • 我、鉄路を拓かん
    3.5
    1巻1,699円 (税込)
    海の上に、陸蒸気を走らせる! 明治の初めに、新政府の肝煎りで、日本初の鉄道が新橋~横浜間に敷かれることになった。そのうち芝~品川間は、なんと海上を走るというのだ。この「築堤」部分の難工事を請け負ったのが、本書の主人公である芝田町の土木請負人・平野屋弥市である。勝海舟から亜米利加で見た蒸気車の話を聞き、この国に蒸気車が走る日を夢見ていた弥市は、工事への参加をいち早く表明する。与えられた時間はたった二年余り。弥市は、土木工事を生業とする仕事仲間や、このプロジェクト・チームを事実上率いている官僚の井上勝、そしてイギリスからやってきた技師エドモンド・モレルとともに、前代未聞の難工事に立ち向かっていく。来たる2022年10月14日は、新橋~横浜間の鉄道開業150年にあたる記念すべき日。この日を前に刊行される本書は、至難のプロジェクトに挑んだ男たちの熱き物語であり、近代化に向けて第一歩を踏み出した頃の日本を、庶民の目で見た記録でもある。
  • 噂を売る男 藤岡屋由蔵
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    江戸の町に、世の理不尽と戦う「情報屋」がいた! その名は、藤岡屋由蔵――。神田旅籠町の一角で、素麺箱に古本を並べ、商売をするこの男が、古本販売を隠れ蓑に売っていたのは、裏が取れた噂や風聞の類。それを買いに来るのは、喉から手が出るほど“情報”がほしい各藩の留守居役や奉行所の役人だった。由蔵が己の仕事として心に刻み込んでいたのは、真実を見極め、記すこと。筆一本で戦う由蔵のもとに、ある日、幕府天文方の役人が逃げ込んで来る。その役人は、日の本を震撼させたシーボルト事件に絡んでいた。しかしその騒動のとばっちりで、由蔵の手下が命を落としてしまう。手下の理不尽な死を許すことができない由蔵は、真実を暴くため、動き始めるのだが……。天下を揺るがす陰謀に、“情報”で挑んだ男を活き活きと描く傑作歴史小説。
  • 家康、江戸を建てる
    4.1
    天正十八年、家康は関白・秀吉から関東二百四十万石への国替えを要求された。そこは、水びたしの低湿地が多い広大な土地。家臣団の猛反対をよそに「関東には、のぞみがある」と受け入れた家康。貧村・江戸を本拠と定め、街づくりに着手。利根川東遷、神田上水、江戸城築城……日本史上最大、驚天動地のプロジェクトが始まった! ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!
  • 号外! 幕末かわら版
    4.0
    嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
  • きりきり舞いのさようなら
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    文政の大火で焼け出された人気戯作者十返舎一九一家。娘の舞を頼りに、亭主の尚武、養子の丈吉、継母のえつ、葛飾北斎の娘お栄と、奇人変人の面々が命からがら逃げ出して、北斎先生の借家でいちから出直す悪戦苦闘の日々。幽霊騒ぎ、盗難騒ぎ、ついには一世一代、十返舎一九の野辺送りと、尽きない騒動に舞の苦難は今日も続く、きりきり舞いの人気シリーズ最新刊!
  • 鳳雛(ほうすう)の夢
    3.3
    幼少時の疱瘡で、化けもののような容姿となった梵天丸。伊達家存続のため、僅か十歳で元服し、伊達藤次郎政宗が誕生した。政宗の醜い右目をくり抜き、初陣へ供したのは腹臣・片倉小十郎景綱。父を人質に取られた屈辱の戦のとき、実母・実弟に毒を盛られたとき、苦難にあった政宗を、慰め、見守り、叱咤したのも常に小十郎だった――。乱れ行く戦国を寵臣との熱き絆で生き切った伊達政宗の生涯を描く感動巨編。
  • 雲霧仁左衛門(前後)合本版(新潮文庫)
    3.0
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。 ※当電子版は新潮文庫版『雲霧仁左衛門』前後巻をまとめた合本版です。
  • 尼子姫十勇士
    3.0
    「尼子は負けぬ。出雲はわれらのものじゃ」神の化身八咫烏に導かれ、滅亡した尼子(あまご)氏残党が姫のもとに結集。〈出雲国奪還〉の戦いが始まった!室町後期。応仁の乱に際し出雲国の大半を手中におさめ、山陰山陽に強大な勢力を築いた戦国大名・尼子氏。永禄9年(1566)、毛利軍の猛攻を受けた尼子軍は本拠地の月山富田城を開城して降参、ここに尼子は滅亡する。 物語はその2年後の永禄11年、秋たけなわの京の都からはじまる――。 歌舞伎、講談などで日本人に親しまれてきた物語に新たな生命を吹きこんだ、著者初の壮大な歴史ファンタジー!! ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 麻阿と豪
    4.0
    1巻1,799円 (税込)
    時は戦国。加賀一帯を支配する大名・前田利家の娘であったが故に、波瀾の人生を歩むことになった麻阿と豪――。麻阿は、柴田勝家の猶子に嫁ぐため、北ノ庄城にいたのだが、豊臣秀吉に攻められ、城から命からがら逃げ出す。そんな麻阿に待っていたのは、前田家のため、秀吉の妻になるという運命だった。一方、妹の豪は、秀吉の養女として蝶よ花よと育てられた後、秀吉子飼いの大名・宇喜多秀家に嫁ぐ。絵に描いたような幸せな人生を送っていたのだが、関ヶ原の合戦を機に運命が暗転する。姉妹は、時に反目しながらも、助け合い、前田家生き残りのため、子供たちのため、様々な苦難を乗り越えていく。時代に翻弄されつつも、生き延びていった姫たちの目から乱世を描いた傑作歴史長編。ベテラン作家が紡ぎ出す、姫ふたりのバディ小説。
  • 最後の甲賀忍者
    NEW
    3.0
    幕末・ミッション・インポッシブル! MISSION 『幕末最後の戦いで見事活躍し、甲賀忍者ここにありと知らしめ、武士の地位を獲得せよ!』 幕末、江戸幕府が大政奉還をし、旧幕府と薩摩・長州の間で大きな戦が起ころうとしているその時、〝元〟忍びの里・甲賀は揺れていた。忍びとして戦国では大いに活躍したにもかかわらず、戦がなくなると時の権力者たちは難癖をつけて身分と領地を没収。気づけば忍びの術は失われ、百姓として困窮するまでになっていた。そんな折の大戦。忍びの技を再び世に示し、甲賀忍者ここにありと知らしめれば、武士の身分につけるのでは――。そんな願いのもと、集められた甲賀の里の若者たち。その中でも、鬼っ子・山中了司、宮司見習い・安井金左衛門、箱入り息子・大原伴三郎、誇り高き血筋・鵜飼当作、少々年の行った薬術師・間瀬勘解由の五人組は喧嘩ばかりのはちゃめちゃで!? 幕末を駆け抜けた「最後の忍者」の活躍を描くノンストップ・エンターテインメント時代小説!
  • 商い同心 人情そろばん御用帖
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    偽物?ご禁制?値段が高すぎる! 物の値上がりを取り締まる 商い同心・澤本神人が 算盤と人情の謎解きで 江戸の暮らしを守り抜く! 名手の傑作時代小説! 浅草に現れた評判の女易者を「いんちき」と断ずる男の言い分は?(「女易者」)。 高価なはずの薬用人参が安値で売られている。本物か、重罪となる偽薬なのか…(「御種人参」)。 北町奉行所で市中の物の値が適正かどうかを調べ、 無許可の出版物等の差し止めを行う諸色調掛同心(しょしきしらべがかりどうしん)・ 澤本神人(さわもとじんにん)が子分の庄太と江戸の商売の不正と謎を暴く。 次々起こる事件には、なぜか元南町奉行・跡部良弼(あとべよしすけ)の影が…。 【目次】 「女易者」 「母子像」 「御種人参」 「口入れ屋」 「落とし穴」 「五方大損」
  • 鎌倉残影 歴史小説アンソロジー
    3.6
    2022年の大河ドラマで描かれた、いくつもの野望と愛が交差する鎌倉時代。そんな武士の世への転換点を駆け抜けた人々――源頼朝、北条政子、後鳥羽上皇、和田義盛、そして北条義時。歴史小説の名手たちが彼らの面影を丹念に描き上げた珠玉の小説集! 義時の恋が、政子の激情が、鎌倉の光景をありありと蘇らせる。
  • ブラック・ムーン
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    祖国を無くしても、記憶を失っても、 染みついた誠だけは消えない。 「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ、至高のエンターテインメント! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。頭部に被弾し記憶を失った土方は、内藤隼人と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともにアメリカ西部へと渡る。 隼人は自らの命を狙う元新撰組隊士・高脇との決闘の末、谷底に落下した。 瀕死の隼人を救ったのはトウオムア(黒い月)と名乗る謎の女性。彼女の目的は一体? そして隼人の行方不明により、ゆら、ピンキー、ボナーらにも、大きな転機が訪れる。 サムライたちの旅は、いよいよ佳境に迫る!
  • 天災ものがたり
    3.6
    地震、津波、火事、飢饉、豪雪、火山の噴火、河川の氾濫……。日本史上に起こった大災害を直木賞作が克明に記した圧巻の連作短篇小説集。 (以下、収録作品) 江戸時代初期「囚人」・・・時は明暦。小火に始まる火事はからっ風のあおりを受けて、江戸を焼き尽くす。その時、小石川の牢屋に入っていた男を救った奇跡とは? 明治時代「漁師」・・・百二十七年前に東北を襲った三陸沖地震。その復興に至る道のりは、現代社会の防災上の大きな教訓と学びとなった。 昭和「小学校教師」・・・昭和三十八年。新潟から上京する列車に乗った女性教諭を襲ったのは、記録的な豪雪だった。これは、天災だけでなく、発達した交通網による人災の記録でもある。 (ほか3篇)
  • ゆうびんの父
    4.2
    何も持っていなかったから、走り続けることができた。誰もが心通わせられる世にどうしてもしたかった――。歴史小説界のトップランナーが郵便制度を創設した前島密を鮮やかに描き切る感動長編!郵便制度の祖と呼ばれ、現在では一円切手の肖像にもなっている前島密。だが彼は士農工商の身分制度の影響が色濃く残る時代にあって、代々の幕臣でも薩長土肥の藩士出身でもなく農家の生まれだった。生後すぐに父を亡くし、後ろ盾が何もない。勉強を誰よりしても、旅をしていくら見聞を広めても、なかなか世に出ることができなかった。そんな苦悩を乗り越え、前島は道をどう切り開いたのか。そして、誰もが想いを届けられる仕組みをいかにしてつくったのか。
  • 文豪、社長になる
    4.0
    1巻1,900円 (税込)
    史上最も愛された文豪/社長のすべて100年企業の土台は、人望。それだけ! 1923年、 大ベストセラー作家・菊池寛の手によって 文春は産声をあげた。 「楽しいんだ。菊池さんと仕事してると。それだけっ」 仕事が、仲間が、人生が愛おしくなる 2023年最高の感動歴史長篇。 文藝春秋創立100周年記念作品。 (あらすじ) 芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、 菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。 読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。 しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。 芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、 戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。 激動の時代に翻弄されながらも、文豪として、社長として、 波乱に満ちた生涯を送った寛が、最後まで決して見失わなかったものとは――。 『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、圧倒的カタルシスの感動作。

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